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オープンバックのモニタ・ヘッドフォン
Grado The Hemp Headphones, Ver. 2
伝聴研のニュース
伝聴研ニュース36号が来て、聴覚トレーニングのツールがついにCDからメモリ・プレーヤーになり、ヘッドフォンもモデル・チェンジするとの予告。正式発表は2月予定。プレーヤーには音楽も追加できるそうで、なにせここの DenDAC やヘッドフォン・アンプはやたら音が良かったから、これは楽しみだ。そのヘッドフォン・アンプは小型で、本来携帯用ではないけれど、 DAP と一緒に携帯している人をヘッドフォン祭で見たこともある。
ボックス・セットは持っているけど、CDP が必要なのはやはり面倒で、トレーニングはあまりやってない。やればいいことはわかっている。筋肉のように鍛えることで視覚や聴覚の老化を遅らせることはできない。伝聴研の聴覚トレーニングは、あたしには効果があって、やると聞こえが良くなる。音楽をよりよく聴けるようになる。老化が遅れているように感じる。時には逆転したとさえ思える。ミュージシャンにはもっと実際的な効果、リズムのとり方が良くなるとか、音程が良くなるとかがあるそうだ。あたしはもちろんそこはわからん。
新しいヘッドフォンも写真ではツラがいい。またオーテクの OEM だろうが、ベースはどれだろう。形からすると ATH-M60x かな。ATH-770XCOM からマイクを取りはずした形にも見える。
##本日のグレイトフル・デッド
12月09日には1966年から1994年まで9本のショウをしている。公式リリースは3本。うち完全版2本。
1. 1966 Fillmore Auditorium, San Francisco, CA
4日連続の初日。共演 Big Mama Mae Thornton と Tim Rose。セット・リスト不明。
ビッグ・ママ・ソーントン (1926-1984) はよく知られたリズム&ブルーズのシンガー。後にプレスリーがカヴァーする〈Hound Dog〉が最大のヒット。〈Ball and Chain〉の作者。女性ドラマーのパイオニアの1人。
Tim Rose (1940-2002) はワシントン、D.C.出身のフォーク・シンガー。後にママス&パパスに参加する Cass Eliot やジミヘンと The Big 3 というバンドを組んでブレイクする。Bonnie Dobson が書き、デッドがカヴァーした〈Morning Dew〉の作者クレジットに自分の名前を勝手に加えたことで知られる。ドブスンはローズの貢献を全否定している。
2. 1971 Fox Theatre, St. Louis, MO
開演7時。2日連続の初日。全体が今年のビッグ・ボックス・セット《Listen To The River》でリリースされた。
セント・ルイスには3月に続き、この年2度目の登場。3月のショウは2日目が《30 Trips Around The Sun》の1本でリリースされている。
9月に入院したピグペンが復帰した。
第二部がやけに短く、全体としてもこのショウのみ他より1時間短かい。が、事情がわからない。ライナーにも書いていない。
3. 1979 Kiel Auditorium, St. Louis, MO
デッドは移動日でショウの無かった前日にジョン・レノンが射殺された。
4. 1981 Activity Center, University of Colorado, Boulder, CO
12.65ドル。開演7時。全体が《Dave’s Picks, Vol. 20》でリリースされた。
この年のツアーの打ち上げ。この後は12月12日にサンフランシスコの南のサン・マテオでジョーン・バエズとの公演をした後、年末恒例の年越しショウに向けての5本連続になる。
第一部が〈China Cat Sunflower> I Know You Rider〉で終り、第二部が〈Scarlet Begonias> Fire On The Mountain〉で始まるという黄金の組合せ。第二部はその後も黄金の並び。
5. 1988 Long Beach Arena, Long Beach, CA
開演8時。
セット・リスト以外の他の情報無し。
6. 1989 Great Western Forum, Inglewood, CA
同じヴェニュー2日連続の2日目。開演8時。第一部クローザー前の〈Bird Song〉が《Without A Net》でリリースされた。
セット・リスト以外のその他の情報無し。
7. 1990 Compton Terrace Amphitheatre, Chandler, AZ
21ドル。開演1時。2日連続の2日目。
セット・リスト以外のその他の情報無し。
8. 1993 Los Angeles Sports Arena, Los Angeles, CA
25ドル。開演7時半。
第二部 Drums にアイアート・モレイラが、Space にアイアート・モレイラ、フローラ・プリムとオーネット・コールマン、その後の〈The Other One〉からクローザーの〈Turn On Your Love Light〉まで、オーネット・コールマンが参加。
9. 1994 Oakland-Alameda County Coliseum Arena, Oakland, CA
4本連続の2本目。27.50ドル。開演7時。第一部半ば〈El Paso〉でウィアがアコースティック・ギター。この曲はウィアがアコースティックをまた演るようになって復活した。
この頃になると、チケットが売り切れなくなり、前の晩は空席が目立ったらしい。この日はほぼ満杯。SBD で聴くかぎり、第一部は音が良くない。初めはドラムスとヴォーカルだけで、ベースは終始聞えず、ウィアのギターはスライドを演っているときだけ。ガルシアは時々歌詞を忘れ、ギターでカヴァーする。もっともそのギターは歌詞忘れを補って余りある。第二部はがらりと音が良くなり、まずオープナーの〈Scarlet Begonias> Fire On The Mountain〉がベストの出来で、しかも長い。長いといえば、この日の Drums> Space はひどく長く、その後は〈Box of Rain〉とアンコールの〈Johnny B. Goode〉のみ。DeadBase XI の Mike Dolgushkin と David Greenberg のレポートによる。(ゆ)
安静に過ごす。
10月14日・火
クラン・コラの原稿を書いた他はデッド関連。読書。とにかく安静にしていろ、というのにしたがう。病院によっては、大腸カメラでポリープをとると、二泊三日の入院というところもある。
デッドを聴くヘッドフォンとして Grado The Hemp 2 はやはりなかなか良い。レシュのベースがもう少し欲しいので、ヘッドフォン・アンプをかましてみよう。
先日亡くなったパディ・モローニについてあらためて調べていたら、なんと、誕生日がジェリィ・ガルシアと同じ8月1日。モローニはザッパとは親しく、ザッパのスタジオ、ユーティリティ・マフィン・リサーチ・キッチンもよく使わせてもらっていた。しかし、デッドとの接点は今のところ、浮上していない。ガルシアがチーフテンズの録音を聴いていた可能性は大いにある、というより、聴いていなかった可能性はまず無いだろう。
デッドは中国の春節に合わせたショウとともに、セント・パトリック・ディに合わせたショウも行っている。1988年3月17日のオークランド、ヘンリー・J ・カイザー・コンヴェンション・センターでのショウでは Trip To Sligo というパサデナをベースとするバンドが前座を勤めた。このバンドのメンバーは
Jerry McMillan (fiddle)
Paulette Gershen (tin whistle)
Judy Gameral (hammered dulcimer, concertina, vocals)
Gerry O'Beirne (six- and twelve-string guitars, vocals)
Janie Cribbs (vocals, bodhran)
Thom Moore (vocals, twelve-string guitar, bodhran)
というもの。ジェリィ・オゥベアンとトム・ムーアはこの時期、アメリカに移住していたらしい。2枚アルバムを出しているが、未聴。
##本日のグレイトフル・デッド
10月19日には1971年から1994年まで9本のショウをしている。公式リリースは5本。うち完全版2本。
1. 1971 Northrup Auditorium, University of Minnesota, Minneapolis, MN
キース・ガチョーのデビュー・ショウ。ピグペンは不在。また一気に5曲の新曲が披露された。〈Tennessee Jed〉〈Jack Straw〉〈Comes A Time〉〈One More Saturday Night〉〈Ramble On Rose〉。〈Comes A Time〉を除き、いずれも定番となる。
〈Tennessee Jed〉は1995-07-08シカゴまで計437回演奏。演奏回数順では10位。
〈Jack Straw〉は1995-07-08シカゴまで計478回演奏。演奏回数順では8位。
〈Comes A Time〉は66回演奏なので定番とは言いがたいが、1994-10-09メリーランド州ランドーヴァーまでぽつりぽつりと演奏された。
〈One More Saturday Night〉は1995-07-08シカゴまで計342回演奏された。演奏回数順では29位。これは元々はロバート・ハンターの詞にボブ・ウィアが曲をつけたものだったが、ウィアが歌詞を勝手に変えた上、〈U.S. Blues〉と改題することを提案したため、ハンターはこの曲との関係を絶った。さらに、ウィアが歌詞を勝手に変えて歌うことに対して、ハンターは1971年2月堪忍袋の緒を切らし、以後ウィアと共作することを拒否し、代わりにジョン・バーロゥをウィアの共作者として指名した。なお、バーロゥはウィアの高校以来の盟友としてデッド・ファミリーの一員だった。
〈Ramble On Rose〉1995-06-27ミシガン州オーバーン・ヒルズまで計319回演奏。演奏回数順では35位。
このショウはFM放送されたため、音質の良いブートが出回っている。
2. 1972 Fox Theatre, St. Louis, MO
3日連続最終日。出たばかりの《Listen To The River》で完全版がリリースされた。
3. 1973 Fairgrounds Arena, Oklahoma City, OK
前売4ドル、当日5ドル。開演7時。《Dick’s Picks, Vol. 19》で完全版がリリースされた。珍しくもトリプル・アンコール。
4. 1974 Winterland Arena, San Francisco, CA
5日連続の4本目。オープナー〈Mississippi Half-Step Uptown Toodeloo〉、前半8曲目〈Black-Throated Wind〉、前半最後〈Big River〉、そしてアンコール2曲目の〈U.S. Blues〉が《Steal Your Face》で、前半9曲目〈Scarlet Begonias〉、12・13曲目〈Eyes Of The World> China Doll〉、後半3曲を除く全部、アンコール1曲目〈One More Saturday Night〉が《The Grateful Dead Movie Sound Track》でリリースされた。〈Eyes Of The World〉は《So Many Roads》でもリリースされている。全体の3分の2がリリースされたことになる。
〈Black-Throated Wind〉は復帰後も復活せず、次に演奏されるのは1990年3月になる。それ以後は最後まで継続して演奏された。
5. 1980 Saenger Theatre, New Orleans, LA
2日連続の2日目。一部アコースティック、二部・三部エレクトリック。
次は3日空けて、ニューヨークのラジオシティ。
6. 1981 Sports Palace, Barcelona, Spain
このヨーロッパ・ツアー最後のショウで、スペインでの唯一のショウ。ツアー掉尾を飾る見事なショウの由。
7. 1989 The Spectrum, Philadelphia, PA
3日連続中日。前半最後から2曲目〈Cassidy〉が《Without A Net》でリリースされた。
この3日間の中ではベストと言われる。
8. 1990 Internationales Congress Centrum, Berlin, Germany
前半2曲目〈Shakedown Street〉が2017年の《30 Days Of Dead》でリリースされた。
ベルリン2日連続の初日。会議室のような会場で、座席はテーブルとアームレスト、カップホルダーのついた折り畳み椅子。だが、ショウはこのヨーロッパ・ツアー最高と言われる。
チケットが詰まったブリーフケースが立体交差した上の道路から放りなげられ、チケットが文字通り、降りそそいだ、という報告もある。
9. 1994 Madison Square Garden, New York, NY
6本連続千秋楽。同時に秋のツアー千秋楽。デッドが次に東部に戻るのは翌年6月下旬で、東部ではこれが最後のショウというデッドヘッドが多かったようだ。(ゆ)
ハイエンド平面駆動ヘッドフォン
10月05日・火
Moon Audio がしきりに Dan Clark Audio の新フラッグシップ Stealth を薦めてくる。この値段では不見転では買えないし、聴いてはみたいが、日本で聴こうとすれば買うしかない。こんなもの買いそうな知合いもいない。代理店が無いから、イベントでも出てこない。まあ、EtherC Flow から予想するに、悪いものであるはずはないが、ここまでくると好みの音かどうかではあるのだ。それに EtherC Flow との違いが、ほんとに聞きとれるかどうか。もっとも EtherC Flow も不見転で買って、良くなるまで、結構苦労したからなあ。一時は叩き売ろうかとも思った。1.1にアップデートしてようやく真価が現れた。
##本日のグレイトフル・デッド
10月05日は1968年から1994年まで4本のショウをしている。公式リリースは2本。
1. 1968 Memorial Auditorium, Sacramento, CA
1968-10-04付 The San Francisco Chronicle に「明日の晩、Memorial Stadium(サクラメント):グレイトフル・デッド、ヤングブラッズ」という告知があることによる。詳細不明。
このヴェニューではこの年の03月11日にクリームとのダブル・ビルでやっていて、そちらは一部ではあるはずだがセット・リストもある。この後は1972、1978、1979年と計6回演奏している。
会場は座席数3,867の多目的ホールで、1927年にオープン、1986年に閉鎖。改修後1996年に再オープンされた。コンサートの他、高校の卒業式などのイベントに使われている。2007年、シュワルツェネッガー州知事就任式の会場となる。国の史跡。
2. 1970 Winterland Arena, San Francisco, CA
前日に続くイベント。セット・リストがはっきりしない。このショウのサウンド・ボード録音は The Vault には無い、とのことだったが、《DOWNLOAD SERIES: Family Dog》で後半に演奏されたといわれる〈Dancing In The Street〉がリリースされた。
後に比べるとぐんとゆったりのんびりしたテンポ。ウィアのヴォーカルは低い声を出す。コーラスのアレンジもまったく違う。はじめ、右のハートが聞えない。ガルシアのギターもゆったりと音を置いてゆく。ジャズ的。技術的にはシンプル極まることをやりながら、繰返し聴いて飽きないフレーズを編みだしてゆく。ギタリストの人気投票などでは決して上位にはこないが、これほど抽斗が多くて、多彩な音、語彙、表現を自在に操っていたギタリストは他にはいない。途中からテンポが上がっていて、ガルシアのギターも切迫感を備え、〈Eye of the World〉を連想させる演奏になってゆく。後の〈Dancing In The Street〉とはまるで別物の演奏。同じ曲では無いよ、もう、これは。ヴォーカルのもどりがいささか唐突に響く。凄い。
3. 1984 Charlotte Coliseum, Charlotte, NC
13.50ドル。夜8時開演。〈Promised Land〉に始まり、〈Johnny B. Goode〉に終る。良いショウでないはずがない。
4. 1994 The Spectrum, Philadelphia, PA
30.00ドル、夜7時半開演。3日連続公演の初日。後半3曲目からの〈Playing in the Band> Uncle John’s Band> Jam〉のメドレーが2016年の《30 Days Of Dead》でリリースされた。
ボストン後半からの好調は続いていて、これと翌日も引き締まった、良いショウだったようだ。
そのことは30分近いこのメドレーを聴いてもわかる。やや遅めのテンポ。1976年頃の感じ。PITB のジャムの後半、ほとんどフリー・ジャズに踏みこんでいる。ザッパもここまではやらなかった。混沌としているが、どこかで崩れずに踏みとどまっている。1本の筋が、まっすぐではないにしても、通っている。混沌の中からまたビートが現れ、UJB になりそうでなかなかならない、そこがまたいい。歌が始まり、大歓声が湧くのもまったく同感。ガルシアのギター・ソロ、まだまだ霊感の泉は満々とたたえられている。ガルシアの声もたっぷりの響き。さんざん聴きなれた曲のはずなのに、この演奏にはじっとしていられなくなる。人を鼓舞し、立ちあがらせ、動きださせる力がある。30年、後ろをふり向かず、ひたすら前だけを見つめてやってきた、その末に手に入れた力。その後のジャム、ガルシアは MIDI でギターの音色を変化させる。またフリーの領域に踏みこむが、先ほどよりもテンポが速く、緊張感がみなぎる。デッドとして最もアグレッシヴな音。さらに Space を先取りする。ガルシアのデーモンが殻を破って現れんとしているけしき。ウェルニクの踏ん張りも貢献している。ここにいてうたっている、演っているのが楽しくて、嬉しくてしかたがないのだ。他のメンバーによって引きだされ、引きあげられている部分はあるにしても、それに応えるだけのものは持っている。(ゆ)
ヘッドフォン、DAP、ジミヘン
8月20日・金
Dan Clark Audio から新フラッグシップ・ヘッドフォン、Stealth の告知。4,000USD。どうせ、国内販売は無いから、買うなら直接だが、食指が動かないでもない。とりわけ、クローズドはいい。とはいえ、EtherC Flow 1.1 があるからなあ。そりゃ、良くはなっているだろうけれど、価格差には見合わねえだろう。
M11Plus LTD 発売日がようやくアナウンス。Shanling M6 Pro Ver.21も発表。こちらは面白みまるで無し。M17 はまだ影も形も無いなあ。
Grim Oak Press のニュースレターで、COVID-19 のおかげで紙が不足しはじめているのと、昨年刊行予定のタイトルが今年に延期されたことから、印刷・製本がボトルネックになって、出版が滞りだしている由。以前は印刷所にファイルを送ってから本が届くまで長くても10週間だったのが、今は4ヶ月〜半年かかる。新規の印刷を受け付けないところも出てきた。この事情は Grim Oak のような小出版社だけではなくて、Big 6 も同じだそうだ。わが国ではどうなんだろう。
Tor.com に記事が出ていたGwyneth Jones の Bold As Love のシリーズは面白そうだ。とりわけ、メイン・キャラの一人が Aoxomoxoa and the Heads というバンドのリーダーとあっては、読まないわけにはいかない。Gwyneth Jones はデビュー作 Devine Endurance を読んではみたものの、さっぱりわからなかった記憶がある。今なら読めるかもしれん。
それにしてもこのシリーズのタイトルは、コメントにもあるように、ジミヘンがらみばかりで、作品の中にもジミヘンへのオマージュが鏤められているらしい。ジミヘンもひと頃、集めようとしたけど、まあ、やはり Band of Gypsy のフィルモア・イーストでのライヴに留めをさす。完全版も出てるけど、あたしには抜粋の2枚組で十分。デッドやザッパとは違う。
音楽がらみのサイエンス・フィクションとしては Kathleen Ann Goonan のナノテク四部作もあって、積読だなあ。
ECM の Special Offer で Around The World in 80 Discs というのが来る。見てみると、ほんとに世界一周かなあ、と思ったりもするが、それなりに面白い。知らないのも多々あって、勉強にもなる。聴いてみましょう。ECM は全部 Tidal にあるし、Master も多い。この Special Offer はいつまでなんだろう。(ゆ)
ゼンハイザー民生部門売却雑感
グレイトフル・デッドを聴くギアたち
ヘッドフォン祭など
Jaben Online 日本語サイトの作成も手伝っているし、『ヘッドフォンブック2013』の英訳も同時進行で、こんなに忙しい思いをしているのは、もう何年もありません。
とゆーことで、Jaben 関係のお知らせとか情報とかは Facebook に移します。Jaben 関連以外のハードウェア、たとえば昨年秋に予約を入れて以来、心待ちにしている CEntrance の HiFi-M8 とかについてはこちらに書きますが、GoVibe、Hippo、Phonak その他、Jaben が扱うモノについては Facebook の Jaben Japan ページをご覧ください。今回のヘッドフォン祭で売ったり展示したりするモノについてもそちらに書きます。
それにしても KEF がヘッドフォン/イヤフォンを出したのには驚いた。(ゆ)
RudiStor に注文をされる際にご注意
日本から注文される方にお願いがあります。住所は英語で書いてください。電話番号を PayPal の注記欄に書いてください。
なお、英語の住所を登録するにはトップ画面で使用言語を英語に切り替えます。そうしておいて住所の登録に移動すると英語で入力できます。
日録:モノの威力
消えた太陽
もうひとつはモノがたくさんあること、というより、モノに囲まれている環境の力。これが他のモノにまじって、数点ならんでいただけならば、はたして買う気になったかどうか。状況によってはなったかもしれないが、本屋に入って、本に囲まれると、なんとなくなんぞ買おうかという気になる。このあたりは、ミニマルなインテリアにもうしわけのように商品がおいてあるブティックなどとは違うだろう。男性という条件付けもあるのか、あたしはああいう店では買う気は起きない。やはり「ドンキ」式に、モノがわっとある、はきちれそうな状態の方がわくわくする。図書館や古本屋で本に囲まれると、ようし、いっちょ読みましょうか、という気分にもなるのと同じ。とはいうものの、だからというか、「ヴィレッジヴァンガード」はちょと違う。
AK100でギャップレス再生をする
とりわけ、これも先日のポタ研でサンプルを展示した Hippo ProOne との相性が抜群で、これで音楽を聴くのが楽しくてしかたがありません。本が読めん。ProOne については、また別の機会に。しかし、これでシングルBAの奥深い世界にはまりそうです。
AK100 は小さくて、軽くて、音が良い。ファイルを入れるのも、いちいち iTunes を立ち上げる必要がなく、Finder ですんでしまうのは楽。32GB と 8GB の micro SD カードを刺しているので、現在 72GB で、iPod touch より多い。
もちろん不満もあって、その最大のものはファームウエア 1.30 現在ギャップレス再生がサポートされていないことです。
で、あれこれ思案して思いついたのが、CD1枚を一つのファイルにリッピングすること。こうすると AK100 は全体を1曲とみなして再生します。AK100 は cue シートをサポートしていません。これを逆手に利用するわけ。
トラックの別が消えてしまうので、あの曲だけ聴きたいというのは難しくなりますが、ギャップレスで聴きたいアルバムというのは、基本的には全部通して聴きたいので、それほど大きなマイナスではない。とにかくギャップレス再生を優先したい場合には使えるでしょう。
ぼくは XLD を使います。リッピングの際に、メイン・ウィンドウの左上、デフォルトですと「すべてのトラックのプリギャップを含める」となっているプルダウン・メニューをクリックします。一番下の「一つのファイル(+cue)として保存」を選択。
ここでリッピングしたファイルを置く場所をいつものところにして後でコピーもできますし、AK100 をつないでおいて、その中に直接入れることもできます。
すでにトラック別にリッピングしてある場合。XLD のファイル・メニューから「フォルダをディスクとして開く……」を選択します。ダイアログで目的のCDのサウンド・ファイルが入っているフォルダを指定すると、メイン・ウィンドウにCDが表示されます。そこで左上のプルダウン・メニューで「一つのファイル(+cue)として保存」を選択、環境設定で出力先を AK100 に指定し、「変換する」をクリックします。
この変換は逆にも使えます。すでに cue シート + 一個のファイルでリッピングしてあるものをトラック別に AK100 に入れられます。
ご参考になればさいわい。(ゆ)
iriver Astell&Kern 192kHz/24bit対応Hi-Fiプレーヤー AK100 32GB ソリッドブラック AK100-32GB-BLK
美しく青きHPA/DAC: GoVibe Porta Tube+ レヴュー
Big thank you to Nathan Wright who wrote the oritinal review for his kind permission to translate and put it up here.
ということで、ご注文はこちらへどうぞ。
Dr Fritz Sennheizer R.I.P.
わが愛機 HD414 の生みの親。エンジニアとしてももちろん優秀なのでしょうが、こういう音を良しとするバランス感覚、音楽を聞くツールの設計者としての耳の確かさに、敬意を表します。この人は心底音楽が好きだったにちがいない。
聴く相手は筆者とは違っていたでしょうが、何を聴くにしても、これで聴けばその音楽の「肝」を聴くことができる。ゼンハイザーの作るものならば、その芯が一本通っていて、安心して使うことができる。そういう信頼を抱けるのはありがたいことであります。
英文記事によるとゼンハイザーはいまだに同族会社だそうで、製品のポリシーを受け継ぐ点では、むしろこれから有利かもしれません。
とまれ、ご冥福、というのはクリスチャンでしょうから当たらないかもしれませんが、無事天国に行かれることをお祈りいたします。合掌。(ゆ)
RudiStor NKK03 #hpfes
NKK01 は小型の DAC & ヘッドフォン・アンプの初代で、ここに写真と説明があります。
これはバッテリー駆動で一度の充電で100時間以上稼動した由。これはこれで聴いてみたいですが、製造コストが高すぎて、現在は廃番。
NKK03 は正面は NKK01 とほぼ同じようですが、奥行は3倍ぐらいでしょうか。中央上面にチューブ・ソケットがあります。背面は電源、USB端子、RCA 端子。
正面の大きな音量ダイアルの左のスイッチを入れると、ダイアルの周囲が光ります。12AU7 は内部の光はごく小さく、火が入っているかどうかわかりにくいです。
ソースは MacBook で、USB につなぐとシステム環境設定の「サウンド」では Burr-Brown Japan PCM2702 の表示が出ます。ヘッドホン祭の時に置いてあった仕様ではこれだけではなかったと思いますが、窓口がこれ、ということでしょうか。
再生ソフトは Taply。Taply はフリーの Mac用音楽プレーヤーで一番音が良いと思います。本当のベストは XLD なんですが、これの再生機能はあくまでもおまけなので、使い勝手からすると常用にするのはちょっと。Taply は再生オンリーの小さな巨人です。
真空管というと昔は「ぬくもり」とか「艶」が音質を表現する言葉として使われたものですが、それももちろん無いことは無いけれど、それよりも今のものは反応のスピードの速さと肌理の細やかさの方をより感じます。ハイブリッドということもあるのかもしれません。音の立ちあがりと減衰の美しさ、音の襞の奥まできちんと濃淡のままに聞かせてくれる。ですから、音楽の中のノイズ成分、ヴァイオリンの弦のこすれる音とか、フルートの息が漏れる音がとてもきれいに、快く聞こえます。加えて倍音の再生はやはり真空管で聞きたい、と思わせます。
それと、沈黙、静寂の部分ではほんとにきれいに音が無い。音が途切れるところだけではなく、背景、楽器同士の間なども真黒です。もっともこれは RudiStor のアンプに共通の性格でもあるらしい。ウエブ・サイトでは、どのモデルでもそのことが強調されてます。
ルディさんの真空管アンプは、スイッチ入れてすぐ使えるよ、四六時中電源入れっぱなしにしないでくれ、省エネになるんだから、とサイトでは書かれてます。とはいうものの、NKK03 では暖まるまで30分はかかります。電源を入れて30分ぐらいたつと、すーっと音が澄んできます。ただ、これはアンプ自体のエージングがまだまだということでもあるかもしれません。いま手元にあるのはヘッドホン祭の会場で展示していたモノで、正確にはわかりませんが、まだ作動50時間は超えていないでしょう。
ヘッドフォンはいつものゼンハイザーHD414。なんですが、これの限界を初めて感じました。まあ、ヘッドホン祭でルディさんの新作ヘッドフォンを聴いてしまっていることもあります。一番の欠点は、左右の広がりは良いのですが、前後上下が浅い。NKK03側のエージングで変わるかどうか。
それでも音楽を楽に魅力的に聴かせてくれることでは文句はなく、あらためて能力の高さを認識しました。
こうなるといろいろなヘッドフォンを聴いてみたくなります。ハイエンド・ヘッドフォンのレンタルって、あるのかな。T1 とか、受注生産だと難しいでしょうねえ。まず聴いてみたいのは HE-05LE ですね。
本日の試聴曲。ああ、しかし、止まらねえ。
El Relampago Lila Downs En Paris: Live a Fip
El Relampago Lila Downs + the Chieftains サン・パトリシオ
La Iguana Lila Downs + the Chieftains San Patricio
La Iguana Lila Downs En Paris
Albion Sunrise Albion Country Band Battle Of The Fields
Morris Medley Albion Country Band Battle of the Field
La Mujjer De Terah Ana Alcaide Como La Luna Y El Sol
Down In The Tube Station At Midnight Bad Shepherd Yan Tyan Metheral
Le Vent M'emporte Cécile Corbel Songbook 1
Symphony No.40 In G Minor, K550 (2nd Ver.) I Molto Allegro Christopher Hogwood & Academy of Ancient Music モーツァルト:交響曲第40番第41番&ジュピター
Only time will tell Billy Bang Tribute to Stuff Smith
Take Five> Take 11 Farmer's Market Speed/ Balkan/ Boogie
1. The Sea & Sinbad's Ship Fritz Reiner & Chicago Symphony Orchestra R.コルサコフ:シェエラザード
Moot Glen Moore Nude Bass Ascending
ラストの細かい音で上昇と下降をするところから後をもっと聞きたくなる。ここで絞るなよう。ライヴでは続けていたのか。
Late for the sky Jackson Brown レイト・フォー・ザ・スカイ
リンドレーのギターの音色が美しい。
Song for Bernadette Jeniffer Warnes Famous Blue Raincoat
ジェニファのヴォーカルの工夫が手にとるようにわかる。深いとは思っていたけど、こんな細部にまで降りていたのか。あらためて脱帽。
Well, well, well Ben Harper & The Blind Boys Of Alabama There Will Be a Light
Isle of France Ian King Panic Grass & Fever Few
あ、これ、こんなに細かい録音を重ねていたのか。
With the trees José Neto Mountains and the Sea
Camila's Song Kaila Flexer & Gari Hegedus Teslim
Intro: Conditional Discharge Long John Baldry It Ain't Easy
Don't Try To Lay No Boogie Woogie On The King Of Rock & Roll Long John Baldry It Ain't Easy
Motherless child The Blind Boys of Alabama Spirit of the Century
Der Blinde und der Lahme Ougenweide All Die Weil Ich Mag
The Buckfast 5> Wired To The Moon Michael McGoldrick Wired
太陽は笑い月を呼ぶ 桃梨 歓喜~結成10周年記念大感謝祭~
Like a hurricane Niel Young & Crazy Horse ライヴ・ラスト
陽炎 鬼束ちひろ DOROTHY
聴けば聴くほどに名曲の想い新た。コーダのアコースティック・ギターの響きがことの他映える。
The gold ring Padraic O'Reilly Down the Ivory Stairs
ヒロくん 谷川賢作 ピアノソロVol.4
Oh the Grand Old Duke of York Tim Hart & Friends My Very Favourite Nursery Rhyme Record
Locura Yasmin Levy La Juderia
ぐわわ、冒頭、ネイの音一発でもっていかれる。真空管アンプの試聴会には最適。
安里屋節 新良幸人 月虹(げっこう)
新良さんの声の倍音がすごい。
Manamanamwnci> Jig Esgob Bango Calan Bling
The Golden Glove Chris Foster Jewels
FiiO E5 購入方法
買ったのはアメリカの Head-Direct。ニューヨークに事務所があるらしい通販専門店。中国系で独自の品揃えです。Yuin は兄弟会社か、独占代理店らしい。
1. トップ・ページの左のメーカー一覧で "Fiio" をクリック。
2. "E5" の "ADD TO MY CART" をクリック。
3. "Select Your Location"「場所を選んでください」というウインドウが開くので、右側の "Outside of America" をクリック。
4. "My Cart" ページが出ます。この時点ではまだ下の "Ordered Prodcucts" の欄が "Empty.." になっていると思います。そこで、上の "Add to My Caft" 欄の右の方にある "Add to My Cart" をクリック。
5. "Ordered Products" のページになり、"Product" 欄に "Fiio E5 headphone amplifier" とあるのを確認します。下の方に PayPal のロゴが出ているのでそれをクリック。
6. PayPal で決済。
PayPal のアカウントがなければ、作ってください。Head-Direct の支払いは PayPal 経由だけです。PayPal は今は日本語で表示されますので、後はそちらの指示にしたがってください。PayPal そのものの決済はぼくはクレジット・カードでやってます。他にもあるかと思います。
Head-Direct の価格は商品そのものが 23USD に送料が 10USD かかって、計 33USD です。今現在のレートでは3,000円弱です。
Head-Direct はこれまで数回買っていますが、いつも迅速な対応です。商品の発送元は上海だったかな。発送通知後1週間前後で来ます。なお、もうすぐ旧正月セールをやるよ、と Head-Fi で言ってました。まあ、E5 はもう十分安いですが。
FiiO 本家のサイトには他の販売店もあがってます。値段だけとるとニュージーランドの店が最安値のようです。ここも決済は PayPal 経由です。韓国とタイの店のサイトは読めないのでわかりません。不悪。
KOSS KSC35 購入代行
なんですが、そうなるとやはり相当高くなってしまうわけです。この価格に送料と税金が加わると1万円を超えるわけで、そこまで出す価値があるか、となると考えこんでしまいます。
確かに後継機種にはない独自の魅力があるのは確かで、それを自ら認めているからこそ、通販のみという形でもディスコンにしていない。それにその後の新製品を見ていると、どうやら KOSS はクリップ・タイプを 75 で打ち止めにする気配ですし、するとますます 35 の価値は高まります。
それに自分でむこうまで買いにいくことを考えれば、そりゃ安い。誰か知りあいや友人に頼んで買って送ってもらうにしても、手間賃とか謝礼とか考えれば、やはりこのくらいにはなる、とも思えます。KOSS の代理店の TEAC が正規に輸入してくれればいいわけですが、検討します、の答え以後は梨のつぶてですし、また KOSS の方で許可しようとしていないことも考えられます。
一方で Yuin からクリップ・タイプが出て、こちらは上位機種の G1 が送料込みで15,000円ですし、これから出る G2 は、どうやら 5,000円前後というところ。Yuin のものなら音質だけとればおそらく 35 をも凌ぐでしょう。G1 はアンプ必須なので G2 と比べるとしても、G2 の音がよほど不満で、やはりどうしても 35 でなければダメだ、となるかどうか。
とまあ、せっかく扱いを始めてくれた Vintage Computer には悪いんですが、ここは G2 のリリース待ちかな、と思ってるところです。(ゆ)
Go-Vibe Petite の DAC
使われているチップは Burr-Brown Japan PCM2702。ポータブル・アンプに付いている DAC はたいていこれを使っているらしい。このチップは動かすのにソフトウェアが不要とのことで、Mac でもつなげばそのまま使える。つなぐと システム環境設定>サウンド>出力 に Burr-Brown と出るので、そちらを選択する。当然選択しないとこちらから音は出ない。ちなみに GVP のパワーをオンにしなくても Burr-Brown の表示は出る。GVP 側では表、つまり出力ジャックの隣の入力ジャックを空けると DAC に切り替わる。ここに何かささっているとDACからの音は出ない。
この DAC 機能はなかなか便利だ。何より実に簡単に Mac の再生音を高音質化できる。USB 接続してイヤフォンなりヘッドフォンなり、あるいは外付けのスピーカを GVP の出力ジャックにつなげば、Mac から出る音が全部 GVP の音になる。アラートやメールの送信音までやけにリアルになる。
これが最も威力を発揮するのはまず DVD だ。今《TRANSATLANTIC SESSIONS 3》(以下 TAS3 と略称)にもろにはまっているのも、この「システム」のおかげかもしれない。もう DVD プレーヤーやTVなんぞ、要らない。Mac なら PAL でも何も言わずに再生するし、音楽ビデオはリージョン無しがほとんど。大きさも iMac の20インチで十分だ。人間が注視できる視野はそんなに広くないだろう。というのは、大画面TVを置けるスペースもない兎小屋に住んでる僻みももちろんあるが、「ディスカバリー・チャンネル」ならまだしも、音楽関係のビデオで広大な画面が必要なものはまず無い。まあオペラの一部ぐらいか。
TAS3 で「発見」した一人に Darrell Scott がいる。なんといっても〈You'll never leave Harlan alive〉がもう最高。カレン・マシスンがハーモニーをつけ、ドナルド・ショウがアコーディオンを添えるのもこの企画ならでは。カレンの実に楽しそうな様子。それに向けるダレルの眼の優しさ。ここではミュージシャンたちは観客にむかってではなく、レコードの買い手のためでもなく、自分たちのためにうたい、演奏している。ジェリィ・ダグラスのドブロもいつものことながら冴えわたるけれど、その後、一度、アリィ・ベインのフィドルと主人公の二人だけになるところが泣かせる。このビデオを見てしまうと、公式サイトの写真は別人ではないか。
DVD は読み込んでしまえば、iTunes でも再生できるのもうれしい。ビデオと音楽と同じインターフェイスで操作できるのは革新的とも言える。リッピングには Handbrake を使っている。こういうものがタダとは、ありがたや、ありがたや。
で、この人の音源は他に持っていなかったかとiTunes のライブラリに検索をかけたら、ティム・オブライエンとの共作《REAL TIME》があった。これがまた良い。一昨年ティムの初来日に際してまとめて買ったものの1枚で、その時には通りいっぺんの聞きかたしかしていなかったらしい。ほとんど二人だけで、ギター、マンドリン、バンジョーを駆使しながら、オリジナルやハンク・ウィリアムスやトラディショナルをうたう。素材の出自よりも遥かに古い、アパラチアの山を造っている根っこまで降りていって、そこからうたっているように聞こえる。むろん、うたっている人もうたわれているうたも、山の斜面や谷にしがみついているにすぎないが、構想としては山の根を掘りおこし、そこに生きる根拠を見いだそうと努めている。つまるところそれを無視してアメリカの大地に生きることを許される道理がない。そうした切羽詰った想いがここには聞きとれる。いや、剥き出しになっている。ふたりの切迫感と資質がよく似ている。ほとんど双子といってもよいくらいだ。まったく対等でもある。かといって例えばアンディ・アーヴァインとディック・ゴーハンの 《PARALLEL LINES》 のように、平行線であることで価値を生むものとも違う。対決に逃げることも、馴れ合いに堕すこともない。これはなかなか珍しい部類ではあるまいか。
今回はダレル・スコットの側から聞いているので、〈There ain't no easy way〉のようなうたが沁みる。TAS3 の〈Harlan〉も同じなのだが、低い声でささやくようなうたいだしに一気に引きこまれる。低いときのダレルの声は倍音が豊富なのか、響きが深い。GVP はこういう音が得意らしい。これもきっとあんな風に頭を左右に振りながらうたっているにちがいない。やはり一度生で見たい。
というわけで、わが家の iMac + BauXar Marty10、MacBook + TIMEDOMAIN light は、GVP をかませるだけで現在最高の音楽視聴環境に変身する。しかも GVP は USB 経由の充電機能も備えているので一石二鳥でもある。ますます Long live the Go-Vibe! なのだ。(ゆ)
KOSS KSC75 用交換イヤクッション(パッド)
KOSS KSC75 用のスペアのイヤパッドが到着。
KOSS では「イヤクッション」と呼ぶらしい。
最初に輸入元のティアックに問い合わせたのが昨年の9月。
取り寄せは可能だが少々時間がかかるとの返事。
その後、もう少し待ってくれという連絡が10月に一度きました。
それっきり音沙汰がなくなり、
こちらも BauXar EarPhone M が出たりして、忘れていました。
Go-Vibe Petite で K701 を見直したのをきっかけに、
今月になって、そういえばと思いだし、問い合わせました。
向こうもどうやら忘れていた気配。
それでも今回は連絡して10日ほどで入荷の通知。
送金してすぐにモノが送られてきました。
ちなみに価格は1個税込179円。ペアで358円。
本家サイトでの売価がペアで5ドルだから、良心的な価格でしょう。
本家で50ドルの PORTA PRO とは大違い(爆)。
送料630円。
銀行振込か代引。代引の場合はこれに手数料が加わります。
問合せ先はティアック修理センター。
TASCAM サイトの問合せページからも連絡可能。
というより、最初に連絡したのはこちら。
これで銘機 KSC35 が復活だ。(ゆ)
iPod RED 8GB、JBL、The Memory Band
一方アップル・ストアでもJBLが新しく出したヘッドフォンの取扱いが始まってました。60周年記念の製品だそうですが、ユニット周りなど、AKGの K26P にそっくり(^_-)。そういえば、両方とも同じハーマン・グループの傘下です。違うのはヘッドバンドで、それだけでJBLの方は価格が倍近い。はたしてどれくらい違うのか。Music TO GO! のささき氏が試聴のため借出されているはずですが、その評価やいかに。
K26P は評判もいいんですが、ぼくの耳にはなぜか左右のチャンネルの音がはっきり別れて聞こえます。音場が自然に広がるのではなく、左右と中央に音が出るソースが分かれてしまいます。その中間から音が聞こえない感じ。例えば The Memory Band の《APRON STGING》だと KSC75 や K701 では左側の斜めから聞こえるフィドルが K26P では完全に左側に寄っています。一応密閉型ですが、音の遮蔽性はオープンの半分ぐらい。ただ、この点は耳の形状にも左右されるかもしれません。これは完全に耳を覆う形ではないですし、ヘッドバンドの締付けもごく軽いですから。
その点がJBL版ではどう変わっているか。K26P の基本的な音は好きなだけに、ちょっと興味があります。あれが実際にAKGの OEM としての話ですが。ただ、ヘッドバンドだけで倍の金を払うのもなあ。ちょっと検索してみましたが、アメリカではまだ出ていないようです。なので、国内価格の海外との価格差はわからず。ひょっとして日本先行発売かも。ただ、日本では出ていない Bluetooth 対応の JBL Reference 601 というのがありました。
The Memory Band はちょいとおもしろいイングランドのバンドで、2枚アルバムが出てます。かつてのネオ・アコースティックの流れをくむとも言えそうな、ミニマルでクールな味わい。MySpace のページはこちら。
ポータブル・ヘッドフォン・アンプ
思えば AKG K701 を衝動買いしたのが運の尽きだったのでありましょう。通常のオーディオはタイムドメインですっかり留めを刺されたのでありますが、幸いというか、不幸にもというか、タイムドメインはヘッドフォンは今のところ出す気がないようです(試作品はできてるらしい)。なので、まだオーディオとしての楽しみ、「音が変わる」というあの楽しみがヘッドフォンの世界では味わえます。メーカー、方式が変われば、同じ音楽も違って聞こえます。iPod 景気でヘッドフォンも活気が出てきていますし、それにつれてヘッドフォン自体のステイタスも上がってきたようであります。
ぼくが現在使っているのは安い方から、KOSS KSC75、同35、iGrado、Westone Labs UM2、AKG K701。実は KSC35 は 75 が出て一度引退していましたが、表題にあるヘッドフォン・アンプを買ったことでみごとに復活してしまいました。おかげで 75 が引退気味。
気に入った録音をくり返し聞く際に、これらをとっかえひっかえします。その他にも電車やバスに乗る外出の際は UM2、散歩や家事の際は iGrado、就寝の音楽は KSC35 というメインの使用法があります。
さて「音の違い」を求めて、情報をあさっているうちに見つけたのがここ。
まず目についたのが iPod 用にポータブルのヘッドフォン・アンプを使っているという話。これが安い。定価75ドル。送料入れても1万円でおつりが来ます。PayPal で注文したら、10日でやってきました。それがカナダのメーカー(と言ってもほとんど個人でやっているらしい)の Go-Vibe V5 です。
オーディオ・テクニカのミニミニの接続ケーブル、ナショナルの 9V 6P 電池を用意し、聞いてみると……。
上にあげた中で一番「音が変わった」のは、KSC75 と K701 でした。オーディオの世界で最高の賛辞である「別世界」という言葉はこういうことをさすのか。
75 がこれだけ変わるのなら、35 はどうだ、と試してみたら、復活してしまったという次第。
UM2 で違いが目立たないのはもともとの能力が高いからでしょうが、他の二つと比べて目立たないというだけで、音楽は格段に魅力的になります。聞くのが楽しくなります。
iGrado はと言えば、使いはじめたばかりで、まだ音に耳も機械もなじんでいないからでしょう。おいおい楽しみです。
K701 は、これがわたしの本来の能力なんだよ、と言われているようであります。質の高いヘッドフォンの能力を十分に引き出すには、専用のアンプが必要というのが納得されました。
こうなると iPod に入れるファイルのフォーマットも問題になってきます。あくまで音質を最優先にするなら、AIFF ないし WAV で入れるところですが、そんなことをすればHDがいくらあっても足りません。入れる時はとにかく Apple Lossless で入れた上で、そこまでの必要なしと判断した録音は AAC 320kbps に落とすことにしました。フィールド録音やSPからの復刻ははじめから AAC320 です。もちろん、CDの縁はゼブラ Popstar の蛍光緑で塗ります。
こうしてすっかりオーディオ・マニアにもどってしまったわけですが、その Go-Vibe が国内で正式に輸入・販売されることになったそうです。
個人的にはすでに直接買ってしまっていましたが、こうしてルートができるのはありがたいことです。購入の時のメーカーとのやり取りで、もう少し薄くならないかとたずねたら、価格が高くなってしまうが検討してみるとのことでした。薄い筐体は高いのだそうです。もし実現したら多分また扱われるのではないでしょうか。
この上はこのアンプ用として推奨されている電池と充電機、iPod との接続用のミニミニ・ケーブルも扱っていただきたいところです。電池は 6P の 9V ですが、これには実質電圧が 8.4V のものと 9.6V のものがあり、国産ではナショナルと東芝の 8.4V のものしかありません。アメリカから通販で買うことは可能ですが、やはり割高になりますし、充電器の不安もあります。
アイルランドやスコットランドものは録音の良いものが多いですから、これで全部もう一度聞直したくなってきます。Linn のバーンズ全曲集などはちょっと聞いてみただけでも、いつまでもひたっていたくなりました。最近のではアイリス・ケネディやルナサ、それにケルクリで来るティム・オブライエンのものなども魅力です。
さて、そうなると、ポータブルでこれなら、据置型のヘッドフォン・アンプはどうだろうと気になるわけです。そして、今聞いているのとはまったく方式の違う STAX で、ドロレス・ケーンやキャサリン=アン・マクフィーを聞いてみたくなってきました。(ゆ)