クラン・コラ・ブログ(アイルランド音楽の森)

 アイリッシュ・ミュージックなどのケルトをはじめ、世界各地のルーツ音楽を愉しむブログです。そうした音楽の国内の音楽家も含みます。加えて主宰者の趣味のグレイトフル・デッド。サイエンス・フィクション、幻想文学などの話もあります。情報やメモ、ゴシップ、ただのおしゃべりなどもあります。リンク・フリーです。

タグ:インク

04月18日・月
 台湾にアンプを返送するラベルを印刷しようとするとインク切れ。いざ必要な時に限って無くなる、というのは何かの法則だったか。おまけに買ってあったものは合わないと判明。やむなく町田のヨドバシカメラまで往復。帰って送り状をプリント・アウトして、郵便局の集荷依頼に電話するがつながらない。録音の声が、ただいまたいへんこみあっております、しばらくたってからおかけなおしください、と言って黙りこむ。のでネットから申込む。


##本日のグレイトフル・デッド
 04月18日には1969年から1987年まで7本のショウをしている。公式リリースは2本、うち完全版1本。

1. 1969 Memorial Union Ballroom, Purdue University, Lafayette, IN
 金曜日。前売2.50ドル、当日3.00ドル。開演8時、終演11時。ポスターはピグペンだけの写真。

2. 1970 Family Dog at the Great Highway, San Francisco, CA
 土曜日。このヴェニュー3日連続のランの中日。全体が《Family Dog at The Great Highway, San Francisco, CA》でリリースされた。シングル CD と2枚組LPが2013年のレコードストア・ディ向けにリリースされた。実質グレイトフル・デッドにニュー・ライダーズ・オヴ・パープル・セイジのジョン・ドーソンとデヴィッド・ネルソンが加わったアコースティック・セット。また全17トラックのうち、最後の6トラックはピグペンのソロ。さらにそのうち最後の3曲〈Roberta〉〈Walk Down The Street〉〈Flood〉はこれがデビュー。
 この録音は、2012年夏、キャロライン・ガルシア、通称マウンテン・ガールが発見したジェリィ・ガルシアの古いテープの箱の中の1本。アウズレィ・スタンリィの録音。この時まで、存在が知られなかったもの。

3. 1971 Lusk Field House, State University Of New York, Cortland, NY
 日曜日。先着4,000名3.75ドル、以後4.75ドル。開演8時。コートランドはニューヨーク州アップステートの一角で、コーネル大学のあるイタカの東北東25キロほどの街。ここで演ったのはこの時のみ。
 会場は第二次世界大戦中飛行機工場だった建物を移したもの。床は貼りかえたばかりだったが、コンサートの最中、焚き火をした者がいて、以後、しばらくここでのコンサートは禁止になった。ウィアは
「あんたは当面気持ちいいかもしれんが、これから長い間、他の人たちは困ったことになるんだぜ」
とたしなめた。
 また照明係がなぜか、客電を点けたままにしたので、バンドも聴衆も怒った。バンドは何度も落とすように言い、その時は落とすのだが、曲の途中でまた点けることを繰返した。ついにピグペンが「消したままにしておけ、さもないと放り出すぞ」と最後通牒をつきつけた。
 ショウそのものはすばらしかった由。

4. 1978 Pittsburgh Civic Arena, Pittsburgh, PA
 火曜日。7.75ドル。第二部4曲目〈Samson And Delilah〉が2018年の、第一部2曲目〈Looks Like Rain〉が2020年の、《30 Days Of Dead》でリリースされた後、第一部2曲目〈Sugaree〉とクローザーまでの3曲、それに第二部6曲の全部が《Dave’s Picks, Vol. 37》でリリースされた。全体の4分の3がリリースされたことになる。

5. 1982 Hartford Civic Center, Hartford, CT
 日曜日。このヴェニュー2日連続の2日目。11.50ドル。開演7時。Space でレシュがヴォーカルも混じえてサンフランシスコの地震を再現した。

6. 1986 Berkeley Community Theatre, Berkeley, CA
 金曜日。このヴェニュー4本連続のランの初日。25ドル。開演7時半。レックス財団の資金調達ベネフィット。

7. 1987 Irvine Meadows Amphitheatre, Laguna Hills, CA
 土曜日。このヴェニュー3日連続のランの中日。開演7時半。ここは屋外だが、チケットには雨天決行とある。この頃からファンの急増が問題になりはじめる。具体的には、チケットのない連中が多数詰めかけ、数にまかせて無理矢理押し入ることが頻繁になる。この日は特にひどかった。Gate Crasher と呼ばれるこの連中のふるまいで、警備が強化され、また周辺でのキャンプも禁止される。この日、地元警察はヘリを飛ばして、地上をスポットライトで照らした。その余波はステージにもかかり、ガルシアはまぶしさのあまり、〈Morning Dew〉を途中でやめた。(ゆ)

duc note 久しぶりに上京したので、東京駅丸の内口オアゾの丸善に行く。まっすぐ文具売場に上がって、ダック・ノートを買う。このところメインのノートになっているので、ひとつの上のサイズを買う。いま使っているのはB6で、このサイズには方眼は4ミリしかない。一つ上は、正方形に近い、不思議なサイズで、方眼は4ミリと8ミリの2種類。見くらべてみて、8ミリのものはどうも使いにくそうだったので、4ミリにする。さらに上の、いちばん大きなサイズは、形は同じでそのまま1.5倍ぐらいの大きさで、こちらでは8ミリしかない。この大きさはふだんもって歩くにはいかにも大きすぎる。学校ではB5判で平気だったのだが、小さめのほうが使い勝手がよいというのは、真理か、人間が小さくなったのか。

 ダック・ノートに較べると、他のノートはモールスキンも見劣りがする。中の紙や製本はもちろんなのだが、表紙の布張りがよい。手触りが抜群。ざらりとしているが、品格がある。色もシック。さらによいのは、どちらの表紙も表にできることだ。右開きにしたとき表になるほうの右片隅に、小さく "MARUZEN" と入っているだけなのである。右開きで縦書きに使いたいのだが、国産の方眼ノートでも、左開きを前提につくられている。今のところ、例外には出遭っていない。伊東屋が和綴じのノートを出しているが、あろうことか、左開きである。和綴じのノートに横書きで書けというのだ。和服でオリンピックの百メートル走に出ろ、というのか。

 パソコン、ワープロで横書きはまだわかる。しかし、日本語の文字はどれも縦書き用にできている。横組み用の日本語フォントのデザインや、レイアウト・ソフトが字組、行組でみんな苦労しているのはそのためだ。屋名池誠の『横書き登場―日本語表記の近代』が明らかにしているように、明治に横組みが生まれるまで、生まれてから千年以上、日本語はすべて縦に書かれ、組まれていた。日本語は縦に書くときにいちばん楽に書けるし、また読めるのも理の当然だ。横組みの普及は日本語の柔軟性の現れではある。が、日本語の生理には反している。本質的に無理をしている。そのことは忘れるわけにはいかない。

 とはいえ、このご時世である。左開きのノートを作れ、というのは無理難題の部類に入るだろうことは承知している。しかし、どちらからでも使える、ぐらいのデザインはできるはずだ。それがただのひとつも無いとは、なにか大切なものを脇に置いていないか。

 丸善のダック・ノートは、その中で、どちらからでも使える形に一番近い。これを見つけたときには、安堵感のあまり、気を失いそうになった。

 今のところ、唯一の欠点は、ネットで買えないことである。丸善の法人向けサイトでは買えるようだが、個人での登録はできない。手に入れるためには、丸善の店舗まで出かけていかねばならない。まあ、ひとつぐらい、そういうものがあってもよかろう。なんども足を運ぶのがどうしてもできないなら、行けるときに大量に買って、送ってもらえばよい。

 これに書くのは丸善の「エターナル・ブルー」を入れたペリスケ。このインクは日本橋店を改装したときに、記念に発売したもの。そろそろ無くなるので補充しようとインク売場に行くが、見あたらない。店員に聞いたら、もともと500個限定発売だったのだそうだ。ただし、注文していただければ作ります、という。あちこちの文具店でオリジナル・インクを売るのが流行のようになっているが、これはみなセーラーが作っている。「エターナル・ブルー」もセーラーのインク・ブレンダーとして有名な石丸氏のオリジナル作品だそうだ。注文があると、特注して作ってもらう由。特注だが、一個から注文可能で、価格は2,100円。容器の形は変わったそうだが、容量50ccも同じ。これもこの店まで買いに来なければならないから、交通費を足せば3,500円ぐらいにはなるが、それだけの価値のあるインクではある。

 「エターナル・ブルー」はコバルトとブルー・ブラックの中間の色だと思うが、コバルトほど浮つかずにおちつきがありながら、ブルー・ブラックのように沈みこまない。そのバランスが絶妙。書いた直後と時間が経ってからの色の変化が少ない。書いていて、じつに気持がよいし、後で読みかえすときにも視認性がよい。白い紙でもよいが、ダック・ノートのクリーム地にまたよく合う。

 セーラーの石丸氏はインク工房として全国を回っているので、そこに行けば作ってもらえるかもしれない。

 ペリスケと「エターナル・ブルー」の組合せはなぜかはまっている。ペリスケはとくに優れたペンではないかもしれないが、妙に手になじむ。万年筆は使っているとペン先が磨かれて手の癖に合ってくるというが、これがそうなのか。いま使っているペリスケはペン先の製造にミスがあるらしく、一ヶ所引っかかってインクがかすれるところがあるのだが、気にしないでふだん使いに使っていたら、いつの間にか手放せなくなってしまった。(ゆ)

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