久しぶりにフジヤエービックに行くチャンスがあったであれこれ試聴する。
Acoustune HSX1001 C:02M:02
まずは一番気になっていたこれ。期待通り、理想の音に最も近い。好みの音としてこれを凌ぐのは final の Proto1ぐらい。シングルエンドでも HS1300SS+ARX220 を軽く上廻る。輪郭の明瞭な音をバランス良く聴かせる。音にリアリティがある。存在感がはっきりしている。これはとにかく買う。
本来は無線イヤフォンの HSX1001-迅用交換音響チャンバー+ケーブルなのだが、本体より人気らしい。確かにこの剥出しの外観がひどくカッコいい。音もこのツラにふさわしい。
Sivga Que UTG
鳴り方は上記機種に近い。好みではあるが、上記に比べると若干甘いところがある。弦は良い。擦弦、撥弦、どちらもいい。フルートもいい。声は上に讓る。
final DX6000
今一つピンとこない。デッドではなく、クラシックを聴くべきだったか。final の製品はぱっと聴いても良さがぽんとわかるものではないのが困る。試聴用に貸出してくれないかと思う。
Grado Signature S950 + FiiO K17
まあまあ。
Grado Signature S950 + DCHP-200
いや、これが実力でしょう、S950の。こうこなくっちゃ嘘だよ。完全に化けた。ヘッドフォン・アンプの実力が違う。これはまことに素姓の良いアンプ。マス工房のアンプ、バクーン・プロダクツのアンプを持っていなければ買うところだ。ただ、少々奥行が長い。これと Grado でデッドを聴くのは快感。予想通り、HS100 よりもこちらの方が好み。装着感もこちらの方が良い。デッドのみならず、アメリカンはすばらしい。トラウム兄弟もいいし、マリア・マルダーには降参。声が聴こえてきた途端、背筋がぞぞぞっとした。
オーディオデザインのヘッドフォン・アンプを聴けたのは収獲。メーカーの名前は聞いたことがあるが、製品は見たこともなかった。聴けてよかった。この音なら俄然メーカーが何者か、気になってくる。
というので、サイトに行き、あれこれ見てまわり、YouTube の動画も何本か見てみる。外部クロック・ジェネレータの話、100万円のヘッドフォンの話、いずれも面白い。説得力もある。この人に final のヘッドフォンを聴いてもらいたい。
それにこの大藤さんは音楽を生で聴いている。クラシックもジャズもポップスも聴く。ダメなものはダメと言うし、良いものは無名でも誉める。薩摩島津の島津さんと同じく、音楽を生で聴いている人の作る機械は信用できる。
会社を紹介する動画も面白い。売上の推移まで出すのには驚いたが、自信の現れでもあろう。社内紹介の動画、アンプを作るのがひどく難しいという話に感心する。音を最優先して、作りやすさを考えなかったからだ、というのに納得。ヘッドフォン・アンプも作りにくいのだろうか。
あなたが死んだらどうなるという質問をよく受けるというところに大笑い。そう訊く人は大抵大藤さんより年上。人より先にご自分の心配をなさった方が、とは言えない。
あなたが死んだらどうなるという質問をよく受けるというところに大笑い。そう訊く人は大抵大藤さんより年上。人より先にご自分の心配をなさった方が、とは言えない。
しかし、すでにマス工房 model 433 があるから、もう1台似たようなものは要らない。音は違うはずだが、方向性、性格は共通するだろう。オーディオデザインがポータブルを出しても Bakoon/SCL HDA-5230Mk2 があるから、これも要らない。すると買うものがない。電源くらいか。電源も Analog Squared Paper の電源ボックスがある。ミュージックサーバーは面白いかもしれない。それよりは現行の DCDAC-180 が2019年発売なので、そろそろ新しい DAC が出てもいい。そちらに期待しよう。ちょうど本当に良い DAC が欲しくなってきてもいる。できればポータブルかセミ・ポータブルがいいんだが、本当に音が良ければ、デスクトップでもいい。といって、ウン百万もするものや、ばかでかいものは御免だ。(ゆ)