クラン・コラ・ブログ(アイルランド音楽の森)

 アイリッシュ・ミュージックなどのケルトをはじめ、世界各地のルーツ音楽を愉しむブログです。そうした音楽の国内の音楽家も含みます。加えて主宰者の趣味のグレイトフル・デッド。サイエンス・フィクション、幻想文学などの話もあります。情報やメモ、ゴシップ、ただのおしゃべりなどもあります。リンク・フリーです。

タグ:ヨーロッパ

 新興の版元カンパニー社から『新版 ECM の真実』が出て、その記念のイベントがあり、著者の稲岡邦彌氏とバラカンさんが出るというので、行ってみた。なかなかに面白い。

 あたしにとって ECM とは、ジャズ的に面白くルーツ・ミュージックを料理した音楽を聴かせてくれるレーベル、である。だから、そこから一枚選ぶとすれば、Anouar Brahem, Barzakh, 1990 になる。 これであたしは ECM を「発見」するからだ。つまり、そこからの新譜をチェックする対象のひとつに ECM が入ったわけだ。

Barzakh
Brahem, Anouar
Ecm Records
2000-04-11



 なので昨日のイベントでバラカンさんが選んだ一枚としてブラヒムの Thimar からかかったのは、我が意を得たりというところだった。バラカンさんは、リスナーからずばりと当てられて、がっくりされてたけれど。

Thimar
Brahem, Anouar
Ecm Records
2000-01-25

 

 ブラヒムに続いて、1994年、Lena Willemark & Ale Moller の Nordan が登場し、ますます ECM は身近になった。これ以後、Agram, 1996, Frifot, 1999 と続く。Nordan、Agram はそれぞれに北国の冬と夏を描いて、かれらのアルバムとしてもピークとなったし、およそヨーロッパのルーツ・ミュージックでくくられる音楽の録音としてもベストに数えられるものではある。

Nordan
ECM Records
1994-09-19



Agram
ECM Records
1996-09-16




Frifot
ECM Records
2017-08-01


 実を言えばノルウェイの Agnes Buen Garnas がヤン・ガルバレクと作った Rosensfole が1989年に出ているのだが、これは後追いだった。ガルバレクは1993年の Twelve Moon でもガルナスと、サーミ出身のマリ・ボイネを起用する。

Rosensfole
Garbarek, Jan
Ecm Import
2000-08-01

 
トウェルヴ・ムーン
ヤン・ガルバレク・グループ
ユニバーサル ミュージック クラシック
2004-02-21



 北欧勢では Groupa の Mats Eden の MILVUS が1999年。

Milvus
Mats Eden
Ecm Import
2008-11-18



 Terje Rypdal がいるじゃないかという向きもあろうが、あたしから見るとかれはジャズの人で、ルーツ=フォーク・ミュージックの人ではない。ガルバレクも同じ。もともとルーツ=フォークをやっていた人の録音が ECM から出るのが面白いのである。

 Jon Balke を知るのはもう少し後で、Amina Alaoui の入った2009年の Siwan からだ。知ってからはバルケの Siwan は追っかけの対象である。

Siwan (Ocrd)
Balke, Jon
Ecm Records
2009-06-30


 アミナにはもう一枚 Arco Iris もある。

Arco Iris
Alaoui Ensemble, Amina
Ecm Records
2011-06-28


 
 さらにフィンランド ノルウェイの Sinikka Langeland が2007年の Starflowers から ECM で出しはじめる。

Starflowers (Ocrd)
Langeland, Sinikka
Ecm Records
2007-08-21



 フィンランドでは Markku Ounaskari, Samuli Mikkonen, Per Jorgensen の Kuara が2010年。

KUARA-PSALMS & FOLK SO
OUNASKARI, MARKKU
ECM
2018-10-05



 この流れでの最新作は先日出た Anders Jormin, Lena Willemark, Karin Nakagawa, Jon Falt による Pasado En Claro, ECM2761だ。2015年 Trees Of Light 以来のこのユニットの新作。

Pasado En Claro
Anders Jormin
Ecm Records
2023-03-03



Trees of Light
Lena Wille
Ecm Records
2015-05-26



 南に目を転じると Savina Yannatou の TERRA NOSTRA が2003年だが、これは2001年のギリシャ盤の再発で、ECMオリジナルは2008年の Songs Of An Other から。あたしなんぞは ECM で TERRA NOSTRA を知った口だから、この再発はもちろんありがたい。

Songs of an Other (Ocrd)
Yannatou, Savina
Ecm Records
2008-09-09

 

 同じギリシャから Charles Lloyd & Maria Farantouri の Athens Concert が2011年。

アテネ・コンサート
マリア・ファランドゥーリ
ユニバーサル ミュージック クラシック
2011-09-07



 サルディニアの Paolo Fresu, A Filetta & Daniele di Bonaventura の Mistico Mediterraneo も2011年。

Mistico Mediterraneo
Fresu, Paolo
Ecm Records
2011-02-22



 アルバニアの Elina Duni のカルテット名義の MATANE MALIT: Beyond The Mountain が2012年。

Matane Malit
Duni, Elina -Quartet-
Ecm Records
2012-10-16



 イラン系ドイツ人の Cymin Samawatie & Cyminology, As Ney が2009年。

As Ney (Ocrd)
Cyminology
Ecm Records
2009-03-09



 こういう人たちは ECM で教えられたので、まったく ECM様々である。

 という具合ではあるが、それにしても、June Tabor, Iain Bellamy & Huw Warren, QUERCUS が2013年に出たときは驚いた。

Quercus
Quercus
Ecm Records
2013-06-04



 が、それよりもっと驚いたのは Robin Williamson が2002年に Skirting The River Road を出していたのを後から知った時だった。ウィリアムスンはさらに2006年 The Iron Stone、2014年 Trusting In The Rising Light と出している。ウィリアムスンはたぶん ECM の全カタログの中でも珍品と言っていいんじゃなかろうか。このあたり、ECM 中でも「メインストリーム」のリスナーはどう評価するのだろう。その前に、アイヒャーがこういう音楽のどこに価値を見出したのか、訊いてみたくなる。いや、文句をつけてるわけじゃない。ただ、ウィリアムスンのこういう音楽は、聴くのがつらくないといえば嘘になる。ウィリアムスンはハーパーとしてすばらしいアルバムもあるし、アメリカで出した Merry Band とのアルバムは好きだ。が、インクレディブル・ストリング・バンドがあたしはどうしてもわからないのである。ECM での音楽は、かつて ISB でやろうとしてできなかったことを、思う存分、やりたい放題にやったように聞えて、そこがつらい。ISB が大好きという人もいるわけだから、聴く価値がないなどとは言わないが、なんとも居心地がよくないのだ。

Skirting the River Road
Williamson, Robin
Ecm Import
2003-08-12

 
American Stonehenge
Robin Williamson
Criminal
1978T


 あたしにとってこういう音楽を聴かせてくれるのが ECM である。そりゃ、キース・ジャレットは聴きますよ。ラルフ・タウナーも好きだ。パット・メセーニ(ほんとは「メシーニー」が近い)、それにもちろんガルバレク、リピダルはじめ北欧のジャズの人たちもいい。ECM としてはこのあたりが主流になるんだろうけど、ただ、それはあたしにとってはサイド・ディッシュなのである。というよりデザートかもしれない。スイーツという味わいではないけれど、あたしの中の位置としてはそれが一番近い。

 上に挙げたようなルーツ系の ECM は一方で、ここでしか聴けない音楽、各々のミュージシャンの、他ではなかなかに聴けない音楽を聴かせてくれる。ふだん出すようなレコードとはまったく違うアプローチの音楽だ。中にはヴィッレマルク&メッレルのように、ベストと言いきってもいいようなものすらある。ルーツ系 ECM のレコードは、主食としてもたいそう美味しく、そして珍しい味なのだ。

 昨日のイベントでは、このあたりの話も出るかなとほのかに期待していたが、そこまで行かなかった。『新版 ECM の真実』でも、1990年代から顕著になるこのあたりの動きは、あっさり飛ばされている。ECM のファンでも ECM をジャズのレーベルと認識している大半の人にとっては、ワケわからん世界なのだろう。ウィリアムスンのように、あたしでさえワケわからんものすらあるので、無理もないといえば無理もない。ただ、ヨーロッパの伝統音楽のファンは聴かない手はない。北欧しか聴きませんという向きも、ECM の北欧系ルーツ・ミュージックは聴く価値がある。

 稲岡氏の話でまず面白かったのは、ECM が当初クラシックのリスナーを購買層に想定していたというところ。わが国でジャズのリスナーとクラシックのリスナーの数を比べれば1対10ぐらいだろう。ヨーロッパではこの差は何倍にもなる。アイヒャーがめざしたのは、ジャズのミュージシャンを起用するが、クラシックのリスナーにも抵抗感の小さな音楽だった、というのだ。ピアノ・ソロなどはその典型で、クラシック・ファンはピアノ・ソナタなどで、ピアノ・ソロには慣れている。グレン・グールドやフリードリッヒ・グルダのような人もいる。加えて、クラシック・ファンは音楽に金を使う。レコードを買うのもシングル単位ではなく、アルバム単位だ。

 なるほど、チーフテンズがアイリッシュ・ミュージックをクラシック・ファンに売りこもうとしたのも戦略としては同じだ。いずれにしても、各々の音楽の従来のリスナー以外の人たちに聴かせようとした。どちらもそれぞれの名前をブランドにしようと努めた。今では ECM から出るものなら、未知のミュージシャンでも音楽の質は保証されると信頼されるようになっている。チーフテンズも、そのコンサートやレコードに失望されることはないという信頼感があった。

 稲岡氏の話でもう一つ、ECM のあのサウンド、アンビエントやリヴァーブ成分が多いとされるあのサウンドは、教会の響きなのだ、という話。これまた言われてみれば、そりゃそうだとうなずいてしまう。だから、小さい頃から教会の響きには慣れているヨーロッパのリスナーにしてみれば、ごく自然な響きになる。アメリカの、ブルー・ノートの音はなるほど、狭いクラブでの響きだ。もっとも、ルーツ系のアルバムでは、いわゆるECMサウンドはあまり強くない。むしろ、楽器や声のそのままの響きを大切にしている。

 一方、バラカンさんから出た、ECM が出てからジャズがまったく別のものになった、というのにも、膝を叩いてしまった。コルトレーンが死んだところにひょいと出てきたリターン・トゥ・フォーエヴァーは ECM だったのだ。昨日のイベントで流された、1971年ドイツでのライヴという、マイルス・デイヴィスのバンドで、大はしゃぎで電子ピアノを弾きまくっているキース・ジャレットの姿はもう一つの象徴に見えた。『ビッチェズ・ブリュー』50周年記念のトリビュートとしてロンドン・ベースのミュージシャンたちが作った London Brew などは、エレクトリック・マイルスのお父さん、ECMのお母さんから生まれた子どものように、あたしには聞える。

London Brew
London Brew
Concord Records
2023-03-31



 会場で買った『新版 ECM の真実』を読みながら帰る。ぱらぱらやっていると、本文よりも、今回増補されたインタヴューや対談、それと『ユリイカ』と『カイエ』表4(裏表紙)に「連載」されたエッセイ広告に読みふけってしまう。(ゆ)

02月08日・火

 公民館に往復して、図書館から借りた本をピックアップ。イアン・カーショーのヒトラー伝の上巻と最新刊の『ナチス・ドイツの終焉』。浩瀚なヒトラー伝でも決着がつかなかった疑問、ナチス・ドイツはなぜ最後まで抵抗を続け、全ドイツを道連れにできたのか、という疑問に挑戦したもの。どちらも部厚いが、どちらも原注・文献が2割はある。ヒトラー伝は二段組。『ナチス・ドイツの終焉』の訳者は1934年、ナチスが政権をとった翌年の生まれだから87歳。それでこの仕事をしたというのは、本当に自分でやったのなら偉いもんだ。冒頭を読むかぎりでは、訳文にひっかかるところは無い。

 もともとはワシーリィ・グロスマンを読もうとして、その準備のためにアンソニー・ビーヴァーのスターリングラード攻防戦を読んだら、そこから滅亡までのナチスの歴史にハマってしまった。肝心のグロスマンはそっちのけになる。まあ、いずれ戻れるだろう。

ナチ・ドイツの終焉 1944-45
イアン・カーショー
白水社
2021-11-26



##本日のグレイトフル・デッド

 0208日には1970年と1986年にショウをしている。公式リリースは1本。


1. 1970 Fillmore West, San Francisco, CA

 このヴェニュー、4日連続のランの最終日。3ドル。開演7時。タジ・マハル共演。

 オープナー〈Smokestack Lightnin’〉と5曲目〈Sittin' On Top Of The World〉が《The Golden Road》所収の《History Of The Grateful Dead, Vol. 1 (Bear's Choice)》でリリースされた。オリジナルの《History Of The Grateful Dead, Vol. 1》は19700213日と14日のフィルモア・イーストでのショウの録音からの抜粋だが、2001年に《The Golden Road》のボックス・セットに収録された際、4曲が加えられた。その4曲のうちの2曲がこの日の録音。

 〈Smokestack Lightnin’〉はこの日の西での演奏と13日の東での演奏を聴き比べることができる。ピグペンがリード・ヴォーカルのブルーズ・ナンバー。ハウリン・ウルフが最も有名だろう。ジョン・リー・フッカー、ヤードバーズ、アニマルズも録音している。19670318日サンフランシスコで初演。19720325日ニューヨークがピグペンでの最後。19830409日に復活し、19941018日マディソン・スクエア・ガーデンが最後。計53回演奏。

 ブルーズ・ロック・バンドとしてのデッドの実力がわかる。もっともガルシアのギターはブルーズ・ギターではない。後にはばりばりのブルーズ・ギターも弾くが、この時期は典型的なブルーズのフレーズはほとんど弾かない。ピグペンのヴォーカルも典型的なブルーズ歌唱ではない。それでもブルーズの感覚は濃厚だ。タジ・マハルも典型的なブルーズの人ではないが、この演奏を当時どう聞いたか、何か記録があれば面白いだろう。タジ・マハルは前年に傑作《Giant Step/De Ole Folks At Home》を発表している。少なくともガルシアはこれを聴いていたはずだ。

 〈Sittin' On Top Of The World〉はブルーズというよりはより広いアメリカーナの共有財産として、オールドタイム、ヒルビリー、ブルーズ、ウェスタン・スイング、ブルーグラスなどの人たちに演奏され、1930年代から様々な録音がある。ガルシアのアイドルの一人ビル・モンローもブルーグラス・ボーイズで録音している。ガルシアのデッド以前からのレパートリィの1曲で、1962年の Hart Valley Drifters の録音がリリースされている。デッドとしては19660312日ロサンゼルスで初演。1972年春のヨーロッパ・ツアーまで演奏され、その後、跳んで19890702日、マサチューセッツでの演奏が最後。計25回演奏。なお〈Sittin' on Top of the World〉がデッドの録音での表記だが、'Sitting' と略さない形の表記も若干ある。デッド以外の録音では略さない方が一般的のようだ。


2. 1986 Henry J. Kaiser Convention Center, Oakland, CA

 16ドル。開演8時。このヴェニュー5本連続のランの初日。この年最初のショウ。春節記念。かなり良いショウの由。(ゆ)


 ヴァシーリー・グロスマンを読もうとして、待て待て、その前にスターリングラード攻防戦について基本的なところを押えるべし。とて、Anthony Beevor の Stalingrad, 1998 を知る。邦訳もある。軍隊用語、組織名は手に負えるものではないから、邦訳に如くはなしと手にとってみると、うん、なんだ、これは。どうも、うまくない。解説に、原書は readability で評価が高いとあるが、邦訳は読みやすいとはとても言えない。ごつごつとひっかかる。アマゾンの読者評でも翻訳の読みにくさを指摘しているものが複数あるから、あたしだけのことでもあるまい。

 これはどうもやはり原書にあたるしかない。と、Penguin トレード・ペーパーバック版を入手する。こちらは確かに読みやすい。軍隊用語も気にならない。すらすらと読める。これほど違うと、どこがどうなって、こういうことになるのか、気になってくる。そこで本文最後の一節を比べてみる。文庫版581頁。


 スターリングラードでパウルスに対抗したチュイコフ将軍の第六二軍は、第八親衛軍として長い道のりをベルリンまで進軍した。チュイコフは占領軍の総司令官となる。彼はソヴィエト連邦元帥に昇りつめ、あの危機を迎えた九月の夜、ヴォルガ河畔で彼を任命したフルシチョフのもとで国防省代理にもなった。彼の命令によってスターリングラードで処刑された多数のソ連軍兵士には墓標のある墓はない。統計の上でも彼らは他の戦闘の死者に紛れこんでいる。そこには期せずしてある種の正義が存在すると言えるだろう。


 これはこの長い話の最後の結論だ。

「そこには期せずしてある種の正義が存在すると言えるだろう」

 この「そこ」は何を指すのか、どうにも腑に落ちない。この段落に書かれたことのどこに「ある種の正義」が存在するのか。チュイコフが栄達したことか。他ならぬフルシチョフに引き立てられたことか。まさか、チュイコフの命令で射殺された兵士たちが、墓もなく、記録からも抹殺されたことが「正義」だとは言うまい。原文はどうか。


  His opponent at Stalingrad, General Chuikov, whose 62nd Army had followed the long road to Berlin as the 8th Guards Army, became commander of the occupation forces, a Marshal of the Soviet Union and deputy minister of defence under Khrushchev, who had appointed him on that September night of crisis by the Volga.  The tousands of Soviet soldiers executed at Stalingrad on his orders never received a marked grave.  As statistics, they were lost among the other battle casualties, which has a certain unintended justice.

Penguin Books, 1999, 431pp.

Stalingrad
Anthony Beevor
Penguin USA (P)
2000-05



 「統計の上でも〜」以下はカンマ付き関係代名詞で結ばれた一文。したがってここでの justice は処刑された者たちが処刑された犯罪者として勘定されているのではなく、他の戦闘とはいえ戦死者として扱われていることを明瞭に示す。戦争において、この違いには天と地の開きがあろう。

 そこで明らかになるのは、「統計の上でも」の「でも」が問題であること。この「でも」によって、墓の無いことと戦死者に数えられていることが同様の性格を備えたひとまとまりのものに解釈される。原文では全く別のことがらが、訳文ではまとまって読める。

 墓の無いことは「正義」ではない。しかし、原文ではこのことと、戦死者に数えられていることは別のこと、というよりも対立することであり、ここは「統計の上では」と訳さなければならない。「も」と「は」の違い、細かいことではあるが、文章のつながりの上では鍵を握る。

 ここでなぜ「でも」にしたのか。その方が日本語として通りが良いと判断したのか。しかし、本来、ほとんど対極にあることがらをあたかも同じ範疇に属することのように訳してしまうのは、誤訳と呼ぶのは酷かもしれないが、明白な誤訳よりも質が悪い。

 段落の最初の訳文にも文句をつけたくなる。この段落前半全体の主語はチュイコフである。チュイコフが梯子を一段ずつ昇って、栄達する。訳文はチュイコフが率いた軍を主語にすることで、この流れを断ち切った。カンマ以下の関係代名詞が導く従属節を独立させて前に置いて、チュイコフが上がってゆく姿を押し出そうとした、と一応見える。が、その後で、ベルリンでのことを独立の文にした。文章の流れがここでもぎくしゃくする。

 「あの危機を迎えた九月の夜」。「迎えた」は原文に無い。「迎えた」を加える理由は見当らない。訳文の調子を整えるためとも言えない。むしろ、これを加えたことで、原文の備えている緊迫感が削がれる。原文はリズミカルに畳みかけて、まさに危機だったのだよ、あの夜は、という感覚を伝える。例えば that night of crisis in September では無いのだ。こうであったら意味は同じでもリズムが無くなる。加えて「危機を迎えた九月」では、第三者の視点が忍びこみ、さらにのんびりしてしまう。チュイコフもフルシチョフも危機の当事者である。そこが薄れる。

 もう一つ、「期せずして」。「期せずして」は通常「期待していないにもかかわらず」を意味する。すると、この「期せずして」の主語は後世の人間、ひいては我々読者であろう。しかし、原文では intend していないのは読者ではない。ソ連の軍ないし政府である。この場合、「期せずして」と訳すのは誤訳と言うべきだろう。

 これらを踏まえて改訂してみる。


改訂案
 スターリングラードでパウルスの相手となったチュイコフ将軍は、第六二軍から第八親衛軍となった部隊を率いて長い道のりをベルリンまで進軍し、占領軍総司令官となり、ソヴィエト連邦元帥となり、あの九月の危機の夜、ヴォルガ河畔で彼を任命したフルシチョフのもとで国防相代理となった。彼の命令によってスターリングラードで処刑された多数のソ連軍兵士に墓標のある墓はない。統計の上では彼らは他の戦闘の損害に紛れこんでいる。それは意図したものではないにせよ、正義といえよう。


 「統計の上では」の前に「とはいえ」あるいは「一方、」と入れたいところではある。その方が原文の意図を明瞭にする。しかし、著者はここでそれに相当する言葉を入れていない。入れてもおかしくはないところに入れていないことは、訳者として尊重しなければならない。

 まあ、しかし、そもそもこの訳文があるからこういう分析もできるので、白紙で渡されたら、あたしでもチュイコフにかかるカンマ以下の関係代名詞による従属節を独立させていたかもしれない。

 というわけで、まさに、期せずして、翻訳の勉強をさせてもらうことになった。回り道せずにまっすぐグロスマンにとりかかっていたら、この勉強はできなかった。

 とはいえ、こんな回り道ばかりしているから、肝心のグロスマンがなかなか読めない。(ゆ)

 このバンドとしては二度目のライヴ。打楽器が加わり、5人編成。

 現代音楽をやる、のが主旨で、この日もバルトーク、リゲティ、ペルト、バッハ、それに shezoo さん自身のオリジナル。"Trinite" の一部である『神々の骨』の〈Dies Irae(怒りの日)〉で、これはやはり名曲と確認する。ごくシンプルに音のペアがひたすら繰返され、演奏するのはたいへんな緊張を求められる難曲ではないかと思えるが、聴いている分にはたいへん気持ち良い。音楽が音楽になる以前、未生の音楽のようでもあり、窮極の、音楽がたどり着く最後の形にも聞こえる。初めて聴いたのは渋谷・サラヴァ東京での Trinite のライヴで、なにか展開があるだろうと身構えていたら、それだけで終わってしまって驚き、拍子抜けした。しかし、むろん、余分な展開など蛇足以上に不要、あってはならないことが、今はわかる。3度聴くと、これがライヴ全体の中で肝になっているのもわかる。

 Trinite のライヴの時には岡部洋一氏が叩いていたはずだが、どうも印象が薄い。この曲のときははずれていたか。今回はユカポンの打楽器が加わることで、曲が立体的、重層的になり、世界がふくらむ。従来が平面だったわけではなく、いわば四次元へとふくらんでゆくと言おうか。

 打楽器が加わることの効験は2曲めのバルトーク〈ミクロコスモス〉148番に明らかで、フロントの3人のソロが実に気持ちよさそうだ。小森さんのクラリネットは初回よりもうたっていて、ファンとしては楽しい。大石氏のサックスは今回はちょっと引き気味。

 初回のときは「149番」と記録にはあるのだが、今日は「148番」と聞こえた。原曲のピアノ演奏を聴いてみると、どうも「148番」ではないか。

 〈マタイ受難曲〉の1曲をベースと今回はクラリネットのデュオでやるのも、やはりすばらしい。水谷氏は精進を積んで、見事に弾きこなす。これで〈マタイ〉全曲はムリでも、もっとバッハをやってほしい。〈無伴奏チェロ組曲〉をダブル・ベースで、はどうでしょう。

 個人的ハイライトはアンコールの〈シュピーゲル、シュピーゲル〉。「鏡よ、鏡」の意味か。誰の曲かは知らないが、いつまでも終わらないでくれと祈る1曲。

 こういう音楽を聴くと、音楽をジャンルやフォーマットに分けることの無意味さを思い知らされる。曲からいえばクラシックではあろう。が、楽器編成や音楽の動機、なぜこれをやるのかというところから見れば、いわゆる「クラシック」からははみ出る。おそらくは全員、ある時期クラシックの訓練はみっちり積んでいるだろうが、それは土台、道具でしかない。おそらくは全員、どこかでジャズの発想をとり入れているだろうが、それもまた道具、ヒントでしかない。ジャズにも一から十まできっちりアレンジしてその通りに演奏するものはあるが、この音楽をジャズと呼べば頭の固いジャズ・ファンは怒りだすにちがいない。

 できるだけ多くのリスナーを巻き込もう、誘いこもうとする志向もないから、ポピュラーでもない。といって別にリスナーを限って、エリート意識を振り撒くわけでもないから、前衛音楽とも言えまい。

 来る者は拒まず、去る者は追わず、自然体で、地に足のついた、アタマではなく、カラダの奥の声に耳をひそめ、育て、解き放つ。隠し味のユーモアも充分に効いて、聴いているとカラダもココロもより健康になってゆく。

 ここでは作曲家はすべてに君臨する権力者ではなく、演奏者に共鳴する材料を提供する盟友だ。作曲者と演奏者が乖離し、階層化された形はきわめて20世紀的な、抑圧と反抗の相剋図であることを、この21世紀的バンドは映しだす。相剋はそれなりに美しい果実をみのらせてはいるかもしれないが、もうそろそろ次の位相に移ってもいい頃だ。旧いヒエラルキーは崩壊している。新たな論理はまだ固まっていない。その論理のひとつとなる可能性を、このバンドは備えている。打楽器が加わることで、その可能性は高くなった、と見る。

 あるいはむしろ、論理なしにやってゆく形を手探りし、提案しようと試みている、というべきか。

 この音楽は録音されるべきではなかろう。生で聴いて、ライヴで体験して初めて味わえる。その場で、失敗も含めて体験することに価値のほとんどがかかる。目の前で生身の人間が音を出している、そこに立ち合うことが大事。それも大ホールとか、スタジアムとか、多数の人間とともに体験するのではなく、できるならばただ1人だけで体験したい。音楽には共有する方が旨くなるものと、ただ1人対峙するとき、本来の魅力を発揮するものがある。シニフィアン・シニフィエの音楽は後者に属する。これはきわめてパーソナルな音楽、心の奥底の、一番敏感なところにまっすぐ射しこむ音楽だ。

 音楽は共有されるものだと強調されてきたのも、20世紀的現象なのであろう。

shezoo: piano
壷井彰久: violin
大石俊太郎: sax, fl
小森慶子: clarinet
水谷浩章: bass
ユカポン: perc


 これにて2013年のライヴ聴き納め。
ごちそうさまでした。(ゆ)

    日は暮れようとして居た。以太利人のマンドリン弾きが夫婦と娘と三人連れでわれわれの船に上つて来た頃は、もうM君は私の側に居なかつた。私は独りで悄然《しょんぼり》と港町の見える甲板に立つて居た。東洋の港を見て来た眼でその周囲を眺めると、何となく欧羅巴の方の空気がそこへは通つて来て居るやうにも思はれた。にはかに鈴のついた楽器を振鳴す音が起つた。歌も始まつた。ボツボツ港見物の連中が帰つて来る頃を見計つて、夫婦の音楽者がマンドリンを弾き始めた。その節につれて娘は私の見て居る前で歌ひながら踊つた。あの同室の歌うたひが食堂で一生懸命に歌つたのを聞いた時には面白くも可笑しくもなかつた私が、反つてこんな銭取りにする娘の声に誘はれた。
    一曲済んだ。音楽者の細君は亭主の冠つて居た麦藁帽子を裏返しにして、それを皆なの間へ持廻つた。買物をして港の方からそこへ帰つて来る客がある。娘は聞き手の揃ふのを見計つて復た歌ひ出した。旅で西洋の芸人なぞに逢ふのも始めてだ。思はず私は涙が迫つて来た。
    島崎藤村『海へ』第一章「海へ」大正6年=1917年4月
    
    大正2年1915年4月、神戸からフランス船エルネスト・シモンで旅立った藤村は31日間の船旅の後スエズに着き、運河を通過して地中海側の出口ポート・サイドに逹する。
    
    「音楽者」という語の新鮮なこと。これはやはり「おんがくもの」としか読めない。
    
    「大きな言葉」よりも「小さな言葉」を重視する藤村。市井の人びとの日常を克明に描くことで「最も弱く柔らかく、しかも最も根深く強」いものの実相を空前絶後のスケールとリアリティで読者に体験させる藤村。クラシックの声楽家の音楽は歯牙にもかけず、流浪の芸人の歌と踊りに涙する藤村。
    
    この時のイタリア娘がうたったのがどんなうただったのかも気になるが、実際にどこの出身だったのかにも興味が湧く。今はそんなことは考えられないが、この頃は地中海北岸の音楽者たちが普通に南岸各地を放浪していたのかもしれない。イタリア半島南部やサルディニア、コルシカの音楽にあれだけアラブ音楽の色が濃いのも、アラブ人ミュージシャンたちが持ち込んだというよりは、こうした地域の音楽者たちがアラブ世界を巡業してあるいた成果なのではとも思う。
    
    「鈴のついた楽器」はタンバリンだろう。

    「マンドリン」はひょっとするとウードまたはその近縁の楽器ではないか。もっともこう書いているということは、藤村はどこかでマンドリンを見ている、すなわち演奏も聞いているはず。
    
    マンドリンが日本に紹介されるのは、ウィキペディアによれば1901年比留間賢八(1867-1936)がイタリアから楽器を持ちかえった時。この頃、イタリアでは全土でマンドリン演奏が大流行していた由。とすれば、この楽器もマンドリンかもしれない。比留間の弟子には朔太郎、里美、藤田嗣治もいたというから、藤村が演奏に接していてもおかしくない。
    
    ちなみに比留間はマンドリンとともにクラシック・ギターも持ち帰り、日本における両者の祖となっている。
    
    思えば幕末以来の日本列島人が懸命に移入に努めてきたのはヨーロッパの文化の中でも「大きなことば」で書かれ、話されていた部分だった。それは「任務」ではなく、「遊山」に行った荷風も同じだ。
    
    ヨーロッパ文明の大伽藍は「大きなことば」だけでなく、「小さなことば」によって支えられていることに、我々のご先祖は気がつかなかった。「小さなことば」は聞こえず、見えず、「大きなことば」だけに夢中になった。その結果が今ここにある。
    
    もちろん同じことはおそらく列島だけでなく、半島や大陸、あるいは他のアジア各地にも言えることなのだろう。というより、近代化を余儀なくされた非ヨーロッパ地域には、多かれ少なかれあてはまるだろう。その中で相対化することにも意義はあろうが、当面問題にしたいのは列島内での過程であり、結果だ。
    
    そして「大きなことば」の方により気をとられることがその後今にいたるまでやんだわけではない。ただ、二十世紀も第四四半期になって、ぼくらは「小さなことば」にも耳を傾け、読みとる術を手探りするようになってきた。伝統音楽への関心はその一つの現れではある。
    
    ここで「小さなことば」でうたわれる歌と踊りへの反応を記録しているのは、おそらく藤村が初めてではなかったか。
    
    それで藤村がヨーロッパの「小さなことば」による文化を紹介したわけではない。ないが、あの『夜明け前』の世界を構築してゆく時に、「小さなことば」の体験が相応の役割を果たしていることは想像がつく。さらには「小さなことば」に感応する受容器を藤村が備えていたこと、それを働かせる観察力を備えていたことが、『夜明け前』創作への原動力となっただろうことも想像がつく。
    
    この後のフランス滞在、帰朝の旅、また後年の新大陸、欧洲歴訪で「小さなことば」に対してどういう反応を記録するか、は藤村の紀行を読むポイントの一つになる。
    
    それにしてもこの『海へ』はすばらしい。これが今読めるのは全集だけというのは、あまりにも不当な仕打ちだ。(ゆ)

    本日は本誌今月号の配信予定日ですが、例によって、なんて言ってはいけないな、えー、諸般の事情により、遅れます。現在明後日ぐらいの配信を目標。
   
   
    アイスランドの火山噴火によるヨーロッパの航空路閉鎖の大混乱は先がまったく見えませんが、人間だけでなく、モノの移動にもかなりの影響が出はじめてますね。長期的にはそちらの方が影響が大きく、長く残るのではないかと推測します。ヨーロッパからのモノだけでなく、ヨーロッパへのモノも止まっているので、ヨーロッパへの花の輸出が一大産業になっているケニアでも花の栽培業者から解雇された人が出始めていると、先日報道されていました。
   
    しかし、ヨーロッパからCDや本を買っても、当分来ないなあ。(ゆ)

というレクチャー・コンサートが今度の火曜日の午後に NHK カルチャー・スクールのさいたまアリーナ教室であるそうです。くわしくはこちら

    有料ですが、入会金は不要。

    講師はパイプ工房を主宰される近藤治夫と、ブルガリアのバグパイプをあやつるオオノシンヤの両氏。近藤さんは主にフランスのパイプを担当されるらしい。オオノさんの演奏を聞いたことはないんですが、いずれにしてもわが国屈指の名手がみずから各種パイプを演奏しながら、その特色や歴史を解説されるそうで、まず滅多に見られないもののはず。

    ブルガリアにはカーバと呼ばれる大型で、伝統的なパイプでは最も音域の低いパイプがありますが、これも登場するのかな。このパイプは「能率」が良い、つまり、一度バッグに空気を吹きこむとしばらくは補給の必要がないので、パイパーは口が自由になります。そのせいか、パイプの伴奏でうたうのが普通らしい。パイプを演奏しながら自らうたうのは他にはたぶん無いでしょう。「伝統的なパイプでは」とことわったのは、近年、さらに低い音域のパイプが試作されていると聞いたからであります。

    ちなみに一番音域が高いのはブルターニュのビニュウです。これも登場するかな。

    なお、ヨーロッパ各地のパイプが一堂に会したフェスティヴァルのライヴ録音としてこういうものがあります。若き日のカルロス・ヌニェスはじめ、各国、各地方の名手がそろった、実に楽しい録音。


それにしても平日の真昼間という時間設定は、主婦と老人がメイン・ターゲットなんでしょうかねえ。(ゆ)
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    先日配信した今月上旬の情報号の日付順のインデックスです。
    
    インデックスだけで手いっぱいなので、個々のイベントについてはバックナンバーをご覧ください。

03/09(月)片山広明, 鬼怒無月, ナスノミツル, 湊雅史@関内Stormy Monday
03/10(火)フリー・セッション@京都 field
03/11(水)Old field@京都 field
03/11(水)Oxalis@新宿SACT!
03/11(水)鬼怒無月, 田中信正@大泉学園In-F
03/12(木)熊澤洋子@名古屋・栄 DOXY
03/13(金)Grencross@カプリシカ
03/13(金)かとうかなこ@愛知 豊橋 アコーディアナ
03/13(金)熊澤洋子@東京・西荻窪 音や金時
03/14(土)field fiddle night 東西対抗浮夷奴瑠合戦第弐幕 "ぶちょーの逆襲"@京都 field
03/14(土)Paddy Field@自由が丘 Irish Pub Clann
03/14(土)Rivendell@カフェトリオンプ(末広町)
03/14(土)アリエル・アッセルボーン@第87回クラシックギターコンサートを楽しむ会 in 大倉山記念館 第十集会室
03/14(土)かとうかなこ@静岡 小山町総合文化会館 菜の花ホール
03/14(土)ザ・コローナズ@表参道FAB
03/14(土)トゥクトゥク・スキップ with クルーラホーン@品川 天王洲アイル ROUND STONE
03/14(土)ムビラトロン&ちみん@高円寺 ぱちか村
03/14(土)熊澤洋子+関口義人@東京・国立 地球屋
03/14(土)守安功&雅子@東京 世田谷区 井上宅 ホームコンサート
03/14(土)友部正人+ハシケン@秩父 ホンキートンク
03/15(日)aasian kukka@小樽市 なまらや
03/15(日)John Zorn's Cobra 名古屋作戦今池部隊@名古屋TOKUZO
03/15(日)Oxalis@池袋エールハウス
03/15(日)Paddy Field@Irish Pub 渋谷ダブリナーズ
03/15(日)かとうかなこ@東京 公園通りクラシックス
03/15(日)ザ・コローナズ@表参道FAB
03/15(日)よねっち課外活動@St.Patrick's Day パレード原宿
03/15(日)熊澤洋子@東京・渋谷 国境の南
03/15(日)坂元昭二、小松崎健@札幌 楽天舎
03/15(日)守安功&雅子@鎌倉市 Art & Dining Space たぶのき
03/15(日)牧岡奈美ソロ・ライヴ@東京・西荻窪 Gatita
03/16(月)The Ash Grove@ザ ダブリナーズ アイリッシュ パブ 新宿店
03/16(月)オオフジツボ@西荻窪 音や金時
03/16(月)津山篤, 鬼怒無月, 植村昌弘, 小野良子@名古屋 K.Dハポン
03/17(火)Erehwon×Modern Irish Project@水道橋 Tapestry
03/17(火)アイリッシュミュージックセッション@市川 Almanac House
03/17(火)セント・パトリックス・パーティー@京都 field
03/17(火)セント・パトリックスデイ in エイヴァリーズ 神戸(hatao)
03/17(火)トゥクトゥク・スキップ(6人ver. )@立川 Irish Pub カウンティ・クレア
03/17(火)津山篤, 鬼怒無月, 植村昌弘@関内Stormy Monday
03/18(水)2009春 梅津和時・プチ大仕事 ホーンの雄叫び!@新宿PIT INN
03/18(水)Naarak@チャクラ
03/18(水)オールドタイム・セッション@京都 field
03/18(水)トゥクトゥク・スキップ(4人ver.)@渋谷 Dubliner's Irish Pub
03/19(木)〜21(土)くぬぎ丈弘@大阪
03/19(木)セント・パトリックスデイ in ラマダホテル大阪
03/20(金・祝)Saito Tetsuya group@吉祥寺「マンダラ2」
03/20(金・祝)ソウル・フラワー・ユニオン闇鍋音楽祭2009@大阪 Shangri-La
03/20(金・祝)トゥクトゥク・スキップ(2〜3人ver.)@池袋 Dubliner's Irish Pub
03/20(金・祝)鬼怒無月, 真貝学@中野いぶき
03/20(金・祝)赤澤敦、大森ヒデノリ、hatao@カプリシカ
03/21(土)aasian kukka@札幌 cafe Vivid Life
03/21(土)The Ash Grove@八王子 イングリッシュパブ・ザ ガリバー
03/21(土)あまみエフエム ディ!ウェイヴ プレゼンツ「あまん夕」@新宿 全労済ホール スペース・ゼロ
03/21(土)セント・パトリックスデイ 名古屋 大須商店街
03/21(土)ソウル・フラワー・ユニオン闇鍋音楽祭2009@大阪 Shangri-La
03/21(土)テツサブロウ&よねっち@池袋 鈴ん小屋(伊藤銀次 Opening Act)
03/21(土)フリー・セッション@京都 field
03/21(土)マンスリー・トラッド・セッション@横浜 Green Sheep
03/22(日)Ha-stle@西荻窪 サンジャック
03/22(日)O'Jizo@東船橋 prima stella
03/22(日)Pere-Furu@下北沢Lady Jane
03/22(日)Sheena@ネイブ(大阪・堀江)
03/22(日)St. Patrick's Day『THE WILD ROVER』@club asia/VUENOS TOKYO/club asia P(東京)
03/22(日)ブリテイッシュ・トラッド&フォーク・ロック・ナイト@新宿 Hartford Cafe
03/22(日)高鈴 (Opening Act : Mine)@岡山 城下公会堂
03/22(日)赤木りえ、佐藤芳明、壷井彰久@大泉学園 in F
03/23(月)アイリッシュミュージックセッション@市川 Almanac House
03/23(月)一噌幸弘, 鬼怒無月, 瀬尾高志@関内Stormy Monday
03/24(火)?O'Jizo @目黒 Seamus O'hara
03/24(火)ウィッスル教室、フリー・セッション@京都 field
03/25(水)Old field@京都 field
03/25(水)Paddy Field@Irish Pub 渋谷ダブリナーズ
03/27(金)Grencross@カプリシカ
03/27(金)YOSHITOO 東京ツアー@西荻窪 のみ亭
03/27(金)ケルティックソング ワークショップ@京都 field
03/27(金)ムスィーカ・バドル@西荻窪 音や金時
03/27(金)金子飛鳥&吉野弘志@祐天寺 FJ's
03/28(土)YOSHITOO 東京ツアー@北千住 コズミックソウル
03/28(土)あらひろこ&山口智@チャクラ(大阪)
03/28(土)アリエル・アッセルボーンx EL TANGO VIVO@NMCギャラリー(西武国分寺線小川駅)
03/28(土)ソウル・フラワー・ユニオン闇鍋音楽祭2009@東京 Shibuya O-WEST
03/29(水)ナーダ・コラボレーション@札幌 レストランのや
03/29(日)Modern Irish Project@横浜 Irish Pub Green Sheep
03/29(日)かとうかなこ@大阪 南堀江 ネイヴ
03/29(日)ソウル・フラワー・ユニオン闇鍋音楽祭2009@東京 Shibuya O-WEST
03/29(日)ハシケン presents「Hug<ハグ>」沖縄バージョン1@那覇 桜坂劇場ホール
03/29(日)ブリテイッシュ・トラッド&フォーク・ロック・ナイト@新宿 Hartford Cafe
03/29(日)樫原聡子、あらひろこ@フィドル倶楽部(大阪)
03/29(日)鬼怒無月, 鈴木大介デュオ@江古田Buddy
03/30(月)ハシケン presents「Hug<ハグ>」沖縄バージョン2@沖縄県 北谷 モッズ
03/31(火)セッション練習会@京都 field
03/31(火)是巨人@渋谷RUSH
04/01(水)大島保克マンスリーライブ@京都 Coffee House拾得
04/02(土)春のアコースティック コンサート in CAROL@加古川 カフェキャロル(かとうかなこ)
04/02(木)『阿佐ヶ谷モクイチ』@阿佐ヶ谷 MAD HOG KITCHEN
04/03(金)ERA@中野いぶき
04/04(土)トゥクトゥク・スキップ@荻窪ベルベット・サン
04/04(土)マルカート&あらひろこのふたり会 vol.5@札幌 楽天舎
04/04(土)亀田真司、福江元太、宮田あずみ、下村よう子、トシバウロン@京都 ZANPANO
04/05(日)Circle 1/2 in 東京 西荻窪サンジャック
04/05(日)モーフの旅(Ryuji&よねっち)@山梨県 無門庵
04/05(日)鬼怒無月, 早川岳晴, 田中栄二@関内Stormy Monday
04/06(月)ムビラトロン&たゆたう@三軒茶屋 カフェオハナ
04/07(火)O'Jizo@Irish Pub ケニーズ@調布
04/08(水)Caol Ila(田中良太入り)@名古屋方面
04/09(木)Caol Ila(田中良太入り)@東京方面
04/09(木)鞴座@大阪市北区 雲州堂
04/10(金)Pere-Furu@西荻窪音や金時
04/11(土)O'Jizo@大崎 Irish Pub ザ・シャノンズ
04/11(土)アリエル・アッセルボーン@岡山県備前市
04/11(土)守安功&雅子@東京 西荻窪 ビストロ「サンジャック」
04/11(土)大島保克@大阪 山本能楽堂
04/12(日)The Flying Dugong Band@京都・磔磔
04/12(日)梅津和時、ドーナル・ラニィ&近藤ひろみ with 金子飛鳥@京都・磔磔
04/13(月)The Flying Dugong Band@名古屋・TOKUZO
04/13(月)鳥越啓介, 則竹裕之, 鬼怒無月, 佐藤芳明, 中西俊博@六本木アルフィー
04/14(火)The Flying Dugong Band@東京・代官山 晴れたら空に豆まいて
04/16(木)Salle Gaveau@渋谷 JZ Brat SOUND OF TOKYO
04/16(木)岡バンド&岡林立哉@千歳烏山 つぼ
04/17(金)アリエル・アッセルボーン@東京・ルーテル市ヶ谷センター
04/18 (土)Live! Miltoniana@白石碧水園能楽堂 宮城県 白石市
04/18(土)Bob Brozman & 打田十紀夫@横浜 ヴィアマーレ
04/18(土)Ubiquitous + 豊崎洋二@秋葉原クラブグッドマン
04/19(日)Bob Brozman & 打田十紀夫@東京 BACK IN TOWN
04/19(日)KBB@渋谷 公園通りクラシックス
04/19(日)星直樹+あらひろこ@札幌 ガンゲット・ダイマ
04/20(月)bondagefruit@秋葉原クラブグッドマン
04/21(火)Bob Brozman & 打田十紀夫@福岡 ドリームボート
04/21(火)Era + Blacksheep@吉祥寺 MANDA-LA2
04/22(水)Bob Brozman@北九州 ウェルとばた・中ホール
04/23(木)ヴェーセン@すみだトリフォニーホール
04/24(金)Bob Brozman & 打田十紀夫@大阪 メイシアター・小ホール
04/24(金)ヴェーセン@東京・武蔵境 武蔵野スイング・ホール
04/24(土)今堀恒雄, 鬼怒無月ギターデュオ@渋谷公園通りクラシックス
04/25(土)(かとうかなこ)神戸 Live Hallクラブ月世界
04/25(土)Bob Brozman & 打田十紀夫@名古屋 TOKUZO
04/25(土)O'Jizo@ザ・ラウンドストーン天王洲アイル
04/25(土)ブレンドラムスの挑戦 ACT-1@大阪 そごう劇場
04/26(日)Bob Brozman & 打田十紀夫@東京 STAR PINE'S CAFE
04/26(日)ヴェーセン@川越 茶陶苑
04/26(日)シャナヒー&鞴座「ふいごつかいとかたりべ」@大阪 南堀江 フィドル倶楽部
04/26(日)守安功&雅子@三鷹市 草の実
04/28(火)ヴェーセン@大阪 フェニックスホール
04/28(火)ブレンドラムスの挑戦@東京 草月ホール
04/29(水・祝)『ムビラサミット』ムビラトロン@横浜
04/29(水/祝)ヴェーセン@札幌 生活支援型文化施設コカリーニョ
05/01(金)大島保克マンスリーライブ@京都 Coffee House拾得
05/09(土)あらひろこ@阿女鱒山荘(仁木町銀山)
05/10(日)守安功&雅子@武蔵野市
05/13(水)吉田隆一+小森慶子+壷井彰久@大泉学園 in F
05/16(土)あらひろこ@手と手(札幌)
05/16(土)ケルトの笛の世界 コンサート その1@京都 Irish Pub Gnome
05/17(日)アリエル・アッセルボーン&青木菜穂子@三百人劇場(西船橋)
05/17(日)一噌幸弘 行ノしらせ@新宿 PIT-INN
05/21(木)伊藤賢一、小松崎 健@札幌 Jack in the Box
05/22(金)DiVa@HAKUJU HALL
05/22(金)アリエル・アッセルボーン@現代ギターGGサロン(要町)
05/23(土)Caol Ila(田中良太入り)@京都ネガポジ
05/28(木)Nordic Tree Trio@東京・三鷹 武蔵野文化会館小ホール
05/30(土)Nordic Tree Trio@吉祥寺 Star Pine's Cafe
05/30(土)おおしまゆたか講演@東京・四谷 いーぐる
05/31(日)ケルトの笛の世界 コンサート その2@宝塚ガーデンフィールズ
06/01(月)大島保克マンスリーライブ@京都 Coffee House拾得
06/05(金)マイキー・スミス with 守安功&雅子@茅ヶ崎市 BOTCHY BOTCHY
06/06(土)マイキー・スミス with 守安功&雅子@立川市 ロバハウス
06/06(土)大島保克「唄会」2009@沖縄 那覇 桜坂劇場
06/07(日)マイキー・スミス with 守安功&雅子@立川市 ロバハウス
06/08(月)マイキー・スミス with 守安功&雅子@浜松市
06/12(金)Caol Ila(田中良太入り)@福岡
06/12(金)マイキー・スミス with 守安功&雅子@西荻窪 ビストロ「サンジャック」
06/12(金)一噌幸弘コンチェルトプロジェクト Vol.7 協奏曲と能楽 風幻@神楽坂 矢来能楽堂
06/13(土)Caol Ila(田中良太入り)@大分
06/13(土)グラーダ@代官山 晴れたら空に豆まいて
06/13(土)マイキー・スミス with 守安功&雅子@福島県 彦ハウス
06/14(日)アリエル・アッセルボーン@岡山・備前市
06/14(日)グラーダ@代官山 晴れたら空に豆まいて
06/14(日)マイキー・スミス with 守安功&雅子@仙台市
06/16(火)マイキー・スミス with 守安功&雅子@東京・目黒 東京工業大学世界文明センター「アイルランド芸術週間」
06/18(木)マイキー・スミス with 守安功&雅子@新宿区 朝日カルチャーセンター
06/20(土)hatao@弘前駅前市民ホールにて演奏
06/21(日)hatao@青森「音楽倶楽部あづまたくみの店」
06/21(日)マイキー・スミス with 守安功&雅子@神戸市 酒心館
06/22(月)マイキー・スミス with 守安功&雅子@つくば市 神谷森ログハウス
07/01(水)大島保克マンスリーライブ@京都 Coffee House拾得
07/26(日)「2009東京リコーダー音楽祭」
08/01(土)大島保克マンスリーライブ@京都 Coffee House拾得
08/08(土)守安功&雅子@西荻窪 ビストロ「サンジャック」
09/01(火)大島保克マンスリーライブ@京都 Coffee House拾得
09/21(月・祝日)守安功&雅子@大阪市 帝国ホテル大阪 書団竹扇会第45回記念展覧会
10/01(木)大島保克マンスリーライブ@京都 Coffee House拾得
10/16(金)守安功&雅子@長野市 こどもの森
10/17(土)守安功&雅子@長野市
10/31(土)グローニャ・ハンブリー with 守安功&雅子@福島県
11/01(日)グローニャ・ハンブリー with 守安功&雅子@さくら市
11/01(日)大島保克マンスリーライブ@京都 Coffee House拾得
11/02(月)グローニャ・ハンブリー with 守安功&雅子@焼津市
11/03(火・祝)グローニャ・ハンブリー with 守安功&雅子@焼津市
11/05(木)グローニャ・ハンブリー with 守安功&雅子@東京・銀座 十字屋「霜月音楽会」
11/06(金)グローニャ・ハンブリー with 守安功&雅子@東京
11/07(土)グローニャ・ハンブリー with 守安功&雅子@武蔵野市
11/08(日)グローニャ・ハンブリー with 守安功&雅子@東京
11/14(土)グローニャ・ハンブリー with 守安功&雅子@坂戸市
11/21(土)守安功&雅子@三鷹市 ラ・フォルテ Tokyo Fiddle Club の会
12/01(火)大島保克マンスリーライブ@京都 Coffee House拾得

    本日11時予定で配信しました。届かないかたはご一報ください。


    明日朝オンエア予定のバラカンさんの放送でも紹介しましたが、昨年来の国内ミュージシャンによる録音の収穫は続いていて、札幌の小松崎健さんや期待のドレクスキップの新作、hatao さんの古楽は楽しみです。

    神戸かな、Sheena というバンドもCDを出し、自身のウエブ・サイトの他、アマゾンでも販売するそうです。03/18(水)発売。
   
    これから出してくれないかと期待しているのはナギィと hatao &赤澤さん。Oldfield も今年中には出るかな〜(^_-)。
   
    CDなどのパッケージではなく、配信で売るのもアリだと思いますが、どんなもんでしょう。ただその際のフォーマットは MP3 ではなく、flac でお願いします。(ゆ)

DERACINE CHING-DONG    早めに家を出て、新宿タワー・レコードでの中山康樹、後藤雅洋、村井康司三氏のトーク・イベントに行く。マイルス・デイヴィスとブルーノートについての本が出た、刊行記念イベントの由。マイルスとブルーノートから三氏が1曲ずつ選んで聞き、おしゃべりするという企画。村井さんが司会役でうまくまとめるのはさすが。

     マイルスでぐっと来たのは中山氏が選ばれた《ポーギーとベス》からの〈サマータイム〉。別に難しいことや派手なことをしているわけではないのに、一音一音にちからがある。シンプルなフレーズがひたひたと迫ってくる。

    昨年からエレクトリック・マイルスにははまっているが、古いマイルスは以前ひと通り聴いたものの、どうもぴんとこなかった。が、これはどうだろう。こういうトランペットなら、もう一度聞きなおそう。

    ブルーノートでは村井さんが選ばれたトニー・ウィリアムスが抜群におもしろかった。これは「家」で聴きたい。まあ、ぼくの場合、今ではそれは iPod で、ということなのだが、つまり、ジャズ喫茶のような場ではなく、パーソナルに聴きたい。

    村井さんのマイルスは《ゲット・アップ・ウィズ・イット》 からの曲で、村井さんは「辛い」ものとおっしゃっていたが、ぼくにはどうも黒蜜黄粉寒天に聴こえた。もっとも、このアルバムはちゃんと聴いていないので、生齧りではある。

    トークのポイントではブルーノートのアルバムはどれも「商品」としてきちんと作っている、というのが印象に残る。アイリッシュ・ミュージックではこういうものはまず無い。Green Linnet はアイリッシュ・ミュージックのブルーノートを目指したかもしれないが、ミュージシャンのサポートがまったく考慮に入っていなかったから論外。

    ヨーロッパのルーツ・ミュージックでもブルーノートまたはECMをめざしたレーベルはいくつかある。ビル・リーダーの Trailer、カーステン・リンドの Folk Freak、イアン・グリーンの Greentrax、ポール&リンダ・アダムスの Fellside あたりが代表だろう。アイルランドでもドーナルがプロデューサーとして活躍した Mulligan があるが、ここもグリーン・リネットと似た状況だったらしい。

    この中では後世への影響力(コレクターズ・アイテムとしても)まで含めれば、ブルーノートに多少とも近いところまでいったのはトレイラーぐらいか。グリーントラックスとフェルサイドは着実に実績を重ねているが、守備範囲が限定的ではある。

    こうしたレーベルがルーツ・ミュージックのブルーノートになれなかったのは、プレスティッジやリヴァーサイドがなれなかったのとは違って、まず、市場の性格というより、ジャズのそれに比べれば市場は無いというべき状況のせいではあるだろう。トレイラーの販売実績データなんてものは見たことがないけれど、ライヴァルであった Topic の状況から推測しても、累計でも一万枚売れたタイトルがあったかどうか。

    もう一つ印象的だったのは、マイルスは今にいたるまで変わらない人気があり、しかもその全キャリアが聴かれている、ということ。それで連想したのが、20年前、あるコミック専門店の主から聞いた話。マンガの世界は作家の消長が烈しいが、終始一貫、常に新しい読者が入ってきて人気が衰えない作家が二人だけいる。手塚治虫と萩尾望都だ。なぜか、ということになると、販売の現場はかえってわからないもので、やはり作品の力ですかね、でその場は終わったが、昨日の話を聞いていて、わかったような気がした。

    もちろん作品に力があることは第一の前提条件だが、そこにもうひとつ、くり返し語られる対象である、という条件も関ってくるのではないか。例えばこのトーク・イベントのような形で、さまざまに語られる。正面から批評の対象にもなれば、楽しい座談のネタにもされる。結論はいつも同じ。マイルスはすごい、ブルーノートはすごい。

    そんなにすごいのか、と聴いてみれば実際にすごい。やっぱりすごいんですね、そうだろう、すごいんだよ、ようやくわかるようになってくれたか。じゃ、他のも聴いてみます。

    手塚や萩尾にも、同様な事情があったのではないか。では、石森や藤子や赤塚はどうなのだ、といわれると、こちらはどうも語りにくいところがある。石森は作品の出来に波があるし、赤塚はジャンルが限られるし、藤子はやはり分裂している。

    もっともマンガは別に誰かに薦められなくとも、ごく自然に読むようになるだろうが、ジャズは仮にも外国産の音楽だ。今では日本語ネイティヴのジャズもりっぱに成立していることは言うを待たないが、最初はとにかく舶来品である。それが日本に根づき、世界に通用するネイティヴも生まれるようになるまでには、このくり返し、後藤さんが『ジャズ喫茶リアル・ヒストリー』でも書かれていた愚直なまでのくり返しが必要だったのではないか。

    そして、舶来品を根づかせるには、一般的に言って、この愚直なくり返しが必要なのではないか。マイルスやブルーノート、手塚や萩尾に匹敵しないまでも、相当する存在をひろいだし、その良さを倦むことなくくり返すことで、初めて、根づいていくのではないか。

    今度の「アイリッシュ・ミュージック@いーぐる on バレンタイン・デー」はその試みのひとつではある。アイリッシュ・ミュージックの名演、定番について、その良さを愚直にくり返してゆく試みである。

    これまでぼくはアイリッシュ・ミュージックの定番とか名盤とか呼ばれるものを称揚することは意識して避けていた。ある一定の評価軸、ものの見方を押しつけるような気がしていたからだ。アイリッシュ・ミュージックや、その他ヨーロッパのルーツ・ミュージックは、ただひとつの角度から見るのではもったいない。見る人、聴く人によってありとあらゆる多種多様な顔を見せ、聴かせてくれるのだから。なにか共通の定番、名盤よりも、聴く人それぞれに定番、名盤があるべきだ。

    むしろ、今の、できたてほやほやの傑作群を聴いてくれ、定番や名盤と言われるものは後からでも遅くはない。そう思ってもいたからだ。

    しかし、それだけでは足りないのだろう。それで良い人もいる。一方でそれでは困る人もいる。そしてアイリッシュ・ミュージックを、ヨーロッパのルーツ・ミュージックをもっと広めるためには、後者の人たちに訴えなければならない。そこで愚直なくり返しが必要なのだ。


    トーク終了後、トイレに駈けこんでから、空腹に耐えかねて「アカシア」。そのまま吉祥寺に移動。東急裏のライヴハウス GB でソウル・フラワー・モノノケ・サミットのライヴ。昨年は都合がつかず見逃がしていたので、久しぶり。ん、辺野古以来か。

    中川さんに言わせると、ほとんどリハをしないバンドだというが、もうすっかりモノノケ・グルーヴができていて、何をやってもぴたりとはまる。今回はトンコリの OKI がゲストだが、これがまた実によくはまる。OKI はソロはどうも寂しくて、誰かといっしょにやらないと響いてこないのだが、モノノケに入るとモノノケの方も一段と良くなる。スケールがひと回り大きくなる感じだ。これにドーナルが入るとどうなるのだろうと、シャレではなく、無性に見たくなる。ひょっとすると秋には見られるかもしれない。

    今のモノノケなら、どんな人やモノが来ても、だいじょうぶだろう。もっとどんどん実験してほしい。今度、ドーナル、梅津、近藤のフライング・ジュゴン・バンドにゲストで出る金子飛鳥さんとかも、見てみたい。旋律楽器が大熊さんだけだから、ヴァイオリンははまると思う。

    もっとも今回はピアニカが入っておもしろかった。初めての気もするが、前からいたっけ。音が埋もれがちなのが惜しいが、OKI  がヴァーカルをとった曲では映えていた。

    それにしても、開演前からだと4時間以上、立ちっぱなしは辛い。後半は必死に踊って、足を動かしていたが、新宿へもどる電車で坐れたときには思わずため息が出た。


    しばらくぶりに外出して、『250話で語るアイルランド史(仮)』がだいぶ進む。それにしても、16世紀末から17世紀にかけての動乱はすさまじい。息つく暇もなく、戦乱に継ぐ戦乱だ。殺し合いと農産物や財産の破壊、略奪が果てしもなく続く。ガザの虐殺も蒼ざめるような惨劇が日常茶飯事になっていたらしい。よくこれで社会が続いたものだ。

    つまりは、人間は同じことを性懲りもなくくり返している。その悪のくり返しを断つためには、しかしたぶん、同じことを愚直にくり返し、言い続けることしか、方法はないのだ。惨劇をくり返し伝え、われわれ人間はこんなひどいことを性懲りもなくくり返してきたのだから、もういいかげん、別のやりかたをしようではないか、とくり返すしか、方法はないのだ。(ゆ)

02/11(水・祝)Oxalis@三井アウトレットパーク幕張!
02/11(水・祝)きしもとタローコンサート@市島町・ライフピアいちじま 大ホール
02/11(水・祝)ソウル・フラワー・モノノケ・サミット@東京 吉祥寺ROCK JOINT GB
02/11(水・祝)リコーダー・アンサンブル・コンサート(安井敬)@西荻窪「サンジャック」
02/11(水・祝)林正樹(p)ユニット@渋谷公園通りクラシックス
02/11(水)OldField@京都 Irish PUB field
02/11(水)林正樹(ピアノ)、鬼怒無月(ギター)、壷井彰久@渋谷 公園通りクラシックス
02/12(木)Celtic Notes 放送、(ゆ)出演
02/12(木)守安功&雅子@高槻市 うの花ホール
02/12(木)守安功&雅子@高槻市 啓友クリニック「めぐみの家」
02/13(金)Grencross@西宮 カプリシカ
02/13(金)〜15(日)ごぜ唄が聞こえる2009「葛の葉の子別れ」@世田谷 ブローダーハウス
02/13(金)ERA@仙台Satindoll
02/14(土)『聴いて学ぶアイルランド音楽』刊行記念イベント@東京・四谷 いーぐる
02/14(土)ERA@盛岡すぺいん倶楽部
02/14(土)Glencorss(仮称)デビュー・コンサート@大阪四ツ橋 フィドル倶楽部
02/14(土)MINE@滋賀県東近江市 絽絽の家
02/14(土)Oxalis@新松戸FireBird
02/14(土)ケルト、その歌と響き@吹田・メイシアター
02/14(土)ハシケン@札幌2009」北海道 札幌・小春南
02/14(土)フリー・セッション@京都 field
02/14(土)磯村実穂&沢村淳子+井上禎幸@東京・杉並 ビストロ・サンジャック
02/14(土)守安功&雅子@箕面市 メイプルホール 小ホール
02/14(土)小松崎健、浜田隆史@東京・新橋 レッドペッパー
02/15(日)「09こころの教室・お寺でライブ in ハシケン」常呂・常楽寺本堂
02/15(日)Celtic Notes 放送、(ゆ)出演
02/15(日)ERA@福島Cafe 風と木
02/15(日)くぬぎ丈弘バレンタイン・ディナー・ライヴ@京都アイリッシュレストラン マクラクランズ
02/15(日)ナギィ@ドレスアキバホール
02/15(日)ナギィ@秋葉原
02/15(日)ふいごまつり Vol.2@天六 ブックカフェ・ワイルドバンチ
02/15(日)若気の至りロックフェス(仮)@京都造形大・春秋堂
02/15(日)守安功&雅子@美作市
02/15(日)小松崎健、浜田隆史@東京・杉並 サンジャック
02/16(月)アンサンブル練習会デモ・レッスン@京都 field
02/16(月)守安功&雅子@岡山市
02/16(月)守安功&雅子@岡山市 城東高校
02/16(月)富安秀行、小松崎健 、浜田隆史@岐阜・可児市 大きなきりかぶ
02/17(火)フリー・セッション(セッション練習会)@京都 field
02/17(火)ホイッスル教室@京都 field
02/17(火)守安功&雅子@岡山県
02/17(火)守安功&雅子@岡山市 岡山北公民館
02/18(水)オールドタイム・セッション@京都 field
02/18(水)守安功&雅子@岡山市 旭東病院 パッチ・アダムスホール
02/18(水)小松崎健、浜田隆史、コーエーさん@大阪・上本町 スポンジ・カフェ
02/19(木)Celtic Notes 放送、(ゆ)出演
02/19(木)KAO'S! Superb〜マクロサウンドの共有体感@渋谷公園通りクラシックス
02/19(木)O'Jizo@帯広 The Irish Pub GALWAY
02/19(木)守安功&雅子@高知市 田村産婦人科病院
02/19(木)小松崎健、浜田隆史、ROOTS@大阪・吹田 讃カフェ
02/20(金)小松崎健、浜田隆史、hatao@西宮 カプリシカ
02/20(金)〜22(日)ごぜ唄が聞こえる2009「越後ごぜ唄」@世田谷 ブローダーハウス
02/20(金)O'Jizo、RINKA@札幌 レストランのや
02/20(金)RINN@別府・山猫軒
02/20(金)トゥクトゥク・スキップ@大阪ミナミ フィドル倶楽部
02/20(金)ハンドリオン(坂上真清)@府中 コパデカフェ
02/20(金)ラウマ(嵯峨治彦:馬頭琴、喉歌、あらひろこ:カンテレ)@秋田
02/20(金)金子飛鳥 Monthly Duo@祐天寺 FJ's
02/20(金)小松崎健、浜田隆史@西宮 アイリッシュパブ・カプリシカ
02/21(土)(大渕愛子)Ceilidh@武蔵小杉 中原市民会館 練習室
02/21(土)Duo Recio-Garcia@横浜エアジン
02/21(土)O'Jizo@函館 Irish Pub EILEY'S 元町店
02/21(土)Whistling Breeze@東京・大崎 シャノンズ・オープン10周年記念 Live!
02/21(土)アイリッシュ・ダンス・サークル「クレア」Set Dancing CEILI@中原市民館 練習室
02/21(土)ティト・キカス@吉祥寺 Star Pine's Cafe
02/21(土)トゥクトゥク・スキップ@京都 Irish Pub field
02/21(土)ラウマ(嵯峨治彦:馬頭琴、喉歌、あらひろこ:カンテレ)@秋田
02/21(土)阿佐ヶ谷モクイチ SPECIAL!@阿佐ヶ谷 MAD HOG KITCHEN
02/21(土)寒い冬に聞く北欧ノルウェーの音楽@大阪・チャクラ
02/21(土)月岡祐紀子「ごぜ唄が聞こえる〜参の段・越後ごぜ唄」@東京・世田谷 ブローダーハウス
02/21(土)守安功&雅子@高知県 東洋町
02/21(土)小松崎健、浜田隆史@名古屋 遊器ゆあさ
02/22(日)Celtic Notes 放送、(ゆ)出演
02/22(日)KBB@高円寺 ShowBoat
02/22(日)Oxalis@新宿SACT!
02/22(日)RINN@Sally Garden
02/22(日)WINDS CAFE 146【古楽バグパイプの愉しみ】@東京・四谷 コア石響
02/22(日)ティト・キカス@大阪
02/22(日)ティト・キカス&くぬぎ丈弘@兵庫 川西 古民家gallery&cafe HANARE
02/22(日)トゥクトゥク・スキップ@愛知 刈谷市 Bird Land 
02/22(日)吉野弘志セッション〔土偶は踊る〕@西荻窪 音や金時
02/22(日)月岡祐紀子「ごぜ唄が聞こえる〜参の段・越後ごぜ唄」@東京・世田谷 ブローダーハウス
02/22(日)守安功&雅子@高知市 いちょう病院
02/22(日)小松崎健、浜田隆史@春日井 カフェ・カレドニア
02/22(日)日曜日に聴くブリテイッシュ・トラッド&フォーク@新宿 Hartford Cafe
02/23(月)アンサンブル練習会デモ・レッスン@京都 field
02/23(土)マンスリー・トラッドセッション@横浜グリーンシープ
02/24(火)O'Jizo@仙台 Baum's Irish Pub
02/24(火)フリー・セッション(レコーディング)@京都 field
02/25(水)O'Jizo@富山 パン工房ブレッド
02/25(水)OldField@京都 Irish PUB field
02/25(水)吉田隆一、小森慶子、壷井彰久@大泉学園 in F
02/26(木)(かとうかなこ)『魔法じかけの宝石箱』@福岡 ROOMS
02/26(木)Celtic Notes 放送、(ゆ)出演
02/26(木)SENZOKU MUSIC SHOWCASE@OMOTESNDO Guitarland
02/26(木)佐藤文太@京都 Irish PUB field
02/27(金)GlasProject@西宮 カプリシカ
02/27(金)O'Jizo@嬬恋村 鹿沢館
02/27(金)かとうかなこ@北九州市 戸畑市民会館 大ホール
02/28(土)Drug and Drop@名古屋 ゴヤムーン「入仲」
02/28(土)MINE@火と人Cafe&Bar 綾部市・扇屋懐估亭
02/28(土)Oxalis@ららぽーと柏の葉
02/28(土)かとうかなこ@東広島市 ヘアー&エステちかのぶ
02/28(土)ふいごっち@京都 Irish PUB field
02/28(土)常味裕司, 鬼怒無月デュオ@浦和Cafe Tone(048-825-4702)
03/01(日)岡バンド@西荻窪 のみ亭
03/01(日)是巨人@小岩エムセブン(03-5622-3520)
03/01(日)大島保克マンスリーライブ@京都 Coffee House拾得
03/01(木)ナーダ・コラボレーション@室蘭 蘭西ギャラリー裏倉庫「庫楽夢」
03/02(月)鬼怒無月, 早川岳晴@大泉学園In-F
03/03(火)O'Jizo@調布 Irish Pub ケニーズ
03/04(水)「Playford 1/10 (じゅうぶんのいち)〜英国・幻想世界の舞曲」@大阪 フェニックスホール
03/04(水)ナーダ・コラボレーション@小樽 一匹長屋
03/04(水)鬼怒無月@下北沢 lete
03/05(木)守安功&雅子@「なでしこ会」コンサート東京 港区 アイルランド大使公邸
03/06(金)(かとうかなこ)シネマ・コンサート『イタリアの麦藁帽子』@東京 北区 北とぴあ つつじホール
03/06(金)ムビラトロン@富山
03/06(金)彼岸の此岸@西荻窪音や金時(03-5382-2020)
03/07(土)O'Jizo@落合南長崎 ビストロバー ユーラシアン
03/07(土)Warehouse@大泉学園In-F
03/07(土)シャナヒー@Gnome
03/07(土)亀工房 with 閔賢基@東京・杉並 ビストロサンジャック
03/07(土)月岡祐紀子・後藤幸浩 ごぜ・うた・がたり 其の六@東京・渋谷 国境の南
03/08(日)RINKA@札幌 玄米ご飯・カフェじょじょ
03/08(日)かとうかなこ@和歌山 デサフィナード
03/08(日)ハンドリオン(坂上真清)@吉祥寺 Silver Elephant
03/08(日)亀工房@新座市中央公民館
03/08(日)林正樹 (p) ユニット@自由が丘カフェ六丁目
03/08(日)林正樹、鬼怒無月、壷井彰久@自由が丘 CAFE六丁目
03/09(月)片山広明, 鬼怒無月, ナスノミツル, 湊雅史@関内Stormy Monday
03/11(水)鬼怒無月, 田中信正@大泉学園In-F
03/13(金)かとうかなこ@愛知 豊橋 アコーディアナ
03/14(土)Rivendell@カフェトリオンプ(末広町)
03/14(土)アリエル・アッセルボーン@第87回クラシックギターコンサートを楽しむ会 in 大倉山記念館 第十集会室
03/14(土)かとうかなこ@静岡 小山町総合文化会館 菜の花ホール
03/14(土)トゥクトゥク・スキップ with クルーラホーン@品川 天王洲アイル ROUND STONE
03/14(土)ムビラトロン&ちみん@高円寺 ぱちか村
03/14(土)守安功&雅子@東京 世田谷区 井上宅 ホームコンサート
03/15(日)John Zorn's Cobra 名古屋作戦今池部隊@名古屋TOKUZO
03/15(日)かとうかなこ@東京 公園通りクラシックス
03/15(日)坂元昭二、小松崎健@札幌 楽天舎
03/15(日)守安功&雅子@鎌倉市 Art & Dining Space たぶのき
03/16(月)オオフジツボ@西荻窪 音や金時
03/17(火)津山篤, 鬼怒無月, 植村昌弘@関内Stormy Monday
03/18(水)2009春 梅津和時・プチ大仕事 ホーンの雄叫び!@新宿PIT INN
03/18(水)Naarak@チャクラ
03/19(木)〜21(土)くぬぎ丈弘@大阪
03/20(金・祝)Saito Tetsuya group@吉祥寺「マンダラ2」
03/20(金・祝)ソウル・フラワー・ユニオン闇鍋音楽祭2009@大阪 Shangri-La
03/21(土)aasian kukka (扇柳トール、あらひろこ)@札幌 cafe Vivid Life
03/21(土)ソウル・フラワー・ユニオン闇鍋音楽祭2009@大阪 Shangri-La
03/22(日)赤木りえ、佐藤芳明、壷井彰久@大泉学園 in F
03/23(月)一噌幸弘, 鬼怒無月, 瀬尾高志@関内Stormy Monday
03/27(金)ムスィーカ・バドル@西荻窪 音や金時
03/28(土)アリエル・アッセルボーンx EL TANGO VIVO@NMCギャラリー(西武国分寺線小川駅)
03/28(土)ソウル・フラワー・ユニオン闇鍋音楽祭2009@東京 Shibuya O-WEST
03/29(日)かとうかなこ@大阪 南堀江 ネイヴ
03/29(日)ソウル・フラワー・ユニオン闇鍋音楽祭2009@東京 Shibuya O-WEST
03/31(火)是巨人@渋谷RUSH
04/01(水)大島保克マンスリーライブ@京都 Coffee House拾得
04/03(金)ERA@中野いぶき
04/04(土)トゥクトゥク・スキップ@荻窪ベルベット・サン
04/04(土)マルカート&あらひろこのふたり会 vol.5@札幌 楽天舎
04/11(土)アリエル・アッセルボーン@岡山県備前市
04/11(土)守安功&雅子@東京 西荻窪 ビストロ「サンジャック」
04/11(土)大島保克@大阪 山本能楽堂
04/12(日)The Flying Dugong Band@京都・磔磔
04/12(日)梅津和時、ドーナル・ラニィ&近藤ひろみ with 金子飛鳥@京都・磔磔
04/13(月)The Flying Dugong Band@名古屋・TOKUZO
04/13(月)鳥越啓介, 則竹裕之, 鬼怒無月, 佐藤芳明, 中西俊博@六本木アルフィー
04/14(火)The Flying Dugong Band@東京・代官山 晴れたら空に豆まいて
04/16(木)Salle Gaveau@渋谷 JZ Brat SOUND OF TOKYO
04/16(木)岡バンド&岡林立哉@千歳烏山 つぼ
04/17(金)アリエル・アッセルボーン@東京・ルーテル市ヶ谷センター
04/18(土)Bob Brozman & 打田十紀夫@横浜 ヴィアマーレ
04/18(土)Ubiquitous meets 豊崎洋二@秋葉原 CLUB GOODMAN
04/19(日)Bob Brozman & 打田十紀夫@東京 BACK IN TOWN
04/21(火)Bob Brozman & 打田十紀夫@福岡 ドリームボート
04/22(水)Bob Brozman@北九州 ウェルとばた・中ホール
04/23(木)ヴェーセン@すみだトリフォニーホール
04/24(金)Bob Brozman & 打田十紀夫@大阪 メイシアター・小ホール
04/24(金)ヴェーセン@東京・武蔵境 武蔵野スイング・ホール
04/25(土)(かとうかなこ)神戸 Live Hallクラブ月世界
04/25(土)19:00 開演@鎌倉 お寺
04/25(土)Bob Brozman & 打田十紀夫@名古屋 TOKUZO
04/26(日)Bob Brozman & 打田十紀夫@東京 STAR PINE'S CAFE
04/26(日)ヴェーセン@川越 茶陶苑
04/26(日)シャナヒー&鞴座「ふいごつかいとかたりべ」@大阪 南堀江 フィドル倶楽部
04/26(日)守安功&雅子@三鷹市 草の実
04/28(火)ヴェーセン@大阪 フェニックスホール
04/29(水・祝)『ムビラサミット』ムビラトロン@横浜
04/29(水/祝)ヴェーセン@札幌 生活支援型文化施設コカリーニョ
05/01(金)大島保克マンスリーライブ@京都 Coffee House拾得
05/10(日)守安功&雅子@武蔵野市
05/28(木)Nordic Tree Trio@東京・三鷹 武蔵野文化会館小ホール
05/30(土)Nordic Tree Trio@吉祥寺 Star Pine's Cafe
06/01(月)大島保克マンスリーライブ@京都 Coffee House拾得
06/05(金)マイキー・スミス with 守安功&雅子@茅ヶ崎市 BOTCHY BOTCHY
06/06(土)マイキー・スミス with 守安功&雅子@立川市 ロバハウス
06/07(日)マイキー・スミス with 守安功&雅子@立川市 ロバハウス
06/08(月)マイキー・スミス with 守安功&雅子@浜松市
06/12(金)マイキー・スミス with 守安功&雅子@西荻窪 ビストロ「サンジャック」
06/13(土)マイキー・スミス with 守安功&雅子@福島県 彦ハウス
06/14(日)マイキー・スミス with 守安功&雅子@仙台市
06/16(火)マイキー・スミス with 守安功&雅子@東京・目黒 東京工業大学世界文明センター「アイルランド芸術週間」
06/18(木)マイキー・スミス with 守安功&雅子@新宿区 朝日カルチャーセンター
06/21(日)マイキー・スミス with 守安功&雅子@神戸市 酒心館
06/22(月)マイキー・スミス with 守安功&雅子@つくば市 神谷森ログハウス
07/26(日)「2009東京リコーダー音楽祭」
08/08(土)守安功&雅子@西荻窪 ビストロ「サンジャック」
09/21(月・祝日)守安功&雅子@大阪市 帝国ホテル大阪 書団竹扇会第45回記念展覧会
10/16(金)守安功&雅子@長野市 こどもの森
10/17(土)守安功&雅子@長野市
10/31(土)グローニャ・ハンブリー with 守安功&雅子@福島県
11/01(日)グローニャ・ハンブリー with 守安功&雅子@さくら市
11/02(月)グローニャ・ハンブリー with 守安功&雅子@焼津市
11/03(火・祝)グローニャ・ハンブリー with 守安功&雅子@焼津市
11/05(木)グローニャ・ハンブリー with 守安功&雅子@東京・銀座 十字屋「霜月音楽会」
11/06(金)グローニャ・ハンブリー with 守安功&雅子@東京
11/07(土)グローニャ・ハンブリー with 守安功&雅子@武蔵野市
11/08(日)グローニャ・ハンブリー with 守安功&雅子@東京
11/14(土)グローニャ・ハンブリー with 守安功&雅子@坂戸市
11/21(土)守安功&雅子@三鷹市 ラ・フォルテ Tokyo Fiddle Club の会

日本の「安心」はなぜ、消えたのか—社会心理学から見た現代日本の問題点   明日配信予定の本誌2月情報号ですが、編集部の事情により、6日になります。不悪、乞うご容赦。


    山岸俊男『日本の「安心」はなぜ、消えたのか—社会心理学から見た現代日本の問題点』集英社インターナショナルはまことに面白い本で、ほとんど一気読みしてしまいました。もっともこの本は「あとがき」にもあるように、いささかセンセーショナルな書き方をしているので、「信頼社会」への道程の点では「商人倫理」の活用よりも、この本の基礎になっている『安心社会から信頼社会へ—日本型システムの行方 (中公新書)』で提唱されている情報公開&共有のほうがすなおにうなずけました。

    当ブログの関心からみておもしろいのは、この本の分析を適用すれば、アイリッシュ・ミュージックをはじめとするヨーロッパの伝統音楽に「信頼社会」の特徴が端的に現われているところです。

    ヨーロッパの伝統音楽では関わる人間を制限しませんし、情報は原則的に公開・共有されています。そこに関わる人間は伝統を尊重する一方で、情報を占有することはしないと信頼しているわけです。そういう「戦略」をとった音楽は生き残って、伝えられました。そして今や、その揺籃の地からあふれて、世界各地で繁栄しています。これはまたコンピュータの世界でのフリーウエアの在り方にも通じるところです。以前にも書きましたが、こうしてみると、独占的な著作権が守られなければ創作活動は行われないという主張は嘘っぱちであると言わないわけにはいきません。

    「安心社会」戦略をとった音楽伝統もあったでしょうが、それは消えてしまって、残っていません。カロランに代表される、かつてのアイリッシュ・ハープの伝統はその例と言えそうです。

    この本の議論に添えば、わが国の伝統音楽の問題も、「信頼社会」への移行を先取りしていると見えます。

    「安心社会」から「信頼社会」への移行は必ずしも一方通行ではないはずですし、今後も二本立てで進むだろうと著者も書いていますが、当面はわが国でも「信頼社会」への移行が続くでしょう。現在の「世界恐慌」でも、おそらく「信頼社会」への移行は促進されこそすれ、遅れることはないと思われます。

    その状況で、わが国の伝統音楽はどう変わるのか。あるいは変われないのか。

    ひょっとすると「安心社会」によって伝えられてきた既存の音楽伝統は、「信頼社会」を基盤とする音楽伝統によって置きかえられるのかもしれません。服装や文書の書式のように。(ゆ)

 ヨーロッパ中世音楽を独自の解釈で歌うネーモー・コンチェルタートの東京・国立でのライヴです。投げ銭と飲食オーダー制。

 今回はいわば「最小限」のネーモーですね。しかもアラブ・インド系の打楽器が入るのはかなり面白そうです。



8月6日(日)国立市 音楽茶屋・奏
奏:国立市東:旭通り/NTTはす向かいの谷川書店地下
国立市東1-17-20 サンライズ21 B1F
問合せTel. 042-574-1569 (奏)
16:00開店/ 17:00開演
チャージ無し:演奏者にカンパ=投げ銭と飲食オーダー

辻康介(ヴォーカル)
近藤治夫(バグパイプ/クルムホルン等)
福島久雄(ギター)
&ゲスト! 立岩潤三(パーカッション)

▼辻康介君からの手紙:

 次の日曜日8月6日はネーモー・コンチェルタートのライブです。国立市の「奏」という優雅で気取らず心安らぎ美味しく安い、そして様々なミュージシャンがライブを続けているお店です。

 今回の編成は辻・福島・近藤というネーモー編成の中でも独自の世界に入りつつある編成にパーカッションの立岩潤三さんを招きます。立岩さんはアラブやインドの音楽をよく演奏しています。今回は、この編成で「もてもてサラセン人」と同じ作曲/作詞による新曲を準備しています。タイトルは未定ですが「空飛ぶじゅうたん」とか「赤い髪の・・・」といった感じです。そして、グレゴリオ聖歌的な古い旋律を独自にアレンジした曲がまた面白いです。

 皆さんお誘い合わせの上是非来て下さい! ライブの前後お店は通常営業でくつろげます。


Thanx! > 川村さん@Winds Cafe

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