クラン・コラ・ブログ(アイルランド音楽の森)

 アイリッシュ・ミュージックなどのケルトをはじめ、世界各地のルーツ音楽を愉しむブログです。そうした音楽の国内の音楽家も含みます。加えて主宰者の趣味のグレイトフル・デッド。サイエンス・フィクション、幻想文学などの話もあります。情報やメモ、ゴシップ、ただのおしゃべりなどもあります。リンク・フリーです。

タグ:リスニング

 Qobuz の無料トライアルからの有料版への移行をやめる。確かに Tidal より音は良いが、タイトル数が少ない。あたしが聴きたいものが Tidal にはあるが、Qobuz には無いことが多い。逆のケースは1か月試す間には無かった。例外は Charlotte Planchou だが、Apple Music で聴ける。いくら音が良くても、聴きたいものが無いのでは話にならない。あたしは音楽が聴きたいので、いい音が聴きたいわけじゃない。それにひと月 1,280円のはずが、なぜか自動的に Apple のサブスクリプションにされて 2,100円になるのも気に入らない。

 Tidal などのストリーミング・サーヴィスに一度は出すが、後でひっこめる場合があることに最近気がついた。ひっこめたものは Bandcamp で売っていたりする。Bandcamp に出したものをプロモーションのために Tidal に出したものだろうか。Bandcamp の音もだいぶマシになってきて、比べなければ問題ない。購入と同時にダウンロードできるファイルも 24/44.1 以上のものが増えてきた。

 今月はシンガーに収獲。Brigitte Beraha と Charlotte Planchou。こういう出会いがあるから、やめられない。それに Sue Rynhart のセカンドでの化け方に喜ぶ。


John-Paul Muir, Home Now
 ニュージーランド出身のピアニストの新作。かなり良い。とりわけ、シンガーの Brigitte Beraha がすばらしい。この人はギタリストとの新作も良かったことを思い出し、あらためて見直す。トルコ人の父親、トルコ系ブリテン人の母親のもとミラノに生まれ、コートダジュールに育つ。父親はピアニストでシンガー。ベースはイングランドで、歌も基本は英語で作り、歌っている。歌もうまいが即興がいい。録音はソロも含め、かなりある。追いかけてみよう。


Carmela, Carme Lopez, Vinde todas
 スペイン、ガリシアの伝統歌謡を調査、研究して歌う人。すばらしい。ただし、Bandcamp の説明も全部スペイン語かガリシア語。macOS による英訳も細かいところは要領を得ない。Carme Lopez としてはこの前にパイプのソロがあり、シンガー Carmela としてはファーストになる、ということのようだ。アルバム・タイトルは "Come All" の意味。これは Carmela 自身のソロというよりも、様々なソースから集めた生きている伝統の録音を中心に、Carmela が脚色しているようだ。どの歌もうたい手もすばらしい。Carmela の脚色はアレンジではなく、その周囲にサウンドケープを配置したり、声そのものに効果をつけたりして、歌とうたい手を押し出す。録音年月日はないが、元の録音からしてすばらしい。各トラックの情報をクリックすると個々のページに飛び、そちらに背景情報がある。スペイン語であろう。macOS で英訳すると、名詞代名詞などのジェンダーがおかしい。

Carme Lopez, Quintela
 そのカルメ・ロペスのファースト。こちらはパイプ・オンリー。これは凄い。ガリシアのバグパイプはスコットランドのハイランド・パイプと楽器そのものは同じはずで、あれからどうやってこんな音を出しているのかわからん。III ではドローンでメロディを演奏しているようでもある。IV では打楽器としても使う。Epilogue は多重録音。フーガ風。バッハのポリフォニーを想わせる。パイプの限界を破っていることは認める。ではそれが音楽として面白いか、と言われると、もう一度聴きたいと思うほどではない。一度は聴いて、こういうものもあると確認できればそれでいい。


Ganavya, Daughter Of A Temple
 マンチェスター在住のインド人シンガー、ベース奏者。声からすると女性。ヴィジェイ・アイヤーとかシャバカ・ハッチングスとかが参加している。ベースは仏教系のマントラ、詠唱を音楽にしたてている。[04]は明らかに日本語の「南無妙法蓮華経」の念仏を複数の男女が称えているフィールド録音。確かに巧まずして音楽になっていないこともない。が、それらしいクレジットは無い。全体として今ひとつピンとこないのだが、聞き流してしまうにはひっかかるものがある。後半の大半はコルトレーンの A love supreme の変奏。気になって聴いてしまい、途中でやめたくなることもない。一聴面白いという類のものではない。これはむしろ集中して聴くよりも、流れに身を任せて浸る類のものだろう。UK Jazz のレヴューによればライヴで録ったずっと長い録音を編集して短かくしているそうな。


Chloe Matharu, Small Voyages 2024 edition
Chloe Matharu, Sailors And Rolling Stones
  Simon Thoumire が今週のスコットランド音楽のお薦めにした人。インド系ということで発音、発声がちがう。声はユニーク。セカンドの電子音を使った方が面白い。以前はタンカーの幹部船員として世界中を回っていて、その体験を元に歌をつくりうたっている由。

 歌詞がわかると面白い。後者は歌詞が Bandcamp にも出ていないので、何を歌っているのか、まったくわからない。発音が独得で、前者でも歌詞として掲げられているとおりに歌っているとは、信じられない。

 ファーストは自身のクラルサッハとわずかなフィドル、アコーディオン、バゥロンらしき打楽器ぐらい。後者はグラスゴーの Tonekeeper Production が電子音のバックをつけている。いろいろやっているのだが、今ひとつ単調に聞える。発音と発声もずっと同じなのも単調に聞える理由の一つか。ユニークなのだが、その声を活かす表現には思いいたらないらしい。声のユニークさに頼っているように聞える。


A paradise in the hold, Yazz Ahmed, A Paradise In The Hold; 0:10:04
 待ってました。ヤズ・アーメドの来年発売予定の新作から先行配信。すばらしい。楽しみ。来年のベスト・アルバムの一枚は当確。

Christy Moore, A Terrible Beauty
 前作よりも元気な感じ。前作はようやく声を出しているようなところがあったが、今回は余裕がある。息子のコーラスがいい。

Clare Sands, Gormacha
 4曲オリジナル。なかなか面白い。歌が入るのはいい。この人はもう少し聴こう。

High Place Phenomenon > Rat Horns, Ross Ainslie, Pool;
 新作から3曲先行リリース。あいかわらず面白い。ただ、ますますミュージック・メーカーになってきて、本人の演奏の比率は少ない。

Ride on, Lack of Limits, Just Live; 0:07:01
 ドイツ、ブレーメンのフォーク・バンド。アイルランド、ブリテンの伝統歌を演奏。Tidal に1998年から2007年まで5枚ほど。フルートの前奏から歌に入る。初めはおとなしく歌っているが、途中からテンポを上げ、アグレッシヴになり、最後はまた静かに終る。コーラスには女声もいる。途中盛り上げようとするのはジャーマン・プログレに通ずるか。

Vazesh, Tapestry
 タール、サックス&バスクラ、ベースのオーストラリアのトリオによる即興。ストリーミングでは曲間が切れるが実質は全曲1本につながる。なかなか良い。しかし、ずっと同じ調子ではあり、ここがハイライトと紹介しにくい。ラストに向かって多少盛り上がる。タールの人はイランからの移民らしい。

Ben Wendel, Understory
 ベテランのサックス奏者がリーダーのカルテット。演奏はかなり面白い。型破りの曲と演奏。4人とも面白い。今風、というのとも少し違う感じ。コルトレーンが源流なのだろうが、遊びがある。サックスのソロの時も集団即興の感覚がある。

Sue Rynhart, Say Pluto
 アイルランドのシンガーのセカンド。ヒュー・ウォレンとベースの3人。冒頭のトラディショナルがまずいい。この歌の解釈として出色。2曲目以下の自作も面白い。ファーストよりずっと良い。ヒュー・ウォレンのおかげもあるか。Christine Tobin に続く存在になることを期待。

John Faulkner, Storm In My Heart
 同じタイトルの回想録が出たというので聞き逃がしていたのを聴く。一聴惚れこむわけではないが、一線は超えている。やはりCDは買わねばならない。

Kathryn Tickell, Return To Kielderside
 16歳で出したファーストの再演。最近のものよりずっとゆったりしている。ホーンパイプがいい。

Maire Carroll, Philip Glass: complete piano etudes
 面白い曲のまっとうな演奏。JM のレヴューによるとかなり破格な解釈らしいが、まっとうに聞える方がはずれているのか。かなり集中させられる曲と演奏で、一度に聴くには3曲が限度。


 アルジェリアのウード奏者、シンガー。シンガーとしても一級。かなりのスターらしい。バック・バンドはフィドルが両端、右からダラブッカ、小型のタンバリン、左にいって短かい縦笛、斜めに構えているようには見えない。ギター、カーヌーン。ヴァイオリンはどちらも膝に立て、前で弾く。右は左利き。右が冒頭にソロ。笛以外はコーラスもうたう。本人は中央手前に右足を台の上に置いて立つ。

 短かいヌゥバ、大衆歌謡としてのヌゥバ? 構成は同じ。バンドも楽器を一人にしている。ヴァイオリンは二人。YouTube にあるものを3本ほど聴く。

Jow Music Live = Habibi (?), Abbas Righi, 0:08:43
 上の曲の別ヴァージョンらしい。

 音声のみ。ヴァイオリン、カーヌーン、ウード、パーカッション、笛。


High Horse, High Horse
 ボストンのグループ。fiddler Carson McHaney, cellist Karl Henry, guitarist G Rockwell, and bassist Noah Harrington. 女声シンガー。コーラスも。かなり面白い。テンポが自在に変わる。フィドラーか、マンドリンもある。ストリング・バンドの変形。アルバムは12月発売。

Dougie McCance, Composed
 Red Hot Chili Pipers のパイパーのソロ。Ali Hutton と Katie MacFarlane がゲスト。曲のコーダ、ドラムスを思いきり利かせた部分の録音に疑問が残る。Bandcamp の限界か。

Lisa Rigby, Lore EP
 エディンバラのシンガー・ソング・ライター。なかなかのシンガー。面白い。

Mohammad Syfkhan, I Am Kurdish
 レバノンでミュージシャンとして成功していたが、内戦で国を出て、なぜかアイルランドに落ち着く。息子たちもミュージシャンでドイツにいる由。やっているのはアラブとマグレブの伝統的大衆音楽。ヴォーカルとブズーキ。録音はリズム・マシーンをバックに歌い、弾く。録音が粗いが、音楽はすばらしい。

Wayfaring Stranger, Scroggins & Rose, Speranza; 0:05:00
 ボストンのデュオ。Alissa Rose のマンドリン、Tristan Scroggins のフィドルのみ。即興がいい。ジャズにまでなっていない。フォーク・ミュージックの範疇でなおかつ飄々としている。マンドリンは妙な音をたてる。これが三枚目。Bandcamp では初。High Horse にも通じる。こういう形のアコースティック・バンドが一種の流行なのだろうか。

Jawari, Road Rasa
 シタール奏者をリーダーとする多国籍というよりは超国籍バンドの超国籍音楽。UK Jazz では手放しの絶賛だが、確かに面白い。〈桜〉はあの「さくらあ、さくらあ、やよいのそらはあ」なのだが、ものの見事に換骨奪胎されて、明瞭に土着性を残しながらローカルなアイデンティティをはるかに超える音楽になっている。しかも陳腐になる寸前でひらりと身をかわす軽業に目ではなく耳を奪われる。

Charlotte Planchou feat. Mark Priore, Le Carillon
 ストリーミング・オンリーのリリース。ただし Tidal には無し。イントロに続く〈Greensleaves〉でノックアウト。すばらしいシンガーとピアニストの組合せ。どちらにとってもこれがファーストらしいが、これ1枚だけでも歴史に残る。UK Jazz のレヴューによれば最低でも5つの言語で歌っている。英仏独西はわかる。何語かわからないものもある。〈Mack the knife〉はドイツ語だ。とんでもないうたい手。(ゆ)

04月16日・金
 我ながら不思議なのは、グレイトフル・デッドのライヴ音源、ショウの録音は、いくらでも聴いていられる。飽きるということが無い。2年間、毎日3、4本のショウを、年代順に聴きつづけ、録音のあるショウの8割は聴いた、という猛者もあちらにはいるわけだが、毎日、3時間から4時間近く、72年のヨーロッパ・ツアーの録音を聴いて、もういい、もうおなか一杯、しばらくデッドは聴きたくない、ということにならない。
 これほど集中してデッドばかり聴いているのは、4、5年前、曲別に聴いていった時以来だ。その時は、たとえば〈Playing In The Band〉で手許にある録音を年代順に聴いていった。この曲は初めは5分で終るごく普通の曲だが、だんだん長くなって、ついには30分を超えるようになり、さらに別の曲をはさんだり、第二部全体をはさんだり、最後の締めが翌日や何本か先のショウになるまでになる。これを何曲か、定番曲でやったのは、とんでもなく面白かったし、たいへん勉強にもなった。この時も、日がな1日、朝から晩まで、何日も続けてデッドばかり聴いて、飽きることが無かった。
 それだけ好きなんだろう、ということなら、いったい、どこがそれほど好きなのか。それがよくわからない。デッドの音楽には様々な位相があって、そのどれもが好き、ということなのか、とも思ったりする。別に、ただ好きでいいじゃん、と言われればそれまでだが、むしろ何ごとにつけ飽きやすいあたしとしてはまことに珍しいことで、なぜだろうと不思議になるのだ。
 クラシックにハマりこんでいた時、マーラーに夢中になって、やたら聴きまくったことがある。マーラーがブームになってきていた頃で、FM でもよくかかったから、それをテープに録音して聴くわけだ。それがある日、ふっつりと聴かなくなり、今でも聴くのは1番だけだ。散々聴いた挙句、マーラーの2番以降は結局1番の焼き直し、というより、1番になりそうになるのを、おっとっといかんいかんと別のものにしようとするあがきの連続に聞えるようになった。
 アイリッシュ・ミュージックやスコティッシュやイングリッシュやも好きで、いくらでも聴いていられるが、デッドの場合はそれとはまたいささか違う現象のような気もする。そして、デッドの音楽に飽きない理由の中には、なにか、ひどく大事なことが潜んでいるようにも思えてくる。


##本日のグレイトフル・デッド
 04月16日には1967年から1989年まで、6本のショウをしている。公式リリースは完全版が1本。

1. 1967 Kaleidoscope, Hollywood, CA
 日曜日。このヴェニュー3日連続のランの楽日。共演キャンド・ヒート、ジェファーソン・エアプレイン。セット・リスト不明。

2. 1972 Aarhus University, Aarhus, Denmark
 日曜日。デンマーク2本目。このツアーでは唯一の大学での演奏。アメリカでは大学でよくやっているデッドだが、ヨーロッパではシステムの違いからか、これが唯一。《Europe ’72: The Complete Recordings》で全体がリリースされた。CD で2時間50分。実際には4時間。翌日、再びコペンハーゲンのチヴォリ・ホールでの演奏が予定されていて、一行はこの夜のうちに戻る必要があり、アンコールは無し。
 なお、このツアーでの移動はすべて車によった。バンドやスタッフは大型バス2台、クルーと機材はトラック。
 Aarhus はオーフスと読み、ユトランド半島東岸、コペンハーゲンの西190キロ。ただし、車では南にぐるりと回るので、移動距離はこの倍とまではいかなくても、250キロはあるだろう。オーフスはデンマーク第2の都市でオーフス大学の所在地。大学は1928年創設、会場になった Stakladen は1964年に建てられた施設で、実態はカフェテリア。長いテーブルが45台に椅子が400脚置かれていて、デッドのショウの際にもそのままだった。というのも、これらを移動する先の空間が無かったからだ。どんなに詰めこんでも700人入れば満杯で、天井に剥出しの梁にも何人もまたがったり、ぶら下がったりしていた。Stakladen は通称で、納屋、穀物倉庫を意味する。ここが会場になったのは、単純にもっと大きな会場を準備するだけの時間がなかったため。建物の片方の端から大学本部の入っている建物へ通じる廊下が楽屋だった。このツアーの録音はどれも優秀だが、このショウの録音では各楽器の距離が近く、それまでよりずっと小さな空間でやっていることもわかる。2010年にコンサート向けに改修されて、現在は週変わりでジャズやロックのギグが行われているそうだ。
 演奏はますます良い。第一部はタイトな演奏が続いて、半ば〈China Cat Sunflower> I Know You Rider〉で少し噴出しはじめ、クローザー前の〈Playing In The Band〉で様相が変わりだす。この曲はこのツアーではやる度に良くなってゆく。ここではガルシアが同じ音を引っぱり、それがバンドを引っぱる。そして第二部はオープナー〈Good Lovin'〉からすっ飛ぶ。前日に輪をかけてピグペンが爆発。さらにノリがよくなり、まったく別の歌になる。ベースとドラムスだけをバックに歌うのもカッコいい。次の〈Cumberland Blues〉ではガルシアがシンプルで面白いソロを弾きまくり、〈El Paso〉ではウィアが歌うのが愉しくてしかたがない様子で、コーダを22回繰返す。そして〈Truckin'〉から〈The Other One〉、さらに〈Not Fade Away〉を経てクロージングまでノンストップ。
 〈Truckin'〉はトラックというより、汽車の驀進に聞える。ガルシアのギターがそれに乗って翔けまわる。ここでのジャムにはひどく静かになり、ワビサビと言いたくなる時間がある。場所柄、ムンクやキルケゴールを連想したりもする。再度テーマが出てまたジャムになり、ガルシアが〈The Other One〉のテーマを初めるが、そのまままずジャムになる。しばしジャムが続いたところへごく自然にウィアがコードを弾きだして〈Me And My Uncle〉。これまでよりも速い。この曲はゆったりやると陽気なホラ話に聞えるが、速く演奏すると陰惨な話になる。語り手もロクな死に方をしないとわかる。終ると同時に〈The Other One〉にもどって、今度はより明瞭な姿をとり、歌が入る。が、2番は無しで〈Not Fade Away〉へドラムスがリードする。ガルシアはうねりのある、意表をつくフレーズのソロを展開する。そのガルシアがテーマを弾きだして〈Goin' Down The Road Feeling Bad〉へ移行。絶好調のギターを聴かせて、再度〈Not Fade Away〉へ戻り、ウィアとピグペンが掛合いをやって盛り上げて幕。
 やる度に皮が剥けて、新たな位相が現れる。ジャムはよりラディカルに、ホットな曲はよりホットになる。次は翌日、コペンハーゲン再び。

3. 1978 Huntington Civic Center, Huntington, WV
 日曜日。開演8時。デッド史上最高のショウという声も複数ある。

4. 1983 Brendan Byrne Arena, East Rutherford , NJ
 土曜日。このヴェニュー2日連続の初日。13.50ドル。第二部後半〈Black Queen> Iko Iko〉とクローザーの2曲〈Black Peter> One More Saturday Night〉とアンコール〈Johnny B. Goode〉にスティーヴン・スティルスが参加。
 〈The Other One〉の前に1分半ほどウィアが〈Little Star〉をやった。良いショウの由。

5. 1984 Community War Memorial Auditorium, Rochester, NY
 月曜日。11.50ドル。開演7時半。この街では1970年から1988年まで15本のショウをしている。うち、10本がこのヴェニュー。良いショウの由。

6. 1989 Mecca, Milwaukee, WI
 日曜日。このヴェニュー2日連続の2日目。2日とも良いショウの由。(ゆ)

0127日・木

 Tim O'Brien の昨年の新譜《He Walked On》着。アマゾンで予約したら、結局入荷せずで注文キャンセルになり、あらためて AMP で注文。ようやく入手。オブライエンは Sugar Hill Flying Fish などのマイナー・レーベルからデビューしたが、そこを卒業するとメジャーには行かずに、自前のレーベルでやりだした。だから、ずっとコンスタントに新譜を出している。しかも、どれもこれも質が高い。深く音楽伝統に棹さしていて、アメリカ人離れしているほどだ。だから、《Two Journeys》でアイルランドの名立たる連中と互角に渡りあえる。かれの音楽を好むのは、同世代というのもあるだろう。不満といえば、ライヴ盤を出してくれないことぐらい。

He Walked on
O'Brien, Tim
Howdy Skies
2021-07-09

 
Two Journeys
O'Brien, Tim
Sugarhill
2002-07-09

 それで思い出して、Hot Rize のサイトに行き、あるだけの CD DVD を注文。CD8枚。1枚品切れ。DVD1枚。送料が CD 4枚分以上。本体合計価格の半分弱。海外にいるアメリカ人やヨーロッパ人が、よくこれで文句を言わないものだ。一度、Smithonian Folkways CD Bandcamp で注文したら、送料が CD と同じくらいで、なんでこんなに高いんだと思ったら、FedEx で送ってきた。そりゃ、高くつくわなあ。1枚だけ品切れだった《Shades Of The Past》をアマゾンで注文。本体1,800円に送料380円。2割強。これでも高いと思うね。
 

 ストリーミングではとにかくクレジット情報やライナーがまったく無いから、やはりブツが必要なのだ。先日の《グレイトフル・デッドを聴きながら》も、バックのアコースティック・ギターがやたら良くて、いったい誰だ、と知りたくなり、CD を買った。ギタリストはディレクターでもある菊池琢己という人。名前を知ったからって、すぐにはご利益はないが、名前だけでもわかれば一応はおちつく。いずれまたどこかで遭遇するかもしれない。

 それに、ミュージシャンへの還元では、ブツも買った上でストリーミングで聴けば、両方から収入があるはずだし。

 こないだ、JVC だったか、ブックレットだけダウンロード販売するサービスを始めたが、Bandcamp あたりがやってくれないか。もっとも、あそこは、何を売るかはミュージシャンに任せているから、サイトとしてのサービスはやらないかもなあ。ミュージシャンによっては Bancpamp 内のページにクレジット情報を載せたり、デジタル版を買うと、ブックレットを PDF で付けてくれる人もいるが、全部じゃないしねえ。



##本日のグレイトフル・デッド

 0127日には1967年と68年の2本のショウをしている。公式リリースは無し。


1. 1967 Avalon Ballroom, San Francisco, CA

 このヴェニュー3日連続の初日。共演クィックシルヴァー・メッセンジャー・サーヴィス。ポスターには開始時刻や料金が入っていない。

 この日のものとされる7曲1時間強のテープが出回っているが、それが実際にこの日のものかどうかは定かではない。また、確定するためのデータも無い。1967年のいつかのものではある。

 この頃はテープが残っているだけでも奇蹟的だ。その点ではアウズレィ・スタンリィ通称ベアは先駆者で、サウンド・エンジニアでもあったから、自分が担当したコンサートはデッドに限らず録りまくっていた。その成果が "Bear's Sonic Journals" として、息子たちがやっている財団から次々にリリースされている。ロックだけではなく、アリ・アクバル・カーンなんて人のものもある。

 デッド最初期のサウンドボード録音はたいていがベアの手になり、音も良い。


2. 1968 Eagles Auditorium, Seattle, WA

 このヴェニュー2日連続の2日目。4ドル。午後9時から午前2時まで。(ゆ)


このページのトップヘ