クラン・コラ・ブログ(アイルランド音楽の森)

 アイリッシュ・ミュージックなどのケルトをはじめ、世界各地のルーツ音楽を愉しむブログです。そうした音楽の国内の音楽家も含みます。加えて主宰者の趣味のグレイトフル・デッド。サイエンス・フィクション、幻想文学などの話もあります。情報やメモ、ゴシップ、ただのおしゃべりなどもあります。リンク・フリーです。

タグ:フォーク

0121日・金

 眼科で緑内障の検査。視野検査まで一通り受ける。視野検査は3回目で、だいぶ慣れてきた。前回、右目で見えなかったところが、今回は見えている。この検査は慣れが必要で、最初の1、2回はあまり参考にならないのだそうだ。結論として、今回もまだ治療を始めるほどではない。また定期的に検査しましょう。とはいえ、特に右目は老化が確実に進んでいる。視力は右の方がずっと良いので、うまくいかないものだ。


 右足を前に出すか、左足を引くかして、下半身を軽く左にひねるようにして立つと、腹がひどく楽になることに気がつく。ということはなぜか上半身が右にねじれているのか。とにかく、気持ちがよい。血圧まで下がる気さえする。実際にはそんなことはないのだろうが。



##本日のグレイトフル・デッド

 0121日には1971年と1979年の2本のショウをしている。公式リリース無し。


1. 1971 Freeborn Hall, Davis, CA

 2.50ドルと3.50ドル。UC Davis の学生と一般か。開演8時。この年最初のショウ。James & the Good Brothers とニュー・ライダーズ・オヴ・パープル・セイジが前座。

 ショウはすばらしいもので、学生は踊りくるっていた由。

 会場は1961年建設の UC Davis の多目的ホール。授業や講演、集会など様々なイベントに使用され、コンサートも多数行われた。もっとも、こういうホールの常で、床は平坦だから、椅子を並べると後ろの方はステージが見にくかった。

 James & the Good Brothers はカナダ、オンタリオ州出身、カントリー、ブルーグラス、フォークをベースとしたバンド。ここに出ている3つのバンドの中では最もアコースティックなサウンド。Brian Bruce の双子の兄弟に弟の Larry James Akroyd が加わって、1967年この名前で活動を始め、1971年にバンド名をタイトルにしたデビュー・アルバムを出す。これにはクロイツマンが参加し、ベティ・カンター=ジャクソンがプロデューサーで、彼女とボブ・マシューズが録音。クレジットには無いが、ガルシアが参加している可能性もある。ドラムスにはホット・ツナの Sammy Piasta もクレジットされている。Special Thanks にクロイツマン、 ウィア、レシュ、Grateful Dead and Family、さらに Jack Cassady の名がある。わが国では「隠れ名盤」とされて、一時、LPの中古盤が高かった。後にグッド兄弟はカナダに戻り、The Good Brothers として現在も現役。

 かれらがここに登場したのは前年夏の有名な the Trans Continental Pop Festival の一部に参加したことで、デッドとのつながりができたため。ジャニス・ジョプリン、ザ・バンド、デラニー&ボニー、テン・イヤーズ・アフター、トラフィック、バディ・ガイ、シートレイン、フライング・バリトー・ブラザーズ、イアン&シルヴィアとザ・グレイト・スペクルド・バード、ニュー・ライダーズ・オヴ・パープル・セイジなどにデッドも加わり、カナダの大陸横断鉄道を走る列車を借り切って、ところどころ停まってはコンサートをやる、という企画。そのコンサートよりも、列車の中が24時間のミュージシャンにとってのフェスティヴァルになった。全体の企画は途中で資金が切れて終ったが、このイベントは参加したミュージシャンたちに深甚な影響を与えた。デッドはその恩恵を最も大きく受けたうちのひとつ。後に定番のレパートリィになる〈Going Down the Road Feelin' Bad〉をここでデラニーからガルシアが習ったとされるのが一例だが、それだけでなく、デッドの音楽、ショウの組立て全体がこれ以後大きく変わることになる。この時の様子は映画撮影もされ、今は《Festival Express》としてドキュメンタリー・ビデオが出ている。


 

 《James And The Good Brothers》は今聴くと CS&N をずっとフォーク寄りにした感じ。ドラムス、ベースの入る曲も、リズム・セクションはあくまでも背景で、歌を前面に立てる。グッド兄弟とアクロイドの3人ともリード・ヴォーカルがとれるし、コーラスも綺麗に決まっている。《Workingman's Dead》ではやりきれなかったことをやっている、とも言える。サウンド的にはオートハープがアクセント。もう少し曲に個性があれば、ヒットしていたかもしれない。一番目立つのがラストのニルソンの〈The Rainmaker〉というのは、ちょっと弱い。あえて、売れ線を狙っていないように見えるところが、かつての「ブラックホーク」で評価されたのだろう。もっともヘンに背伸びせず、ウェストコーストでの録音のチャンスにのぼせ上がりもせず、普段着の音楽を普段通りやっているのは気持ちが良い。なかなか腹の座った人たち。なお、クロイツマンが入っているのは5曲目〈Poppa Took the Bottle from the Shelf〉。デッドの時とは別人の、ごく普通のタイコだ。


2. 1979 Masonic Temple, Detroit, MI

 9.50ドル。開演8時。外は厳寒。中はホット。良いショウの由。(ゆ)


1227日・月

 東京・あきる野市の「カフェ・トラモナ」が、ジャズを中心に最新の音楽情報などを紹介しているサイト、ARBAN(アーバン)の「いつか常連になりたいお店」で紹介されたよ、とおーさんから知らせてくる。覗いてみると、かっこよく紹介されている。トラモナは常連になりたいというより、居つきたい店だが、居つくには近くに引越さねばなるまい。


 ARBAN の記事ではもっぱらアメリカものが取り上げられているが、マスターの浦野さんはイングランド大好きで、メロディオンを嗜む。イングリッシュ・ダンス・チューンを演奏する、まだわが国ではそう多くない人の1人で、店にもイングランドもののレコードがたくさんある。昔のブラックホーク仲間でも、あたしとは一番趣味が近いかもしれない。


 ああ、それにしても、ああいう店がこの辺りにも欲しいもんだ。誰かやってくれるなら、ウチにあるレコード、全部預けてもいい。



##本日のグレイトフル・デッド

 1227日には1967年から1991年まで14本のショウをしている。公式リリースは2本。


01. 1967 Village Theater, New York, NY

 このヴェニュー2日連続の2日目。共演前日と同じ。


02. 1970 Legion Stadium, El Monte, CA

 このヴェニュー3日連続の中日。ニュー・ライダーズ・オヴ・パープル・セイジ前座。

 第二部3曲目〈Attics Of My Life〉が2016年の《30 Days Of Dead》でリリースされた。

 会場は平均的な高校の体育館よりも狭かったそうだが、アメリカの高校の体育館はばかでかいので、そう狭くはないだろう。デッドのヴェニューとしてはこじんまりした、距離の近いところだったらしい。もっともウィアとガルシアが二人とも聴衆に、スペースがあるから自由に動きまわるよう薦めたという。チケットもぎりの男とピグペンがウィスキーのパイント壜を回し飲みしていたそうな。

 前日に地元のラジオ局 KPPC にガルシア入りニュー・ライダーズ・オヴ・パープル・セイジが出演した。

 〈Attics Of My Life〉はまだよくわからない歌だ。コーダに向けてわずかに盛り上がる。この歌の演奏としては良い。カタチが見える。


03. 1977 Winterland Arena, San Francisco, CA

 大晦日に向けての4本連続のランの初日。ポスターはガルシアの右手のみを黒バックに白く抜く形で描く。


04. 1978 Golden Hall, San Diego Community Concourse, San Diego, CA

 このヴェニュー2日連続の初日。


05. 1979 Oakland Auditorium, Oakland, CA

 大晦日に向けての5本連続のランの2日目。


06. 1980 Oakland Auditorium, Oakland, CA

 大晦日に向けての5本連続のランの2日目。


07. 1981 Oakland Auditorium, Oakland, CA

 大晦日に向けての5本連続のランの2日目。


08. 1982 Oakland Auditorium, Oakland, CA

 大晦日に向けての5本連続のランの2日目。13.50ドル。開演8時。


09. 1983 San Francisco Civic Center, San Francisco, CA

 大晦日に向けての4本連続のランの初日。開演8時。


10. 1986 Henry J. Kaiser Convention Center, Oakland, CA

 大晦日に向けての4本連続のランの初日。開演8時。


11. 1987 Oakland-Alameda County Coliseum Arena, Oakland, CA

 大晦日に向けての4本連続のランの初日。17.50ドル。開演7時。


12. 1989 Oakland-Alameda County Coliseum Arena, Oakland, CA

 大晦日に向けての4本連続のランの初日。20ドル。開演7時。E・ストリート・バンドの Clarence Clemons が第二部全体に参加。という情報もあるが、2018年の《30 Days Of Dead》でリリースされたその第二部2〜4曲目〈Playing In The Band> Crazy Fingers> Uncle John's Band〉では聞えない。

 この並びは珍しい。PITB の後半、フリーの荘厳な集団即興になる。こうなっても聴いていて面白いのがデッドのデッドたるところ。張りつめた即興のなかに、笑いが垣間見える。それがすうっと収まって CF になる。UJB ではガルシアのヴォーカルが時々聞えなくなる。PA の調子が悪いのか、ガルシアがマイクからはずれるのか。コーダに向かって全員でのリピートからガルシアが抜けだして展開するソロがいい。


13. 1990 Oakland-Alameda County Coliseum Arena, Oakland, CA

 前年に続いて、大晦日に向けての4本連続のランの初日。22.50ドル。開演7時。


14. 1991 Oakland-Alameda County Coliseum Arena, Oakland, CA

 3年連続で、大晦日に向けての4本連続のランの初日。開演7時。この年末・年越しショウの原動力だったビル・グレアムがこの年死んだため、大晦日にかけてのランはこれが最後。(ゆ)


1218日・土

 この人もキャリアは長いが、自分の名前を冠したバンドは初めてのはず。それだけアンサンブルを重視しているのだろう。一応ブルーグラスの編成だが、音楽はオブライエン節でブルーグラスではない。この人はブルーグラスから出発していると思うが、その資質はもっと広く、根も深い。

 そう、この人の歌は根が深い。個人よりもそれが出てきた背後の存在を感じさせる。アイリッシュと相性が良いのもそこではないか。

 存在感としてはヴォーカルは別として、まずフィドル。そしてベース。

Tim O'Brien Band
O'Brien, Tim
Howdy Skies
2019-03-22



##本日のグレイトフル・デッド

 1218日には1965年から1994年まで4本のショウをしている。公式リリースは無し。


1. 1965 The Big Beat Club, Palo Alto, CA

 Big Beat Acid Test。セット・リスト不明。


2. 1973 Curtis Hixon Convention Hall, Tampa, FL

 このヴェニュー2日連続の初日。ポスターによると WFSO または WFJO というラジオ局が主催した「自転車に乗ろう」キャンペーンの一環らしい。ラジオ局の名前のロゴがどちらにも読める。どちらのラジオ局もタンパ、セント・ピータースバーグ一帯にかつて存在した。

 翌日同様、すばらしいショウの由。


3. 1993 Oakland-Alameda County Coliseum Arena, Oakland, CA

 3日連続のランの中日。


4. 1994 Los Angeles Sports Arena, Los Angeles, CA

 開演7時半。第一部5曲目〈El Paso〉でウィアがアコースティック・ギター。(ゆ)


 昨夜は「21世紀をサヴァイヴするためのグレイトフル・デッド入門」の第2回に大勢お越しいただき、ありがとうございました。楽しんでいただけたならば、幸いです。

 バラカンさんも楽しそうでしたし、あたしは心底楽しんでおりました。会場の風知空知のオーディオ・システムはほんとに音がいい。田口スピーカーをはじめとして、アンプなどにも気を遣っておられるのでしょう。加えて、昨夜は音源を出す MacBook での再生用プレーヤー・アプリとして Audirvana Plus を使い、DAC には Chord Mojo を使ってみました。これは一般的な DAC とは一線を画す独自で最先端の D/A テクノロジーを注ぎこんだもので、その威力をあらためて実感しました。とりわけ、低域の表現の良さは半端でなかった。スピーカーの後ろになるあの位置で聴いてあれだけ気持ちよかったのは凄い。なお、《30 TRIPS AROUND THE SUN》からの音源は 96KHz/24bit のハイレゾです。

 昨夜かけた音源のリストです。曲名の次の数字は演奏回数、初演、終演の日付です。


Big River/ Johnny Cash
399回= 1971-12-31 > 1995-07-06
※原曲は〈Ballad Of A Teenage Queen〉 Sun 283 のB面として1957年12月録音、翌年3月リリース。ビルボードで最高14位。
1973-03-28 Springfield Civic Center, Springfield, MA, 4:38, from《Dave's Picks, Vol. 16》

Me And Bobby McGee/ Kris Kristofferson & Fred Foster
118回= 1970-11-06 > 1981-12-11
※最初の録音は Roger Miller による1969年5月のもの。《PEARL》収録のジャニス・ジョプリンのヴァージョンが シングル・カットされてナンバーワン・ヒットとなる。
1972-04-14, Tivoli Concert Hall, Copenhagen, Denmark,6:04, from《Europe ’72: The Complete Recordings》

Goin’ Down The Road Feeling Bad/ (Delaney Bramlett)
298回= 1970-10-10 > 1995-07-05
※今回の原曲はウッディ・ガスリーのもの。デッドは1970年の "Festival Express” の際、Delaney Bramlett から習った。
1978-05-14, Providence Civic Center, Providence, RI, 7:50, from《30 TRIPS AROUND THE SUN》

Desolation Row/ Bob Dylan
58回= 1986-03-25 > 1995-07-02
※原曲は《HIGHWAY 61 REVISITED》(1965)  収録。
1990-03-24, Knickerbocker Arena, Albany, NY, 9:55, from《Postcards Of Hanging》

Man Smart (Woman Smarter)/ Norman Span
226回= 1981-07-02 > 1995-06-21
※トリニダードの Norman Span が King Radio の名前で1936年、ニューヨークで録音。作曲もおそらくこの人。1956年にハリー・ベラフォンテがナンバーワン・ヒットさせる。なお今回、聞き比べとしてかけたのはカーペンターズの版。
1992-03-20, Copps Coliseum, Hamilton, ON, Canada, 10:02, from《30 TRIPS AROUND THE SUN》

Hey Jude/ John Lennon & Paul McCartney
Dear Mr. Fantasy/ Traffic
58回= 1984-06-14 > 1990-07-21
※Traffic のデビュー・アルバム《MR. FANTASY》(1967) 収録。
1990-03-22, Copps Coliseum, Hamilton, Ontario, Canada, 13:12, from《Spring 1990》

Not Fade Away/ Buddy Holly
565回= 1968-06-19 > 1995-07-05
※バディ・ホリーの The Crickets の名義で1957年10月リリース。ビルボードでは最高48位。
1979-10-27, Cape Cod Coliseum, South Yarmouth, MA, 9:13, from《30 TRIPS AROUND THE SUN》

Morning Dew/ Bonnie Dobson
259回= 1967-01-14 > 1995-06-21
※グレイトフル・デッド版の歌詞はドブソンによればこの歌詞は Fred Neil によるもの。
1977-06-07, Winterland Arena, San Francisco, CA, 13:14, from《Winterland June 1977: The Complete Recordings》

Turn On Your Lovelight/ Bobby Bland
348回= 1967-08-05 > 1995-06-15
※ボビィ・ブランドのシングルとして1961年リリース。チャートではR&Bで最高2位、ポップスで最高28位。
1990-03-29, Nassau Coliseum, Uniondale, NY, 7:41, from《Spring 1990 (The Other One)》

We Bid You Good Night/ Pinder Family with Joseph Spence
64回= 1968-01-22 > 1991-09-26
※Joseph Spence (1910-84) はバハマの人。1965年にアメリカ人ミュージシャン Jody Stecher と Pete Siegel がバハマで録音したものが今回の原曲。
1969-05-24, Hollywood Seminole Indian Reservation, West Hollywood, FL, 3:21, from《Road Trips, Vol.4 No.1》


 年末からずっと選曲のために、グレイトフル・デッド漬けでしたが、そこであらためて思い知らされたことは、デッドはいくら聴いても聴き飽きるということがないんですね。アイリッシュなどの伝統音楽はそういうところがあります。またかよと思いながらも聴いてみると、いくらでも聴いていられる。ちょっともうげっぷが出るから別のものを聴いてみようという気持ちになりません。デッドも同じで、昨日も朝から晩までデッドを聴き、今日も起きたら聴きはじめて寝るまで聴き、明日も終日デッドを聴くだろう、という生活を2、3週間続けても、その音楽に飽きるということがまるでない。

 同じ曲のヴァージョン違いを30、40、50と聴いて、やはり聴き飽きることがない。いくら毎回違うとはいえ、曲そのものは同じですから、いい加減飽きてもおかしくはないわけですが、そういうことがない。むしろ、これはどうだろう、次はどんな具合だろうとどんどん聴いてゆきたくなります。いつまで聴いても、聴くのをやめたくなるということが全くありません。

 そりゃ、おまえはデッドが好きだからだろう、と言われればそうかもしれませんが、まずたいていのものでは、どんなに優れたものでもどこかで飽きがくるものです。たぶん、これは音楽の優劣の問題ではなく、好き嫌いの問題でもなく、もう少し違う、もっと根本的なところに関わることではないか。ラストの〈Turn On Your Lovelight〉はいくらでも聴いていられそうです、とお店のスタッフもおっしゃっていました。

 昨日はまたデッドの音楽のもつ矛盾した側面に眼を見開かされました。デッドの音楽は基本的に「ゆるい」ものです。いい加減といえばいい加減。少々チューニングが狂っていても、音程がはずれても、歌詞を間違えたり忘れたりしても、まるで問題になりません。一方で、その音楽は実に緻密に組み立てられています。演奏者のからみ合い、ビートの刻み方、曲の構成がそれは細かくなされています。しかも、あらかじめ決めたことに添うのではなく、その場で、即興として生成されてゆきます。

 この二つの側面から生まれる効果の気持ち良さ。いくら聴いても飽きないことには、この快感も寄与しているかもしれません。

 年初めの、寒さの底の月曜日にもかかわらず、ほぼ満員のお客様にご来場いただき、めでたく第3回も行うことになりました。期日、内容はまだ決まっておりません。時期としては春、もう少し暖かくなった頃でしょう。内容についてはまだ白紙です。リクエストがあれば、どぞ。(ゆ)

 ショウ・オヴ・ハンズの存在に気がついたのはやはり《LIVE》(1992) が出た時だったと思う。片割れがフィル・ビアなら買ったのは当然だ。結成は1987年。すでに5年のキャリアがあったわけだ。もっとも本書によれば、ビアがアルビオン・バンドを脱けて、スティーヴ・ナイトリィとのデュオに専念するのは1991年で、このライヴ盤はその年の暮れに録音されている。ライヴ盤はかれらとして初めてのCDとしてリリースされ、おかげでわが国にも入ってきた。CDが無かったら、かれらを知るのはもっと遅くなっただろうし、ひょっとすると、かれら自身もまた、大きく飛躍することはなかったかもしれない。

Live 92
Show of Hands
Imports
2014-01-21

 

 それから四半世紀。ミランダ・サイクスを加えたトリオとなり、イングランドを代表するユニットの一つ、場合によってはイングランドを代表するユニット、ピリオドになった。つい先日の日曜日、4月16日、かれらとして7回目のロイヤル・アルバート・ホール公演を、例によって満員御礼で成功させた。それに合わせ、CDデビュー25周年として出版されたのが、この豪華ヴィジュアル・ヒストリーである。

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 あたしはとにかくフィル・ビアのファンで、かれを追いかける一環としてショウ・オヴ・ハンズも追いかけはじめたわけだが、ビアにとってもこのユニットはかれの資質を最も活かしていると思う。ビアはかれ自身、超一流のミュージシャンでありながら、フロントに立つのは苦手で、誰かをバックアップする時最も力を発揮する、そういう星周りの下に生まれているらしい。と言って、サポートに徹して、顔も見えないというのとはまた違って、その卓越した演奏力と音楽性で否応なくスポットライトを浴び、ヘタな主役は喰ってしまう。

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 アルビオン・バンドもビアが居たときがベストで、とりわけ "The Ridgerider" のサントラとそのライヴ盤は、ハッチングスが関わったプロジェクトの中でも《NO ROSES》と並ぶピークだ。

In Concert
Ridgeriders
Talking Elephant
2001-11-12

 

 ナイトリィはしっかりとフロントを支えるカリスマもある一方で、然るべきところでビアを押し出す器の大きさもある。ナイトリィの作るうたをビアが巧妙に味付けし、それに乗せてナイトリィがうたうことで、適度の歯応えとぴたりとはまった喉越しのある旨い料理として提供するのがショウ・オヴ・ハンズの基本形だ。ショウ・オヴ・ハンズ以後に出したナイトリィの最初のソロ、ビアが関与していない録音を聴くと、その勘所がよくわかる。どちらにとっても相手は組むに絶好なのだ。そしてこの二人だけで完結してもいて、他に余計なもの、たとえばリズム・セクションなどは無用だった。後にミランダ・サイクスが加わるのは、別の作用なのである。
 

 ビアがいかに音楽の才能に恵まれ、またそれを開発してきたかをまざまざと見せつけるのは、《BOX SET ONE》(2010) だ。CD3枚に、学校時代の録音から、キャリア全体をカヴァーする、大半が未発表の録音を集めていて、他では聴けないものも多い。マイク・オールドフィールドとの共演なんてものもある。うたい手として、弦楽器奏者として(本書にはアイリッシュ・ハープに挑戦している写真もある)、唄つくりとして、当たるところ敵なしである。このボックス・セットには続篇も予告されていて、心待ちにしているのだが、何とか出してほしい。

Box Set One
Phil Beer
Imports
2015-03-03


 ビアがアルビオンをやめてショウ・オヴ・ハンズに専念したのは、かれにとっても、ナイトリィにとっても、そしてわれわれにとっても、まことに実り多い決断だった。その成果の一つが本書でもある。

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 まだぱらぱらと見ただけで文章に目を通してはいないが、本全体の出来としては水準というところだろう。とりわけ凄いところがあるわけではない。ひょっとすると、あえてそうしたのかもしれない。ナイトリィもビアも、超一流のミュージシャンではあるけれど、別世界の住人ではない。人気も絶大なものがあるにしても、「スター」ではないのだ。あくまでも一介のフォーク・ミュージシャン、うたとアコースティック楽器にこだわる職人音楽家のスタンスを崩さない。この本もまた、アイドル本ではなく、誠実な音楽家たちの記録を丹念に集めて、入念にデザインして提供することを目的としているのだろう。

 とまれ、この本にそってあらためてかれらの足跡をたどりながら、手許の録音を聴き直してみようという気にはなっている。アナログ時代のビアの録音、Downes & Beer や Arizona Smoke Revue のものを聞き直すにはアナログ・プレーヤーを修理せねばならないが、かれのためなら修理してもいいか、という気にもなっている。まずは、ショウ・オヴ・ハンズの二人に乾杯。おめでとう、そして、ありがとう、これからもよしなに。(ゆ)

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 本日午前10時ちょうどの予定で、新年の情報号を配信しました。届かない方は編集部までご一報ください。


 洩れた情報をひとつ。テディ・トンプソンが音頭をとってアムネスティ・インターナショナルのための募金用に iTunes Store で〈Christmas〉というシングルをリリースしています。現時点ではまだ日本のストアでは買えません。

 これには両親のリチャード、リンダと姉妹のカミラが参加しています。くわしくはこちら

 またこのリリースを記念して、昨年 12/17 にロンドンのエリザベス女王ホールでコンサートが行われました。これには一家をはじめ、バート・ヤンシュ、クリス・ディフォード、レイチェル・アンサンク&ウィンターセット、ジェニ・マルダーなどが参加しました。リチャードとリンダが同じステージに立つのは、1982年の離婚以来でしょうか。イベントは大成功で、毎年の恒例行事にしてほしいとの声がしきり。

 なお、このコンサートの模様は一部が 12/20 に BBC で放送されました。(ゆ)

 東京は新宿3丁目と言うか、もう御苑前に近いあたりにある、知る人ぞ知る店 Hartford Cafe では、来月から毎週日曜日の夜、ブリテイッシュ・トラッド&フォークのアナログ盤を中心にかけるそうです。特にイベントというのではなく、店の中でかける音楽をそちらにすると言うことらしい。自分のコレクションの持込もOK。CDもかまわないとのことですが、家で眠っているアナログを持ちこむのが、趣旨には合うでしょうね。

 開店が夕方の4時。トラッド・タイムは5時から夜の10時まで。閉店は11時。

 8月は3日・10日・17日・31日の4日間。毎月の日程は公式サイトの掲示板やミクシのコミュに出るそうです。

 この店は「亜米利加的音楽処」の看板を掲げてますが、マスターが「ブラックホーク」OBなので、その流れも汲んでいるようです。実はまだ筆者も行ったことがないので、これをきっかけに行ってみますかね。誰か、一緒に行きませんか?(ゆ)

 これも今月号からこぼれた情報。

 昨年秋以来の第6回が来月第1土曜日にあるそうです。
今回は真夜中までやってるらしい。
アイルランドばかりでなく、イングランドやスコットランドやウェールズも好きという方はぜひどうぞ。

07/05(土)15:00~24:00
東京・高円寺 サブリエルカフェ
*500円チケットx3枚

 「もしかしてブラックホーク99選もやるかも」
 
  一応こちらで参加表明してくださいとのこと。

 配信予定日の20日に編集部がネット環境からはずれるので、今月号も配信が遅れます。たぶん22日、うまくいけば21日中に配信できるかもしれません。不悪。


 BBC Radio 2 の Folk & Acoustic 番組のキャスター、Mike Harding がついにブログをはじめてます。

 その最初のエントリーがクリス・フォスターの新譜という嬉しいニュース。マーティン・カーシィ、ニック・ジョーンズに代表されるイングランドのギタリスト/シンガーの一人として、避けて通れない人です。この人についてはいずれまたゆっくりと。(ゆ)

 アメリカン・フォークの巨人のひとり、ブルース・ユタ・フィリップスが今月23日、亡くなったそうです。享年73歳。カリフォルニア州ネヴァダ・シティ(シエラ・ネヴァダ山中の小さな街だそうな)の自宅で、心臓麻痺だった由。

 ユタ・フィリップス本人にはあまり思い入れはないんですが、かれが作った〈Rock, salt & nails〉という曲は結構好きです。この名前のスコットランドのバンドもありますが、ここからとったのかな。

 誰かがうたっているのをいいうただなと思ってみると、作者が「ユタ・フィリップス」だという体験は何度かありました。これからもあるでしょう。ご冥福をお祈りします。合掌。(ゆ)

 編集部偏愛の、イングランド最高のデュオ、ショウ・オヴ・ハンズのベスト盤が出ます。

 2枚組で、1枚目ではライヴで人気の曲4曲を録音しなおしています。その4曲は〈Exile〉〈Are we alright〉〈Santiago〉〈Crow on the Cradle〉で、まあ、納得の選曲。
 2枚目はファンからの投票で内容が決まっています。公認のファン・クラブである Longdogs が中心になってまとめたもの。〈Tall Ships〉の22分ヴァージョンもある由。もちろん、収録30曲全曲リマスタリングです。

 今年は例の〈Roots〉の大ヒットで、あちこちから引っぱりだこになり、出演したフェスティヴァルの数17というのは、ひょっとすると音楽界を見わたしても最多出演回数かも。

 ハイライトはピーター・ガブリエルからイーデン・プロジェクトに招かれたことで、これまでとは違うリスナーにその存在を知られたようです。おかげで、スティーヴは Womad のサマー・スクールで作曲のクラスを担当し、10月にロンドンで開かれる音楽賞の授賞式で、ガブリエルの作品をデュオでうたってくれと頼まれた由。

 秋のツアーは久しぶりに二人だけで回り、近頃はあまりうたう機会がない古いレパートリィを中心にしたものになるそうです。

 またスティーヴ・ナイトリィの3冊目の歌集も今月半ばに出ます。《COUNTRY LIFE》《WITNESS》の2枚と、スティーヴの2枚目のソロ《CRUEL RIVER》収録の作品が入る由。

 ツアー・スケジュール等は公式サイトへどうぞ。

 アナウンスだけでなかなか出ませんが、フィルのボックスも予定されています。こちらのサイトをどうぞ。

 久しぶりにまとまった音楽の原稿を書いていた。“The Dig” の50号記念特別付録「オール・タイム・ベスト50」と、CDジャーナルから出るムック『ブラックホーク伝説』中の「新版・ブラック・ホークの選んだ99枚のディスク」のうち、トラッドとブリティッシュ・フォーク関係12枚。

 「オール・タイム・ベスト50」の方は50号記念だから50枚なのか。まあ、遊ばせてもらった。もう少しジャズやクラシックを入れたかったが、50枚というのはいざ選んでみると少ない。どうせなら、99枚ぐらいやりたいものだ。朝の8時に一点確認の電話がかかってきたのには驚いた。校了直前だったらしいが、徹夜明けだろうか。

 「新版・ブラック・ホークの選んだ99枚のディスク」はなんとか締切までに書きおえて、送ったとたん、どっと疲れた。かつて『スモール・タウン・トーク』11号に掲載された99選のセレクション自体は変えず、松平さんの文章もそのまま。松平さん以外の人が書いたものだけ、別の人間が新たに書きおこすという形。

 こんなに緊張した原稿は、絶えて記憶がない。まるで初めて公にする予定でトラッドについての原稿を書いたときのようだ。かなわぬまでも、全力を尽くす。それしかないと腹をくくった。

 持っていないものはあらためてCDを買う。歳月というものは恐ろしい。オールダム・ティンカーズまでCDになっている。新録音こそ出していないものの、かれらが現役で活動していたのはそれ以上にうれしい驚き。結局まったくCDになっていないのはヴィン・ガーバットだけ。Celtic Music にも困ったものだ。訴訟の行方はどうなったか。

 ゲィ&テリィ・ウッズもベスト盤で部分的にCD化されているものの、あの3枚はきちんとした形で復刻されるべし。権利関係がクリアにならないのか。

 やむをえず、これまた久しぶりにLPを聞く。ついでに息子のリクエストでU2の《ジョシュア・ツリー》とか、クリームの《火の車》とかのLPをかける。前者の1曲目、CDから取りこんだ iPod ではさんざん聞いているはずの曲に涙を浮かべている。後者では、クラプトンのギターが浮いてる、ヴォーカルの方がバンドと一体感がある、という。《ヴィードン・フリース》も聞かせようとしたら、どこかへもぐりこんで出てこない。

 12枚のうちではすぐ書けるものと、全然ダメなものの差が激しい。一日一本ずつ、書きやすいものから書いていったら、最後にヴィン・ガーバットとアン・ブリッグスが残った。ヴィンは一度ほぼ書きあげたのが気に入らず、他のアルバムも聞きなおしてから、もう一度新たに書きなおし。

 アン・ブリッグスも出だしが決まらず、四苦八苦。ファーストやサードを聞いたり、他の本で気分転換してみたり。最相葉月『星新一』のイントロを読んでいたら、ヒントになったらしい。それでも下書ができて、パソコンに清書する段になって、またやり直し。

 これでなんとか形がついたと思ったら、終わっていたはずのゲィ&テリィ・ウッズが引っかかる。唸った末、後半を完全に書きなおし。

 もうこれ以上どもならん、さらに手を入れれば悪くなるだけ、というところまで来てひと息つく。細かい字数の調整をやって、えいやっと送ってしまう。

 めっちゃくたびれたが、この10日間ほどは充実もしていた。何年かぶり、ヘタをすると十年以上聞いていなかったものを聞きなおしたし、その後の消息がわかったのもうれしい。ヴィン・ガーバットのサイトのリンクに Rosie HardmanBernie Parry の名前を見つけて、各々のサイトに行ってみたり。そういえば、ずいぶん前、中山さんからロージィ・ハードマンのサイトがあると聞かされていた。この二人もなんと現役でうたい続けている。こうなると、アン・ブリッグスがもううたっていないというのはやはり特異なことにみえてくる。でも、ロージィは今の方がきっと良いだろう。

 あらためていろいろな人たちを一度ネットでさらってみなくてはいけない。しかし、新しい人たちもどんどん出てきているし、痛し痒しだ。

 ペンタングルのCD4枚組ボックス《THE TIME HAS COME 1967-1973》の国内仕様(BVCZ-37042/45, 税込8,400円)がBGMジャパンから発売されています。国内プレスではなく、輸入盤にライナー翻訳と歌詞、歌詞対訳を入れた別冊をパッキングした形。

 こういう仕様は従来は輸入業者がやっていて、レーベルには断りなしに勝手に輸入盤に帯を付けて国内流通させるため「勝手帯」と呼ばれたものでしたが、レーベル自体がやるとなると「勝手」ではないですねえ。ちなみに国内の流通網にのせるには帯を付けることが必須なのだそうな。

 ただ、ケースとほぼ同じサイズの別冊がシュリンク・パックされていて、流通ではいいのでしょうが、買ってシュリンクを破ると、元のケースと日本語冊子は別々になるわけで、保存にはまことに不便です。ユーザーの身になって考えていない点で、商品としては失格と言わざるをえないでしょう。


 このボックスの内容について言えば、個人的にはあまり出来のよいボックスとは思いません。普通こういうボックスは、これだけ聞けば全体像もわかり、他では聞けないものも聞けるお買い得品なのでしょう。が、このボックスはレア物に重点が置かれていて、熱心なマニア向けに作られているようなのですが、しかしほんとうにレアなのは最後の1枚だけで、これだけ聞くためにボックスを買うのは引きあいません。これからペンタングルを聞こうと言うのなら、ファーストから《ソロモンズ・シール》までのオリジナルを一つひとつ聞いていった方が、楽しみは大きいと思います。BGMでは現在オリジナル・ペンタングルの正規盤も紙ジャケ仕様ですべて出しています。あの6枚には音楽の神が宿った輝きがあって、時空を超えた音が響いています。全部 iPod  に入れて(できれば Apple Lossles 以上の音質で)シャッフルで聞くことをお薦めします。(ゆ)

 かつて東京・渋谷のロック喫茶「ブラックホーク」を根城にした「ブリティッシュ・トラッド愛好会」の創設メンバーで、わが国有数のハイランド・パイパーであり、特に「ピブロック」については第一人者でもある森能文さんが、その愛好会結成以前の「ブラックホーク」での「トラッド」体験について、ブログと掲示板を始められています。

ブログ「パイパー森・My Roots Music
経過について
専用掲示板


 この時期はわが国にブリテンのルーツ/フォーク・ミュージックが紹介され初めた頃で、「ブラックホーク」の「お皿回し」だった故松平維秋氏がその仕掛け人だったわけですが、かれの仕掛けに応えて、これを支えたのが森さんなどの少数の熱心なファンでした。それが本国での盛上りに感応する形で1977年の「愛好会」結成として実を結びます。そのあたりのことやそれ以前のわが国での「トラッド」をめぐる状況、ご本人の思い入れなどが、語られています。

 その頃はミュージシャンの来日など考えられもせず、一にも二にもレコードを聞くことしかできませんでしたから、ブログも当然、様々なレコードを中心に書かれています。

という大阪出身のシンガー・ソング・ライターが東京ツアーをするそうです。

 ラミ犬さんがしつこく言うので聞いてみたら、これあいい! このかすれ声は好きです。なんとCDがアマゾンでも買えます。メールして、郵便局で送金して、という手続きが普通なので、ちょっとびっくり。

 土曜日だけワンマン、他は共演らしい。土曜日は行けないので、あと2日のどちらかに行くつもりなり。


04/21(土)  東京 池尻大橋 CHAD
04/22(日)東京 池ノ上 ボブテイル
04/23(月)東京 渋谷 SPUMA


良元優作ブログ

試聴はこちら

 第8回目の今年の受賞者が発表になりました。詳しくはこちら

 授賞式の模様の放送はこちら。放送後、1週間、オンラインで聞けます。

 今年の話題はなんと言っても、オリジナル・ペンタングルの30年ぶりの再編で、《LIGHT FLIGHT》からの曲を含む2曲を演奏したそうです。

 今回のキーワードは「新旧交代」かな。大ベテランとここ数年急速に台頭している若手の二つにみごとに分かれてます。中間がいない。オイスターバンド、アルビオン・バンド一族、ショウ・オヴ・ハンズなど、いないわけではないですが、昨年は年寄りと若者の活躍の影に隠れてしまったのでしょう。


BEST ALBUM -- 《FREEDOM FIELDS》 -- SETH LAKEMAN
FOLK SINGER OF THE YEAR -- SETH LAKEMAN
 これまではどちらかというと兄さんたちばかり注目されてきましたが、一気にブレイク、かな。ベロウヘッド、ティム・ヴァン・エイケンなど、並み居るライヴァルを押しのけての受賞。

BEST DUO -- MARTIN CARTHY & DAVE SWARBRICK
 スウォブ復活のお祝いでしょうか。デュオの新作《STRAWS IN THE WIND》まで出てしまったのには驚きました。

BEST GROUP -- BELLOWHEAD
http://www.bellowhead.co.uk/
 フル・アルバムとしてはデビューの《BURLESQUE》は fRoots 誌のベスト・アルバム、Songlines や MOJO の両誌でもベスト・アルバムに選ばれました。

BEST ORIGINAL SONG -- DAISY: KARINE POLWART
 セカンド・ソロ《SCRIBBLED IN CHALK》収録。
 個人的にはショウ・オヴ・ハンズの〈Roots〉(この授賞式でもライヴ演奏されました)の受賞を期待してましたが、まあ、文句はないです。

BEST TRADITIONAL TRACK -- BARLEYCORN: TIM VAN EYKEN
 《STIFFS LOVERS HOLYMEN THIEVES》収録。これ、なぜかライス・レコードより国内盤が出てます。確かにこの曲の解釈としては出色。

MUSICIAN OF THE YEAR -- CHRIS THILE
 新世代ブルーグラス・バンド、ニッケルクリークのマンドリン奏者クリス・シーリーがアメリカ人として唯一の受賞。ソロ・アルバム《HOW TO GROW A WOMAN FROM THE GROUND》に対するものらしい。

HORIZON AWARD -- KRIS DREVER
 ソロ・デビュー作《BLACK WATER》が好評のスコットランドのシンガー。エイダン・オルーク、Martin Green とのトリオ Lau もなかなかです。

BEST LIVE ACT -- BELLOWHEAD

LIFETIME ACHIEVEMENT AWARD -- PENTANGLE

LIFETIME ACHIEVEMENT AWARD -- DANNY THOMPSON

GOOD TRADITION AWARD -- NIC JONES

FOLK CLUB AWARD -- THE RAM, CLAYGATE

AUDIENCE VOTE -- FAVOURITE FOLK TRACK -- WHO KNOWS WHERE THE TIME GOES: SANDY DENNY/FAIRPORT CONVENTION

 イングランド最高のデュオ、ショウ・オヴ・ハンズ最大のヒット曲(^_-)〈Roots〉のビデオ・クリップのダウンロード販売が始まってます。

 公式サイトから直接買うと、1.79GBPです。

 ビデオは昨年の Trowbridge Festival でのライヴ映像をもとにして新たに作られたものです。

 この唄は最新作《WITNESS》収録で、イングランド人に自分たちの独自の文化を見なおし、他人の後ばかり追いかけるなと訴えて、イングランドではセンセーションになっています。アイルランドやスコットランドの文化が(音楽ばかりでなく)「ケルト」のくくりで世界的に脚光を浴びる中、イングランドの人びとにとって、文化的アイデンティティ崩壊の危機が実感されているようですが、その状況への反映でもあり反応でもあるのでしょう。

 ここ1、2年、イングランドのフォーク・シーンが盛りあがってきていますが、その原動力にもこうした危機感があるのではないかと思います。

 このところ、CDの虫干しと iTunes にジャケ写(「アートワーク」と称する)を取りこむのにはまってしまい、正直、他のことはどーでも良くなりつつあるのですが、"Stop making sense." という呼びかけに習い、ライヴのお知らせを二件ほど。

 一つはトゥクトゥク・スキップのイベントとしてメルマガにも載せてますが、結局脱線展開して、トゥクトゥク・クラッシュ?!★として「平成ミンストレル・ショウ」に出ることになったそうです。


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こんばんは、トゥクトゥクよねっちです。徐々に秋も深まり涼しくなってきましたが如何お過ごしでしょうか? この度トゥクトゥクは、季節の移り変わりとも無関係な熱い・速い新ユニットを新たに発進! 来週10/9、『トゥクトゥク・クラッシュ?!★』誕生です。よねっち(mandolin)&やまねー(guitar)、2人きりでギリギリすれすれパフォーマンス、普段のトゥクトゥク・スキップでは演らないネタも披露しますよ。皆さん事故らないでね〜♪
★10/09(月・祝)@高円寺Moon Stomp
【平成ミンストレル・ショウ 其の壱四】
<出演>トゥクトゥク・クラッシュ?!★の他、計4バンド出演。
<時間>イベント開始18:30〜(トゥクトゥクは3番目ぐらいか?)
<料金>1,000円 (安〜う!)
<TEL>03-3310-6996

10/19(木)@下北沢440
【平成ミンストレル・ショウ 秋のスペシャル】
<出演>
・トゥクトゥク・スキップ (フォークダンスPOP?)
・町田謙介(魂の唄、ブルース)
・ヒネモス(大人になった鼓笛隊 いかれた音楽集団) 
・Mrナカサコと彼のナポリタンカフェオーケストラ(歌謡Swing)
<時間>18:30〜(トゥクトゥクは2番目19:15頃〜)
<料金>予約2,500円+ドリンク/当日2,800円+ドリンク
<TEL>03-5481-4165
 
By よねっち(トゥクトゥク・スキップ)
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 今一つは前回のベスト盤発売記念ライヴが絶好調だったソウル・フラワー・ユニオンの年末ツアー。アコーティック・パルチザンも含めると、「月刊ソウル・フラワー」ですな。
 今回のツアー用Tシャツの通販もする由。

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★ソウル・フラワー・ユニオン 『年末ソウルフラワー祭2006』開催決定!!
◎12/11(月)<大阪> 心斎橋CLUB QUATTRO
◎12/15(金)<神奈川> CLUB24 YOKOHAMA
◎12/16(土)<東京> LIQUIDROOM ebisu
※breast ONLINE shopにてチケット先行販売中!

★ソウル・フラワー・アコースティック・パルチザン
『ソウル・フラワー・ユニオン、BEST盤発売記念地方興行・アコースティック編』
◎11/15(水)<京都> 磔磔
◎11/16(木)<広島> 横川シネマ
◎11/18(土)<静岡> 浜松メリーユー
◎11/20(月)<東京> 吉祥寺 Star Pine's Cafe
◎11/22(水)<那覇> 桜坂劇場ホール
◎11/23(木)<北谷> Mod's
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※ネットマガジン「魂花時報」読者には、breast ONLINE shopにてお申込いただくと、どのチケットよりも最優先でご入場できるチケットをご用意致します!

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その他、SFU・SFMS情報は、オフィシャルサイトにて。
 

 タムボリンのリストにもありますが、ニック・ジョーンズのライヴ録音が10/09にトピック・レコードからリリースされます。《GAME, SET, MATCH》というタイトルで、1970年代末のライヴの録音の由。

 ニック・ジョーンズのライヴ録音は、夫人が呼びかけて集めたプライヴェート録音から作ったものが以前出ています。今回はトピックから、いわば公式リリースなので、音質や演奏も望みうる最高のものと期待できます。

 ちなみにニック・ジョーンズは1970年代、ブリテンのフォーク・リヴァイヴァルの一角を担った名シンガー&ギタリスト。人懐こさがそのまま形になったような、ほのかな明るさを感じさせる暖かい声の持ち主。ギタリストとしては、オープン・チューニングの弦に、右手首を回転させて中指ないし薬指を叩きつける独特の奏法で、ビートを強調したバラッド演奏を生みだしました。スタジオ録音としては最新のものである《PENGUIN EGGS》 (1980) にその完成形が聞けます。これもトピックから今はCDとして出ています。

 余談ですがこのアルバムの冒頭の曲〈Canad-ee-i-o〉は、後にボブ・ディランがほとんどそのままカヴァーしました。

 1982年に交通事故で脳に損傷を負い、奇跡的に一命はとりとめましたが、音楽家として公の演奏は以来していません。
 公式サイトはこちら

 悲劇的な形で音楽家生命を絶たれたこともありますが、ニック・ジョーンズと聞くだけで血が騒ぐのは、かれの残した録音のすばらしさの故でもあります。数は少ないながら、どれも珠玉と呼んで良いものばかり。

 また、あまり前面には出しませんがフィドルの名手でもあり、例えばショウ・オヴ・ハンズのフィル・ビアのようなイングランドのフィドラーに与えた影響は大きいものがあると、ビア自身が言っています。

 録音としてすぐ浮かぶものにセカンド・アルバムのバラッド〈Edward〉や3作目《NOAH'S ARK TRAP》の〈Jackie Tar〉がフィドル伴奏ですが、手に入りやすいものとしてはシャーリィ・コリンズ&アルビオン・カントリー・バンド《NO ROSES》があります。この中の〈The murder of Maria Marten〉の後半のフィドルとコーラスがニック・ジョーンズです。

 ニック・ジョーンズはまたメアリ・ブラックに大きな影響を与えたことでも知られます。メアリの出世作〈Annachie Gordon〉はやはり《NOAH'S ARK TRAP》収録のヴァージョンのカヴァーです。

 編集部偏愛のイングランド最高のデュオ、ショウ・オヴ・ハンズの10月のイングランド・ツアーに、こちらも偏愛のウェールズのシンガー・ソング・ライター、マーティン・ジョセフが「前座」として参加することになったそうです。

 この3人はずいぶん前から親友同士で、以前から一緒にツアーすることを考えていたそうですが、この秋、マーティンがソロで回ることにいささかくたびれて、ショウ・オヴ・ハンズのツアーの「前座」をやってみるのはどうかと提案して、ショウ・オヴ・ハンズも喜んだ由。

 うーん、このステージは観たいなあ。ひょっとして YouTube あたりにビデオとかあがるかもしれませんが、生を見たい。

 ショウ・オヴ・ハンズとマーティン・ジョセフについてはそれぞれのサイトをどうぞ。録音も聞けますし、ライヴ・ビデオも見られます。ショウ・オヴ・ハンズの最新作WITNESSは、アフロ・ケルト・サウンド・システムのサイモン・エマースンのプロデュースが成功した傑作。マーティン・ジョセフの最新のライヴDVDもすばらしいです。

 エメット・スパイスランド、ウッズ・バンドを再発したエアー・メール・レコーディングスは Dando Shaft の初期3枚も再発するそうで、こちらは07/05発売。各2,730円。

 最初の3枚で、ファーストにはボーナス・トラック4曲入り。サードはオリジナル・ポスター入り。以前、編集盤がCDで出てますが、この3枚が完全な形でCD化されるのは初めてじゃないかと思います。ただ、ぼくなどが知らないうちに出ている可能性もあります。一応チラシやサイトでは「日本初CD化」とうたわれてます。

 ダンド・シャフトはマーティン・ジェンキンズ、ケヴィン・デンプシィ、それにポリィ・ボルトンがいたバンド。フェアポートやスティーライよりややポップよりの、伝統とポピュラーのちょうど中間、いい意味での「中庸」の位置にいた感じです。今聞いても色あせてません。なお、トラディショナル・ベースですが、一応全曲オリジナルです。

 マーティン・ジェンキンズはバート・ヤンシュと一緒に来日もしました。デイヴ・スウォブリックとの Whippersnapper が一番有名かな(このバンドの音源もCD化して欲しい)。

 ケヴィン・デンプシィもいろいろなところで名前を見ます。

 ポリィ・ボルトンはヴィッキィ・クレイトンなんかの先達に当たる、良いシンガーです。一時アシュレィ・ハッチングスとつるんだりしてました。まだまだ元気らしい。

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