クラン・コラ・ブログ(アイルランド音楽の森)

 アイリッシュ・ミュージックなどのケルトをはじめ、世界各地のルーツ音楽を愉しむブログです。そうした音楽の国内の音楽家も含みます。加えて主宰者の趣味のグレイトフル・デッド。サイエンス・フィクション、幻想文学などの話もあります。情報やメモ、ゴシップ、ただのおしゃべりなどもあります。リンク・フリーです。

タグ:ヘッドフォンアンプ

 久しぶりにフジヤエービックに行くチャンスがあったであれこれ試聴する。


Acoustune HSX1001 C:02M:02



 まずは一番気になっていたこれ。期待通り、理想の音に最も近い。好みの音としてこれを凌ぐのは final の Proto1ぐらい。シングルエンドでも HS1300SS+ARX220 を軽く上廻る。輪郭の明瞭な音をバランス良く聴かせる。音にリアリティがある。存在感がはっきりしている。これはとにかく買う。

 本来は無線イヤフォンの HSX1001-迅用交換音響チャンバー+ケーブルなのだが、本体より人気らしい。確かにこの剥出しの外観がひどくカッコいい。音もこのツラにふさわしい。


Sivga Que UTG



 鳴り方は上記機種に近い。好みではあるが、上記に比べると若干甘いところがある。弦は良い。擦弦、撥弦、どちらもいい。フルートもいい。声は上に讓る。


final DX6000
 今一つピンとこない。デッドではなく、クラシックを聴くべきだったか。final の製品はぱっと聴いても良さがぽんとわかるものではないのが困る。試聴用に貸出してくれないかと思う。


Grado Signature S950 + FiiO K17
 まあまあ。


Grado Signature S950 + DCHP-200



 いや、これが実力でしょう、S950の。こうこなくっちゃ嘘だよ。完全に化けた。ヘッドフォン・アンプの実力が違う。これはまことに素姓の良いアンプ。マス工房のアンプ、バクーン・プロダクツのアンプを持っていなければ買うところだ。ただ、少々奥行が長い。これと Grado でデッドを聴くのは快感。予想通り、HS100 よりもこちらの方が好み。装着感もこちらの方が良い。デッドのみならず、アメリカンはすばらしい。トラウム兄弟もいいし、マリア・マルダーには降参。声が聴こえてきた途端、背筋がぞぞぞっとした。

 オーディオデザインのヘッドフォン・アンプを聴けたのは収獲。メーカーの名前は聞いたことがあるが、製品は見たこともなかった。聴けてよかった。この音なら俄然メーカーが何者か、気になってくる。



 というので、サイトに行き、あれこれ見てまわり、YouTube の動画も何本か見てみる。外部クロック・ジェネレータの話、100万円のヘッドフォンの話、いずれも面白い。説得力もある。この人に final のヘッドフォンを聴いてもらいたい。

 それにこの大藤さんは音楽を生で聴いている。クラシックもジャズもポップスも聴く。ダメなものはダメと言うし、良いものは無名でも誉める。薩摩島津の島津さんと同じく、音楽を生で聴いている人の作る機械は信用できる。

 会社を紹介する動画も面白い。売上の推移まで出すのには驚いたが、自信の現れでもあろう。社内紹介の動画、アンプを作るのがひどく難しいという話に感心する。音を最優先して、作りやすさを考えなかったからだ、というのに納得。ヘッドフォン・アンプも作りにくいのだろうか。

 あなたが死んだらどうなるという質問をよく受けるというところに大笑い。そう訊く人は大抵大藤さんより年上。人より先にご自分の心配をなさった方が、とは言えない。

 しかし、すでにマス工房 model 433 があるから、もう1台似たようなものは要らない。音は違うはずだが、方向性、性格は共通するだろう。オーディオデザインがポータブルを出しても Bakoon/SCL HDA-5230Mk2 があるから、これも要らない。すると買うものがない。電源くらいか。電源も Analog Squared Paper の電源ボックスがある。ミュージックサーバーは面白いかもしれない。それよりは現行の DCDAC-180 が2019年発売なので、そろそろ新しい DAC が出てもいい。そちらに期待しよう。ちょうど本当に良い DAC が欲しくなってきてもいる。できればポータブルかセミ・ポータブルがいいんだが、本当に音が良ければ、デスクトップでもいい。といって、ウン百万もするものや、ばかでかいものは御免だ。(ゆ)

    ヘッドフォンアンプ Fiio E5ヘッドフォンアンプ Fiio E5 が国内でも販売されてますね。価格も海外から直接買うのとそう変わりません。初期不良1週間交換のみなので、正規代理店ではないようですが、価格がどこも同じというのは、どこかがまとめて輸入してるんでしょうか。それにしても、この勢いはすごいな。PHA の世界が変わるか。

    はじめから高いものを買うよりも、これを買って、むしろ Dock コネクタに奮発する方が賢明かも。コネクタが良いと E5 の音もそれだけよくなりますから。それにコネクタがしっかりしてれば、後でアンプをアップグレードする時に得するでしょう。

   
    一方の Yuin のクリップ・タイプの廉価版 G2A ですけど、期待通り。KSC35 はもう要りません。75のユーザも買い換えをすすめます。音の肌理の細かさがちがいます。これを聞いてしまうと、KOSS の音がいかに雑かわかってしまう。というか、雑な音をうまく聞かせるのが KOSS の KOSS たるところなんでしょう。サウンド・ステージ、バランス、申し分ありません。KOSS が低音フェチ御用達というのが、ようやくわかりました。まあ、ぼくも低音フェチということになるんですが、重低音などというものは無いと思っているくちなので、やはりバランスのとれた低音は気持ちがよいです。このところジャック・ブルースにはまっているので、なおさら G2A がありがたい。

    ジャック・ブルースってスコットランド人なんですね。やはりスコットランド人はジャズを使うのがうまい。クリームなんて、ほとんどジャズ・ロックじゃないですか。

    造りもなかなかきちんとしてて、KOSS よりも高級感があります。耳にかけるフィット感も上々。コードが KSC より少し短かく、iPod をポケットなどに入れておくのにちょうどよい。この頃はみなそうかもしれませんが、ゴムのような材質のコーティングがしてあって、からみにくく、ほどけやすくなっているのもマル。
   
    例によって Head-Direct の通販です。上海からの発送で、注文して5日で到着。送料含めて 59USD です。(ゆ)

 シンガポールの Jaben が製造販売している GoVibe シリーズの最新作 Martini が公開されています。

 単四電池2本で400時間稼動、てほんまかいな。

 サイズは Petite と同じくらいに見えますね。
 音はどうなんでしょうねえ。
 Petite と Magnum の間という説と、ぜんぜん別系統という説とあるらしい。

 DAC はついてないですね。

 値段はまだわかりません。

 Jaben ではもう一つ、新しいアンプを用意しています。
この Martini は「謎のアンプその3」と言われていたもので、
謎のアンプその4」が控えてます。


 それと、Jaben は Uncle Wilson の名前で新しいネット・ショップを開いています。

 まだ、完全ではないようですけど、これまでよりははるかに買いやすいです。(ゆ)

 現在 GoVibe シリーズを製造販売している Jaben Network が先日地元シンガポールの新聞に載ったそうで、その記事のコピーが Jaben のフォーラムに出ています。

 なんか、どこかで見た光景ですが、こういう店は世界中どこへいっても同じになるのかも。面積は180平方フィート、約5坪です。

 後ろのスピーカーの一番上に乗っているのは Marty 101 ですね。これも売っているのかな。

 中央の禿オヤジが Uncle Wilson こと社長の Wilson Yong 氏。今年55歳だそうな。社員はかれも入れて3人。年商「二、三百万」というんですが、シンガポール・ドルか米ドルかはわからず。売上の3割が通販。その大半はアメリカとヨーロッパの顧客。インドやアフリカからもある。アジアは少ないらしい。2006年半ばに始めたブログがヒットし、飛躍的に売上が延びた由。現在はフォーラムに以降してます。

 取り扱い商品はヘッドフォン、イヤフォンとその関連。20ドルのものから2,000ドルのカスタムものまで。写真を見ると Marty のような小型スピーカーもあるらしいですね。

 商売の秘訣は、客をかまわないこと。勝手に品定めをさせておき、質問などがあれば懇切丁寧に応対する。

 これはすなわちアップル・ストアのやり方でもあることを最近知ったが、たまたま同じ手法を採用しただけだそうです。

 地元の客は10歳から80歳まで。新たに父親になった人が多い。スピーカーを鳴らせなくなってヘッドフォンに移るらしい。シンガポールの住宅事情でしょうか。

 Jaben は Uncle Wilson の前の商売のパートナーの子どもたちの名前を合成したもの。(ゆ)

  ノーザン・アイルランドのシン・フェイン党党首ジェリィ・アダムスの専属運転手をつとめていた男が英国政府に情報を売っていたという。いわゆる「聖金曜日合意」の交渉がたけなわの時期の話だそうな。

  シン・フェインは IRA の政治部門で、IRA は英国の軍部や情報機関を向こうにまわして、長年互角に情報戦を戦っていたわけだが、「敵」もさるもの、というところだろう。

  Winds Cafe 134 の準備続行。かけるうたの歌詞対訳。なかなか難しい。フェアポートが原曲の〈Farewll, farewell〉も、何十回となく聞いてはいるが、こんな歌詞だったっけ。聞いているかぎりでは、もっとシンプルな内容に聞こえていた。あと3曲。最後にはおそらく一番の難物デッドの〈Black muddy river〉が控えている。

  1曲ごとに聞きかえしながらやるが、聞くのはもっぱら、iPod touch から Go-Vibe Petite につなぎ、EarPhone M である。最近は SHURE ソフトフォームイヤパッド をつけている。黒い、スポンジの小。Westone のものも使える。Westone の買い置きが切れたので、試しに Shure のを買ってみた。性能としては違いは感じられない。デフォルトのダブル・フランジよりスポンジのイヤチップまたはイヤパッドのほうが明らかに音は良くなる。なにより低音が締まる。全体の輪郭も一層はっきりする。遮音性が格段に高まるだけでなく、音の出口が鼓膜により近くなるかららしい。Shure のチップの遮音能力は結構なもので、外部の音はまったく気にならない。

  最新の変化は Go-Vibe のアップグレード。一年前に買った Go-Vibe 5 は すばらしく CP が良く、PHA の格好の入門機で、これなくしては生きられなくなってしまった。が、やはり作りがやや貧弱なところはあった。音量ダイアルを回すと動かしている間、右チャンネルにノイズが入るのは買った当初からだったが、そのうち歩きながら聞いているとだんだんノイズが入るようになった。はじめはコネクタの ALO Jumbo Cryo Dock がおかしいのかと思ったのだが、試しに普通のピン―ピン・コードに換えてみたら、入力のジャックが中でゆるんでいるらしい。だましだまし使ってはいたものの、だんだんノイズはひどくなり、時には音が切れてしまう。修理に出そうにも、製造元はアンプ製作から引退して、ウエブ・サイトも閉じてしまった。代わりを物色もしたが、良さそうなのはどれも高い。一時は清水の舞台から飛びおりて、iQube に張りこむか、とも思ったところで Go-Vibe Petite が昨年末に出ていることに気がついた。Go-Vibe の設計と権利を買ったシンガポールの Jaben Network が初めて出した製品だ。評判もなかなか良い。ものは試しと Uncle Wilson にメールを出したら速攻で返事が来た。えいやっと注文して待つこと8日。これは大当りでした。

  まず小さい。Go-Vibe 5 はできあいのケースを使っていたから、iPod といっしょにすると、かさばった。これはその名の通り、ふたまわりは小さくなった。iPod touch と比べると、底面積では半分、厚さは倍というところ。一番犠牲になったのが音量ダイアルで、コネクタを刺していると、回しにくいことおびただしい。そしてジャックの間隔が短かすぎて、Jumbo Cryo Dock のがっちりしたピン・ジャックが入らない。しかし音にくらべれば、こうしたことはささいなものだった。

  聞きはじめたとたん、顔がにやけるのがわかる。Go-Vibe の6や7は知らないが、これはもう5とは別次元の音だ。EarPhone M の周波数特性が急に広がったようにすら思える。このイヤフォンは比較的高音のほうにポイントがあることは確かだが、Go-Vibe Petite を入れると低音も豊かになる。同時に音が磨かれてくる。すべての音がぴかぴかになるのではなく、それぞれの個性がはっきりわかる感じだ。立ちあがりと減衰の美しさ。見通しはさらに良くなり、分解能力が上がり、ひとつひとつの音の立体感が増し、とにかく新しい世界に入って気持ち良い。他と比べたわけではないが背景ノイズも低く、無伴奏歌唱とか、小編成の生楽器アンサンブルとかになると、音楽だけが浮かびあがる。USB 入力の DAC もついているので、iPod では聞けない FLAC も MacBook から最高の音で聞ける。

  価格(送料込みで195米ドル)からしても、性能からしても、PHA の入門機としてやはりベストだろうし、長く使えるとも思う。Go-Vibe 万歳。Long live the Go-Vibe!

  買ったのは Jaben から直。

  "Shop Online" のページの一番下 "Others" で "Add to Cart" をクリック。
PayPal に飛ぶので
"Purpose" に "Go-Vibe Petite"
"Donation Amount" に "195"と入れる。
あとは PayPal で支払う。

  Go-Vibe Petite はここでも買えるらしい。

  ヤフオクでも売っていたし、他にも探せば国内で買えるところはあるはず。Uncle Wilson 自身、日本でのディストリビュータを探すつもりのようだから、近々正式輸入がされるかもしれない。(ゆ)

 愛用のポータブル・ヘッドフォン・アンプ Go-Vibe V5 に新機種が出ちゃいました。

 買ったときに、もう少し薄くならないのと聞いたら、検討してみようという返事だったのですが、こんなに早く実現してしまうとは、困ったものであります。まだ買って1年たたないぞ。

 実は先日 iPod との接続ケーブルを買ってしまい、これとのコンビがすばらしく、喜んでいた矢先なのでした。
 買ったのは ALO の Jumbo Cryo Dock です。

 アンプの倍の値段(爆)。ケーブルが高いのか、アンプが安いのか。たぶん、両方でしょう。あとから考えたら Cryo Micro でも良かったはずですが、その時はもうこれだと思いこんでいたのでした。

 これで iPod 80GB を Go-Vibe V5 とつなぎ、iCans、Proline 2500、UM-2 と聞いてますが、どの組合せも気に入ってます。今のところ一番気に入っているのは iCans かな。

 iCans はもともと iPod 用に調整されているからアンプをはさむとかえってバランスが悪くなるという意見もありますが、この組合せでははさんだ方が遙かに良いのは Jumbo Cryo の威力でしょうか。

 3月の「音楽夜噺」の準備用に、同じ曲の様々なヴァージョンをいろいろ聞いているんですが、その中には昔 iTunes に取りこんだファイルも多くて、それはみなデフォルトの AAC 128kbps のファイルです。驚いたことに、これがアップル・ロスレスのファイルとまったく遜色なく聞けます。同一のトラックを二つの方式で取りこんで聞比べれば違いは一聴瞭然ですが、演奏や録音が違うと、ファイル形式の違いはまったくわかりません。

 ひとことで言うと、入っている音がより正確に出る感じです。情報量が多くなる、というのでしょうか。AAC は圧縮ですが、それでも必要な情報は当然選択されているはずで、それが余さず伝わってくる。するとそれだけで相当なものが実は入っているんでしょう。これなら AAC 320kbps で入れれば、音質的にも不満はないな、と思えてくるほど。やはりアップル・ロスレスで入れると、HDを圧迫しますからねえ。

 ただそうすると、録音の良し悪しがはっきり出ます。例えばウッズバンドのファーストのCD復刻、ぼくの持っているのは最初の復刻ですが、これのマスタリングのまずさないしマスターテープの質の悪さがもろにわかったりします。この点は演奏の良し悪しとは別のところで、このアルバムの場合、SPの名演復刻の雰囲気です。

 これにはおそらくケーブルやアンプだけでなく、iPod 自身の改良(ハード、ソフト両方の)もあるんじゃないかと思います。同じファイルを iMac G5 の iTunes で、タイムドメイン・ミニで聞いても、やはり以前より音が良くなった感じがあります。

 ということで、Go-Vibe V5 もこれからというところだったんで、一層音が良くなって、しかも薄くなり、さらに充電器までビルトインされているとなると、正直、裏切り者!と叫びたい(^_-)。しかも80ドル+送料という価格は、強力。

 うーむ、Go-Vibe V5 って、誰か買ってくれるかしらん。


Thanx! > Music To Go!

 ケン・ローチの『麦の穂をゆらす風』の試写を見られることになって、iPod にタイトルの元になった唄とチューンの両方を集めたものを入れて聞きながら出かけました。ちなみに唄は独立闘争を鼓舞するいわゆる「レベル・ソング」の典型として有名ですが、同じタイトルのダンス・チューンの方も、たくさんの人が取りあげる定番曲です。

 映画そのものについてはまた別に書こうと思います。まあ、最低でもアイルランドに興味のある方は見たほうがいいです。

 この唄とチューンのプレイリストに入っているファイルは昔入れたものなので、iTunes のデフォルト、AAC 128kbps のファイルのままです。これを Go-Vibe 5 を通して Westone Labs UM-2 で聞いていたんですが、およそ AAC の音ではありません。

 例えば、バンジョーのジェリィ・オコナーの《TIME TO TIME》に入っている版では、バンジョー特有の残響まできれいに聞こえます。この人の演奏は残響を活かす点でアイリッシュのバンジョーでは異色ですが、それがよくわかります。この録音にはこんな音まで入っていたのか、と眼鱗ではない耳鱗(?)。迂闊といえば迂闊ですが、それにしても驚きました。

 ヘッドフォン自体を換えるだけでなく、アンプを加えることでも、聞こえる音のグレードはこれだけ上がるんですねえ。音が変わっても音楽がおもしろくなければ元も子もありませんが、この機械の場合、今のところ、情報量を増やすだけで後はほぼ透明のようです。だから、素材そのものの味が一層はっきりします。

 こうなってくると、より高価な、据置型のヘッドフォン・アンプの音が聞きたくなってきます。値段が高いからといって、また据置型だからといって、ポータブルよりも音が良くなるとはかぎらないのがオーディオの「危ない」ところですが、でも、やはり自分の耳で聞いてみたくなります。ほんとうはいろいろなアンプを取っ換え引っ換え聞き比べたいんですが……。

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