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30 Days Of Dead 2022 概要
毎年恒例、11月一杯かけて公式サイトがグレイトフル・デッドの未発表のライヴ音源を毎日1トラックずつ無料でリリースする《30 Days Of Dead》が今年も無事終りました。今年で12年。来年はあるか、と毎年思いますが、続いてますね。なお、この30本は来年1月末くらいまではダウンロードできます。
2022 年は
1966-02-06, Northridge Unitarian Church, Los Angeles, CA
から
1994-10-19, Madison Square Garden, New York, NY
までのショウから選ばれています。
合計7時間36分46秒は昨年の7時間44分08秒に次いで歴代2位。7時間を超えたのは2回目。
昨年以来、1本のショウから複数曲を選ぶ形が増えました。かつては途切れなしに続くものにほぼ限られていたんですが、間が切れているものも選ぶようになりました。今年は03、18、22、24、25、26、28日がそれです。
17日、1966-02-06, Northridge Unitarian Church, Los Angeles, CA はこれまでの《30 Days Of Dead》の中で最も早い時期のショウ。Northridge Acid Test として知られるこのショウは日付と場所がわかっているデッドの録音として最も古いものです。
登場したショウの年別本数。
66 1
67 0
68 0
69 1
70 2
71 1
72 1
73 1
74 1
76 1
77 1
78 2
79 3
80 1
81 1
82 0
83 1
84 1
85 0
86 0
87 1
88 0
89 2
90 0
91 2
92 1
93 2
94 2
95 0
最短のトラック
17日 Mindbender (Confusion's Prince), 1966-02-06, Northridge Unitarian Church, Los Angeles, CA, 2:37
最長のトラック
07日 The Other One> He's Gone> The Other One, 1972-10-24, Performing Arts Center, Milwaukee, WI, 36:50
従来のものとダブったのは5曲。
初日 Passenger; 1979-05-07, Allan Kirby Field House, Lafayette College, Easton, PA は2013年、
06日目 Feel Like A Stranger> Bertha; 1994-10-19, Madison Square Garden, New York, NY は〈Feel Like A Stranger〉が昨年、
09日目 Playing In The Band> Crazy Fingers; 1989-12-27, Oakland-Alameda County Coliseum Arena, Oakland, CA は2018年、
14日目 China Cat Sunflower> I Know You Rider; 1991-03-24, Knickerbocker Arena, Albany, NY は2017年
の各々《30 Days Of Dead》ですでに出ています。
15日目 Help On The Way> Slipknot!> Franklin's Tower; 1994-10-01, Boston Garden, Boston, MA は《30 Trips Around The Sun》でリリース済み。
今回初めて録音が《30 Days Of Dead》でリリースされたショウは以下の13本。
1966-02-06, Northridge Unitarian Church, Los Angeles, CA
1969-10-25, Winterland Arena, San Francisco, CA
1970-02-27, Family Dog at the Great Highway, San Francisco, CA
1972-10-24, Performing Arts Center, Milwaukee, WI
1979-12-01, Stanley Theatre, Pittsburgh, PA
1979-12-07, Indiana Convention Center, Indianapolis, IN
1980-05-31, Metropolitan Sports Center, Bloomington, MN
1984-04-16, Community War Memorial Auditorium, Rochester, NY
1987-09-15, Madison Square Garden, New York, NY
1989-02-06, Henry J. Kaiser Convention Center, Oakland, CA
1992-06-12, Knickerbocker Arena, Albany, NY
1993-03-10, Rosemont Horizon Arena, Rosemont, IL
1993-03-11, Rosemont Horizon Arena, Rosemont, IL
今回ちょと面白いのは16、17、18日のショウの日付を12-06、02-06、02-06と並べたこと。選んでみたら揃ったので並べてみたんでしょうか。
さらに16日目のヴェニューは Rosemont Horizon Arena, Rosemont, IL で、同じヴェニューの1993年03月の30日、31日からも選んでいます。ある程度意図的ではないかと勘繰ります。この会場ではこの1981年に初めて演奏し、1988、1989、1993、そして1994年03月18日まで計13回演奏しています。88年以後はいずれも三連荘。1980年にシカゴ・オヘア空港近くにオープンした多目的アリーナで、定員はコンサートで18,500。現在は Allstate Arena の名称。
もう一つ、14日と21日は同じ1991-03-24, Knickerbocker Arena, Albany, NY からのセレクションで、同じショウから二度選んだのは初めて。
とどめに〈Black Peter〉が26日と最終30日にありますが、どちらも同じFamily Dog at the Great Highway, San Francisco, CA がヴェニューで、しかも前者1970-02-28、後者がその翌日03-01のショウ。同じ曲が2日連続のショウからリリースされたのも《30 Days of Dead》史上初。この違いを聴くのもデッドを聴く愉しみのひとつです。
登場した楽曲は延54曲。うち2回登場は以下の10曲。
Althea
Bertha
Black Peter
China Cat Sunflower
I Know You Rider
Feel Like a Stranger
He's Gone
Playing In The Band
Tennessee Jed
The Other One
重複を除いたレパートリィは44曲。
Althea
Bertha
Bird Song
Black Peter
Black-Throated Wind
Brown-Eyed Women
Candyman
Cassidy
China Cat Sunflower
Crazy Fingers
Dark Star
Dire Wolf
Dupree's Diamond Blues
Eyes Of The World
Feel Like A Stranger
Franklin's Tower
He's Gone
Hell In A Bucket
Help On The Way
I Know You Rider
I Need A Miracle
Jack Straw
Lazy Lightning
Little Sadie
Looks Like Rain
Might As Well
Mindbender (Confusion's Prince)
My Brother Esau
New Speedway Boogie
Passenger
Playing In The Band
Samson and Delilah
Scarlet Begonias
Slipknot!
Stagger Lee
Sugar Magnolia
Sugaree
Supplication
Tennessee Jed
That's It For The Other One
The Music Never Stopped
The Other One
To Lay Me Down
Truckin’
今回新たに《30 Days Of Dead》でリリースされた曲は無し。12年もやっていれば、一度でも登場した曲は122曲になり、これといった曲は出てしまっています。
さて、では、一つずつ、じっくりと、いただきまーす。(ゆ)
好きな音
01月10日・月祝
Titta の良いのは反応が速く、ドラムスやギターの立上りの音がシャープで際立つのが快感なのだ、と気がつく。このキレの良さと人間の声の艷、艷気が両立している。こういう音をもっと聴きたい。ヘッドフォンでこういう音のものはあるか。
##本日のグレイトフル・デッド
01月10日には1970、78、79年の3本のショウをしている。公式リリースは1本。
1. 1970 Golden Hall, San Diego Community Concourse, San Diego, CA
これだけ、独立したショウ。1時間半の一本勝負。指定席3.50、4.00、4.50ドル。開演8時半。サヴォイ・ブラウンと AUM が共演。
9曲目〈Black Peter〉が《The Golden Road》で、8曲目〈Mason's Children〉が2010年の《30 Days Of Dead》でリリースされた。
後者は所有せず。前者はガルシアの歌が聴かせる。およそロックらしくない、ブルーズではないスローなこういう曲を、歌だけで聴かせる芸当をデッドはできる。〈Black Peter〉は1969年12月04日、フィルモア・ウェストで初演。トータル347回の演奏は、回数順で27位。スタジオ盤は《Workingman' Dead》。一見陰々滅々の歌だが、ガルシアが歌うと希望の歌になる。ガルシアはこの歌、あるいは〈Wharf Rat〉のような歌を希望の歌として歌う。〈Loser〉はまた別で、あそこに救いは無い。それが良いのだ。救いの無いところから生まれるペーソスが胸に沁みる。ピーターも、オーガスト・ウェストも、〈負け犬〉の語り手も、いずれもあたしらの分身だ。ピーターやオーガスト・ウェストには再起してほしい。だが、負け犬は、こいつはとことん負け続けるとわかる。"I've got no chance to lose this time." とつぶやく男を見て、ああ、次も負けるなと思うと嬉しくなる。なぜだろう。
〈Wharf Rat〉は397回で19位。スタジオ盤収録無し。〈Loser〉は351回で25位。スタジオ盤はガルシアの1971年ソロ・ファースト。
サヴォイ・ブラウンはロンドンのブルーズ・ロック・トリオでアメリカで成功する。が、1967年のファースト《Shake Down》はアメリカではリリースされず、1969年に相次いで出した2枚《Blue Matter》と《A Step Further》で認められた。わが国ではフリートウッド・マック、チッキン・シャックとともに英国三大ブルーズ・バンドと呼ばれた。チッキン・シャックは短命、フリートウッド・マックは路線転換したが、サヴォイ・ブラウンは現在までブルーズ・バンドとして活動している。
Aum は1968年にサンフランシスコで「発見」されたブルーズ・ロック・トリオで、写真家の Jim Marshall がそのライヴを見て、ビル・グレアムに紹介し、フィルモア・ウェストの Sounds of the City オーディションで聴衆をノックアウトした。2枚のアルバムがある。セカンドの《Bluesvibes》は録音をアンペックスの Ron Wickersham が担当し、カヴァーをアルトン・ケリィが手掛けている。
とすると、主催者はデッドもピグペンをフロントとしたブルース・ロック・バンドと見ていたのかもしれない。
2. 1978 Shrine Auditorium, Los Angeles, CA
このヴェニュー2日連続の初日。6.50と7.50ドル。開演7時半。2日目は追加公演。
ガルシアの喉頭炎は多少良くなって、少しは声が出るようになった。演奏はまだ弱い声をカヴァーするようにすばらしいもののの由。
3. 1979 Nassau Veterans Memorial Coliseum, Uniondale, NY
9.50ドル。開演8時。開演時外気温零下12度。チャック・ベリーの誕生日でアンコールは〈Johnny B. Goode〉。
ここでは1973年春と秋に5回演奏した後、これが5年ぶりの復帰。前回は、警察があまりに多数のファンを逮捕したので、嫌気をさして、もう2度とここではやらないと宣言した。これ以後、ここでは1980年代後半を除いてコンスタントに演奏し、計42本のショウをし、うち10本が公式リリースされている。
施設は空軍基地の跡地に1972年02月オープンした多目的屋内アリーナで、定員はコンサートで15,000。何度か改修、拡張を経て、現役。ホッケーの New York Islanders の本拠。バスケットの New York Nets も一時ここを本拠としていた。場所はニューヨーク市クィーンズ東端から11キロというから、東京駅から舞浜駅までよりちょっと近い。(ゆ)
デッドとフェスティヴァル
ウッドストックの言い出しっぺの一人 Michael Lang が8日に77歳で亡くなったというニュース。4人の創設者の中では、最もアクティヴに関っていたようにみえる。1944年12月生まれだから、ガルシアより2歳下、ハートの1歳下、クロイツマンの1歳半上。1969年のウッドストック当時25歳。
デッドもウッドストックに出てはいる。が、演奏に満足できず、映像、録音のリリースは断った。昨年出たフェスティヴァル全体の録音の完全版ボックス・セットに初めて演奏の全貌が収められた。もっとも、全部を買わせようという商魂が嫌で、あたしは買わなかった。デッドのせいではないにしてもだ。
デッドは多数のアクトが限られた時間で演奏するフェスティヴァル形式は苦手で、ウッドストックの前年のモンタレー・ポップ・フェスティヴァルにも出てはいるが、演奏はすばらしかったという評価もある一方で、ザ・フーとジミヘン、オーティス・レディングとジャニス・ジョプリンの間で、影は薄い。
オルタモントは会場入りしたものの、雰囲気のあまりの殺伐さに嫌気がさして、ステージに上がらずに引き揚げた。
フェスティヴァルの演奏で良かったのは、1982年ジャマイカでの Jamaica Wold Music Festival ぐらいのようだ。この時は出演者が誰も彼も時間にルーズで、スケジュールは押しに押し、初日トリのデッドがステージに上がったのは午前3時、というからデッドには合っていた。
集めた聴衆の数では1973年07月28日、オールマン・ブラザーズ・バンドとザ・バンドと合同で Watkins Glen に60万人を集め、史上最大のロック・コンサートと言われる。単独では1977年09月03日、ニュー・ジャージー州の Raceway Park に単独で10万人を集めた。これはこの年、ハートの自動車事故のために夏のツアーができなかったお詫び(?)のショウ。こちらは《Dick's Picks, Vol. 15》として公式リリースされた。ちなみにこれは Dick LatVala が手掛けた最後の《Dick's Picks》。リリース直前にラトヴァラが急逝したため、現在のアーカイヴ管理者のデヴィッド・レミューがこの後を引き継いだ。
##本日のグレイトフル・デッド
01月09日には30年間で一度もショウをしていない。まったくショウをしていない日が365日のうちに4日ある、その1つ。前に2日と書いたが、ふたつ見逃していた。(ゆ)
Listen To The River; Grateful Dead
それにしても半世紀前の録音がつい昨日録音されたもののように聴けるのはテクノロジーの恩恵ですなあ。これらのショウが行われていた当時、半世紀前の録音といえばSP盤しかなかったわけで、レコードを手に入れるのも、それを再生するのも、えらく苦労しなければなりませんでした。(ゆ)
