モールスキンの新製品 City Notebook にダブリンがあったので買ってみる。モールスキンも次々に新製品を出すようになった。同封のカタログにはレポーターを横開きにして、専用の紙を使った水彩用とか、18ヶ月、12ヶ月の週間日記帖が出ている。

 City Notebook は都市を対象としたトラベル・ノートという意味付けらしい。巻頭に都市の街路図、旅行の準備用のページ、交通手段関係の連絡先、単位換算等の役に立つ情報、白紙のメモが76ページ、ラミネートの見出しのついたテーマ別メモが96ページ、ミシン目が入って1枚が8枚に切取れるルース・ノートが4枚。裏の見返しに、トレーシング・ペーパーの束とポケット。テーマ別メモは前半が見出しにアイコンが印刷してあり、後半は見出し部分は空白。ここに貼る用のシールも入っている。
 地図のセクションにはダブリンだと DART と LUAS の路線図もある。街路図はロンリー・プラネットと提携しているようだ。そんなに詳しいものではなく、主な道路と建物、DART の線路だけ。ただし、道路の索引があるから、住所さえわかれば、その場所には行き着ける。
 栞のひもが3本。背表紙に DUBLIN の文字の型押し。見返しの次のタイトル・ページにオルダス・ハクスリィのエピグラフ。

 「独自の趣味を持つ旅人にとって唯一役に立つガイドブックは、自分で書いたものになる」

 自分のためのガイドブックを作るつもりで街を探索するのも、また楽しからずや。

 出ている都市は現在はヨーロッパだけ。東京は京都とともに来年予定。それにはぜひ、古地図、縄文から明治までの地図も入れて欲しいものだ。いや、それは自分で作れ、だろう。

 使いこなしているわけではないが、モールスキンは新製品が出ると買ってしまう。これをもつと何か書きたくなる。書かせるオーラのあるノート。それもラージ・サイズはだめだ。オリジナルの、この掌に収まるサイズがいい。とは言え、何を書くわけでもないのだが。何も書くことがないときは、本を書き写す。

 モールスキンのヒットで、形だけは似たノートが雨後の筍のように現われたが、オーラは欠片もない。ロディアの新しいノートには少し期待。

 使うのはもっぱらスクエア、方眼だ。縦にも横にも書けるから。絵も描ける。横罫は書き方を縛り、思考と感覚を縛る。日本製のノートはまだ横罫が圧倒的。方眼は少ない。ミドリのトラヴェラーズ・ノートは方眼と無地を用意し、日記も方眼にしたのは見識。しかし、同じ会社が出しているA5判スリム・ノートは全部横罫。

 同封のカタログの商品由来は日本語もある。ここで「モレスキン」と表記しているのは、見識を疑う。現在のメーカーがあるイタリアの言葉ではそう読むのかもしれないし、元のフランスでもそう呼ぶのかもしれないが、この日本語は妙なものを連想させる。

 さて、このダブリンのノートに何を書くか。当分、現実には行けそうもない。空想の旅の記録でもつけてみよう。アイルランドの文化空間への、空想の旅。(ゆ)