ようやく出ます。皆さま、買うてくだされ。
まだ読んだことがなければ、『レッド・マーズ』からどうぞ。この三部作は、三部作ではよくありますが、長い1本の話なので、途中から読むとあまり楽しくありません。『ブルー』では昔起きたことの「真相」が明かされたりします。
その代わりといっては何ですが、最後までいけば長い時が経った実感が湧いてきます。プルーストを読み通したとき、最終巻で味わえるあの感覚に近い。とあたしは思います。ある長さの小説を読むことでしか得られない感覚、快感と呼んでいいものです。むろんよくできた小説でなければなりませんが。
とまれ、肩の荷が降りてほっとしています。これが出ないうちはどこか引き止められていて、先へ進むことができない気がしていました。
あとは、この三部作の準備のために書かれたノヴェラ版「グリーン・マーズ」を出せれば完璧ですね(訳文はできてる)。時代としてはこの『ブルー』の後になるかな、オリュンポス山の断崖絶壁を登る話。(ゆ)