クラン・コラ・ブログ(アイルランド音楽の森)

 アイリッシュ・ミュージックなどのケルトをはじめ、世界各地のルーツ音楽を愉しむブログです。そうした音楽の国内の音楽家も含みます。加えて主宰者の趣味のグレイトフル・デッド。サイエンス・フィクション、幻想文学などの話もあります。情報やメモ、ゴシップ、ただのおしゃべりなどもあります。リンク・フリーです。

タグ:トラディショナル

 英国では毎年新年に叙勲が発表になりますが、今年はその中にシャーリィ・コリンズとアーチー・フィッシャーの2人が入っているそうです。

 シャーリィ・コリンズは音楽に対する寄与、アーチー・フィッシャーはスコットランド伝統音楽への寄与が叙勲理由。

 イングランドのフォーク・シーンの先輩MBEではマーティン・カーシィがいます。スコティッシュではアリィ・ベイン、フィル・カニンガムに続く名誉ということになりますか。

 何にしてもめでたいことであります。どちらもまだまだ元気で、バリバリの現役なのも嬉しい。ただ、アーチーはちょっと録音が途絶えてますね。これを機会に、そろそろ新録が聞きたいものであります。

 シャーリィ・コリンズの録音を何か1枚まず聞くとすれば《NO ROSES》と来るのがふつうでしょうが、あえてここではデイヴィ・グレアムとの若き日の共演《FOLK ROOTS, NEW ROUTES》をあげます。近年再評価著しいデイヴィ・グレアムの30年早くワールド・ミュージックを実現していた特異なギターと、イングランドの地霊が声と化したシャーリィ・コリンズのヴォーカルの、これは愛と共感に満ちた「決闘」です。英語圏フォーク・リヴァイヴァル全体の極北。

 アーチー・フィッシャーはといえば、カナダのガーネット・ロジャースと組んだものが今のところ一番新しく、これもすばらしいですが、《WILL YE GANG, LOVE》が手に入りにくいらしいので、同時期にアメリカの Folk-Legacy に録音した《THE MAN WITH A RHYME》をまず聞いていただきたい。こちらもかの傑作に勝るとも劣らぬ内容。松平維秋が「滋味」と讃えた男の声がスコットランドはロウランドの唄の世界に引きこんでくれます。あまりに情熱が熱すぎて、表面は枯れて聞こえる世界です。

 スコットランドのフット・ストンピン・レコードのウエブ・ショップの新入荷。
 コメントはフット・ストンピンのものを元にしています。

Shona Mooney
 今年の BBC Radio Scotland "Young Traditional Musician" 受賞者のフィドラーです。スコットランド南部のボーダー地方の出身。「こんな独創的なアルバムはもう何年も聞いたことが無い」とはフット・ストンピン社長のサイモン・ソウマイヤの言。10.99GBP。


Fon Reul-Sholus (Under The Star Light) - Rachel Walker
 ガーリック・シンガーのセカンド。バックも豪華で、Allan Henderson of Blazin' Fiddles, Malcolm Jones of Runrig, Ross Martin of Cliar and Kathleen Boyle of Dochas という布陣。12.99GBP。


Playing Giants - The Unit
 ドラムス&パーカッションの Paul Jennings、ギター&バンジョー&ヴォーカルに Ewan MacPherson、フィドル&ヴォーカルの Amy Geddes というトリオ。ちょっと変わった編成のとおり、音楽もおもしろい。

 とんがりやまさんのブログで話題沸騰(^_-)の「ロイツマ・ガール」の歌詞を日本語にしてみました。

 まあ、あのフィンランド語のわけのわからなさが魅力のひとつではありまして、こんなことするのは野暮の骨頂かもしれません。

 とはいえ、なかには知りたい向きもいるかもしれませんし、こういうのを見ると反射的に日本語にしてみたくなるのは「翻訳屋」の職業病ともいえます。

 できればどなたか、これを元に、あのメロディでうたえるようにしていただくとまたおもしろいかも。

 なお、フィンランド語など難しくて到底歯が立ちませんので、元にしたのはアメリカ盤を出してる Northside のサイトに上がっている英訳です。Northside に感謝。



イエヴァのポルカ


となりでポルカ響いてくると
あたしの足がとんとんしだす
イエヴァのかあさん、娘を見はるが
イエヴァはうまくその目をくらます
かあさんダメだって、聞くやついない
みんなおどりまくってるのにさ

イエヴァはにこにこ、フィドルはきいきい
みんなが寄って、イエヴァばんざい
みんな汗だく、だれが気にする
イケメン男、元気のいいやつ
汗がとんでも、だれが気にする
おどりまくってるときにさ

イエヴァのかあさん、ひきこもる
しずかな部屋で、賛美歌うなる
それでイケメン、ちょとおたのしみ
となりの家で、明かりをおとして
としよりの文句、だれが気にする
おどりまくってるときにさ

(スキャット)

ポルカとぎれて、これから本番
さっきのイケメン、ナンパのお時間
娘と帰る、ダンスおわれば
そこで待ってる、かあさんカンカン
でもイエヴァ、泣くなよしよし
すぐにまた、いっしょにおどるよ

ようおばさん、わめくのやめろよ
じゃなきゃ責任、オレはとらんぜ
だまって部屋に、ひっこんでいりゃ
あんたはケガなし、娘はくどかれる
イケメン男、むちゃやるからな
おどりまくると

そうそう、オレにワナはきかない
あんたにゃ、オレはつかまらん
東へ行こうが、西へ行こうが
イエヴァとオレは結婚するんだ
イケメン男、内気じゃないぜ
おどりまくってるときにはさ

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