クラン・コラ・ブログ(アイルランド音楽の森)

 アイリッシュ・ミュージックなどのケルトをはじめ、世界各地のルーツ音楽を愉しむブログです。そうした音楽の国内の音楽家も含みます。加えて主宰者の趣味のグレイトフル・デッド。サイエンス・フィクション、幻想文学などの話もあります。情報やメモ、ゴシップ、ただのおしゃべりなどもあります。リンク・フリーです。

タグ:ボックス・セット

 デッドの今年のビッグボックスがようやく発表になる。なぜか、今年の発表は遅れていた。

 《Friend Of The Devils: April 1978》のタイトルのもと、1978-04-06から16までの8本のショウをCD19枚に収める。



 録音は Betty Cantor-Jackson、いつものように Plangent Processes によるテープ修復、速度調整を経て、マスタリングは Jeffrey Norman。ライナーは Steve Silberman。

 発売09月20日。1万セット限定。199.98USD+日本までの送料70USD=269.98USD。

 なお、04-12のデューク大学でのショウは単独でCDとLPがリリースされる。

 収録されるショウは以下の通り。

1978-04-06, Curtis Hixon Convention Hall, Tampa, FL
1978-04-07, Sportatorium, Pembroke Pines, FL
1978-04-08, Veterans Memorial Coliseum, Jacksonville, FL
1978-04-10, Fox Theatre, Atlanta, GA
1978-04-11, Fox Theatre, Atlanta, GA
1978-04-12, Cameron Indoor Stadium, Duke University, Durham, NC
1978-04-14, Cassell Coliseum, Virginia Polytechnic Institute and State University, Blacksburg, VA
1978-04-16, Huntington Civic Center, Huntington, WV

 この年の春のツアーは04-06から24までが第一レグ。05-05から17までが第二レグ。第一レグの14本のショウのうち、04-15と18が Dave's Picks, Vol. 37で、04-22 が Dave's Picks, Vol. 15で、04-24 が Dave's Picks, Vol. 07でそれぞれ完全版が公式リリースされている。04-19と04-21以外はこれで全部リリースされることになる。

 アーカイヴィストでリリース・プロデューサーのデヴィッド・レミューによれば、この第一レグと第二レグの間で、デッドの音楽が変わるという。第一レグまでは前年1977年のデッド、第二レグはよりレイドバックした1978年のデッドになる。

 レミューの Seaside chat によれば、このツアーのポイントは二つ。まずドナ・ジーン・ガチョーの歌唱がピークを迎えている。〈大休止〉からの復帰後のドナの歌には眼を瞠るものがある、そのベストがここで聴ける。中には決定版として、ドナの入ったこれ以外のヴァージョンが想像できないものもある、というレミューの言葉には双手を上げて同意する。〈Cassidy〉〈Looks like rain〉〈Sugar Magnolia〉〈Music never stopped〉〈Dancin' in the street〉〈He's gone〉などなどはこの時期が最高だ。

 もう一つのポイントは Drums、後の Rhythm Devils がここから始まる。ステージ狭しと置かれた打楽器群はどんどん種類が増えてゆき、ドラマーたちは、自分たちだけでなく、他のメンバーやクルーにも演奏に参加するよう誘う。

 テープを聴きだしていて、公式リリースのありがたみは以前ほどではないが、ライナーは魅力だし、やはり音がいいのは嬉しい。テープだと SBD でもあちこち切れたり、まともに音が入ってなかったりするからねえ。

 来年は結成60周年で、特別がいろいろあるらしい。(ゆ)

07月14日・木
 朝、起きぬけにメールをチェックするとデッドのニュースレターで今年のビッグ・ボックスが発表されていた。



 1981, 82, 83年の Madison Square Garden でのショウを集めたもの。2019年のジャイアンツ・スタジアム、昨年のセント・ルイスに続いて、同じ場所の3年間を集める企画。嬉しい。80年代初めというのも嬉しいし、MSG というのも嬉しい。
 MSG では52本ショウをしていて、常に満員。演奏もすばらしいものがそろう。《30 Trips Around The Sun》では1987年と1991年の2本が取られている。1990年が《Dick's Picks, Vol. 9》と《Road Trips, Vol. 2, No. 1》でリリースされている。今回一気に6本が加わるわけだ。わが国への送料は70ドルかかるが、そんなことでためらうわけにはいかない。

 同時に《Dave's Picks, Vol. 43》も発表。1969年の11月と年末の2本のショウ、どちらもベア、アウズレィ・スタンリィの録音したもの。また1曲だけ、年末ショウの〈Cold Snow and Rain〉が次の Vol. 44 にはみ出る。



 いやあ、今日はいい日だ、とほくほくしていたら、夜になって、今度は Earth Records からバート・ヤンシュの《Bert At The BBC》の知らせ。バートが BBC に残した音源の集大成で、147トラック。LP4枚組、CD8枚組、デジタル・オンリーの3種類。Bandcamp は物理ディスクを買うとデジタル・ファイルもダウンロードできるから、買うとすればLPの一択。それにこのアナログのセットには3本のコンサートを含む6時間超の音源のダウンロード権もおまけで付いてくる。というので、これは注文するしかない。



 神さま、この2つの分のカードが無事払えますように。


%本日のグレイトフル・デッド
 07月14日には1966年から1990年まで8本のショウをしている。公式リリース無し。

1. 1966 Fillmore Auditorium, San Francisco, CA
 木曜日。"A Pleasure Dome" と題されたこのヴェニュー4日連続のランの初日。開場9時。共演 Hindustani Jazz Sextet、ビッグ・ブラザー&ザ・ホールディング・カンパニー。セット・リスト不明。
 Hindustani Jazz Sextet は主にトランペットの Don Ellis (1934-78) が1966年頃に西海岸で結成したバンド。メンバーはエリス、シタールとタブラの Harihar Rao、ヴィブラフォンの Emil Richards、 Steve Bohannon のドラムス、ベースに Chuck Domanico と Ray Neapolitan、それに Dave Mackay のピアノ。サックスの Gabe Baltazar が参加したこともある。

2. 1967 Dante's Inferno, Vancouver, BC
 金曜日。このヴェニュー2日連続の初日。3(カナダ)ドル。6時と12時の2回ショウらしい。共演 Collectors、Painted Ship。セット・リスト不明。

3. 1970 Euphoria Ballroom, San Rafael, CA
 火曜日。このヴェニュー2日連続の初日。3ドル。デヴィッド・クロスビー、ニュー・ライダーズ・オヴ・パープル・セイジ、Rubber Duck Company with Tom Constanten 共演。
 第一部がアコースティック・セット。クローザーの2曲〈Cumberland Blues〉と〈New Speedway Boogie〉でデヴィッド・クロスビーが12弦ギターで参加。ガルシアはこの2曲でエレクトリック・ギター。
 Rubber Duck Company はベイエリアのマイム・アーティスト Joe McCord すなわち Rubber Duck のバック・バンドとしてトム・コンスタンティンが1970年に作ったバンド。シンガー、ギター・フルート・シタール、ヴォイオリン、ベース&チェロ、それにコンスタンティンの鍵盤というアコースティック編成。

4. 1976 Orpheum Theatre, San Francisco, CA
 水曜日。このヴェニュー6本連続の3本目。6.50ドル。開演8時。
 良いショウだそうだ。

5. 1981 McNichols Arena, Denver, CO
 火曜日。このヴェニュー2日連続の2日目。13.75ドル。開演7時半。
 ベストのショウの1本という。

6. 1984 Greek Theatre, University of California, Berkeley, CA
 土曜日。このヴェニュー3日連続のランの中日。14ドル。開演5時。
 ここは音響が良く、デッドはそれを十分に活用しているそうな。

7. 1985 Ventura County Fairgrounds, Ventura, CA
 日曜日。このヴェニュー2日連続の2日目。15ドル。開場正午、開演2時。
 空はずっと曇っていて、第一部クローザー前の〈Looks Like Rain〉でぱらぱら来たが、すぐに陽が出て、海からの風が心地良かった。

8. 1990 Foxboro Stadium, Foxboro, MA
 土曜日。23.50ドル。開演4時。エディ・ブリッケル&ザ・ニュー・ボヘミアンズ前座。ヴェニューは名前がころころ変わっている。
 ショウは良い由。(ゆ)

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