クラン・コラ・ブログ(アイルランド音楽の森)

 アイリッシュ・ミュージックなどのケルトをはじめ、世界各地のルーツ音楽を愉しむブログです。そうした音楽の国内の音楽家も含みます。加えて主宰者の趣味のグレイトフル・デッド。サイエンス・フィクション、幻想文学などの話もあります。情報やメモ、ゴシップ、ただのおしゃべりなどもあります。リンク・フリーです。

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07月14日・木
 朝、起きぬけにメールをチェックするとデッドのニュースレターで今年のビッグ・ボックスが発表されていた。



 1981, 82, 83年の Madison Square Garden でのショウを集めたもの。2019年のジャイアンツ・スタジアム、昨年のセント・ルイスに続いて、同じ場所の3年間を集める企画。嬉しい。80年代初めというのも嬉しいし、MSG というのも嬉しい。
 MSG では52本ショウをしていて、常に満員。演奏もすばらしいものがそろう。《30 Trips Around The Sun》では1987年と1991年の2本が取られている。1990年が《Dick's Picks, Vol. 9》と《Road Trips, Vol. 2, No. 1》でリリースされている。今回一気に6本が加わるわけだ。わが国への送料は70ドルかかるが、そんなことでためらうわけにはいかない。

 同時に《Dave's Picks, Vol. 43》も発表。1969年の11月と年末の2本のショウ、どちらもベア、アウズレィ・スタンリィの録音したもの。また1曲だけ、年末ショウの〈Cold Snow and Rain〉が次の Vol. 44 にはみ出る。



 いやあ、今日はいい日だ、とほくほくしていたら、夜になって、今度は Earth Records からバート・ヤンシュの《Bert At The BBC》の知らせ。バートが BBC に残した音源の集大成で、147トラック。LP4枚組、CD8枚組、デジタル・オンリーの3種類。Bandcamp は物理ディスクを買うとデジタル・ファイルもダウンロードできるから、買うとすればLPの一択。それにこのアナログのセットには3本のコンサートを含む6時間超の音源のダウンロード権もおまけで付いてくる。というので、これは注文するしかない。



 神さま、この2つの分のカードが無事払えますように。


%本日のグレイトフル・デッド
 07月14日には1966年から1990年まで8本のショウをしている。公式リリース無し。

1. 1966 Fillmore Auditorium, San Francisco, CA
 木曜日。"A Pleasure Dome" と題されたこのヴェニュー4日連続のランの初日。開場9時。共演 Hindustani Jazz Sextet、ビッグ・ブラザー&ザ・ホールディング・カンパニー。セット・リスト不明。
 Hindustani Jazz Sextet は主にトランペットの Don Ellis (1934-78) が1966年頃に西海岸で結成したバンド。メンバーはエリス、シタールとタブラの Harihar Rao、ヴィブラフォンの Emil Richards、 Steve Bohannon のドラムス、ベースに Chuck Domanico と Ray Neapolitan、それに Dave Mackay のピアノ。サックスの Gabe Baltazar が参加したこともある。

2. 1967 Dante's Inferno, Vancouver, BC
 金曜日。このヴェニュー2日連続の初日。3(カナダ)ドル。6時と12時の2回ショウらしい。共演 Collectors、Painted Ship。セット・リスト不明。

3. 1970 Euphoria Ballroom, San Rafael, CA
 火曜日。このヴェニュー2日連続の初日。3ドル。デヴィッド・クロスビー、ニュー・ライダーズ・オヴ・パープル・セイジ、Rubber Duck Company with Tom Constanten 共演。
 第一部がアコースティック・セット。クローザーの2曲〈Cumberland Blues〉と〈New Speedway Boogie〉でデヴィッド・クロスビーが12弦ギターで参加。ガルシアはこの2曲でエレクトリック・ギター。
 Rubber Duck Company はベイエリアのマイム・アーティスト Joe McCord すなわち Rubber Duck のバック・バンドとしてトム・コンスタンティンが1970年に作ったバンド。シンガー、ギター・フルート・シタール、ヴォイオリン、ベース&チェロ、それにコンスタンティンの鍵盤というアコースティック編成。

4. 1976 Orpheum Theatre, San Francisco, CA
 水曜日。このヴェニュー6本連続の3本目。6.50ドル。開演8時。
 良いショウだそうだ。

5. 1981 McNichols Arena, Denver, CO
 火曜日。このヴェニュー2日連続の2日目。13.75ドル。開演7時半。
 ベストのショウの1本という。

6. 1984 Greek Theatre, University of California, Berkeley, CA
 土曜日。このヴェニュー3日連続のランの中日。14ドル。開演5時。
 ここは音響が良く、デッドはそれを十分に活用しているそうな。

7. 1985 Ventura County Fairgrounds, Ventura, CA
 日曜日。このヴェニュー2日連続の2日目。15ドル。開場正午、開演2時。
 空はずっと曇っていて、第一部クローザー前の〈Looks Like Rain〉でぱらぱら来たが、すぐに陽が出て、海からの風が心地良かった。

8. 1990 Foxboro Stadium, Foxboro, MA
 土曜日。23.50ドル。開演4時。エディ・ブリッケル&ザ・ニュー・ボヘミアンズ前座。ヴェニューは名前がころころ変わっている。
 ショウは良い由。(ゆ)

1227日・月

 東京・あきる野市の「カフェ・トラモナ」が、ジャズを中心に最新の音楽情報などを紹介しているサイト、ARBAN(アーバン)の「いつか常連になりたいお店」で紹介されたよ、とおーさんから知らせてくる。覗いてみると、かっこよく紹介されている。トラモナは常連になりたいというより、居つきたい店だが、居つくには近くに引越さねばなるまい。


 ARBAN の記事ではもっぱらアメリカものが取り上げられているが、マスターの浦野さんはイングランド大好きで、メロディオンを嗜む。イングリッシュ・ダンス・チューンを演奏する、まだわが国ではそう多くない人の1人で、店にもイングランドもののレコードがたくさんある。昔のブラックホーク仲間でも、あたしとは一番趣味が近いかもしれない。


 ああ、それにしても、ああいう店がこの辺りにも欲しいもんだ。誰かやってくれるなら、ウチにあるレコード、全部預けてもいい。



##本日のグレイトフル・デッド

 1227日には1967年から1991年まで14本のショウをしている。公式リリースは2本。


01. 1967 Village Theater, New York, NY

 このヴェニュー2日連続の2日目。共演前日と同じ。


02. 1970 Legion Stadium, El Monte, CA

 このヴェニュー3日連続の中日。ニュー・ライダーズ・オヴ・パープル・セイジ前座。

 第二部3曲目〈Attics Of My Life〉が2016年の《30 Days Of Dead》でリリースされた。

 会場は平均的な高校の体育館よりも狭かったそうだが、アメリカの高校の体育館はばかでかいので、そう狭くはないだろう。デッドのヴェニューとしてはこじんまりした、距離の近いところだったらしい。もっともウィアとガルシアが二人とも聴衆に、スペースがあるから自由に動きまわるよう薦めたという。チケットもぎりの男とピグペンがウィスキーのパイント壜を回し飲みしていたそうな。

 前日に地元のラジオ局 KPPC にガルシア入りニュー・ライダーズ・オヴ・パープル・セイジが出演した。

 〈Attics Of My Life〉はまだよくわからない歌だ。コーダに向けてわずかに盛り上がる。この歌の演奏としては良い。カタチが見える。


03. 1977 Winterland Arena, San Francisco, CA

 大晦日に向けての4本連続のランの初日。ポスターはガルシアの右手のみを黒バックに白く抜く形で描く。


04. 1978 Golden Hall, San Diego Community Concourse, San Diego, CA

 このヴェニュー2日連続の初日。


05. 1979 Oakland Auditorium, Oakland, CA

 大晦日に向けての5本連続のランの2日目。


06. 1980 Oakland Auditorium, Oakland, CA

 大晦日に向けての5本連続のランの2日目。


07. 1981 Oakland Auditorium, Oakland, CA

 大晦日に向けての5本連続のランの2日目。


08. 1982 Oakland Auditorium, Oakland, CA

 大晦日に向けての5本連続のランの2日目。13.50ドル。開演8時。


09. 1983 San Francisco Civic Center, San Francisco, CA

 大晦日に向けての4本連続のランの初日。開演8時。


10. 1986 Henry J. Kaiser Convention Center, Oakland, CA

 大晦日に向けての4本連続のランの初日。開演8時。


11. 1987 Oakland-Alameda County Coliseum Arena, Oakland, CA

 大晦日に向けての4本連続のランの初日。17.50ドル。開演7時。


12. 1989 Oakland-Alameda County Coliseum Arena, Oakland, CA

 大晦日に向けての4本連続のランの初日。20ドル。開演7時。E・ストリート・バンドの Clarence Clemons が第二部全体に参加。という情報もあるが、2018年の《30 Days Of Dead》でリリースされたその第二部2〜4曲目〈Playing In The Band> Crazy Fingers> Uncle John's Band〉では聞えない。

 この並びは珍しい。PITB の後半、フリーの荘厳な集団即興になる。こうなっても聴いていて面白いのがデッドのデッドたるところ。張りつめた即興のなかに、笑いが垣間見える。それがすうっと収まって CF になる。UJB ではガルシアのヴォーカルが時々聞えなくなる。PA の調子が悪いのか、ガルシアがマイクからはずれるのか。コーダに向かって全員でのリピートからガルシアが抜けだして展開するソロがいい。


13. 1990 Oakland-Alameda County Coliseum Arena, Oakland, CA

 前年に続いて、大晦日に向けての4本連続のランの初日。22.50ドル。開演7時。


14. 1991 Oakland-Alameda County Coliseum Arena, Oakland, CA

 3年連続で、大晦日に向けての4本連続のランの初日。開演7時。この年末・年越しショウの原動力だったビル・グレアムがこの年死んだため、大晦日にかけてのランはこれが最後。(ゆ)


 世事にうとくなって、スウォブリックの死去さえ、ひと月以上経ってから知る有様だが、知った以上はひとこと書かないわけにはいかない。

 スウォブリックを初めて聴いたのは、いわゆるケルト系ダンス・チューン、より正確にはアイリッシュのダンス・チューンを初めて聴いたのと同時だった。すなわち、かれが演奏するアイリッシュのダンス・チューンを聴いたのだった。

 バンドはフェアポート・コンヴェンション。録音は1977年に出た《LIVE AT L.A. TROUBADOUR》。いわゆる「フルハウス」フェアポートがその絶頂期にアメリカはロサンゼルスの有名なライヴハウスに出たときのライヴ。この録音は権利関係の問題からか、ついにCDになっていない。

 数年してロサンゼルスに滞在していた時、このライヴハウスに行ってみた。手前がバー、その奥がホールという普通の構造。ホールはかなり細長く、入って右手、長い方の辺に低いステージがある。客席は三階ぶんくらいまであったと記憶する。当時はポスト・パンクの頃で、その時出ていたバンドも1曲2分くらいの、メロディの起伏のほとんどない曲を次々にやっていた。客で来ているらしい若い娘が2人、ステージの前に出て、体をまっすぐに立て、両腕をぴたりと胴につけて細かく跳ねながら、それに合わせて首を左右に高速で振るという、ダンスともいえない動作を曲が演奏されている間ずっとしていた。2人がまったく同じ動作をステージの前、左右に別れてやっているのは、ロボットに見えた。

 フェアポートの《トゥルバドール》を聴いたのはもちろん渋谷のブラックホークで、冒頭のマタックスの「カン、カン」に続いてスウォブリックのファズ・フィドルが弾きだした途端、体に電流が走った。この「カン、カン」からして、アイルランドのケイリ・バンドへのオマージュであり、パロディであると知るのは、遙か後年、そのケイリ・バンドの録音を聴いた時だ。

 ここでフェアポートがやっているのは踊るための音楽ではなくて、聴かせる、聴くための音楽で、松平さんが「一瞬も眼を離せないボクシングの試合」に譬えた、スウォブリック、トンプソン、マタックスのせめぎ合いは、フェアポート自身、空前にして絶後である。それが最高潮に逹するのはB面の〈Mason's Apron〉で、ここでの印象があまりに強いので、この曲は誰のものを聴いてものったりくたりに聞える。

 スウォブリックの最大の功績は、アイリッシュやスコティッシュのダンス・チューンをロック・バンドのドライヴで演奏するスタイルを作ったことだ。これと並んで大きいのが、フィドルをロック・バンドのリード楽器にしたことだ。そしてどちらも、スウォブリックを本当の意味で継承する存在はその後出ていない。

 スウォブリックはしかしそれだけの存在ではなかった。次にかれのフィドルが深い刻印をあたしの感性に刻んだのは、サイモン・ニコルとのデュエットで出した《CLOSE TO THE WIND》での〈シーベグ・シーモア〉だった。ニコルのアコースティック・ギターから始まり、スウォブリックのフィドルも生だ。デイヴ・ペッグが途中からベースで加わる。2人に支えられて、スウォブリックは奔放な変奏を重ねる。この曲は演奏者を狂わせる、とかれはどこかで言っている通り、曲を極限まで展開してみせる。《トゥルバドール》とは対極的な静かな狂気だ。やがてペッグが離れ、おちついてゆくのだが、最後の最後にひらめかせる捻りに、あたしはいつも投げとばされて伸びる。来ることはむろんわかっていて、身構えてもいるのだが、いつも投げとばされる。

 この曲には名演も数あるなかで、この演奏はダントツでベストだ。誰に聴かせても、途中から黙りこむ。そしておわると皆一様に溜息をつく。

 もう一つ、スウォブリックのフィドルの冴えに感銘したのは歌伴だ。相手はマーティン・カーシィではない。カーシィとのデュオは文句はつけようがないが、本当の良さがまだあたしにはわからない。たぶん聴き込み不足なのだろう。

 スウォブリックの歌伴のひとつの究極はA・L・ロイドの〈The Two Magicians〉だ。この曲自体、ロイドが様々な版から編集した、ほとんど創作といってよいものだが、これがロイドとスウォブリックの飄逸なうたとフィドルで演奏されると、なんともたまらないおかしみがにじみ出る。解釈のしかたによっては、このうたは今では政治的に正しくないとされかねないが、本来は知恵比べ、一種のゲーム、ユーモアとエスプリをたたえた遊びをうたったものなのだ、とこれを聴くとわかる。スウォブリックのフィドルの軽みはロイドのうたを浮上させ、舞い上がらせ続ける。

 スウォブリックのキャリアのハイライトは他にもたくさんある。晩年の、本人のふんふんという唸り声だけが伴奏のソロ・ライヴもいい。「フルハウス」フェアポートの再編による《SMIDDYBURN》が出たときには狂喜乱舞したし、今でも聴けば興奮する。マーティン・ジェンキンズとの Whippersnapper は目立たないが重要な実験だ。

 録音も多い。全部きちんと聴こうとすれば、残りの人生がつぶれそうだ。フィドルという楽器の可能性がそこに尽くされているとは言わないが、これだけいろいろなフィドルを弾ける人間はまあ一世紀に一人ではないか。かれが数ある楽器のなかから、フィドルをおのれの楽器として選びとったことは人類にとってとても幸せなことだった。そう、かれはフィドルを選びとったのだ。フィドルを含む伝統の中に育ったのではない。だからこそ、あれほど多種多様なフィドルを弾けたのだ。あたしにとって、かれはフィドラーであって、断じてヴァイオリニストではなかった。

 スウォブリックの前にスウォブリック無く、スウォブリックの後にスウォブリックはいない。

 さらば、スウォブ。ありがとう。合掌。(ゆ)

手引本文最初の項目は「ア・カペラ」。元はラテン語で「礼拝堂様式で」という意味。楽器伴奏無しの歌唱すなわち無伴奏歌唱のこと。執筆は編集部、つまりフィンタン・ヴァレリー。
    
    ア・カペラというとア・カペラ・コーラスと思ってしまうが、ソロ歌唱もア・カペラと呼ぶ。シャン・ノース歌唱がそうだし、ブリテンの英語のバラッド歌唱も基本は無伴奏だ、とヴォーン・ウィリアムスも言っている。
    
Prince Heathen    ソロのア・カペラの凄さを初めて実感したのはマーティン・カーシィだった。スウォブリックとの第一期デュオの最後の録音《PRINCE HEATHEN》の〈Little Musgrave & Lady Barnard〉。9分を越えるカーシィの無伴奏歌唱はまったくの不意打ちだった。はじめはあっけにとられ、いつ伴奏が加わるのかと待っていたが、いつまでたっても声だけ。やがて、どうやらこれは最後まで伴奏はないらしいと覚ってたじろぐ頃には、その声に完全に圧倒されていた。別に声を張り上げるわけでもなく、目一杯力瘤を作るわけでもなく、ただただ坦々と淡々と、ある悲喜劇を微に入り細を穿って語っていく。らしい。その頃は歌詞を聞き取れるはずもない。ただ、フェアポートがやっているこのバラッドのアメリカ版〈Matty Groves〉で、話の筋だけは知っていた。茫然とするうちに、感傷などカケラもない、いや感情さえも排した歌唱に、だんだんと引き込まれていった。同時にどこにも余計な力の入っていないその声が、スピーカーから風となって吹きつけ、体が後ろに持っていかれそうになっていた。
    
    アイリッシュやスコティッシュを聴きだしてかなり経っても、器楽のソロや伴奏無しのメロディ楽器だけのデュオの録音にはどこかなじめずにいたが、ソロ・ア・カペラの録音に出逢うとむしろ喜び、繰り返し聴けた。それはたぶん、このマーティン・カーシィの歌唱との邂逅が洗礼であったおかげではないか、と思う。
    
    アイルランドのうたとの出会いはクリスティ・ムーア、アンディ・アーヴァイン、ポール・ブレディであったから、ア・カペラといえばかなり長い間、ソロもコーラスもブリテン、それもイングランドがほとんどだった。ブリテン群島でア・カペラ・コーラスをうたうのが最も好きなのはイングランド人だろう。ウェールズが僅差で続き、だいぶ離れてスコッチ、そしてアイリッシュ。アイルランドのア・カペラを初めて意識したのは、ドロレス・ケーン&ジョン・フォークナーの《BROKEN HEARTED I'LL WANDER》に入っているアイルランド語のマウス・ミュージックだった。
    
    この記事でアイルランドのア・カペラ・コーラスの例として挙げられているヴォイス・スクォド The Voice Squad を初めて聴いたのは、《ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム-アイリッシュ・ソウルを求めて》のビデオだったし、フォールン・エンジェルズ The Fallen Angels にいたっては2ndの《HAPPY EVER AFTER》1998 が最初だ。CITM のそれぞれの項目によれば、どちらも1980年代末に活動を開始している。ヴォイス・スクォドはイングランドのコッパー・ファミリー、ウォータースンズの影響が濃いが、これはフィル・カラリー Phil Callery が持ち込んだもの、とある。
    
    カラリーのインスピレーションの源にはスカラ・ブレイ Skara Brae も挙げられていて、そういえばかれらや初期クラナドの録音にもア・カペラのトラックがあるはずだが、印象は薄い。どちらも伴奏ありの記憶しかない。
    
    今はアヌーナがいるし、ドニミク・マク・ギラ・ブリージェ率いるドニゴールの Cor Thaobh A' Leithid もある。

    これをお手本として、《CELTSITTOLKE~関西ケルト/アイリッシュ・コンピレーションアルバム》でミホール菱川さんをリーダーにアイルランド語でア・カペラ・コーラスをやったのは快挙だ。Vol.2にはこれが無いのがちょと寂しい。
    
    1920〜30年代にアメリカで流行った男声カルテットによる甘いア・カペラ歌唱を英語で “barbershop (quartet)” 、というのは今回初めて知った。わが国では床屋の客たちは「政談」をするが、アメリカではうたうらしい。(ゆ)

ユニークなケイリ・バンド、トゥクトゥク・スキップのライヴ情報です。
    
    先月でライヴが累計200本になったそうな。おめでとうございます。
    

こんばんは、よねっち@トゥクトゥク・スキップです。

    ついこの前までの酷暑が嘘のように、一気に季節の折り返しが来ましたが、皆様お元気でしょうか?

    トゥクトゥクはお陰様で先月、『祝♪ 200本ライブ』を迎えました。日常の延長線上で到達した感じでしたが、今年のベスト3に入るぐらい大爆発で笑いっぱしな一夜となりました。皆様に感謝です!

    また今月から新たな気持ちでライフワーク(Live)に臨みたいと思います。
パブ・ライブが2本、アイリッシュ〜ケルト方面のイベントにも出演が決定。
ぜひぜひ遊びに来てくださいね♪

★10/13(木)池袋 Dubliner's Irish Pub  <ワンマン>
 【入場無料】 20:00〜23:00 3〜4ステージ予定

★10/23(日)千代田区岩本町 Live Cafe Egg-man tokyo east
 『Earth Wind & Music #1』
 出演:きゃめる、ROSSA、トゥクトゥク・スキップ
 Open 18:00/ Start 19:00
 チャージ 予約:2,000円(Drink別)/当日:2,300円(Drink別)

★10/26(水)渋谷 Dubliner's Irish Pub  <ワンマン>
 【入場無料】 20:00〜23:00 3〜4ステージ予定

トゥクトゥク・スキップ HP
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Thanx! > よねっち

開始時刻の問い合わせがあったのであらためて確認します。
    
    10/15(土)15:30開始
    
    土曜日の開店時刻は14:00です。終了は18:30過ぎぐらい。19:00までには終わりたいと思ってます。
    
    場所は四谷の駅から歩いて5分かかりません。新宿通りを新宿に向かって進み、右側、ビルの地下一階。くわしくは店の公式サイトをどぞ。

    オーディオ・システムも公式サイトにあります。当然ブラックホークのものからは新しくなっていますし、空間もブラックホークより広く、音響への配慮もされているので、音は格段に良いと思います。いーぐるはジャズ喫茶ですのでオーディオも当然ジャズを標準に調整されていますが、ブラックホークも設備はジャズ喫茶のままのはずでしたから、指向性は同じでしょう。(ゆ)

渋谷百軒店ブラック・ホーク伝説 (CDジャーナルムック)    既報の標題のイベントが来週末に迫りました。鋭意、選曲中。

    いろいろ考えてもみたのですが、とにかくこの99選に選ばれたアルバムに入っている音楽はどれも時代の枠を超えたすばらしいものであることは確かと思われるので、そのことを確認してみたいということに尽きる、との(一応の)結論にいたりました。
    
    ですから、ひょっとすると、こりゃあ今ではつまらん、というものが出てくる可能性もあります。
    
    むろん全部かけるわけにはいきません。時間的にも無理ですし、ぼくは全部は持っていません。ので、およそ3分の1くらいでしょうか。この99選では「ブリティシュ・トラッド」と呼ばれている英国伝統音楽にはなるべく偏らないように選んでおります。とはいえ、ぼくが選ぶわけですから、どうしてもそちらが多くなるのはいたしかたなし。
    
    ということで、お暇のある方は来週土曜日、東京・四谷はいーぐるでお眼にかかりましょう。(ゆ)

東京・四谷のジャズ喫茶「いーぐる」の連続講演として村井康司さんがやっておられる「ジャズ史で学ぶ世界の不思議」の07/16(土)15:30からの第2回に(ゆ)がゲストとして出ます。
    
    村井さんの連続講演はジャズの「正史」見直しの一環で、これまでジャズの文脈ではあまり語られて、聴かれてこなかった類の音楽をジャズの視点からとらえなおそう、という試みです。
    
    と、(ゆ)は解釈しております。
    
    (ゆ)にお声がかかったのは、ジャズ史というよりもその前段階、ジャズを生んだアメリカ音楽の源流を探ろうという意図であろう、と、これも勝手に考えております。
    
    ジャズも含めたアメリカのポピュラー音楽を生んだ複雑な交配と化学的変化の主な要素が、アイルランド、ブリテンから移民が持ちこんだ音楽と、アフリカからカリブ経由で奴隷が持ちこんだ音楽であることは、こんにち、ほぼ常識と言ってよいと思います。
    
    その辺りを、実際の音源で聴いてみようということがひとつ。
    
    そのケルト系とアフリカ系それぞれの音楽の背後にアラブ/イスラームの音楽があり、これが北米大陸での音楽の化学反応にめだたないながら触媒として作用していた、という議論がある。それも音源を聴いてみようということがもう一つです。
    
    もちろん、こういう壮大な話をきちんと跡づけることは(ゆ)の能力の範囲外でありますし、また時間的にも足りません。むしろ、(ゆ)の投げる球を村井さんがジャズの視点からどう打ち返されるか、が面白いところではありましょう。こちらとしてはストレートを投げるつもりですが、角度によっては曲球に見えるかもしれません。
    
    ですので、選んでいる音源はケルト系はむしろ少なく、アラブや地中海関連が比較的多くなります。
    
    手術後初めてのイベントで、体力的な不安もありますが、村井さんのお話だけでも聴く価値は十分以上ですので、(ゆ)としてはもっぱら、「いーぐる」のあのシステムで大好きな音楽を聴けるのを楽しみにしております。
    
    というわけで、ケルトとアラブは音楽の上では案外近いことをお聴きになりたい方など、お運びいただければさいわいです。(ゆ)

    アリソン・クラウスとの《Raising Sand》とそれに続く Raising Sand Review でもののみごとにスターダムに復帰したロバート・プラントが、新たなバンドを立ち上げてツアーを始めています。
   
    レイジング・サンド・レヴューもすばらしかったのですが、そのツアーの後期に参加したバディ・ミラーとプラントはとりわけ意気投合したらしく、この新バンドはバディがバンマス、パティ・グリフィンがセカンド・シンガー、ダレル・スコットが脇をかためるという布陣。ベースはバイロン・ハウス、ドラムス&パーカッションは Marco Giovino。
   
    バディとパティとダレルももちろんリード・ヴォーカルをとれる、というよりはシンガーとしてもプラントとどちらが上かという人たちです。
   
    インストルメンタリストとしても、バディのギターはいわずもがな、ダレルはギター、マンドリン、ペダルスティール、いずれも達人です。ドラムスのマルコは若い人のようですが、ベースのバイロンはナッシュヴィルのベテランとして引っ張り凧の人。
   
    さらにバディ、ダレル、パティの3人はソングライターとしても第一級。
   
    とまあ、ほとんど「スーパーグループ」ですけど、たとえばここにあがっているビデオなど見ると、コンパクトにまとまっている分、レイジング・サンド・レヴュー以上にすばらしく、9月に予定されている新譜(プロデュースはもちろんバディ)がとても楽しみになってきました。バディが脚光を浴びるきっかけとなったエミルー・ハリスの《Spyboy》の感じに似てますね。

    パティ・グリフィンは先頃バディのプロデュースで大傑作《Downtown Church》をリリースしましたし、バイロンはバディとのつきあいも長いわけですが、ダレル・スコットを入れるというアイデアは誰のものなのか、ちょっと気になります。アメリカでのプラントのファンはもちろん、バディのファンでも今回のツアーまでダレルの何者か知らなかった人も結構いるらしい。
   
    もっとも(ゆ)にしても《TRANSATLANTIC SESSIONS 3》での、すばらしい演奏で初めてかれの存在を知った口ですから大きなことは言えません。いずれにしても、これからアメリカ、英国とツアーが予定されていますから、これでダレルに光があたるのはめでたいことではあります。
   
    上記サイトにはツアー初日のメンフィスでのセット・リストもありますが、結構幅広い選曲で、レイジング・サンド、このバンドのこれから出る新作、バディ、パティ、ダレルそれぞれの曲にくわえて、ツェッペリン時代のレパートリィも結構やっていて、しかも完全に別の曲にしているのが楽しい。レイジング・サンド・レヴューでも〈Black dog〉のみごとなアレンジが光ってましたが、あれで味をしめたか。


   
    昔とまったく同じことを十年一日まったく変わらずに繰り返す、たとえば今のストーンズのようなやり方を喜ぶ人は多いのでしょうが、(ゆ)は古い曲をとりあげても、別のやり方で、その時々のその人にふさわしいやり方で解釈しなおす方を良しとします。その間の経験をぶちこんで味わいの増すこともあるわけで、その点、レイジング・サンド以降のプラントは、実に良い年のとり方をしています。
   
    そのレイジング・サンド・レヴューのツアーの最中にツェッペリンの再編コンサートがあったわけですが、まだ再編を続けることに未練のあったらしいページを尻目に、コンサートが終わるとプラントがさっさとレイジング・サンド・レヴューのツアーにもどったのも、無理はないでしょう。
   
    もっともプラントはレイジング・サンド以前も、売れないながらかなり面白い音楽をやっていたことは、遅まきながら、後追いで聞いてもわかります。おのれの過去にからめとられてしまっているようなページとは対照的に、自由に好きな音楽を求め、うたいたいうたをうたいつづけてきたその結果として、今、豊かな収穫の時を迎えていると見えます。
   
    レイジング・サンドのだいぶ前、2003年に、例のサハラ砂漠の奥地で開かれる「砂漠のフェスティヴァル」にジャスティン・アダムズと二人で出た時の録音が、このフェスティヴァルのライヴ記録に入っていました。どブルースをやっているのですが、これがひどく良くて、当時ちょうど売り出し中だったティナリウェンなんかとならんでもまったく遜色なく、へー、プラントもいいじゃん、と見直したことでありました。フェスティヴァルの公式サイトに掲載されていたプラントの写真がまた良くて、かれがロックの大スターと知る人間は誰もいないところで、のびのびしている様子が出ていました。
   
    「砂漠の音楽祭」の公式サイトはこちら
    トップ・ページにプラントの言葉が引用されてます。
    「(ここでうたうと)そもそもなんで俺がうたをうたうようになったのかを思い出すよ」
   
    このアルバムの昔『CDジャーナル』に書いた紹介文。

        FESTIVAL IN THE DESERT
        Triban Union/World Village 4980020
         今年1月、マリ共和国ティンブクトゥの西60キロ(車で5時
        間)のエッサカネで「砂漠の音楽祭」の第3回が開かれた。サ
        ハラ砂漠の文字通り真只中にテントを張った会場へと、聴衆の
        大半は駱駝に乗ってやってきた。そして世界一辺鄙な場所での
        音楽祭はサハラ文化圏の新たな展開を高らかに告げる魔法のイ
        ヴェントとなった。その音による記録がこれである。アリ・ファ
        ルカ・トゥーレ、ウムウ・サンガレを筆頭とする地元のスター
        たちが目白押しだが、モーリタニアやイタリア、フランス(ロ・
        ジョ)、なぜかアメリカン・ネイティヴのハード・ロック・バ
        ンドやら、ロバート・プラント&ジャスティン・アダムスとい
        う名前まである。なじんだ名前も初耳の人びとによるものも、
        どの音楽も地上に初めて生まれ出たときのように輝いている。
        老ロック・スターにまで砂漠の神が降臨している。これを聞け
        ば来年1月あなたはサハラに旅立つだろう。生還の保証はない
        が、こういうものを聞きながら死ねれば天国だ。
        2003.11.28
   
    レイジング・サンド・レヴューは大所帯でもあり、呼ぶのは難しかったかもしれませんが、このバンド・オヴ・ジョイなら少人数ですし、集客はプラントだけでも十分でしょうから、ぜひ、どこかに呼んでもらいたいところです。バディとパティとダレルとバイロンが来るなら、何をおいても飛んでゆくというあたしのような人間も、少数ながらいるでしょうし。(ゆ)

    本日はメルマガ本誌の配信予定日ですが、諸般の事情により遅れます。2日ぐらいの遅れに留めたいとは思っております。
   
   
    1972年1月30日にノーザン・アイルランドのデリーで英軍の発砲により、市民14人が死亡したいわゆる「血の日曜日事件」はU2もうたにした有名な事件ですが、この事件の真相を明らかにするために英国政府によって設置されていたサヴィル委員会が、12年の時間と2億6千万円の経費をかけ、2500人から証言を得て、最終報告書を発表しました。発砲の責任はあげて英軍にあり、これまで最初に発砲したとされていたカトリックのデモ隊側には責任無し、というものです。これを受けてキャメロン首相は議会で謝罪しました。
   
    デリーでもプロテスタント三派、国教会、長老派、メソジストの幹部が、事件の犠牲者の遺族に面会し、和解を呼びかけました。
   
    合計5,000ページ(アイリッシュ・タイムズによる)にのぼる報告書はここで読めます。

    また紙の本としても全10冊で1000ユーロで購入可能です。メインの結論部分だけならば、55ユーロです。
   
    Irish Times の特集ページ

    ノーザン・アイルランドの宗派和解の脇腹に刺さったトゲになっていた事件の真相に結論が出たことで、和解のプロセスがまた一歩進むことが期待されます。
   
    自らの過去の行為から逃げずに対面し、あやまちはあやまちとして認める英国の人びとに敬意を表します。(ゆ)

    本日 01:30 からの予定で本誌今月号を配信しました。未着の方はご一方ください。
   
   
    今週、英国新首相デヴィッド・キャメロンはベルファストでノーザン・アイルランドの首相ピーター・ロビンスンと副首相マーティン・マッギネスと会談しました。話題は当然、ノーザン・アイルランドへの助成金カットの問題。ある程度のカットはやむをえないとノーザン・アイルランド側も認識している模様。ただ時期は ノーザン・アイルランド政府側に任され、どうやら1年先送りになるらしい。当面は政府所有不動産売却などでしのぐ。
   
    ただし、先に延ばせば、それだけカット額もふくらむ、という警告もロビンスンから出ています。
   
    ノーザン・アイルランドのGDPの7割が公共部門に関係するものだそうですから、助成金カットはノーザン・アイルランド経済にモロに打撃を与えることは確か。民間部門の底上げをしてカヴァーする、というのがロンドン政府の説明で、そのために経済特区をつくり、法人税を共和国なみに下げるなどの刺激策を行う由。
   
    どうも、これはかなりエライことになるのではないでしょうか。
   
    元ネタの Irish Times の記事はこちら。(ゆ)

    本日 16:00 予定で本誌5月情報号を配信しました。未着の方はご一報ください。ただ、編集部は本日これからと明日は終日外出しておりますので、返事などは遅れると思います。不悪。
   
   
    それにしてもユーロは「暴落」してるのに、なんでポンドは下がらないのか。(ゆ)

    本日は本誌今月号の配信日ですが、諸般の事情により、遅れます。うーん、クリスマス・イヴまでには、と思っております。
   
   
    今年の BBC Radio 2 Young Folk Awards 受賞者が先日発表になりました。最終候補に残ったのはこの人たち


    受賞者はこの人。



Three Score and Ten: A Voice to the People    昨日放送のピーター・バラカンさんの「ウィークエンド・サンシャイン』のトラック・リストです。各トラック、ミュージシャンについては後日紹介していきます。
   
    今回は英国の伝統音楽レーベル Topic Records の70周年記念ボックス《THREE SCORE AND TEN》のリリース記念ということで、このレーベルの意義や、ここで活躍している人びとを紹介するものです。
   
    ほとんどの音源は《THREE SCORE AND TEN》からとっています。このボックスというより、ハードカヴァーの本ですが、これについてはメルマガ本誌の方で精聴連載を始めていますので、そちらもどうぞ。一曲目の〈Hal-An-Tow〉は先月号でとりあげました。バックナンバーはこちら

01. 伝統の伝わり方その1〈Hal-An-Tow〉, trad.
01a. Helston Town Band〈Furry Dance〉《VOICE OF THE PEPOLE 16: You Lazy Lot of Bone-Shakers》, 1944
01b. The Watersons, 《THREE SCORE AND TEN》, 1965
01c. Shirley Collins & the Albion Counrty Band《NO ROSES》, 1971
01d. Oyster Band《STEP OUTSIDE》, 1986

02. アイルランド
02. Sean O'Shea & Bobby Casey,〈The Yellow Tinker> The Humours Of Scarriff〉《THREE SCORE AND TEN》, 1968, trad.

03. イングランド
03a. Ewan MacColl〈To The Begging I Will Go〉《THREE SCORE AND TEN》, 1966, Trad.
03b. Frankie Armstrong〈The Crafty Maid's Policy〉《THREE SCORE AND TEN》, 1972, trad.
03c. John Kirkpatrick & Sue Harris〈The Rose Of Britain's Isle> Glorishears〉《THREE SCORE AND TEN》,  1974, trad.
03d. The Oldham Tinkers〈The Lancashire Toreadors〉《THREE SCORE AND TEN》, 1974, George Formby
03e. June Tabor〈The Scarecrow〉《ABYSSINIANS》1989, Lal & Mike Waterson
03f. Vin Garbutt〈A Man Of The Earth〉《PLUGGED!》1995, Bernie Parry

04. スコットランド
04a. Jeannie Robertson〈MacCrimmon's Lament〉《THREE SCORE AND TEN》, 1959, Trad.
04b. Archie Fisher〈The Broom O' The Cowdenknowes〉《WILL YE GANG, LOVE》 1976, trad.

05. オーストラリア
05. A. L. Lloyd, Martyn Wyndham-Reade & Trevor Lucas〈Waltzing Matilda〉《THE GREAT AUSTRALIAN LEGEND》1971, trad.
 *iTunes Store に有。

06. もうひとつのトピック
06. Chris Foster〈The World Turned Upside Down〉《ALL THINGS IN COMMON》 1979, Leon Rosselsson

07. 伝統の伝わり方その2〈Worcester City〉
07a. Joseph Taylor 《Voice of the People, Vol.3: O'Er His Grave the Grass Grew Green》1908, trad.
07b. Eliza Carthy《ANGLICANA》2002, trad.

Three Score and Ten: A Voice to the People    ピーター・バラカンさんの NHK-FM 土曜朝の「ウィークエンド・サンシャイン」に出させていただきます。昨日収録があり、放送は今週土曜日12日朝07:15からです。「ケルティック・クリスマス」メイン・アクトの日の朝です。そういえば、明日、金曜日朝の InterFM のバラカンさんの番組にアルタンが生出演するそうです。
   
    今回のお題は「民衆のうたを伝えて70年——英国最古のインディーズ・レーベル Topic Records」。先日出た70周年記念ボックス《THREE SCORE AND TEN》を中心に、ふだん、メディアには流れないだろう音源をかけさせていただきました。フランキー・アームストロング(このカヴァーに映っている女性シンガー)とか、ジューン・テイバーとか、アーチー・フィッシャーとか、クリス・フォスターとか、かけられて、個人的には幸せでしたが、さてリスナーの反応はどうでしょうか。
   
    これはボックスというよりも、100ページ超のハードカヴァーの本に7枚のCDを組み込んだ形です。トピック70年のエッセンス、ということはアイルランド、スコットランド、イングランドの伝統音楽、ルーツ・ミュージックの戦後史でもあります。フィールド録音から、ばりばり最先端の同時代音楽まで。その広がりは時空を超えてゆきます。これについてはメルマガ本誌で精聴を試みていますので、そちらもどうぞ。最新号のバック・ナンバーはこちら。

    かけた曲のリストなどは番組のウエブ・サイトに載りますし、ここでも解説します。うたが多いので、歌詞と大意も放送後に載せます。
   
    まさか、一年に二度、出演できるとは思ってませんでした。バラカンさんには感謝感謝。(ゆ)

 東京は新宿3丁目と言うか、もう御苑前に近いあたりにある、知る人ぞ知る店 Hartford Cafe では、来月から毎週日曜日の夜、ブリテイッシュ・トラッド&フォークのアナログ盤を中心にかけるそうです。特にイベントというのではなく、店の中でかける音楽をそちらにすると言うことらしい。自分のコレクションの持込もOK。CDもかまわないとのことですが、家で眠っているアナログを持ちこむのが、趣旨には合うでしょうね。

 開店が夕方の4時。トラッド・タイムは5時から夜の10時まで。閉店は11時。

 8月は3日・10日・17日・31日の4日間。毎月の日程は公式サイトの掲示板やミクシのコミュに出るそうです。

 この店は「亜米利加的音楽処」の看板を掲げてますが、マスターが「ブラックホーク」OBなので、その流れも汲んでいるようです。実はまだ筆者も行ったことがないので、これをきっかけに行ってみますかね。誰か、一緒に行きませんか?(ゆ)

 雑食系というべきでしょうか、
ユニークな個性のダンス・バンド、
トゥクトゥク・スキップのライヴ・アルバムがもうすぐ発売になります。

 下記の販売サイトではすでに予約を受付けてます。
支払い方法は郵便振替か銀行振込。

 サイトに上がっている音源を聞くと、
アイリッシュをやってもコピーに終わらず、
独自の展開をしながら、
曲のもつキャラクターを活かしているのがおもしろい。

 編集部はもちろん注文しました。


--引用開始--
こんばんはー、トゥクトゥクよねっちです。
いよいよ今月、
トゥクトゥク・スキップの新作CD“初ライブアルバム”発売!
9月のワンマン・ライブを正式にレコーディングしたもので、
フルメンバー7人での熱い!早い!!
生のステージの興奮を丸ごと味わえる超マスト・アイテム登場です♪
 
トゥクトゥク・スキップ

《今日を運ぶ風〜Live at Velvet Sun 2007.09.15》

9曲収録 1,500円
11/27発売
 
 CDはライブ会場での直接販売と、
オンラインショップで通販も行います。
 
 また、こちらにて
ジャケ画像と試聴音源(mp3)もアップしてます。
聴いてみていただけると嬉しいです。

 さらに、レコ発ライブも行います。
対バンもトゥク企画史上最も濃い〜〜メンツを揃え、
類をみない不思議空間を彩ります!
ぜひぜひこの記念すべき一夜に遊びに来て頂けると〜〜めちゃ嬉しいです♪

☆トゥクトゥク・スキップ
【Live Album発売記念Party♪】
11/27(火)@荻窪ベルベット・サン
OPEN 19:00/ START 19:30
2,000円

<出演>
・トゥクトゥク・スキップ
・Jab Bee(私よねっちもゲスト参加します)
・Catsup(ケチャップ・・・熊坂義人(WB) & 熊坂るつこ(ACO)兄妹の超絶技巧デュオ)
--引用終了--


Thanx! > よねっちさん
 

 昨年6月に亡くなったピーター・ケネディの残した膨大な資料が
整理・公開されることになったそうです。

 ピーター・ケネディは長年ブリテン、アイルランドの伝統音楽を自らフィールド録音する他、
各種の音声資料や文献の収集を続けていました。
その一端はアラン・ロマックスと共同で出した《FOLK SONGS OF BRITAIN》のシリーズや、
かれが経営していた Folktrax からのアルバムとしてリリースされ、
また巨大な歌集 FOLKSONGS OF BRITAIN AND IRELAND としてまとめられていますが、
まだ未公開のものもたくさんあります。

 夫人も今年初めに亡くなったため、
息子さんかな、デヴィッド・ケネディさんを中心としたグループが
資料の整理・公開のために活動していました。

 その活動が実って、一応の手配がすんだそうです。

 約3,000冊の図書、
ピーター・ケネディの日記、
市販録音のコレクション
(SP約3,000枚、LP約3,000枚、CD/DVD約500枚など)は、
The Halsway Manor Societyに寄贈され、
整理の上、公開されます。

 フィールド録音のテープは
大英図書館音声資料室(The British Library Sound Archive)が保管し、
整理の上、後日、一般公開されます。

 また、トピック・レコードが来年、創立70周年記念事業として、
そのうち商業ベースに乗ると判断したものをリリースします。

 ピーター・ケネディの仕事のやり方には批判もありますが、
収集家として大きな存在であることは確かで、
図書館等で一般公開されるのはめでたい。


Thanx! > Musical Traditions

 毎度のことながら、本日配信予定の本誌新年号は、2日ほど配信が遅れます。不悪。

 ついでと言っては何ですが、東京のダンス・バンド(?)トゥクトゥク・スキップの明日のライヴは地元三鷹TVのイベントで、番組収録用だそうです。

   *   *   *   *   *

こんにちは、トゥクトゥクよねっちです。
明日01/21(日)は2007年初スキップ@吉祥寺Planet Kです。
トゥクトゥクがレギュラー出演している武蔵野三鷹CTV「吉番」のイベントです。
ライブハウスですが、カレーやおでんの屋台出したり、お祭りムード全快です! LASTの吉番セッション・バンドもド派手にぶちかましますよ〜。ぜひ遊びに来てください♪
 
★01/21(日)トゥクトゥク・スキップ@吉祥寺プラネットK
2,000円(1ドリンク付) トゥクトゥクは20時頃登場予定
 
★02/06(火)トゥクトゥク・クラッシュ?!★
『マンドリン・ナイト』@高円寺 楽や 1,000円

★02/17(土)トゥクトゥク・スキップ@荻窪ヴェルヴェット・サン
 
★毎週土曜日15:15〜むさしのFM(78.2MHz)でレギュラー・ラジオ番組「ダッシュでトゥクトゥク」放送中!
 
★トゥクトゥク・スキップ/1st CD 5曲入り¥1000で発売(通販も出来ます♪)
 
By よねっち(トゥクトゥク・スキップ&クラッシュ?!★)
トゥクトゥクHP
よねブログ
 

 今年のクロップレディで、《LIEGE & LIEF》のラインナップのフェアポート・コンヴェンションが再結成され、あのアルバム全曲を演奏するそうです。サンディの代わりはクリス・ホワイル。

 このラインナップでの演奏はこれが初めてではなく、昨年1月、BBC Radio 2 Folk Awards でアルバムが 'Most Influential Folk Album of All Time' を受賞した際、〈マッティ・グローヴズ〉を演奏しています。

 今年のクロップレディはフェアポート結成40周年でもあり、このアルバムが昨年夏、「ゴールド・ディスク」を受賞したことの記念の意味もあるんでしょう。

 ステージは08/10(金)の夜。

 ライヴDVDを期待しましょう。

 東京・高円寺で来月、こういうイベントがあるそうです。

 かつての渋谷・ブラックホークでの「トラッド愛好会」例会を思いだしました。愛好会がなしくずし的に雲散霧消してから、あの例会の後継イベントはいくつか単発でありましたし、名古屋では平手さんがご自分の店、カフェ・カレドニアで続けていらっしゃいますが、東京で続くことはありませんでした。定期的なイベントとして続くことを祈ります。

 会場は仕掛け絵本を集めたカフェだそうです。そちらの方も面白そう。

   *   *   *   *   *

 フェアポート、スティーライ、フランキー・アームストロング、ディック・ゴーハンなどなど英国トラッドのcd、レコードを聴いたり、またお持ちの方は持ってきていただきたいと思います。

開催日時:02/18(日)
サブリエルカフェ presents
第1回 日曜日に聴く英国トラッド レコード
時間:12:00-20:00
プログラム(いまのところ大枠ですが)
12:00-15:00 フェアポートコンベンション特集
(フェアポート好きの方に選曲お任せ)
15:00-18:00 スティーライスパン
(スティーライスパンの好きな方に選曲お任せ)
18:00-23:00 他
(未定)

 そこでフェアポートを、スティーライをかけたい、語りたい(短く)と言う人を募集いたします。
*レコード、cdを持っている方。

連絡は
mixi のサブリエルカフェのコミュ:イベント

   *   *   *   *   *

mixi でのこのイベントの案内はこちら


 ちょっと古い話ですが、フェアポート・コンヴェンションのアルバム《LIEGE AND LIEF》が発売以来37年かかって、今年8月にゴールド・ディスクに認定されたそうです。年平均で2,700枚ちょっと。平均ですから、遙かに落ちこんだ時期もあったはずで、よく廃盤にならなかったもの。ちなみに、このアルバムは1969年12月発売で、1970年に17週間アルバム・チャートに入っていたそうです。

 英国では10万枚売れるとゴールドになります。

 リチャード・トンプソンのサイトのトップの写真は前列が左から、アシュレィ・ハッチングス、(たぶん)ジョージア・ルーカス(サンディの娘)、デイヴ・マタックス、リチャード・トンプソン、サイモン・ニコル。後列左から、デイヴ・ペッグ、デイヴ・スウォブリック、そしてマーティン・ランブルの息子。


Thanks! > 中山義雄さん

の最終候補が発表になっています。
 この賞はジャーナリスト、キャスター、フェスティヴァル・オーガナイザー、エージェント、プロモーターなど約150人が投票して決まります。まず自由に候補をあげて投票を行い、上位4組を最終候補として、再度投票します。現役ミュージシャンは投票できません。

 対象となるミュージシャンの範囲はBBCが放送している地域。なので、ブリテン島、つまりスコットランド、イングランド、ウェールズ等とノーザン・アイルランドまで。

 また、毎年、一つのカテゴリーを選び、聴取者からの投票を募ります。今年は「最優秀トラック」つまりアルバムの中の1トラックで最も優れたもののカテゴリーです。ウェブ・サイトからも投票できます。

 詳しくはこちら

 今年の候補は以下の通り。候補のアルファベット順です。
 最終発表とコンサートは来年2月5日、ロンドンの The Brewery にて行われます。


##Folk Singer of the Year
Tim van Eyken
Julie Fowlis
Seth Lakeman
Karine Polwart

##Best Duo
Martin Carthy & Dave Swarbrick
Nancy Kerr & James Fagan
Show of Hands
Spiers & Boden

##Best Group
Bellowhead
Salsa Celtica
Van Eyken
Waterson:Carthy

##Best Album
《BURLESQUE》 - Bellowhead
FREEDOM FIELDS》 - Seth Lakeman
GAME SET MATCH》 - Nic Jones
STIFFS LOVERS HOLYMEN THIEVES》 - Tim van Eyken

##Best Original Song
〈Daisy〉 - Karine Polwartfrom 《SCRIBBLED IN CHAALK
〈Jack Frost〉 - Mike Waterson (Performed by Waterson:Carthy)
    from《HOLY HEATHENS AND THE OLD GREEN MAN
〈Roots〉 - Steve Knightley (Performed by Show of Hands)
   from《WITNESS
〈Steelos〉 - John Tams (Performed by John Tams & Barry Coope)

##Best Traditional Track
〈Green Grows the Laurel〉 - Kris Drever from《BLACK WATER
〈Grey Gallito〉 - Salsa Celtica from《EL CAMINO
〈Barleycorn〉 - Tim van Eyken from《STIFFS LOVERS HOLYMEN THIEVES
〈The White Hare〉 - Seth Lakeman from《FREEDOM FIELDS

##Horizon Award(新人賞)
The Devil’s Interval
Kris Drever
Shona Kipling & Damien O’Kane
Martha Tilston

##Musician of the Year
John McCusker
Martin Simpson
Dave Swarbrick
Chris Thile

##Best Live Act
Bellowhead
Vin Garbutt
Seth Lakeman
Salsa Celtica


 確か病気で長期休養中のヴィン・ガーバットがベスト・ライヴに入っているのは、日頃のかれのライヴがいかにすばらしいかの証でしょう。

 結構重複が多いですね。もう少しばらけるかと思いましたが、それだけこの人びとが突出していたと言うことかな。

 確かにベスト・アルバムはどれもすばらしいものではあります。どれも10年の1枚クラスの出来です。

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