昨日で大腸がんの開腹手術を受けてから丸5年経過しました。この間、再発、転移の徴候はなく、まず大腸がんは治ったといえることになります。
抗がん剤治療の後遺症は、意識してみると足先の痺れはまだ残っているなというのと、体の表面があちこちいきなり痒くなるのがあります。後者は抗がん剤なのか、老化現象かわからないですが。
ほっとしたというよりは、不思議に生きながらえた、という想いです。手術前に言われた最悪のケースならば、とっくにこの世におさらばしていたわけで、そうならずにここまでこれたのはやはりありがたい。どんなクソったれな世の中でももう少し、生きられるところまでは生きていたい。手術後1年くらいは、とにかく生きていること、まともにものが食べられて、それがきちんと排泄されることだけで嬉しかったものですが、だんだん慾が出てきました。お迎えがいつ来てもいいというよりは、今日はまだ来てほしくないという方が強いです。
心がけているのは無理はしない。動作はゆっくり着実に。適度の負荷をカラダとココロに毎日かける。エレベーター、エスカレーターは使わず、階段はチャンスと思う。歩幅を大きめに意識して歩く。野菜を多く、肉は少なく、緑茶を粉にして飲む、夜9時過ぎたらものを食べない。竹踏みは毎日欠かさない。水分をとる。
これで効果があるぞ、と大声で言えるようなことはありませんが、こういうことをしている方が気持ちがよい、調子が良いと思えるようにはなりました。
課題としてはもう少し歩くのを増やしたい。毎日歩いてはいますが、4,000歩前後で、長時間歩くのを増やしたい。入院する前は1万歩以上、ほとんど休まずに歩くことも多く、すれすれでセーフだったのもそのおかげかとも思っています。歩くといろいろ発見もあって楽しいんですが、本を読みながらは歩けないのでねえ。
肉食が増えて、わが国でも大腸がんは増えているそうです。自覚症状が無いことが多いので、健康診断はきちんと受けましょう。ぼくも腸閉塞になるまで、自覚症状はまったくありませんでした。少なくともおなかがおかしいという自覚はありませんでした。それと野菜を食べましょう。野菜が高いとかいったって、がんになるよりはマシじゃないですか。スイーツはなるべくフルーツを。シュークリームよりリンゴの方が安い。"An apple a day keeps the doctor away." という諺もあります。
手術前に言われた最悪のケースというのは、がんが腸から外へ出て、がん細胞が腹腔内に飛び散った状態です。がん細胞が腹腔内に散っているかどうかは開腹してみないとわからないそうです。ぼくの今回の場合はがんは腸を破って外へ出ていましたが、まだまとまっていて、飛散してはいませんでした。腹腔内に溜まっていた水の中にもがん細胞はありませんでした。またがんが1ヶ所だったことも幸いだったでしょう。
現在わが国では二人に一人はがんにかかると言われて、がんは特別な病気ではなくなりました。またぼくのように治ることも珍しいことではない。とはいえ、やはりならないですめばその方がいいものではあります。抗がん剤治療というのはほんとうに「治療」といえるのかという疑問も残りました。
近所には別々の部位のがんの摘出手術を3回受けた人もいます。元気に飛びまわっておられます。それに比べればぼくなどはかけだしですが、こればかりはかけだしで終りたいものであります。(ゆ)