クラン・コラ・ブログ(アイルランド音楽の森)

 アイリッシュ・ミュージックなどのケルトをはじめ、世界各地のルーツ音楽を愉しむブログです。そうした音楽の国内の音楽家も含みます。加えて主宰者の趣味のグレイトフル・デッド。サイエンス・フィクション、幻想文学などの話もあります。情報やメモ、ゴシップ、ただのおしゃべりなどもあります。リンク・フリーです。

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 FiiO M11 Pro の画面上部に黒い筋が入ってきた。気がついたのは6月下旬。買ったのは2020年8月なので、2年10カ月。最初はこんな具合。

M11Pro画面20230628
 
 それがだんだん伸びてきた。右はあまり伸びないが、左が伸びてくる。太さは変わらない。

M11pro画面20230707

 現在はこういう状態。

M11Pro画面20230727


 バッテリーはフル充電してからの再生可能時間がバランスで6時間半というところ。新品ではバランスで8.5時間としてあるから、約4分の3になった。

 今はヘッドフォン、イヤフォンのエージング用に使っていて、使用時間はリスニングに使った600時間プラス50時間ほど。

 普通にリスニング用として使っても、再生時間として連続で6時間半あれば十分だし、画面の黒い帯もこれ以上太くならなければ、使用にさしつかえはない。最低でもあと1年は使えそうだ。この際なので、エージング用に使えるところまで使ってみるつもりだが、リスニング用としてどこまで使えるかも時々試そう。

 この M11Pro 買ったときの価格は85,000円弱。今のところ月2,400円弱。さて、これが高いか安いか。ウン十万のハイエンドはもっと長く使えるのだろうか。(ゆ)

 レーザーターンテーブルのキモの一つは、レコードの溝の中で、針が接触していない、上の部分をトレースすることでしょう。

 レコード盤の音溝は幅が51〜58ミクロンで、45度の角度で表面から直線に下がり、底は90度で交わってます。針はこの斜面の中央からやや下の部分に接触する。針の先端の脇が両側の斜面に10ミクロンの幅で触れる。より正確には、この幅で盤を削るわけです。したがって溝の一番底と上の方3分の1ほどは「すり切れる」ほど聴いたレコード盤でも無傷に近い。レーザーターンテーブルはその上の方、縁から10ミクロン下がった左右の斜面にレーザーを照射する。レーザーの幅は書いてませんが、1ミクロンぐらいらしい。

音溝断面図

 レーザーターンテーブルの資料を読んでいたら、最初に売れたのがカナダの国立図書館だったそうです。まだ開発途中で再生できるレコードの割合が一割にも満たなかった頃だったが、先方からは未完成でもいいからとにかく持ってこいと言われて、社長の千葉三樹氏とエンジニアが現物を持って行った。そこでこれを再生してくれと渡されたのが1919年録音のレコード。カナダ独立の時の国会議長のスピーチ、まあ独立宣言ですな、それが録音されたもの。もちろんSP盤で、さんざん再生されたんでしょう、通常のプレーヤーではもう聴けない。SP盤は今でこそ専用針がありますが、昔は竹や鉄の針でがりがりやってたわけです。今生きている人はその録音を誰も聞いたことがない。で、これが再生できた。その瞬間のカナダの人たちの歓びようはそれはそれは大変なもので、レーザーターンテーブルを製品化した千葉氏もその歓喜の様にその後ずっと背中を押され続けたと言うほど。

 こういうレコード盤でも再生できるのは、レコード盤の溝のうちの削られていない部分をトレースするからというのは素人でもわかります。

 レーザーターンテーブルはLPだけでなく、SP盤も再生できます。試聴の時、あたしも美空ひばりのSP盤(そういうものがあるのです)を聴かせていただきましたが、すんばらしい音、そしてすんばらしい唄でした。

 SP盤はLPに比べるとダイナミック・レンジはひどく狭いですが、人間の声の録音・再生にはLPでもかなわないところがあります。SPからLPに切り替わったのは、まず収録時間が圧倒的に長いためです。LPとは Long Player の略です。SPは片面せいぜい3分半。LPはムリすれば30分まで詰めこめます。それとSPは盤面に直接録音するので一発録り。失敗したら全部やり直しになる。LPはテープに電気的に録音したものから作れるのも大きい。

 ちなみにLPからCDに切り替わったのもまず収録時間の長いこと。CDの収録時間はカラヤン指揮ベルリン・フィルのベートーヴェンの第九が収まる長さに決められたというのは有名ですが、レコード盤を引っくり返す必要がなくなった。だから、真先にCD化が進行したのはクラシックでした。もう一つの理由、実はこちらの方が重要という話もありますが、輸送と貯蔵つまり流通が圧倒的に楽なこと。同じ重さなら、CDの方が遙かにたくさんの枚数が運べて貯蔵できますし、割れにくい。温度変化にも強い。ということはコストが低い。

 というのは余談ですが、あたしが試聴させてもらったアイリッシュのLPも、カナダ独立宣言のレコードほどではないにしても、溝の状態は良いとは言えません。何回再生したかはもうわかりませんし、かつてはカネもないから、再生システムも安物です。あたしのまともなオーディオの最初のものはヤマハのアナログ・プレーヤーで、針はたぶんナガオカの当時数千円のものだったはず。がりがり削るとまではいかなくても、似たような状態で聴いていたわけです。それでも感動してどんどん深みにはまっていったのは、音楽自体の魅力ではあります。

 そういう盤でもプレス直後の音で聴けるのがレーザーターンテーブルというわけです。だからアナログの音というだけでなく、アナログの音の一番新鮮なところを聴ける。しかも、レーザーはレコード盤そのものには影響を与えない。そりゃ、数万、数十万回照射すれば影響はあるでしょうがね。針に比べれば、無視していいほどの影響です。なので、何回再生しても、針のように音がだんだん悪くなってゆく心配はない。

 このことはもう一つ、あたしにとってありがたいことでもあります。つまり、アナログの音に感動して、家でいくら聴いても、レーザーターンテーブルによる再生には影響を与えないわけです。なにせ、読み取る場所が違うんだから。

 え、家でもレーザーターンテーブルで聴きゃいいじゃないか、って。そりゃ、カネがあればね。アイリッシュ・ミュージックはココロはそれは豊かにしてくれるし、人生全体もとんでもなく楽しいものにしてくれますが、アイリッシュ・ミュージックで金持ちになったという話は聞いたことがありません。まあ、一人だけ、いないこともないけど、あれは例外。(ゆ)

 なかば必要があって中古で入手した AK100 ですが、すっかりメインの再生装置になってしまいました。外出中はもちろん、家のなかでも大活躍で、MacBook Pro で音楽を聴く時間は激減してます。

 とりわけ、これも先日のポタ研でサンプルを展示した Hippo ProOne との相性が抜群で、これで音楽を聴くのが楽しくてしかたがありません。本が読めん。ProOne については、また別の機会に。しかし、これでシングルBAの奥深い世界にはまりそうです。

 AK100 は小さくて、軽くて、音が良い。ファイルを入れるのも、いちいち iTunes を立ち上げる必要がなく、Finder ですんでしまうのは楽。32GB と 8GB の micro SD カードを刺しているので、現在 72GB で、iPod touch より多い。

 もちろん不満もあって、その最大のものはファームウエア 1.30 現在ギャップレス再生がサポートされていないことです。

 で、あれこれ思案して思いついたのが、CD1枚を一つのファイルにリッピングすること。こうすると AK100 は全体を1曲とみなして再生します。AK100 は cue シートをサポートしていません。これを逆手に利用するわけ。

 トラックの別が消えてしまうので、あの曲だけ聴きたいというのは難しくなりますが、ギャップレスで聴きたいアルバムというのは、基本的には全部通して聴きたいので、それほど大きなマイナスではない。とにかくギャップレス再生を優先したい場合には使えるでしょう。

 ぼくは XLD を使います。リッピングの際に、メイン・ウィンドウの左上、デフォルトですと「すべてのトラックのプリギャップを含める」となっているプルダウン・メニューをクリックします。一番下の「一つのファイル(+cue)として保存」を選択。

 ここでリッピングしたファイルを置く場所をいつものところにして後でコピーもできますし、AK100 をつないでおいて、その中に直接入れることもできます。

 すでにトラック別にリッピングしてある場合。XLD のファイル・メニューから「フォルダをディスクとして開く……」を選択します。ダイアログで目的のCDのサウンド・ファイルが入っているフォルダを指定すると、メイン・ウィンドウにCDが表示されます。そこで左上のプルダウン・メニューで「一つのファイル(+cue)として保存」を選択、環境設定で出力先を AK100 に指定し、「変換する」をクリックします。

 この変換は逆にも使えます。すでに cue シート + 一個のファイルでリッピングしてあるものをトラック別に AK100 に入れられます。

 ご参考になればさいわい。(ゆ)



iriver Astell&Kern 192kHz/24bit対応Hi-Fiプレーヤー AK100 32GB ソリッドブラック AK100-32GB-BLK
iriver Astell&Kern 192kHz/24bit対応Hi-Fiプレーヤー AK100 32GB ソリッドブラック AK100-32GB-BLK

 前回のヘッドフォン祭でプロトタイプが展示、試聴可能になっていた Hippo Biscuit の製品版は、使い勝手は最低なのですが、あまりの音の気持ち良さに、ほとんどメイン・プレーヤーになっています。

 20時間過ぎた頃から、こちらはヘッドフォン祭で好評だった GoVibe MiniBox をつないでみました。この MiniBox は新しい2012年ヴァージョンで、Ver. 1 の約半分の厚さ、縁は丸くなってます。ヘッドフォン・ジャックからつなぎ、音量調節はプレーヤー側でする形のシンプルな「筒」アンプです。Jaben のウィルスンおやじのつもりではほとんど Biscuit 専用に造ったらしい。MiniBox のパッケージには Biscuit とヘッドフォンの間に MiniBox を置いたイラストが描かれています。

 この組合せがすばらしい。Biscuit はもともと妙に音が良いんですが、MiniBox をかませるとちょっと信じられない世界です。Biscuit は現段階では MP3 と WAV しかサポートしていません。なので、もっぱら MP3 を聴いていますが、それがまるでハイレゾ・ファイルの音になります。ミュージシャンの息遣い、楽器のたてるノイズ、ホールやスタジオ内の残響、といった、ふつう圧縮音源では聞こえないとされる音も生々しい。一つひとつの音に実体があります。音が伸び伸びしてます。無理がない。フレーズに命が流れてます。そうすると音楽の活きが良くなります。とれたて、というか、みずみずしい、というか。音場は広すぎず狭すぎず。いやむしろ、録音そのまま、でしょう。広い録音は広く、狭い録音は狭く。

 テクニックでは並ぶ者もないが、さてそのテクニックで奏でられる音楽には全然感動しない、というミュージシャンは少なくありません。それと同じで、音の良さは天下一だが、それで聴く音楽はさっぱり面白くない、というハードウェアもあります。というより、オーディオの世界ではそういうケースの方が多いのではないか、とすら思えます。ハードウェアを造るのに夢中になって、肝心の音楽を聴くことが少なくなってるんじゃないでしょうか。たとえばたまにはこういうライヴを体験されてはいかがでしょう。こういう音楽をまっとうに再生できてこそ、ホンモノと言えるはず。

 対照的に、上手いんだか下手なんだかよくわからないが、独得の味があってついつい聴きこんでしまうアーティストがいます。外見などは地味だが、ツボにはまった音楽を「楽しく」聴かせることでは無類というハードウェアもあります。

 たとえば、かつて「BBC モニター」と呼ばれた一群の英国製小型スピーカー。スペックだけ見れば「ジャンク!」と言う人もいそうですが、音楽を楽しく聴ける点では、物量を惜し気なく注ぎこんだ大型スピーカーもかなわないものがありました。

 BBCモニターも、デジタル録音のヒップホップを再生すれば、たぶんひどくショボいものになるでしょう。同じ英国製でも、レディー・ガガはどうかなあ。

 しかし、たとえばビートルズやストーンズやキンクス、アコースティック・ジャズ、デッカのクラシック録音などには無類の強みがありました。とりわけ、英国の伝統音楽、あの頃のぼくらにとってはアイリッシュ・ミュージックもその一部だった、当時「ブリティッシュ・トラッド」と呼ばれていた音楽、フェアポート・コンヴェンションやスティーライ・スパンやニック・ジョーンズやアン・ブリッグスをクォードのアンプで鳴らすロジャースの 3/5A で聴くと、独得の「翳り」がひときわ艶を帯びて、たまりませんでした。

 BBC モニターの音楽再生に関する「思想」が時代を超えた価値をもつことは、最近になって、各モデルが相次いで復刻されていることからもわかります(ロジャースハーベススペンドール)。最新の技術を注ぎこんで現代の音源再生に合わせたものもあり、また当時の製品を忠実に再現したものもあります。かつてのオーディオ・ファンの端くれとしては、こういうもので、最新のハイレゾ音源を聴いてみたくもなりますね。

 Biscuit + MiniBox の組合せも万能ではない。不得手な音楽はたぶんたくさんあります。しかし、得意なものを与えられると、どんな「高性能」なハードウェアもかなわないリスニングを可能にします。何が得意かは、組み合わせるヘッドフォン/イヤフォンによっても、リスナーの嗜好によっても変わるでしょう。ちなみにぼくがつないでいるのは、Final Audio Design Piano Forte II、音茶楽 Flat4 粋、 Superlux HD668B、HiFiMAN HE300、Fischer Oldskool '70s です。Sennheiser の Momentum でこれを聴いてみたいんですけど、まだ販売開始されてないみたいですね。しかし、実は Final Audio Design Piano Forte X で聴きたいなあ。あのみごとな音の減衰が Biscuit + MiniBox でどう鳴るか。

 では音源はといえば、たとえば、オーストラリアのシンガー・ソング・ライター、Rachel Taylor-Beales。現在産休中で、公式サイトに《LIVE AT NEWPORT UNIVERSITY 2012》という MP3 音源が上がっていて、フリーでダウンロードできます。

 マーティン・ジョセフが推薦しているだけあって、うたつくりもシンギングもギターもすぐれた人ですが、ここではチェロやもう一人の女性ヴォーカル、エレキ・ギターなどのサポートで、ゆったりとしながらも切れ味鋭いうたを聴かせます。この人の一番新しい CD も買ってみましたが、これをリッピングした FLAC ファイルを iPod touchでアンプを通して聴くよりも、Biscuit + MiniBox で聴くこのライヴ音源の方に限りなく惹かれます。スタジオが悪いわけではないんですが、演奏も音も、ライヴの方がより生き生きしています。

 試しにオワゾリールから出ている Philip Pickett & New London Consort の《CARMINA BURANA Vol. 1》を XLD で FLAC と Lame MP3 256Kbps VBR にリッピングしたものを聴きくらべてみました。ヘッドフォンは Superlux 668B。

 うん、かなりいい勝負ですね。MacBook Pro の Audirvana Plus による FLAC 再生の方が少し音場が広いかな。それに個々の音の焦点はさすがに FLAC の方がきちんと合っています。が、聴いての楽しさという点では全然負けてません。むしろ、Biscuit + MiniBox の MP3 の方がわずかですが上かも。

 FLAC 再生の環境は Reqst 製の光ケーブルで伝聴研の DenAMP/HPhone です。伝聴研のものは先日出たばかりの DAC兼ヘッドフォン・アンプです。入力は光と同軸のデジタルのみ、24/192までカヴァー。かの DenDAC の開発・発売元だけあって、さすがの出来栄え。外見はチャチですが、実力は立派なもの。製造は Dr. Three がやってるらしい。

 フルオケの試聴には例によってフリッツ・ライナー&シカゴ響の《シェエラザード》。ビクターの XRCD 盤からのやはり 256Kbps VBR でのリッピング。奥行はちょっと短かいかもしれませんが、左右はいつものように広すぎるくらいに広い。高さも十分。第2楽章いたるところでソロをとるクラリネットの音色に艶気があります。途中で曲調が変わるところ、コントラバスの合奏の反応が速い。第4楽章のトランペットの高速パッセージの切れ味の良さ! 

 いやー、聴きほれてしまいました。人なみにこの曲はいろいろ集めてますが、やはりこの演奏が一番好き。

 それにしても Biscuit + MiniBox + 668B という、この組合せはいいな。ヘッドフォンが良いのかな。70時間を超えて、いよいよ美味しくなってきました。ラストのヴァイオリンのハイノートの倍音がそれはそれは気持ちよい。

 ついでながら、HD668B は、メーカー代理店の京都・渡辺楽器が扱わないというので、本家にも相談した結果、ここから買いました。送料込みで 35GBP。

 それと音茶楽の Flat-4 ですね。メーカー推奨のエージング時間のまだ半分ほどですが、ちょっと他では聴けない体験をさせてくれます。たとえば、シンバルの音が消えてゆく気持ち良さ。そしてヴォーカルの肌理のなめらかさ。もっとも、このイヤフォンについてはぼくなどが拙いことばをつらねるよりは、こちらをお薦めします。

 もう一つ。アラゲホンジが OTOTOY で配信したライヴ《月が輝くこの夜に》(DSD ファイルにオマケで付いてきた MP3)の〈斎太郎節〉、後ろでコーラスをつける女性ヴォーカルが気持ち良く伸びます。 〈秋田音頭〉の粘度の高いエレキ・ベースの跳ね具合がよい。ヘッドフォンは HE300。Head-Direct で売っているバランス用にケーブルを交換しでます。このケーブルはバランス用ではあるものの、単純にシングルエンドのハイクラス・ケーブルとして使えます。

 Biscuit のパッケージにはマニュアルもなくて、必要ないくらいですが、一応諸元を書いておきます。

サポートするフォーマット:MP3, WAV
サポートするヘッドフォン・インピーダンス:16〜300 Ohms
充電時間:1.5時間以内
再生時間:9時間
サイズ:62.8×35.7×11mm
重さ:30g

 サイズは Hippo Cricri とそっくり同じです。

 重さ30グラムというと、うっかり落としても、ヘッドフォン/イヤフォンのケーブルに刺さっているだけで支えられます。

 マイクロ USB ポートで充電します。充電用コードは付属。

 メディアは microSD カード。32GBまで。Biscuit 自体がカードリーダーとしても使えます。なお内蔵メモリは無いので、カードから直接再生してるんでしょう。

  機能は、単純な再生と音量の増減、次のトラックに進む、前のトラックにもどる、だけ。メインのボタンを押し続けるとグリーンのライトが点いてパワーが入ります。もう一度押すと再生開始。再生中はグリーンのライトが点滅。トラックが変わるところで一瞬、点滅が止まります。再生中に押すとポーズ。もう一度押すと再生。ポーズまたは再生中に長押しするとグリーンのランプがまばたきしてパワー・オフ。曲の途中でパワーを切ると、次に入れた時、前に再生していたトラックの頭から再生を始めます。

 再生の順番はカードに入れた順、らしい。シャッフル再生はできません。何を再生しているかは、記憶に頼るしかありません。初聴きには向かないです。とにかく、ひたすら音楽を聴くだけのためのハードです。

 万一、ハングしたら、楊枝か、延ばしたクリップでリセット・ボタンを押します。ハングしたトラックから再開します。

 MiniBox 以外のアンプと組合せても、Biscuit はすばらしいです。Rudistor RPX33 + Chroma MD1 につなげてみました。音が出たとたん、言葉を失いました。そのままずーっと聴きつづけました。うーん、この組合せがこんな音を聴かせてくれたことがあったかな。お互いベストの相手には違いないでしょうが、MacBook などからつないだ時よりも音楽に浸れます。こっちの耳がグレードアップしたんじゃないか、と思ってしまうくらい。そりゃ高価なハイレゾ・プレーヤーならもっと凄い音が出るんでしょうが、なにもわざわざそこにカネを注ぎこまなくても、プレーヤーは Biscuit で十分。むしろアンプとヘッドフォンにカネを注ぎこみたい。こりゃあ、次は LCD-3 かスタックスで聴いてみたくなります。

 それでいてなのです、MiniBox との組合せにはちょっと特別なものがあります。もちろんどこにでもその音を持っていけるというメリットは大きいです。MiniBox にはクリップが付いてますから、シャツにはさんだり、バッグのベルトにひっかけたりもできます。そしてそのペアでの音のふくらみが尋常ではありません。「フルボディ」というやつでしょうか。他とのペアで音がやせているわけではないんですが、MiniBox とのペアの音はさらに中身がぎっちり詰まっています。一方で、透明度もハンパではありません。分析的ではないけれど、隅々までよく「見え」ます。だから空間も広い。そのおかげで、とにかく聴いて楽しい。音楽を聴く悦びがわいてきます。これこそがオーディオの役割ではないか。いや、これこそが理想のオーディオ・システムというものではないか、とすら思えてきます。

 今のところ日本から買えるのは Jaben のオンライン・ショップです。

 MiniBox 2012 Version はこちら。シルバーもあります。また、シャツの胸ポケットなどにはさめる形のクリップが片方についてます。

 単体で欲しいとか、英語はちょっとという方には朗報です。今週末のヘッドフォン祭にウィルソンおやじが自分で持ってきて、ブースで販売します。MiniBox との組合せもあります。また、このペアが当たる抽選会もあります。

 ちなみにこの抽選会には Jaben からもう一つ、バランス仕様の Beyerdynamic T1 も提供されます。

 従来のオーディオの愉しみに、高い価格に代表される「価値」をそなえたモノを所有する、という物質欲を満たす面があることは否定しませんが、それはやはり二次的な愉しみでしょう。オーディオはまず何よりも、音楽を聴くための手段であるはず。アナログでは質を高めるためには物量を投入する必要があったかもしれませんが、デジタルでは様相が逆転します。小さく、安価で、能率が良く、しかも質が高いシステムが可能になる。その可能性はちらちら見えていますが、まだ本格的な展開に手がつけられていない。アナログの発想から抜けだせていないように見えます。

 まあ、ものごとの変化は一様に進むわけではなく、変化の小さい長い準備期間の後に急速に大きく進むというパターンが多いですから、今はまだ準備中なのかもしれません。本物の変化が始まるのを見たい、体験したいものですが、生きているうちに始まってくれるかな。

 それにしても、Biscuit が FLAC とギャップレス再生をサポートしてくれたら、もう iPod も要らないな。(ゆ)

Audirvana Plus の公式サイトの FAQs の邦訳です。おかしなところがあればご指摘ください。


1. Lion で使えるのか?
    もちろん使えます。
    
    ただし 10.7.3 現在、Lion はインテジャーモードをサポートしていません。またこの機能が今後復活するのかどうかに関して、Apple からは何の情報も出ていません。インテジャーモードの音質で聴きたい場合には、Snow Leopard のパーティションを残して、そこからブートすることを切に薦めます。
    
    次期ヴァージョンの 1.4 でこの件の解決策を導入します。「ダイレクトモード」です。ダイレクトモードは CoreAudio をローレベルのレイヤーも含めて、完全にバイパスします。ですので音質がさらに良くなるだけでなく、隠されているインテジャーモードも復活します。


2. CPU の赤ランプが点滅してドロップアウトが起きるけど、これはなぜ?
    主な理由はメモリのスワッピングです。再生中のバッファがディスクにスワッピングされているわけです。

    スワッピングが起きるのは再生しているファイルを読み込むのに十分なメモリの空きが無いためです。十分な空きを確保するためにはメモリ食いのアプリ(たとえば Safari)を終了させるか、Audirvana Plus の環境設定で「最大オーディオ・バッファ・サイズ」を減らします(User Preferences > Audio System > Maximum memory allocated for tracks pre-load)。


3. 毎秒3〜10回、カチカチ音がするんだけど。
    使用されている Mac が2008年末以前に発売されたモデルではないですか。それらのモデルでは USB ポートのパワー・サプライに問題があり、少数ながら正しく送られないサンプルがあります。これらのサンプルは音声信号としての値ではなく、16,000サンプル毎に値が0にされます。これはインテジャーモードの時だけ起きます。これがカチカチという音として聴こえるわけです。旧いモデルでインテジャーモードを利用したい場合に一番良く使われるのは、外部電源を備えた USB ハブを Mac と DAC の間にかませることです(もちろんハブには DAC だけつなぎます)。


4. iPad/ iPhone のリモコンで再生を操作する方法はあるの?
    iPad/ iPhone 用の Apple Remote App で iTunes の再生をリモコン操作できます。Audirvana Plus を "iTunes integrated mode" にすれば、iTunes を通じて Audirvana Plus をリモコン操作できます。このモードでは iTunes は Audirvana Plus のリモコンとして機能します。

    iTunes 単体では認識できないフォーマットのオーディオ・ファイル(FLAC、cue sheet、DSDなど)でも、Audirvana Plus の "Add Files to iTunes" メニューを使えば、サイズの小さなプロキシ・ファイルが作られ、iTunes のデータベースにトラックが現れます。そこで iPad/ iPhone の Remote App で操作できるようになります。


5. 1個のライセンスで何台のコンピュータにインストールできるのか。
    EULA にしたがい、「ユーザが所有し、専用に使用しているもう1台のコンピュータにインストールできる。ただし、2台めにインストールしたソフトウェアをメインのコンピュータにインストールしたソフトウェアと同時に使用することはできない」。


    ついでながら "iTunes Integrated Mode" と "Add Files to iTunes" の使い方を書いておきます。例によって Mac のアプリはあちこち押してみれば使い方はわかるんですが、念のため。
    
    Audirvana Plus(以下 A+ と表記)を最初に立ち上げた段階では、メニューの "iTunes Integrated Mode" はチェックされていません。これをチェックするとその下に "Add files to iTunes..." のメニューが現れます。また iTunes が立ち上がっていなければ、自動的に立ち上がります。
    
    注意すべきは、"iTunes Integrated Mode" をチェックしたまま A+ を終了させた(または稀に強制終了した)場合、次に A+ を立ち上げた時に、iTunes が立ち上がっていなければ、やはり自動的につられて iTunes も立ち上がることです。
    
    小生のように外付けのHDにライブラリを置いている場合、外付けをつないでおかないと iTunes のライブラリを置く場所の設定がデフォルトにもどってしまいます。周知のこととは思いますが、念のため。
    
    "Add files to iTunes..." をクリックすると別ウインドウが開きます。
    
    一番上に "1. Select the tracks to add to iTunes" があります。
    iTunes に加えたいトラックを選択します。
    
    その下のスペースに加えたいファイルを Finder などからドラッグ&ドロップします。cue sheet も受け付けられます。ドラッグ&ドロップをしたくなければスペースの下の "+" マークをクリックするとダイアログが出ますから、そこで加えたいファイルを選択します。スペース内のトラックを選択して"−"マークをクリックすれば、スペースから削除されます。
    
 ここで注意を一つ。英語や日本語だけを使う分には気にする必要はありませんが、世界各地の言語を使う場合、特殊アルファベット、アクセントやウムラウトや、山形記号や、とにかく上下に何か付いたアルファベットを使う場合、A+ から iTunes ライブラリに追加すると iTunes 側で文字化けすることがあります。これはどうやらキーボード操作で特殊アルファベットを入力すると文字化けするようです。例えば "US" キーボードで Option+E を押してから "A" を押すと、上にアクセントがついた "a" が入ります。こうして入れた文字は A+ を通すと iTunes で文字化けします。無論 iTunes 側で修正できますが、それがめんどうだというときは、「文字ビューア」を使います。ここから一字ずつ指定して入れた文字は化けません。

    次に "2. Select the quality of the proxy files created for iTunes"。
    プロキシ・ファイルのクオリティを選択します。デフォルトでは左端の "Proxy only No Sound" になっています。この位置だと作られるプロキシ・ファイルはオリジナルのオーディオ・ファイルの位置やタグ情報、ジャケットなどだけで、音は入っていません。
    
    矢印を右側に移すとプロキシ・ファイルに音も入ります。iTunes を立ち上げなくても、A+ だけでトラックの内容が確認できるわけです。右に行くほどプロキシ・ファイルの音質も良くなるわけですが、当然プロキシ・ファイルのサイズも大きくなるわけで、プロキシ・ファイルを作る意味はなくなるでしょう。何らかの必要がなければ、デフォルトのままで良いはずです。
    
    なお、デフォルトの音無しの場合のプロキシ・ファイルのサイズは埋め込むジャケットの画像ファイルのサイズに左右されるようです。
    
    次に "DSD converted PCM files sample rate:" とあって、その右にメニューがあります。iTunes Integrated Mode では DSD ファイルは PCM に変換されますので、その際のサンプル・レートを選びます。使っている DAC の能力に合わせるのが適当でしょう。
    
    なお、iTunes Integrated Mode ではない、A+ 単体では DSD のネイティヴ再生も可能だそうです。ぼくは DSD ネイティヴ再生のためのハードウェア環境を揃えていないので、使ったことがありません。不悪。
    
    "3. Select the location of the proxy files:"
    プロキシ・ファイルを置く場所を選びます。
    
    デフォルトではホーム・フォルダの Music フォルダの中に AudirvanaProxy フォルダが作られ、この中にプロキシ・ファイルが作られます。プロキシ・ファイル・フォルダはどこに置いてもかまいません。ただ、後で動かすとプロキシ・ファイルを全部作りかえなければなりませんから、デフォルトとは別にする場合はよく考えて決めるのがベターです。

    また、ここに小さな文字で書いてあることは実はたいへん重要です。
    
    iTunes の環境設定の「詳細」タブの上の方、
    「"iTunes Media"フォルダを管理」
    と
    「ライブラリへの追加時にファイルを"iTunes Media"フォルダにコピーする」
    のチェックをはずしておいてください。
    
    これをはずさないと A+ で iTunes のライブラリにトラックを追加する機能が使えません。
    
    当然、「iTunes に自動的に追加」フォルダは使えません。
    
    一方、A+ で iTunes に加えるファイルはどこに置いてあってもかまいません。ただし、A+ で追加した後で移動したり、ファイルを含むボリュームやフォルダの名前を変えたりすると、iTunes が認識しなくなります。A+ を通じて追加をやりなおす必要があります。
    
    さて、準備ができたら、"4. Launch the creation process" の下にある "Start" ボタンをクリックします。ボタンの右側に進行バーが現れます。作業が終わるとバーが消えます。
    
    iTunes に移って、追加を確認します。タグ情報を編集したければ、普通に iTunes 上で編集できます。ただし、iTunes での変更はプロキシ・ファイルに保存されるので、追加されたオリジナルのサウンド・ファイル本体に含まれる情報は変更されません。そちらを変更したければ Tag や MediaRage などのメタ情報エディタを使います。cue sheet は XLD で編集できます。
    
    後で A+ を通じての追加をやりなおす場合、プロキシ・ファイルが残っているとうまくいかない場合があるので、古いプロキシ・ファイルを Finder 上で削除してからやりなおす方がベターです。最新版(1.3.9.9)では プロキシ・ファイルの位置を指定するウィンドウの下にチェックボックス付の一文があります。これはすでに同名のプロキシ・ファイルが存在する場合、書き換えをせずに、ファイル名を変えて、保存するオプションです。
    
    iTunes Integrated Mode ではもう一つ、設定する要素があります。
    
    A+ の Preference(環境設定)で右端の "iTunes" タブをクリックします。
    
    上に
    "General Optimization"
    全体的な最適化
    下に
    "Sound Quality Optimization at the expense of convenience functions"
    便利な機能を犠牲にしてもっと音質を良くする最適化
    があります。
    
    上の
    "Deactivate completely iTunes own playback"
    は iTunes 自体の再生機能を完全に遮断します。その下の小さい "Note" にありますが、iTunes Integrated Mode で再生する場合は必ずチェックを入れてください。
    
    下の二つのチェックボックスの上の方
    "Deactivate volume control by iTunes"
    は iTunes による音量操作を遮断します。
    
    下の方
    "Deactivate play position control by iTunes"
    は iTunes の再生位置操作を遮断します。
    
    全部にチェックを入れるのが音質はベストになります。が、下の二つをチェックすると音量や再生位置の操作には iTunes から A+ に移行しなければなりませんから、その分、不便にはなります。
    
    一番下に小さく書いてあるのは、ここでの変更は次の再生の時から有効になる、ということです。
    
    なお再生の音量操作方法は A+ の Preference の左から4番目 "Audio Volume" タブで設定します。
    
    上に
    "Volume control type:"
    とあり、右に
    DAC only
    DAC if available, else Software
    Software only
    の選択肢があります。
    
    一番下にすると、iTunes Integrated Mode では iTunes と A+ のどちらでも操作でき、"iTunes" タブで iTunes の音量操作を遮断すると A+ だけで操作できるわけです。
    
    真ん中では DAC に音量ダイアルが付いてなければ、iTunes か A+ かで音量操作をします。
    
    "Audio Volume" タブの下の方
    Max. volume level:
    は最大音量の制限で、デフォルトでは100%すなわち0dBです。DAC に音量ダイアルがある場合は、ここをデフォルトのままにしておいて、DAC で操作するのがやりやすいでしょう。
    
    
    だいたい、こんなとこですかね。

 それと、iTunes との連携で iTunes から再生する場合と、A+ 単独でプレイリストから直接再生する場合では、音が違います。ぼくは単独の方が良いと思います。
    
    Decibel なんかも時々使いますが、A+ での再生音はベストと思います。Mac用高音質再生ソフトをどれか一つ、というなら Audirvana Plus が第一選択肢でしょう。

 フリー版もあります。フリー版には iTunes Integrated Mode と iZotope のオーディオ・フィルタ(これが肝の由)がありません。(ゆ)
2012-10-19 rev.
2012-11-11 rev.

モジラ・プロジェクトから生まれたメディア・プレーヤー Songbird プロジェクトのヘッドが今年初めに交替して、新しいヘッドが公式ブログでこれからの Songbird の進む方向について書いていました。

    Les Schmidt という新任ヘッドは就任以来、投資家、事業提携者、従業員、新任の経営陣、音楽産業やテクノロジー産業内部の人びととと話し合いをもち、ここ数年に出現した400以上のデジタル音楽サーヴィスの実地調査をしたそうです。
    
    その末に、Songbird プロジェクト・チームの出した結論。月並なものではありますが、


    音楽産業はありとあらゆる方面で変化している。
    音楽関係のテクノロジーは日進月歩で、ほぼ毎日、新しいサーヴィスが出ている。
    変化の速度は当面早まりこそすれ、遅くはならない。


    そして抽出した最新の潮流。


    パソコンだけではなく、接続された装置すなわち携帯電話やタブレットで音楽を聴く人間の数がどんどん増えている。

    グーグル、アマゾン、アップル、MP3Tunes といった、クラウド・ベースのサーヴィスを使うのをためらわなくなっている。いつでもどこでも音楽が聴けるから。

    Pandora、Spotify、MOG、Rdio といった有料ストリーミング・サーヴィスに登録してこれを使用する人間が増えている。

    デスクトップで音楽を管理するツールとしては iTunes が圧倒的。

    若い世代が音楽を聴くのは YouTube が最も大きなものの一つ。ニールセンの調査では57%

    関心のある音楽を表明したり、友人の趣味を知るのに、ソーシャルな音楽体験が重要性を増している。


    新手の音楽サーヴィスといえば、先日デレク・トラックスのトラックス・テデスキ・バンドのライヴが有料ストリーミングで聴けるという案内が来ていました。ライヴのチケットを買うようにカネを払い、ただしその場にいなくてもネットで聴ける、というサーヴィス。アーカイヴも用意されて、時差のあるところでも聴けます。
    
    パソコンから出力される音源を録音するツールを使えば録音もできるのでしょう。
    
    Songbird としては、iTunes のような総合的なツールではなく、より細かい機能に特化した方向を目指すようです。単機能のツールを組み合わせて使うのはコンピュータの使い方として伝統的でもありますが、iTunes と正面から競合するのは避けて、どんどん出てくる新しいサーヴィスにより柔軟に対応できるようにしようというのでしょう。
    
    より大きくとらえれば、音楽はスピーカーの前に座って聴くものから、動きながら、いつでもどこでも聴くものへの変化が加速されるのでしょう。
    
    とすればアウトプット装置はイヤフォン、ヘッドフォンがデフォルトで、スピーカーは今のアナログ・プレーヤーの位置になる。
    
    またデジタル音楽の質も向上する。つまりPCMからDSDへの流れもおそらくは変わらない。
    
    流通形態としてのパッケージはボックス・セットと映像だけになり、「通常版」はすべてネット経由になる。
    
    スタジオ録音とならんでライヴ音源の割合が増える。
    
    ぼくなどでもこの程度は想像がつきますから、専門家や業界の人びとはもとつっこんだ予測を立てているはず。もっとも予測がついたからといって、それにしたがって行動するかはまた別の問題ではあります。とりわけ、既得権益保持者を守る制度が充実しているこの国では。
    
    とはいえ、ミュージシャンとリスナーにとってはますます面白くなることは確かでしょう。(ゆ)

    Mac 用フリーのオーディオ・プレーヤーの新顔として「チョイ聞きプレーヤー」が出ています。

    Taply と同じようなコンセプトのアプリで、こちらは普通のウインドウにファイルを放りこんでゆく形。トラック・リストが常に見えているのと、インドウのサイズも変えられますから、フローティング・ウインドウであるTaply よりも使い勝手は良いかも。ま、この辺は好みでしょうか。
   
    音は Taply と同じく素直に再生しているようで、Taply と同等です。つまり、フリーのプレーヤーとしては最高。
   
    まだ、アイコンもないできたてほやほやですが、要注目、かな。(ゆ)

 Mozilla プロジェクトの一環である、オープン・ソースでフリーのミュージック・プレーヤー、Songbird がめでたく Ver. 1.0 となっています。

 RC3 を使ったかぎりでは、AIFF ファイルも再生できるようになっていました。公式にはサポートされていないはずですが。

 音は良いです。iTunes 8.0 と比べても、解像度がより高く、音が新鮮。ストレートに出てくる感じ。もともと音は良かったので、iTunes のようにヴァージョンによってころころ音が変わることがない、というべきか。これは結構大きなメリットかな。

 まだ iPod の管理も、CDのリッピングもできませんが、パソコン本体での再生には十分以上でしょう。iTunes のライブラリを読みこむ機能もあります。(ゆ)

後刻追記
 アド・オンをインストールすると iPod も管理できるようです。

 思いもかけず、今日の午後、iPod Touch がやってきました。アップル・ストアからの通知も無し。まあ、たいてい、あそこの通知は後から来ますが。

 早速、iTunes につないで、入るだけ入れて、1時間ほど聞いたところです。

 やはり従来の機種とはいろいろ変わっています。

 今のところ、一番困っているのは、歌詞が表示できないこと。今のところ英語版しかないマニュアルも見ましたが、どこにも、そういう機能は見つかりません。レーティングは表示も、指定もできますが、歌詞やコメントは表示できません。レーティングってそんなに使われているのですかね。

 デフォルトではタイマーでオート・ロックがかかるようになっています。従来機種だとディスプレイが暗くなるだけですが、Touch は画面に触れば何か起きてしまうので、ロックになるのでしょう。もちろん、設定ではずせます。

 また、従来画面をロックするスイッチがある場所には、ON/OFF のスイッチがあります。こちらは単純に押すだけ。なお、一度スイッチを切るとロックがかかります。ロックをはずすには、画面下に出ているロック解除スイッチを右にスライドさせます。はじめ、ただここを押せばいいのかと思って、しきりに押したりしていました。われながら、アホ。

 音質が眼に見えて変わったわけではありませんが、音量レベルは大きくなっていますので、その分、良くなったように感じられます。レベルは結構大きい感じで、画面に出る音量スライドはデフォルトで中央にありますが、ものによってはちょっと絞りたくなります。それと関連するのか、背景ノイズが低くなった感じがします。あくまでも、感じですが。

 全体に薄いのはもちろんですが、幅が意外に細いです。Go-Vibe 5 と重ねると、ほんのわずかですが、iPod Touch の方が細い。こうなると、もう少し細くて薄いアンプが欲しくなります。あるいは、iPod の方がもう少し広く、大きくなってもいい。

 タッチ・パネルによる操作とその反応はすばらしいです。iPhone の時のプロモ・ビデオに嘘偽りはありません。アーティストやアルバム、曲の一覧表を表示すると、画面右端にアルファベットが細く出ます。ここで望むアルファベットをタップすると、そこへジャンプします。あまりに細いので、本当に大丈夫か、はじめ見たときは不安でしたが、ちゃんと狙ったところへ跳べます。また、全体を包むフィルムとは別に、画面にはもう一枚保護のためのフィルムが貼ってあります。このフィルム越しでも指で操作できます。

 無線でネットにつなげる機能はまだ試していません。今のところ必要を感じませんが、これにメールやメッセンジャーがつけば、ぼくとしては電話は要らんですね。この辺はたぶんソフトウェアのアップデートでこれから対応するんじゃないか、と期待してます。

 アップルはとにかくユーザー・インターフェイスに命をかけてきてるわけですが、これは久々に革新的と言えるインターフェイスだと思います。とにかく、いじるのが楽しい。いじるだけで楽しい。音楽を聴いたり、ビデオを見たりするだけではあまりいじるわけにはいかないので、そのうちいじるためだけにネット・サーフィンを始めそうです。

 ということで、まずはファースト・インプレッション。(ゆ)

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