10月26日・火
Mac に Monterey を入れる。AquaSKK がメニューバーの入力メニューから消えて、一瞬ぎょっとするが、キーボードの環境設定で追加すれば問題なし。
HA-FW7のプラグにスーパーコンタクトオイルを塗り、本体の後にディーレンミニを貼る。なかなか良い。低域がぐんと締まる。空間が広がり、透明感が増す。音が際立つ。ボディの後は平らで、何か貼ってくれと言わんばかり。このイヤフォンで聴くヴォーカルは魅力的。
GrimDark Magazine の Soman Chainani のインタヴューが面白い。徹底的にディズニーで育ちながら、長じて、ディズニーがお伽話を改悪していたことに気づき、その落差に興味を持って研究する。結果、徹底的に反ディズニーのお伽話を書きだす。もっとも、ハーヴァードで英米文学の学位をとってから、コロンビアで映画のコースをとり、卒業後はまず映画脚本と監督の仕事をしている。2014年、ヤング・アダルト向けファンタジー The School For Good And Evil を出す。この人、国会図書館には出て来ないのだが、六つの大陸の30の言語に翻訳されている、という。ハリポタの直系、というにはおそらくひねくれているらしいが、わが国の児童書版元もみなディズニーに毒されているのか。それとも、非現実的な条件を持ちだしてくるのか。Wikipedia では名前から想像できるとおり、インド系とある。フロリダ半島南端の出身とあるから、西インド諸島に移民したインド系がアメリカ本土に移住した形だろうか。とりあえず、第1巻を注文。
##本日のグレイトフル・デッド
10月26日には1966年から1989年まで7本のショウをしている。公式リリースは3本。うち完全版1本、ほぼ完全版1本。
1. 1966 The North Face Ski Shop, San Francisco, CA
この時期のデッドについては頼りになる Lost Live Dead のブログに記事がある。
この North Face は皆さまご存知のアウトドア・グッズのブランドで、これはその最初のリアル店舗。それ以前、North Face 創設者の Doug と Susie の Tompkins 夫妻はターホウ湖でアウトドア用品の通販を始めていて、この日サンフランシスコの North Beach に店を開き、後の大企業への道を歩みはじめる。隣は有名なストリップ劇場、筋向いはこれも有名な City Lights Bookstore。
その店の開店記念パーティーにデッドが「余興」として呼ばれ、演奏をした。おそらくあまり長いものではなかっただろう、という推測にはうなずく。このパーティーではディランの出たばかりの《Blonde On Blonde》のばかでかいポスターが飾られ、ジョーン・バエズとミミ・ファリーニャもいて、ミミはスキー・ウェアのモデルになっていた。入口両脇にヘルス・エンジェルスが2人、立っていた。当時のデッドはもちろんまだほとんど無名。パーティーのはねた後、トンプキンス夫妻はバンドをイタ飯屋での夕食に連れていった。ノース・フェイス公式サイトの会社の歴史のページに、演奏している髭を剃ったガルシアとウィアの写真がある。その他、上記記事のコメント欄参照。
デッドに注目するダグ・トンプキンスのセンスもなかなかだが、こういうところに顔を出すのがデッドの面白さだ。
2. 1969 Winterland Arena, San Francisco, CA
同じヴェニュー&出演者3日目。急遽追加のギグ。デッドが先で、エアプレインがトリ。
3. 1971 The Palestra, University of Rochester, Rochester, NY
ニュー・ライダーズ・オヴ・パープル・セイジ前座。開演8時半。
前半13曲目〈Beat It On Down The Line〉を除く全体が《Download Series, Vol. 3》でリリースされた。
後半が異様に短かい。あるいは FM 放送のためか。
4. 1972 Music Hall, Cincinnati, OH
4.50ドル。開演7時半。この年の平均的ショウ、らしい。
5. 1980 Radio City Music Hall, New York, NY
8本連続の4本目。第一部3曲目〈It Must Have Been The Roses〉が《Reckoning》で、第二部2曲目〈Sugaree〉と5曲目〈Let It Grow〉が《Dead Set》でリリースされた。
〈Sugaree〉でガルシアはごくごくシンプルな短かいフレーズを少しずつ変えながらくり返して、スリリングに盛り上げる。こういうところがデッドの凄さ。この曲もいつもよりわずかにテンポが早いが、〈Let It Grow〉はさらに切迫感がある。ウィアの声も上ずりがち。
6. 1985 Sun Dome, Tampa, FL
13.50ドル。良いショウのようだ。
7. 1989 Miami Arena, Miami, FL
このヴェニュー2日連続2日目。《30 Trips Around The Sun》の1本として全体がリリースされた。(ゆ)