クラン・コラ・ブログ(アイルランド音楽の森)

 アイリッシュ・ミュージックなどのケルトをはじめ、世界各地のルーツ音楽を愉しむブログです。そうした音楽の国内の音楽家も含みます。加えて主宰者の趣味のグレイトフル・デッド。サイエンス・フィクション、幻想文学などの話もあります。情報やメモ、ゴシップ、ただのおしゃべりなどもあります。リンク・フリーです。

タグ:カタルーニャ

 午前中、モザイク新譜ライナーの準備続き。

 〈Carrowclare〉の源流エディ・バチャー Eddie Butcher の歌唱が
〈Killyclare〉として《THE VOICE OF THE PEOPLE》Vol.4 に入っていた。
すばらしい歌唱。
Leader 盤と同じ1955年の録音。
確かにアメリカに渡る前に男が結婚を申込み、
めでたく結ばれた2人はいまアメリカにいるというハッピー・エンディング。
このバチャーの歌唱だと、何の違和感もなく、すとんと腑に落ちる。
ラスト2連の歌詞はバチャー自身のペンになるそうで、なかなかの詩人でもある。
この人は1900年デリィ州生れのシンガー。
膨大なレパートリィの持主だったそうで、
レン・グレアムがこれを受けついでいることは、
近刊予定の『聴いて学ぶアイルランド音楽』に詳しい。
VOTP には4曲入っている。

 アンディから返信。
公式サイトのスケジュールによると
明日、明後日とテキサス州オースティンのケルティック・フェスティヴァルに出る。

 なるほど、
このオドノヒューの店ではシー・シャンティが大はやりだったそうな。
アンディがシャンティをうたったのは聞いた覚えがない。
一度聞いてみたいもんだ。

 夜、今日締切の『CDジャーナル』の原稿を書いて送る。
リュイス・リャックのさよなら公演のライヴ。CD3枚組、160分。
最後はアンコールでも収まらない聴衆がとうとう自分たちでうたいだし、
リャックのヒット曲を3曲も大合唱している。
アーティスト冥利に尽きるというものだろう。

 このライヴはあまりにすばらしいので、
パリの植野さんに、これについて好きなだけ書いていいから、
『クラン・コラ』に書いてくれと頼む。
メールしたら、とたんに電話がかかってきて、1時間ぐらい止まらない。

 いまバルセロナを席捲している地中海ミクスチャーとはかけ離れた音楽だが、
これぞカタルーニャの「肝」、カタルーニャのボブ・ディラン、
ただし、かなりシャンソン寄り。
バルセロナはマドリードよりパリにずっと近いのだそうだ。
リャックはフランス語にも不自由しない。
オランピアでのライヴも出ている。(ゆ)

 マジョルカ島出身の偉大なシンガー、地中海のディーヴァ、マリア・デル・マール・ボネットの最新作《amic, amat》が今月17日、ビーンズ・レコードから出ます。

○Beans Records BNSCD-8821
定価3,150円(税込み)
解説=白石和良

 通算25作目。スタジオ録音のオリジナル盤としては《CAVALL DE FOC(炎の馬)》 (1999) 以来でしょうか。47頁におよぶ豪華ブックレット付きだそうです。

 今回はダマスカスのアラブ古典音楽の楽団と組み、かの傑作《SALMAIA》(1995) や 《CANCONS DE LA NOSTRA MEDITERRANIA》(1982) の流れを汲む、地中海音楽絵巻です。その中に、故郷マジョルカの典雅な合唱曲が織りこまれているのがまた良い。なぜかブルース・スプリングスティーンが1曲(^_-)。

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