クラン・コラ・ブログ(アイルランド音楽の森)

 アイリッシュ・ミュージックなどのケルトをはじめ、世界各地のルーツ音楽を愉しむブログです。そうした音楽の国内の音楽家も含みます。加えて主宰者の趣味のグレイトフル・デッド。サイエンス・フィクション、幻想文学などの話もあります。情報やメモ、ゴシップ、ただのおしゃべりなどもあります。リンク・フリーです。

タグ:ルーツ

 今年最高のライヴ。今年は水準の高いライヴが多く、先週のザ・なつやすみばんど+ tricolor はじめ、「今年最高!」がいくつもあるのだが、これは「夢の共演」の実現がそのまま期待どおりに期待を超えてくれて、身も心もとろける想い。

 林氏のライヴは何回か見ていて、どれもすばらしいものだったが、どちらかというと隙間の多い、むしろ静かな思索系の音楽の印象が強かった。グルーベッジのような、「はしゃぎ系」の、精神としてはジャズよりもロック寄りのアンサンブルで氏のピアノを聴くのは初めてだ。それがどうなるのだろうというのが、期待のポイントの一つだったわけだ。

 まず面白いかったのは林氏が入ることで、グルーベッジのバンドとしての性格が顕わになったこと。大渕さんがいることと、ドラムス系のパーカッションがいるから、あたしが見ている中で編成とサウンドが一番近いのはハモニカクリームズだ。ハモクリのアンサンブルは清野さんを中心として、ハープとフィドルのフロントが引張る形だ。個々のミュージシャンの展開の積み重ねになる。グルーベッジではバンドの中心はナベさんのパーカッションになる。これがアコーディオンとフィドルのフロントを押し出す。アニーも含めてソロも少なくないが、他の3人の演奏はパーカッションにつながっていて、バンド全体のアンサンブルとしての性格が強い。

 ハモクリにドラムスが入る形で見ることが多いのだが、ハモクリのドラムスは田中さんも含めて、アンサンブルの土台を据えて、ビートをキープする役割だ。グルーベッジのナベさんはおとなしくビートをキープするよりも、自分から走りだす。いわば、ナベさんのパーカッションがキント雲となって他のメンバーを載せて、天翔ける。ビートのキープはアニーのギターが担う。

 そこに林氏のピアノが加わると、リズム・セクションが充実する。終演後にアニーも言っていたが、ギターだけだと時に充分ではないと感じていたところへ、ピアノによって厚みが加わり、奥行も深くなる。カルテットのグルーベッジに何か欠けているわけではないが、ピアノが加わったクィンテットは理想により近い。

 それにしても林氏のピアノ表現の多彩多様なことにはあらためて驚かされる。何気ない、どこにでもありそうなフレーズがさらりと入れるだけで、音楽の全体の味わいがぐんと深くなる。かと思うと、おそろしくトンガった不協和音を叩きこんで、突如別世界を現出させる。他のメンバーを煽り、またより奔放な展開を誘う。

 冒頭4曲、グルーベッジのカルテットで演奏し、5曲目に林氏が入ったのだが、これがまず凄い。グルーベッジのメンバーは林氏が入るというだけで一段ギアが切り替わる。曲は〈パラドックス〉で、アコーディオンからソロを回してゆくのを、ピアノが裏でさらに煽る。フィドルから受けたギターはいきなりテンポを変えてロックンロールになり、さらにぐんとテンポを落としてブルーズになり、これをピアノが受けて見事なブルーズ・ピアノで入り、またもとの曲にもどる。これだけでも来た甲斐があると思っていたら、後半にさらに凄いものが待っていた。

 せっかくだからとやった林氏の2曲は、この世のものとも思えない至福の音楽。1曲めの〈ブルー・グレイ・ロード〉は間を奏でるのレパートリィとして馴染んだ曲だが、ここでもソロを回して、まったく別の様相を見せる。この日はどの曲でも秦さんのアコーディオン・ソロがすばらしい。何をどう精進するとこうなるのであろうか。繰り出してくるフレーズがいちいち腑に落ち、胸に染みる。

 2曲めは林氏の「五十音シリーズ」の1曲〈ソタチ〉、「ソ」の音が全体の音の4分の3を占めるという曲で、なるほど同じ音が連発されるのだが、これがまた面白い。林氏の曲は、理詰めで始まりながら、そしてその理屈がずっと筋を通しながら、同時に破天荒にすっ飛ぶのが特徴なのだが、その象徴のような曲。演奏の難易度は相当に高そうだが、皆さん、それは楽しそうに演る。

 ピアノが入った演奏を聴いていると、どこかでこういう感覚は味わったことがあるな、と思えてきていた。この2曲を聴いたところで思い当たった。ザッパなのだ。ナベさんはテリィ・ポジオだ。

 幸いにこの日のライヴはビデオ収録され、CSの Music Air ライブ・ラボで10/27、24:00から放映される由。こいつはちゃんと録画しなければいけませんぜ、皆さん。

 それにしてもぜひぜひ、この形は続けてほしい。林氏も楽しそうだったし、グルーベッジも林氏と演ることでさらにまた1枚も2枚も剥けそうだし、録音も作ってほしいと切に願う。

 いやあ、ほんと、生きててよかった。(ゆ)

Groovedge
 秦コータロー: keyboard accordion
 大渕愛子: fiddle
 中村大史: guitar
 渡辺庸介: percussion

林正樹: piano



 ギターという楽器は有無を言わさず引きこむところがある。ルーツ・ミュージックを聴くようになって、フィドルとかパイプとか、いろいろな楽器の魅力を知っても、20世紀後半に青春を過ごしたあたしのような人間には、ギター、それもアコースティック・ギターは特別の存在だ。そもそもアイルランドやスコットランドの音楽に惹かれていったのも、ギターの音に誘われてのことだった。スコットランドのディック・ゴーハン、イングランドのニック・ジョーンズ、アイルランドのクリスティ・ムーア。ペンタングルは初めに聴いていたけれど、本当にいいと思えるようになるには時間がかかった。わかってしまえば、やはり最高ではある。

 ギターはまたリズムとメロディを両方できるし、同時に演奏できる。主役にも脇役にも、まったくのサポートにもなれる。比較的習得が容易で、1台でこういうことができる楽器は他にはほとんどない。20世紀後半にギターが普及したのには、この特徴が一役買っているだろう。昨日は弦を弾くだけでなく、ボディを叩いて音をだす奏法も使われた。叩く場所と叩き方によって、かなり多彩な音を出す。

 福江さんはどちらかというとカッティング主体のリズム・ギターの奏者というイメージだったのだが、昨日はソロ・ファースト・リリースを記念してのライヴでもあるからか、実に多彩な奏法を駆使して、初めて正体を顕した。特徴的なのはハーモニクスとボディを打楽器にする手法だが、右手でボディを叩きながら、左手で弦を弾いてメロディを奏でたり、右手の指の爪側を叩きつけたり、ネックの上側に左手を回して弦を押えたり、まあ、それはいろいろやる。もちろん、そういうことをやる、披露するのが目的ではなくて、それらはあくまでも手段だ。ただ、福江さんの手は大きく、指は長く、見ていてもなかなか面白い。

 曲はオリジナルで、ソロに収めたものが中心。どれも佳曲で、面白い。もともとはパンクやグランジが出発点だそうだが、曲は細部まで神経のゆきとどいた、繊細な要素が美しい。一方で、大らかで、開放的でもあり、全体の印象はゆったりしている。

 高橋さんはライヴでギターを弾くときはこれまで常に伴奏だったので、ギターを正面から弾くライヴは初めてだそうだ。福江さんと高橋さんは、最近、名古屋で偶然初めて顔を合わせたのだが、会った瞬間、波長が合うことを二人とも感じたという。相性の良さはなるほど尋常ではなく、冒頭、〈Music for Found Harmonium〉でたがいにリードをとり、リズムに回って、いきなり全開になる。

 高橋さんがリードを弾くのはあたしも初めて聴くので新鮮。福江さんに比べると、シャープで芯が太く、突破力がある。これが一番出たのは、前半の後の方で、リールをピッキングで弾いたとき。ソロでやっている高橋さんに、もうたまらんという調子で福江さんが合わせたのはまず最初のハイライト。メドレーにはせず、結局1曲を何度もリピートしたのだが、そうは思えないくらい、充実した演奏。

 それぞれのソロも良いのだが、二人での演奏は格別だ。今日の昼間、初めて合わせてみたというのは信じられない。アップテンポだけでなく、カトリオナ・マッケイの〈Swan LK243〉がすばらしい。スローなメロディがユニゾンになるのがそれはそれはカッコいい。

 ギター2本のライヴはどんなになるのだろうと、半分不安も無いといえば嘘になるが、実際のライヴは今年ベストと言ってもいいくらい。例によってベストはいくつかあるけれど、美味しい音楽を腹一杯聴かせてもらった、堪能したということでは、tricolor BIGBAND のものにも匹敵する。

 シンガーのひきたさんが来ていて、1曲唄う。〈Down by the Sally Garden〉のメロディに、福岡の笛吹きのおじいさんがつけた日本語の歌詞が良い。これまた、この日の昼に合わせてみたという、二人のギターをバックにした唄はもう一つのハイライト。間奏で、思わず自然に出るようにスキャットしたのもさらに良かった。

 ギターという楽器の魔法、相性の良い、それぞれに優れたミュージシャンの組合せという魔法、そして場所の魔法が合わさるとこういうことになる。あまりに良いので、今日は下北沢・レテである福江さんのライヴにも急遽行くことにする。今日の相手はアニーだそうで、これはまた楽しみ。今年はセーヴしようと思って、8月はあまりライヴを入れていないのだが、これだからライヴ通いはやめられない。(ゆ)


fluctuation
福江元太
gyedo music
2018-08-29


 先週木曜日、横浜は日本大通りにある「横浜開港記念会館」で開かれたこのライヴに行ったのは、ジョンジョンフェスティバルのメンバーが3人ともメインのバンドに参加していたためだ。ここは大正期の姿を残す古い建物で、重要文化財の由。なるほどおもしろい外観の建物で、こういうところでライヴというのも趣があるな、とは思ったが、周囲の街衢がまったくこれを考慮していないので、どうも浮き上がった感じは否めない。まあ、ひとめでこれがそれだなとわかるのはメリットかもしれない。

 この催しはペリーの黒船の来航によって日米の付き合いが始まって160年を記念するのが趣旨で、その黒船に乗ってやってきた軍楽隊の音楽を再現しようという試みである。この軍楽隊についてはいろいろ史料も残っていて、当時のイラストや曲目表から、ミンストレル・ショーであったことがわかっている。顔を黒く塗るのはまあ別として、それ以外は衣裳や照明にいたるまできちんと再現し、アメリカのポピュラー音楽がこの列島で初めて響いた様を実際に聴かせ、聴いてみようというわけだ。

 「外国」の音楽が列島にやってきたのはこの時が初めてではない。そもそも雅楽は大陸から渡来したわけだし、ヨーロッパの音楽にしても、戦国末期に来ている。とはいえ、雅楽は宮廷音楽だったし、信長や家康が聴いていたのは教会音楽がメインであっただろう。北米で独自の発達をした「ポピュラー音楽」がわたってきたのは黒船とともにであり、以来、われわれはずっとそれを聴きつづけ、さらには演りつづけてこんにちにいたっている。その成果はこの日、ここで形になった通り、日本語ネイティヴだけで当時の音楽を再現できるようになっていることにも現われている。さらには黒船の楽隊が演じていた音楽から派生したアメリカのポピュラー音楽、ここで演じられたのはブルーグラスやディキシーランド・ジャズだったが、そういう音楽を本場とまったく変わらない形で体験できるまでになった。

 ライヴは二部構成で、第一部が黒船のミンストレル・ショーを再現したバンドによる演奏、第二部がその源流となり、またそこから派生した音楽の演奏。全体のナヴィゲーターを東理夫氏が勤める。東氏は本業は作家だが、ブルーグラス愛好家で演奏者でもあるらしい。

 この企画全体はそのために財団法人をあらたに立ち上げ、学術的にもきちんとしたものにしようとしていて、ライヴだけでなく、当時の史料や楽器の展示や講演なども含んだものだ。もっとも、あたしは不真面目にもライヴだけを目当てに行ったので、展示や講演は見る暇がなかった。行ってみたらそういうものがあると知ったくらいで、主催者としてはあまり歓迎したくはない客であったろう。

 そういう趣旨であるから、ライヴの前に財団法人の理事長の挨拶やら賓客の紹介やら、さらにはアメリカ国務省日本語研修所所長の挨拶もあった。あの所長は日本との関係ということで狩りだされたのであろうから、ここで演奏された音楽に興味があったかどうかはわからない。アメリカの白人だって皆がみんな、ブルーグラスやアイリッシュやディキシーランドを好きとはかぎらないわけで、かれがこの日のライヴをどう聴いたか、訊いてみたい気もする。

 音楽自体はそれほど真新しいというか、目からウロコが落ちたということはなく、なるほどこういうものであろうな、と思えるものだった。むしろ、当時の日本人たち、幕府の役人たちだったわけだが、かれらがこれをどう聞いたのかは興味が湧いた。そもそもこれを「音楽」と受け取ったのかどうか。会場で配られたチラシに三井徹氏が書かれていたように、当時の日本人にとっての音楽とはまったくかけ離れたものであっただろう。どうやらこの催しを「楽しんだ」ことは確かなところらしいが、たとえばぼくらが「音楽」として聴くように楽しんだのでは無いのではないか。ミンストレル・ショー自体が単純に音楽を聴かせるというよりは、踊りや寸劇を含むバラエティショーであったわけで、日本側も観客を「楽しませる」娯楽、エンタテンイメントとして「楽しんだ」のではないか、とも思える。

 それにしても、どうしてこういうことを、つまり黒船の音楽の再現を思いつかれたのか。確かに、関係する書物を読んでいると、この音楽を聴きたい、とは思ったものだが、それを実現してしまう人がいたのには、正直驚いた。言い出しっぺであり、推進役として実現にまでこぎつけたのは、黒船再現バンドのバンマスでもある原さとし氏だそうだが、かれはどうしてそこまで入れこめたのか。

 原氏にとっての鍵はどうやらバンジョーらしい。かれ自身、ブルーグラス・バンジョーの名手であり、黒船バンドの絵にあったバンジョーがきっかけにも、推進力にもなったと思われる。そもそもミンストレル・ショーに関心を持つのは、たとえばアイリッシュ・ミュージックのファンよりはアメリカン・ルーツ・ミュージックに興味のある人であろうし、となればわが国ではまずブルーグラスの愛好者になるだろう。オールドタイムの愛好者でもかまわないわけだが、どうもブルーグラスとオールドタイムのファン層は重ならないらしい。

 なにしろこの日、ステージで演奏した人たちの中にはバンジョーの名手が3人いた。この日はやらなかったが、ジョンジョンフェスティバルのアニーもバンジョーをやるし、あるいは他にもいたかもしれない。

 第二部はまずジョンジョンフェスティバルが2曲やり、ディキシーランド・ジャズがやり、そしてブルーグラスという順番だったが、ブルーグラスの演奏を見てまず思ったのは、その「伝統」の厚さである。つまり、ブルーグラスがわが国で受容され、演奏されてきた伝統の厚みだ。目をつむれば、ここは日本かと疑えるし、目を開けても、ステージにいるのは日系アメリカンと言われても疑問には思うまい。

 そこで興味深かったのは、この3つの受容のスタイルの違いだ。それがそれぞれの音楽の出自によるものか、あるいはこちらの世代によるものかはまだわからない。

 しかし、違いは明瞭だ。アイリッシュは一番トンガっていた。独自の展開を志向しているのだ。そしてアイリッシュ・ミュージック自体にそうしたことを許容し、あるいはむしろ推奨するような開放性が備わっていることも確かではある。

 ブルーグラスでは、ディキシーランドもだが、演奏する人たちはひたすら相手になりきろうとする。もちろん独自の要素はあるが、一定の枠がはっきり存在し、その中で展開される。その意味ではブルーグラスもディキシーランドも内向的である。定まった枠から出ようとは思わない。愛好者はその世界の「閉鎖性」そのものに惚れこんでいるのではないだろうか。

 その「閉鎖性」は決してマイナスな要素ではなく、いわば俳句の字数にも相当するだろう。定型であるゆえに追求できることもある。

 そこでもう一つ思いついたのは、ブルーグラスにしてもディキシーランドにしても、「商業音楽」、商品として売るために成立していることだ。定型はそのためでもあるはずだ。出るたびに形が変わってしまっては「商品」としては落第だ。ロック、ジャズ、レゲエ、ソウル、ブルーズ、ヒップホップ、みなその点では同じ。次々に新しいフォーマットが生まれるが、生まれたフォーマット自体が変化することはない。

 アイリッシュ・ミュージックのような伝統音楽にあっては定まったフォーマットは無い。あるように見えるのは、たまたま「今」そういう形をとっているのであって、少しずつではあるが、常に変化している。変化の幅が小さい、あるいは目立たないゆえに同じに見えるだけだ。言い方を変えれば、伝統音楽は変化することを恐れない。むしろ、それを担う人びとの嗜好に応じて積極的に変化する。そうでなければ、アイリッシュ・ミュージックにおけるリールやポルカの導入も、蛇腹の導入もありえないし、〈パッフェルベルのカノン〉が定番になることもない。そして、変化することで生き延びている。変化は全体が一斉に変わるものでもない。むしろ、多様性が増す形をとる、あるいは多様性を確保する方向に向かう。

 そこでオールドタイムを見ると、こちらはブルーグラスに比べると商業音楽として定まっていないようでもある。アイリッシュ・ミュージックに近い。ファン層が別れるのもそこではなかろうか。乱暴に言ってしまうとブルーグラスにはオールドタイムの「いいかげんさ」がガマンできない。オールドタイムにはブルーグラスの「厳格さ」が堪えられない。

 ブルーグラスがミンストレル・ショーに親近感を持つとすれば、商業音楽としての共通性からではないか。単に祖先のひとつだから、というのではなさそうだ。そしてオールドタイムはミンストレル・ショーとならべてみれば、むしろその祖先にもなるだろう。

 「商品化」は同時に「普遍化」も伴う。商品化以前の音楽が備えていた土着性ないし「匂い」を隠し、エッセンスを押し出す。もともとのコンテクストから切り離し、それよって、商品化以前の音楽が想定している聴衆の外への訴求力を、結果として獲得する。西欧クラシックの拡散も同じだ。ミンストレル・ショーが生まれた19世紀は商品化による普遍化の時代でもある。16世紀に、あるいは7世紀に「外国」の音楽が入ってきたときに、その音楽が列島に広く普及することはなかった。幕末に入ってきた「外国」の音楽は普及してゆく。

 そう見ると、ここにオールドタイムが無かったのは当然であり、アイリッシュ・ミュージックが「浮いて」いたのもまた当然だ。

 こういう試みに関心をもち、ライヴを聴きにやってくる人たちはどういう人たちなのだろうと不思議だったのだが、どうやら大部分はブルーグラスのファンだったようだ。400人ほど入るという講堂は満席で、老人といえる人たちがほとんどだった。ぼくなどは若い方ではなかったか。歓声もブルーグラスの人たちに多く飛んでいた。

 いろいろな意味でおもしろい、刺激の多いライヴだった。音楽そのものも楽しめたが、それと同じくらい、もくもくと興味が湧いてきた。これを実現された方々と、誘ってくれたトシバウロンに感謝。(ゆ)

 人生最高のライヴだった。

 もちろん人生最高のライヴはいくつかある。とはいえ三本の指に入る。

 良いライヴというのが稀なのは、それを形作るさまざまな条件が全部うまくはまることが稀だからだ。ミュージシャンの体調、リスナーの体調、会場の特性、曲の選択と配置、当日の天候、聴衆の性格、その他にもいくつもの要素がぴたりと合って初めてライヴは成功する。

 まず会場がすばらしかった。演奏は最高だった。曲の流れが練りに練られていた。聴衆は音楽をよく知っている。一年で一番良い季節。

 なかで一番の貢献をしていたのは、つまりこの夜の主役は会場だ。

 求道会館は「きゅうどうかいかん」と読み、もともとは浄土真宗大谷派の会堂として百年前に建てられた。建てた人と設計した人については公式サイトに詳しい。外から見ると洋館。中に入ると教会のような柱のない、しかも高い空間の正面、教会ならば祭壇や十字架が掲げられているところに六角堂がはめこまれており、阿弥陀如来の立像が安置されている。六角堂は壁の裏側にもちゃんと続いている由。床は板張り。そこに3人掛けの、やや座位の低い長椅子が並べられている。教会のように両側に二階席があり、その下は身廊ともみえて、つまりロマネスク様式でもある。二階も床は板張りで、内へ向かって段々になっている。やや大きめの窓にはすべて板が打ち付けられているが、後で聞くと吸音材だそうだ。中は土足厳禁で、靴を抜いでスリッパで入る。ミュージシャンたちも靴下だった。リアム・オ・メーンリなら大喜びで裸足になるところだ。

 今世紀に入って建築主の子孫が主体となって修復し、主に真宗の講演や行事に使われており、一方で様々なライヴも行っている。辻康介氏をはじめとする古楽が多いらしい。地唄の藤井昭子氏が定期的に演奏会を開いているとのことで、これは一度来よう。

 とにかく音が良い。ローゲルのギターに、本人がいつも持ち歩いている小さなアンプで軽く増幅をかけた他は完全に生音。それがかつてなくよく聞こえる。かれらの本当の音を初めて聴いた。ニッケルハルパの倍音の重なり、ヴィオラのふくらみ、十二弦ギターの芯の太さが、はっきりと聞こえる。もちろんバラバラに聞えるのではなく、アンサンブルとして、一個の有機体としてやってくる。適度の湿り気をふくんだ弦の響きがまっすぐに伝わってきて、背筋に戦慄が何度も走る。

 響きのよい会場ならば、ミュージシャンたちの意気込みもちがってくる。来年結成25年を迎えるヴェーセンは、いま現在、これまでないほど多忙なそうだが、その多忙さは良い方に作用している。今回は、とりわけ東京での会場が普通のコヤではないところが、よい刺戟になっているのだろう。この前の晩は科学博物館で恐竜の骨格標本に見下ろされての演奏だったし、この日は阿弥陀様が見守っていた。教会のような威圧的なところもなく、寺のような抹香臭さもない。それでいて、どこか敬虔な気持ちがわいてくる不思議な空間。この空間ですばらしい音楽に洗われて、身も心もすっきりと晴れやかになってくる。アルテスの鈴木さんも風邪が治ってしまった。

 あまりにすばらしかったので、ほんとうに久しぶりに打上げに参加させてもらった。かれらの英語は実に聞き取りやすく、わかりやすい。ローゲルから、英語で書かれた日本の歴史の良いものはないか、と訊かれた。後で調べて連絡することにする。スカンディナヴィアのバンドで最初に聴いたのは何だというので、Folk Och Rackare と答えるともちろん知っていた。リード・シンガーの Karin Kjellman は健在で、いまもうたっている由。Rackare は死刑執行人のことだとミッケが言うと、ウーロフがそうではなくて皮剥職人のことだと言う。いずれにしても賤民とされた人びとをさすらしい。

 それをバンド名に掲げたこの先駆者はやはりその後のスウェーデンのミュージシャンに甚大な影響を与えたそうだ。かれら自身はスウェーデンとノルウェイの混成バンドだったはずだが、カリンの気品に満ちたヴォーカルを中心に、民衆の野生と粘りを格調の高い音楽として演じていて、今聴いてもあれだけのものはなかなかない。ローゲルによればかれらはまたフェアポート・コンヴェンションに影響を受けていて、それは最後のアルバム《RACKBAG》にリチャード・トンプソンが参加しているのでもわかる。ここでのトンプソンの演奏は一世一代といってもいい。ローゲル自身、フェアポートにははまったそうだ。

 久しぶりに遅くなって時間計算をあやまり、これまた久々に終電を逃して手前の駅からタクシーをとばす破目になったが、そんなことは全然気にならない夜だった。

 このライヴを実現してくれたバンドはもちろん、招聘元ののざきさん、そして会場のコーディネート担当鷲野さん、そしてこのすばらしい建物を修復し、使用して後世に伝えている会館オーナーに心から感謝する。(ゆ)

    アリソン・クラウスとの《Raising Sand》とそれに続く Raising Sand Review でもののみごとにスターダムに復帰したロバート・プラントが、新たなバンドを立ち上げてツアーを始めています。
   
    レイジング・サンド・レヴューもすばらしかったのですが、そのツアーの後期に参加したバディ・ミラーとプラントはとりわけ意気投合したらしく、この新バンドはバディがバンマス、パティ・グリフィンがセカンド・シンガー、ダレル・スコットが脇をかためるという布陣。ベースはバイロン・ハウス、ドラムス&パーカッションは Marco Giovino。
   
    バディとパティとダレルももちろんリード・ヴォーカルをとれる、というよりはシンガーとしてもプラントとどちらが上かという人たちです。
   
    インストルメンタリストとしても、バディのギターはいわずもがな、ダレルはギター、マンドリン、ペダルスティール、いずれも達人です。ドラムスのマルコは若い人のようですが、ベースのバイロンはナッシュヴィルのベテランとして引っ張り凧の人。
   
    さらにバディ、ダレル、パティの3人はソングライターとしても第一級。
   
    とまあ、ほとんど「スーパーグループ」ですけど、たとえばここにあがっているビデオなど見ると、コンパクトにまとまっている分、レイジング・サンド・レヴュー以上にすばらしく、9月に予定されている新譜(プロデュースはもちろんバディ)がとても楽しみになってきました。バディが脚光を浴びるきっかけとなったエミルー・ハリスの《Spyboy》の感じに似てますね。

    パティ・グリフィンは先頃バディのプロデュースで大傑作《Downtown Church》をリリースしましたし、バイロンはバディとのつきあいも長いわけですが、ダレル・スコットを入れるというアイデアは誰のものなのか、ちょっと気になります。アメリカでのプラントのファンはもちろん、バディのファンでも今回のツアーまでダレルの何者か知らなかった人も結構いるらしい。
   
    もっとも(ゆ)にしても《TRANSATLANTIC SESSIONS 3》での、すばらしい演奏で初めてかれの存在を知った口ですから大きなことは言えません。いずれにしても、これからアメリカ、英国とツアーが予定されていますから、これでダレルに光があたるのはめでたいことではあります。
   
    上記サイトにはツアー初日のメンフィスでのセット・リストもありますが、結構幅広い選曲で、レイジング・サンド、このバンドのこれから出る新作、バディ、パティ、ダレルそれぞれの曲にくわえて、ツェッペリン時代のレパートリィも結構やっていて、しかも完全に別の曲にしているのが楽しい。レイジング・サンド・レヴューでも〈Black dog〉のみごとなアレンジが光ってましたが、あれで味をしめたか。


   
    昔とまったく同じことを十年一日まったく変わらずに繰り返す、たとえば今のストーンズのようなやり方を喜ぶ人は多いのでしょうが、(ゆ)は古い曲をとりあげても、別のやり方で、その時々のその人にふさわしいやり方で解釈しなおす方を良しとします。その間の経験をぶちこんで味わいの増すこともあるわけで、その点、レイジング・サンド以降のプラントは、実に良い年のとり方をしています。
   
    そのレイジング・サンド・レヴューのツアーの最中にツェッペリンの再編コンサートがあったわけですが、まだ再編を続けることに未練のあったらしいページを尻目に、コンサートが終わるとプラントがさっさとレイジング・サンド・レヴューのツアーにもどったのも、無理はないでしょう。
   
    もっともプラントはレイジング・サンド以前も、売れないながらかなり面白い音楽をやっていたことは、遅まきながら、後追いで聞いてもわかります。おのれの過去にからめとられてしまっているようなページとは対照的に、自由に好きな音楽を求め、うたいたいうたをうたいつづけてきたその結果として、今、豊かな収穫の時を迎えていると見えます。
   
    レイジング・サンドのだいぶ前、2003年に、例のサハラ砂漠の奥地で開かれる「砂漠のフェスティヴァル」にジャスティン・アダムズと二人で出た時の録音が、このフェスティヴァルのライヴ記録に入っていました。どブルースをやっているのですが、これがひどく良くて、当時ちょうど売り出し中だったティナリウェンなんかとならんでもまったく遜色なく、へー、プラントもいいじゃん、と見直したことでありました。フェスティヴァルの公式サイトに掲載されていたプラントの写真がまた良くて、かれがロックの大スターと知る人間は誰もいないところで、のびのびしている様子が出ていました。
   
    「砂漠の音楽祭」の公式サイトはこちら
    トップ・ページにプラントの言葉が引用されてます。
    「(ここでうたうと)そもそもなんで俺がうたをうたうようになったのかを思い出すよ」
   
    このアルバムの昔『CDジャーナル』に書いた紹介文。

        FESTIVAL IN THE DESERT
        Triban Union/World Village 4980020
         今年1月、マリ共和国ティンブクトゥの西60キロ(車で5時
        間)のエッサカネで「砂漠の音楽祭」の第3回が開かれた。サ
        ハラ砂漠の文字通り真只中にテントを張った会場へと、聴衆の
        大半は駱駝に乗ってやってきた。そして世界一辺鄙な場所での
        音楽祭はサハラ文化圏の新たな展開を高らかに告げる魔法のイ
        ヴェントとなった。その音による記録がこれである。アリ・ファ
        ルカ・トゥーレ、ウムウ・サンガレを筆頭とする地元のスター
        たちが目白押しだが、モーリタニアやイタリア、フランス(ロ・
        ジョ)、なぜかアメリカン・ネイティヴのハード・ロック・バ
        ンドやら、ロバート・プラント&ジャスティン・アダムスとい
        う名前まである。なじんだ名前も初耳の人びとによるものも、
        どの音楽も地上に初めて生まれ出たときのように輝いている。
        老ロック・スターにまで砂漠の神が降臨している。これを聞け
        ば来年1月あなたはサハラに旅立つだろう。生還の保証はない
        が、こういうものを聞きながら死ねれば天国だ。
        2003.11.28
   
    レイジング・サンド・レヴューは大所帯でもあり、呼ぶのは難しかったかもしれませんが、このバンド・オヴ・ジョイなら少人数ですし、集客はプラントだけでも十分でしょうから、ぜひ、どこかに呼んでもらいたいところです。バディとパティとダレルとバイロンが来るなら、何をおいても飛んでゆくというあたしのような人間も、少数ながらいるでしょうし。(ゆ)

    キキオンのライヴがあるそうです。をを、鞴座との共演ですね。

08/01(日)東京・下北沢・lete
open 19:00 start 20:00 <2 stage>
予約2,000円+drink / 当日2,300円 +drink

09/23(木・祝)東京・吉祥寺・MANDA-LA2
open 18:30 start 19:30 2,500円+ 1drink order
w/ 鞴座 (from 大阪)
金子鉄心: イルン・パイプ(アイリッシュ・バグパイプ)ほか管楽器
藤沢祥衣: アコーディオン
岡部わたる: guitar, per

キキオン
vo.concertina.etc.十時由紀子 / g.bouzouki 小熊英二 /accordion.etc.佐々木絵実

Thanx! > 小熊さん@キキオン

    われわれのような貧乏人はバブル崩壊からこちらずーっと不況で、ゼロ金利でカネを吸いあげられ、税源の地方移譲の形で増税され、健康保険料は毎年上がり、これでもっと買い物をしろ、カネを使えといわれたって、もう絞られつくして鼻血も出ないよ。だいたい、景気回復したところで、潤うのは大企業や天下り官僚ばかりで、そこの社員も含めて、まっとうな暮らしをしようとしている人間には恩恵はまったくないことは、この10年で身にしみたからねえ。景気なんて回復しなくていいから、貧乏でもいいから、もっとのんびりと暮らしたいもんだ。
   
    だからいくら不況だと言われても、それでダメージを受けるのは金持ち連中と大企業や天下り官僚も含めてそこにたかってるやつらだけで、こちとらカンケーネーと思っていたら、今月号の fRoots だ。わざわざ1ページ使って、助けてくれと訴えている。先日の PASTE の「救済キャンペーン」にも驚いたが、こっちはもっとびっくりした。こうなってくると確かに不況は他人事ではない。
   
    fRoots は広告への依存が比較的少なく、読者層も強固だから、今すぐどうこうなるという状態ではないと書いてるし、イアン・アンダースン編集長の口調もいつもの軽妙なものだが、こういう訴えをせざるをえなくなっていること自体、かなりの危機感を抱いていることのあらわれだろう。これまでと同じ調子では早晩本物の危機がやってくると踏んでいる。
   
    そもそもこの雑誌は世の流行を追いかけることはせず、自分たちがおもしろいと信じた音楽を追いかけてきた。レコード会社とのタイアップなんてやったことはないし、ライヴやソフトの評価にしても、中味のないものを持ち上げたこともない。だから、誰も知らない音楽や音楽家をとりあげて驚かせても、ぼくらはかれらのセレクトを信じる。ここで最初にとりあげられたものが、後で流行することはよくある。
   
    この雑誌で良いと書かれていれば、評価しているやつは本気で良いと思っている。誰かに頼まれたからと、思ってもいないこと、感じていないことを書くことはない。そういう信頼があるから、われわれはこの雑誌に書かれていることを信用する。たとえ自分の評価とは違っても、書いている人間の誠実さを疑うことはしない。
   
    読者の年間CD購入数の平均が50枚を超えるというのも、そういう信頼の上に築かれてきたのだ。
   
    この数字はたぶん世界一ではないか。どこの国のどの音楽雑誌の編集者、発行人でも、うらやましく思わない人間はいまい。
   
    その雑誌に広告を出さなくなっている、というのはいかにレコード会社が苦しいか。ここに広告を出しているのは、メジャーは少なく、ほとんどは各地のインディーズだ。ここに出すかわりにどこか他の媒体に打つというのも考えられない。広告といっても、ミュージシャン名、アルバム・タイトル、ジャケ写をならべるくらいで、むしろ「こんなん出てます」という告知に近い。
   
    fRoots の場合、まだ救いがあるというのは、ライヴに足を運ぶ人の数は減っていないのだそうだ。あちらはこれからフェスティヴァル・シーズンだが、各フェスの前売券の売れ行きも好調で、対前年比10%増というフェスもあるらしい。海外へバカンスに行っていた人たちが、フェスに回っているのかもしれないが、まずはめでたいことではある。
   
    あちらのフェスティヴァルは、ごく限られた年齢層が集まるわが国のものとはちがって、家族ぐるみで遊びに行ける。それこそ生まれたての赤ちゃんから、じじばばまで、楽しめる。
   
    もちろん、そこには、どの車もタダである高速道路とか、広くて使いやすい公園とかのインフラがあり、さらにはこうしたイベントに様々なかたちで便宜をはかり、カネをつぎこむ地方自治体がある。造るときだけカネをかけるハコモノとはちがって、フェスティヴァルは数万から数十万の人間が毎年集まる。そこで生みだされる音楽(だけとはかぎらない)がまず財産だが、その場でこの人たちがつかうカネだって相当なものになるはずだ。
   
    だが地元はそれでよいとして、ぼくらのような遠くにいる人間には、CDであれ、LPであれ、レコードのリリースが減ったり、インディーズ・レーベルが倒れるのは困る。ひじょうに困る。ネット上でアクセスできる音源は、iTunes や ネット・ラジオはじめ多々あるにしても、まだパッケージに完全に置きかわるものでもない。ネットでリリースするのは、それなりに結構カネがかかるものらしく、メジャーはともかく、ぼくらが聞いているようなルーツ系のインディーズはまだまだ圧倒的にCD依存の世界だ。CDはとにかく製造・流通コストが安い。こんにちのルーツ・ミュージックの隆盛は、パッケージの主流がCDになったことが大きな要因であるのだ。
   
    不況を引き起こした経済活動の恩恵をまるで受けていないのに、不況の被害は直接・間接に受ける、それもひとつの方向からだけではなく、多方面から受ける、というのはまったく理不尽だ。不条理だ。詐欺だ。責任者出てこい。責任をとれ。腹を切れ。
   
    責任者に腹を切らせたからって、状況が良くなるもんでもないが、少くともけじめにはなる。けじめになるということは、気持ちが切り替えられる。あらためて取り組みなおす気分になれるのだ。

 昨年中はたくさんの方にご覧いただき、ありがとうございました。

 今年はまた波瀾万丈の年になりそうで、わくわくしています。そんな暢気なことを言ってる場合か、と怒られそうですが、編集部はもう何年も前から不況真っ只中で、まあ、世間がようやく追いついてきてくれたところです。一緒に暗くなってもしょうがないし、行動は楽天的にするにかぎる、と坂本龍一氏もおっしゃってますしね。

 それにことわれらが親しんでいる音楽の世界では、アイルランド、スコットランド、イングランドをはじめ、ヨーロッパのルーツ・ミュージックは皆絶好調。経済の影響はいずれ出てくるでしょうが、まだ時間がかかるでしょうし、「地に足がついた娯楽」として、あらためてルーツ/伝統音楽が見直されるかもしれません。

 ということで、今年もゆるりと、急がず、されど休まず、でまいります。なにとぞ、よしなに。今年が皆さまにとって実り多い年になりますように。

 とりあえず、今年最初の本誌情報号を5日に配信の予定です。


 というのが編集部としてのご挨拶ですが、個人的には、書き下ろしのケルト音楽エッセイ、《ロバート・バーンズ全歌集》の紹介(各曲歌詞対訳付き)がまずは今年の目標。バーンズは今年が生誕250年ということもありますが、なにせ350曲を超えるので、来年までかかるでしょう。また、かつて音友から出た『アイリッシュ・ミュージック・ディスク・ガイド』が事実上の絶版になったので、自分が書いた部分だけでもブログ等で公開する予定。それとなるべくたくさんのCDを紹介すること。ルーツの世界ではまだまだCDが音楽流通のメインの手段ですから。(ゆ)

 このところ編集部が騒いでいる DVD《TRANSATLANTIC SESSIONS 3》が PAL 方式のため、購入をためらっている方が案外に多いそうなので一言ご説明します

 テーブ時代とは違って、DVD では PAL の再生はいたって簡単です。

 まず Mac であれば、ドライヴに入れるだけで、黙って再生してくれます。
Mac が気にするのは PAL か NTSC かではなく、
リージョン・コードです。
TAS3 はリージョン・フリーなので、
聞かれたら日本とヨーロッパのコードである「2」でも選んでおきましょう。
アメリカ映画を見ることが圧倒的に多いのであれば「1」を選ぶところですが、
音楽ビデオはこの頃はほとんどがリージョン・フリーです。

 なお Mac は5回までリージョンを選ぶことができます。
5回めに選んだリージョンで固定されます。

 編集部には PC は無いので断言できませんが、
ウインドウズでもまずたいていは支障なく再生できるはず。

 また、再生専門であれば、
PAL と NTSC と両方再生できるプレーヤーは
ごく普通に売られています。
"PAL DVD player" 等で検索してみてください。
1万円以下で買えます。

 DVD から HD にとりこみたい場合にも、
Mac や PC で充分です。
専用ソフトも HandBrake というフリー・ウエアがあります。

 Mac、Linux、Windows で動きます。
オリジナルそのままのとりこみも、
各種圧縮フォーマットへの変換もできます。
とりこんだ動画は iTunes でそのまま再生できますし、
各種 iPod へ移すこともできます。

 ちなみに編集部では MacBook でとりこんだものを
iPod touch に入れて、もっぱらこちらで見ています。
TAS3 そのもののプレゼンにも、
iPod touch のプレゼンにも
効果抜群です。(ゆ)

 一昨日配信しました本誌158号情報篇の国内イベントの日付順索引です。

 好評につき、続けます。

 なお、時間は原則として載せてません。

03/22(土)ウィッスル入門教室@京都 field, 講師:金子鉄心
03/22(土)ソウル・フラワー・ユニオン@大阪・Shangri-La *ゲスト:赤犬
03/22(土)フリー・セッション@京都 field
03/22(土)亀工房@『珈琲屋クレセント』(静岡市)
03/22(土)循環即興古楽楽団 CICLO@小樽倉庫No.1
03/22(土)星直樹、あらひろこ@京極町
03/22(土)李浩麗SOHA(山口智)
03/23(日)「深水郁+吉田隆一+壷井彰久」@表参道 月光茶房
03/23(日)アリエル・アッセルボーン@葛西・なぎさニュータウン自治会多目的ホール
03/23(日)セント・パトリックスデーの集い@東京・天王洲アイル ザ・ラウンドストーン
03/23(日)ソウル・フラワー・ユニオン@大阪・Shangri-La *ゲスト:THE MICETEETH
03/23(日)加川良リサイタル with Naarak(山口智)@チャクラ
03/23(日)循環即興古楽楽団 CICLO@小樽倉庫No.1
03/23(日)鞴座@大阪狭山市・スタジオ M's ジャンクション
03/24(月)アンサンブル練習会デモ・レッスン@京都 field 講師:洲崎一彦
03/24(月)ドーナル・ラニィ@新宿ピットイン
03/25(金)ケルティック・ソング・ワークショップ  by レズリー・デニストン@京都 field
03/25(金)セッション練習会@京都 field, 講師:金子鉄心、永野海人
03/26(水)St. Patrick's Day 『THE WILD ROVER』@渋谷O-nest
03/27(木)わたしが出逢ったジプシーミュージシャン Vol.2@東京・渋谷アップリンク・ファクトリー
03/28(金)Circle 1/2 in 東京(山口智)@西荻窪サンジャック
03/28(金)ソウル・フラワー・ユニオン@東京・Shibuya O-WEST *ゲスト:ミドリ
03/28(金)亀工房@『讃カフェ』(大阪府吹田市)
03/28(金)吉田文夫、kumi、hatao@西宮・カプリシカ
03/29(土)11:00〜11:30, (ニッケルハルパ)アートフル希望(ゆめ)まつり2008@大宮駅コンコース
03/29(土)14:00〜15:00頃, (ニッケルハルパ)さくら祭り@東京駅八重洲北口近くのさくら通り
03/29(土)ソウル・フラワー・ユニオン@東京・Shibuya O-WEST *ゲスト:曽我部恵一BAND *SOLD OUT!
03/29(土)ハシケン@横浜・ドルフィー
03/29(土)マンスリー・トラッドセッション@横浜グリーンシープ
03/29(土)亀工房@『シガ・ビビリィズ Cafe』(滋賀県甲賀市)
03/29(土)小松崎健、浜田隆史@ギャラリー&カフェ アガペ(札幌)
03/30(日)亀工房@『宝塚ガーデンフィールズ』(兵庫県宝塚市)
03/30(日)RINKA、ゲスト:Kumi(キャブレット)@ガンゲット ダイマ(札幌)
03/30(日)小松崎健ダルシマーソロ@小樽倉庫No.1
03/30(日)Circle 1/2 in 横浜(山口智)@エンクエントロ
03/31(月)アンサンブル練習会デモ・レッスン@京都 field 講師:洲崎一彦
04/01(火)ウィッスル入門教室@京都 field, 講師:金子鉄心
04/02(水)ピート・クーパー、ワークショップ@大阪フィドル倶楽部
04/03(木)かとうかなこ@大阪 そごう劇場
04/03(木)ピート・クーパー、コンサート@大阪フィドル倶楽部
04/04(金)ピート・クーパー、コンサート@自由学園明日館(池袋)
04/04(金)モザイク@京都 磔磔
04/05(土)ハシケン@下北沢・440
04/05(土)トゥクトゥク・スキップ@荻窪ベルベット・サン
04/05(土)ピート・クーパー、ワークショップ@青少年記念オリンピックセンター(参宮橋)
04/06(日)ピート・クーパー、ワークショップ@中野サンプラザ グループ室
04/06(日)モザイク@名古屋 得三
04/06(日)かとうかなこ(スチューデント・ジャズ・ライブ in おかやま)@岡山 倉敷市芸文館
04/07(月)モザイク@横浜 サムズアップ
04/07(月)アンサンブル練習会デモ・レッスン@京都 field 講師:洲崎一彦
04/08(火)モザイク@渋谷 DUO
04/09(水)「Era+有田純弘+吉見征樹」(壷井彰久)@西荻窪 音や金時
04/09(水)モザイク@吉祥寺 スター・パインズ・カフェ
04/09(水)岸本一遥@武蔵小山 live-cafe AGAIN
04/11(金)小松崎健ダルシマーソロ@小樽倉庫No.1
04/12(土)MINE, LAMITAD@大阪・吟遊詩人
04/12(土)ウィッスル入門教室@京都 field, 講師:金子鉄心
04/12(土)クレア5周年記念 SET DANCING CEILI@中原市民館視聴覚室
04/12(土)ソウル・フラワー・モノノケ・サミット@「Rock on the Rock '08」三河湾リゾートリンクス海岸駐車場内野外特設会場
04/13(日)Mine & 功刀丈弘, Pick up主催 開店3周年記念Live@京都・都雅都雅
04/13(日)『夜ネヤ、島ンチュッ、リスペクチュッ!!』in 東京@新宿・全労済スペースゼロ
04/13(日)かとうかなこ@和歌山 オールドタイム
04/14(月)アンサンブル練習会デモ・レッスン@京都 field 講師:洲崎一彦
04/15(火)ウィッスル入門教室@京都 field, 講師:金子鉄心
04/18(金)渋谷毅@八木基督教会(橿原市)
04/18(金)循環即興古楽楽団 CICLO@小樽倉庫No.1
04/19(土)猫モーダル@京都 field
04/19(土)新・音樂夜噺 第一回@東京目黒 レストラン LUBERO
04/19(土)アリエル・アッセルボーン@名古屋・広小路ヤマハホール
04/19(土)循環即興古楽楽団 CICLO@小樽倉庫No.1
04/19(土)つるとかめ@入間市産業文化センター
04/19(土)ダンス・サークル「クレア」4月初心者練習会@川崎 中原市民館 音楽室
04/20(日)RINKA@玄米ご飯・カフェ じょじょ(札幌)
04/20(日)循環即興古楽楽団 CICLO@小樽倉庫No.1
04/20(日)「WAWAWAWA」(壷井彰久)@大泉学園 in F
04/20(日)守安功&雅子@いわき市 森美術館
04/21(月)アンサンブル練習会デモ・レッスン@京都 field 講師:洲崎一彦
04/25(金)かとうかなこ@東京 渋谷 7th FLOOR
04/26(土)あらひろこ@エリエールスクエア札幌
04/26(土)アリエル・アッセルボーン@市ヶ谷・ルーテル市ヶ谷センター
04/26(土)オコナルフティー・ターンパイク・カンパニー@京都 field
04/26(土)かとうかなこ@神戸 クラブ・月世界
04/26(土)木津茂理ワークショップ「しげりずむ」@東京・浅草 宮本スタジオ
04/27(日)あらひろこ@小樽市立小樽文学館
04/27(日)「KBB」(壷井彰久)@四谷 OUTBREAK
04/27(日)守安功&雅子@つくばみらい市 Green Bramble
04/27(日)岸本一遥@大泉学園 in F
04/27(月)アンサンブル練習会デモ・レッスン@京都 field 講師:洲崎一彦
05/01(木)上野洋子、芳垣安洋、内橋和久@at 大泉学園 in F
05/02(金)かとうかなこ@名古屋 パラダイスカフェ21
05/03(日)「KBB」(壷井彰久)@ProgSud 2008 (in France)
05/04(月)〜06(水)9条世界会議@幕張メッセ
05/09(金)Topo & Ariel@西荻窪・音や金時
05/09(金)安井敬@近江楽堂(初台:東京オペラシティ内)
05/10(土)ハシケン×Saigenji@松山・ブエナビスタ
05/11(日)「Pochakaite Malko」(壷井彰久)@吉祥寺 Silver Elephant
05/11(日)ハシケン×Saigenji@広島・横川シネマ
05/15(木)鞴座@大阪市北区 雲州堂
05/17(土)『リバーダンス』@仙台サンプラザホール
05/17(土)守安功&雅子@神戸市 神戸酒心館 酒蔵コンサート
05/18(日)亀工房@『ナーサリーライム』(長野県下諏訪町)
05/18(日)「Era+難波弘之」(壷井彰久)@渋谷 公園通りクラシックス
05/18(日)『リバーダンス』@仙台サンプラザホール
05/18(日)守安功&雅子@愛知県 知立市
05/20(火)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
05/21(水)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
05/22(木)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
05/23(金)19:00, aasian kukka@よるのひるね(杉並)
05/23(金)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
05/24(土)aasian kukka@東久留米市・下里しおん保育園
05/24(土)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
05/25(日)亀工房& aasian kukka@目黒 楽屋(らくや)
05/25(日)MINE@京田辺市立中央公民館
05/25(日)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
05/26(月)あらひろこ@横浜・大倉山記念館ホール
05/27(火)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
05/28(水)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
05/29(木)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
05/30(金)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
05/31(土)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
06/01(日)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
06/03(火)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
06/04(水)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
06/05(木)アリエル・アッセルボーン&青木菜穂子@大泉学園・インエフ
06/05(木)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
06/06(金)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
06/06(金)グローニャ・ハンブリー w/守安功&雅子@越谷市
06/07(土)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
06/07(土)グローニャ・ハンブリー w/守安功&雅子@武蔵野市 武蔵野スイングホール
06/07(土)鹿島茂&かとうかなこ@神奈川 横浜区民センター かなっくホール
06/08(日)アリエル・アッセルボーン@ギター文化館
06/08(日)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
06/08(日)つるとかめ@ギャラクシティ西新井文化ホール
06/08(日)グローニャ・ハンブリー w/守安功&雅子@武蔵野市
06/09(月)グローニャ・ハンブリー w/守安功&雅子@浜松市
06/10(火)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
06/11(水)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
06/12(木)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
06/12(木)グローニャ・ハンブリー w/守安功&雅子@立川市立川朝日カルチャーセンター
06/13(金)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
06/14(土)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
06/14(土)グローニャ・ハンブリー w/守安功&雅子@本宮市鹿山邸
06/15(日)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
06/15(日)グローニャ・ハンブリー w/守安功&雅子@仙台市
06/後半   亀工房@北海道(道東方面)
06/17(火)『リバーダンス』@名古屋 愛知県芸術劇場 大ホール
06/18(水)『リバーダンス』@名古屋 愛知県芸術劇場 大ホール
06/19(木)『リバーダンス』@名古屋 愛知県芸術劇場 大ホール
06/20(金)『リバーダンス』@名古屋 愛知県芸術劇場 大ホール
06/21(土)『リバーダンス』@名古屋 愛知県芸術劇場 大ホール
06/21(土)チャボロ・シュミット@東京 杉並公会堂 大ホール
06/22(日)北欧の音楽フェスティバル2008(白夜祭)@兵庫 県立芸術文化センター
06/22(日)『リバーダンス』@名古屋 愛知県芸術劇場 大ホール
06/22(日)「ピース・ミュージック・フェスタ from 辺野古 '08」@上野・水上音楽堂
06/22(月)グローニャ・ハンブリー w/守安功&雅子@橿原市
06/23(月)チャボロ・シュミット@渋谷 DUO music exchange
06/24(火)『リバーダンス』@新潟県民会館
06/24(火)チャボロ・シュミット@名古屋クラブクアトロ
06/25(水)『リバーダンス』@新潟県民会館
06/25(水)チャボロ・シュミット@兵庫 兵庫県立芸術文化センター 中ホール
06/27(金)『リバーダンス』@富山オーバードホール
06/27(金)かとうかなこ@神奈川 グリーンホール相模大野 多目的ホール
06/28(土)「オオフジツボ」(壷井彰久)@西荻窪 音や金時
06/28(土)『リバーダンス』@富山オーバードホール
06/29(日)『リバーダンス』@富山オーバードホール
07/01(火)『リバーダンス』@福岡サンパレス
07/02(水)『リバーダンス』@福岡サンパレス
07/03(木)『リバーダンス』@福岡サンパレス
07/05(土)WORLD BEAT 2008@大阪・かわちながのラブリーホール
07/05(土)『リバーダンス』@倉敷市民会館
07/06(日)WORLD BEAT 2008@東京・日比谷野外大音楽堂
07/06(日)『リバーダンス』@倉敷市民会館
07/08(火)バルカン・ビート・ボックス@渋谷 DUO music exchange
07/08(火)『リバーダンス』@大阪フェスティバルホール
07/09(水)つのだたかし+大萩康司+沖仁+アリエル・アッセルボーン@ハクジュホール
07/09(水)シンク・オブ・ワン with キャンピング・シャアビ@渋谷 DUO music exchange
07/09(水)『リバーダンス』@大阪フェスティバルホール
07/10(木)『リバーダンス』@大阪フェスティバルホール
07/10(木)かとうかなこ@埼玉 さいたま市文化センター 小ホール
07/11(金)『リバーダンス』@大阪フェスティバルホール
07/12(土)『リバーダンス』@大阪フェスティバルホール
07/12(土)かとうかなこ@埼玉 入間産業文化センター
07/13(日)『リバーダンス』@大阪フェスティバルホール
08/16(土)守安功&雅子嬬恋村 二ノ宮邸
09/11(木)「ビクトル・ハラ もうひとつの9・11 」@東京・有楽町 よみうりホール
09/13(土) アントン・マガワン+守安功&雅子@つくば市 神谷森ログハウス
09/14(日) アントン・マガワン+守安功&雅子@立川市 立川朝日カルチャーセンター
09/15(月・祝) アントン・マガワン+守安功&雅子@一宮市 尾西市民会館
09/18(木)アントン・マガワン+守安功&雅子@東京 西荻窪 ビストロ「サンジャック」
09/19(金)スヴェング@西宮 県立芸術文化センター
09/20(土)アントン・マガワン+守安功&雅子@立川市 ロバハウス
09/20(土)スヴェング@吉祥寺スターパインズカフェ
09/21(日)アントン・マガワン+守安功&雅子@立川市 ロバハウス
09/23(祝)スヴェング@静岡 浜松楽器博物館
09/26(金)スヴェング@厚木 市民文化会館
09/27(土)スヴェング@札幌 生活支援型文化施設コンカリーニョ 
10/23(木)ラウー@東京・代官山 晴れたら空に豆まいて
10/24(金)ラウー@東京・代官山 晴れたら空に豆まいて
10/25(土)ラウー@東京・代官山 晴れたら空に豆まいて
10/26(日)ラウー@東京・代官山 晴れたら空に豆まいて
10/30(木)〜11/10(月)フルック来日ツアー

 昨晩配信した本誌3月情報号通巻157号掲載の国内イベントを日付順にならべたインデックスを作ってみました。

 リンクを張るのは手にあまるので、それぞれの詳しい情報はメルマガ本誌をご参照ください。

 *の付いているふたつは、本誌に入れわすれたのでリンクを張ってあります。

 以前から作ってみようとは思いつつ、いつも何かにまぎれて時期を逸っしていたんですが、今回は勢いにまかせてえいやとやってみました。

 が、やはり結構な手間なので、続けるかどうかは思案中。反応次第かな(^_-)。(ゆ)

03/06(木)19:30 開演, 小松崎健、浜田隆史@ジャックインザボックス(札幌)
03/06(木)鞴座@名古屋今池・TOKUZO
03/07(金)守安功&雅子@東京 ホテルニューオータニ
03/07(金)18:45 20:00 21:15 小松崎健ダルシマーソロ@小樽倉庫No.1
03/07(金)20:30開演, Mine、hatao@西宮・カプリシカ
03/07(金)鞴座@四ツ谷・レストランバー・SOKEHSROCK(ソケース・ロック)
03/08(土)18:00, 亀工房@『オーガニックカフェ 木火土金水』(東京都国立市)
03/08(土)21:00〜23:00, フリー・セッション@京都 field
03/08(土)「WAWAWAWA」(壷井彰久)@栃木・足利 なんぷう-南国文化食堂
03/08(土)岸本一遥@武蔵小山 live-cafe AGAIN
03/08(土)鞴座@渋谷・アピア
03/09(日)11:00, 米山画伯主催演奏会イベント@東京・笹塚ファクトリー*
03/09(日)18:00, 亀工房@『オーガニックカフェ 木火土金水』(東京都国立市)
03/09(日)18:00-21:00, Whistling Breeze@ザ・シャノンズ(大崎)
03/09(日)19:00, STOVE@ライブハウス LOG(札幌市)
03/09(日)「ムスィーカ・バドル」(壷井彰久)@西荻窪 音や金時
03/11(火)10:00, ナーダ・コラボレーション@東白石保育園
03/11(火)21:00〜23:00, フリー・セッション@京都 field
03/12(水)19:00, アリエル・アッセルボーン@西日暮里・日暮里サニーホール
03/13(木)トゥクトゥク・スキップ@埼玉 大宮 アイリッシュ・パブ Cafe Lamp
03/14(金)19:30, Ayuo@公園通りクラシックス, w/上野洋子
03/14(金)大森ヒデノリ、hatao、赤澤淳@西宮・カプリシカ
03/15(土)13:00-16:45, ダンス・サークル「クレア」初心者練習会@中原市民館視聴覚室
03/15(土)18: 30開場 19:00開演, RINKA@珈琲淹 リファインド(札幌)
03/15(土)18:00-21:00, Heathery Breeze@ザ・ラウンドストーン(天王洲アイル)
03/15(土)18:30 open/19:00 start, 草のシラセ@東京・渋谷 公園通りクラシックス
03/15(土)21:00〜23:00, フリー・セッション@京都 field
03/15(土)JabBee(トゥクトゥク・スキップ)@高円寺 SHOW BOAT
03/15(土)Naarak(山口智)@大阪市 チャクラ
03/15(土)多国籍イベント/出前の嵐(MINE)@京都 立誠小学校
03/16(日)14:00開演, hatao, 上原奈未, みどり, 福江ゲンタ, 松阪健@加古川市民会館小ホール
03/16(日)14:30開場 15:00開演, 月岡祐紀子@ふく蔵(兵庫県加西市)
03/16(日)19:00, aasian kukka(扇柳トール、あらひろこ)@ガンゲット・ダイマ
03/16(日)トゥクトゥク・スキップ@品川 天王洲アイル
03/16(日)壷井彰久@大泉学園 in F
03/16(日)鞴座、オコナルフティーターンパイクカンパニー@京都 ・陰陽 NEGA・POSI
03/17(月)20:00〜23:00, St. Patrick's Day Party@京都 Irish PUB field
03/17(月)21:00, RINKA@ジッピーホール(札幌)
03/18(火)18:00〜21:00, ウィッスル入門教室@京都 field, 講師:金子鉄心
03/18(火)21:00〜23:00, フリー・セッション@京都 field
03/18(火)「深水郁+太田惠資+tea-pool」(壷井彰久)@渋谷 公園通りクラシックス
03/20(祝)13:30〜20:00, 第4回スペルマンス・ステンマ@浦和コミュニティーセンター
03/21(金)19:00, 亀工房@『MAHO-DO』(静岡県三島市西若町)
03/21(金)上原奈未、hatao@西宮・カプリシカ
03/22(土)15:00/19:00(2ステージ・入替制), 亀工房@『珈琲屋クレセント』(静岡市)
03/22(土)18:00〜21:00, ウィッスル入門教室@京都 field, 講師:金子鉄心
03/22(土)18:45 20:00 21:15, 循環即興古楽楽団 CICLO@小樽倉庫No.1
03/22(土)21:00〜23:00, フリー・セッション@京都 field
03/22(土)ソウル・フラワー・ユニオン@大阪・Shangri-La *ゲスト:赤犬
03/22(土)星直樹、あらひろこ@京極町
03/22(土)李浩麗SOHA(山口智)
03/23(日)14:00, アリエル・アッセルボーン@葛西・なぎさニュータウン自治会多目的ホール
03/23(日)18:45 20:00 21:15, 循環即興古楽楽団 CICLO@小樽倉庫No.1
03/23(日)「深水郁+吉田隆一+壷井彰久」@表参道 月光茶房
03/23(日)ソウル・フラワー・ユニオン@大阪・Shangri-La *ゲスト:THE MICETEETH
03/23(日)加川良リサイタル with Naarak(山口智)@チャクラ
03/24(月)ドーナル・ラニィ@新宿ピットイン
03/25(金)19:00〜20:30, ケルティック・ソング・ワークショップ  by レズリー・デニストン@京都 field
03/25(金)21:00〜22:00, セッション練習会@京都 field, 講師:金子鉄心、永野海人
03/26(水)St. Patrick's Day 『THE WILD ROVER』@渋谷O-nest
03/28(金)19:00, 亀工房@『讃カフェ』(大阪府吹田市)
03/28(金)Circle 1/2 in 東京(山口智)@西荻窪サンジャック
03/28(金)ソウル・フラワー・ユニオン@東京・Shibuya O-WEST *ゲスト:ミドリ
03/28(金)吉田文夫、kumi、hatao@西宮・カプリシカ
03/29(土)11:00〜11:30, (ニッケルハルパ)アートフル希望(ゆめ)まつり2008@大宮駅コンコース
03/29(土)14:00, 亀工房@『シガ・ビビリィズ Cafe』(滋賀県甲賀市)
03/29(土)14:00〜15:00頃, (ニッケルハルパ)さくら祭り@東京駅八重洲北口近くのさくら通り
03/29(土)14:30 open 15:00 start, 小松崎健、浜田隆史@ギャラリー&カフェ アガペ(札幌)
03/29(土)15:00--20:30, マンスリー・トラッドセッション@横浜グリーンシープ
03/29(土)ソウル・フラワー・ユニオン@東京・Shibuya O-WEST *ゲスト:曽我部恵一BAND *SOLD OUT!
03/29(土)ハシケン@横浜・ドルフィー
03/30(日)11:30, 亀工房@/14:30『宝塚ガーデンフィールズ』(兵庫県宝塚市)
03/30(日)18:30 開場 19:00 開演, RINKA、ゲスト:Kumi(キャブレット)@ガンゲット ダイマ(札幌)
03/30(日)18:45 20:00 21:15, 小松崎健ダルシマーソロ@小樽倉庫No.1
03/30(日)Circle 1/2 in 横浜(山口智)@エンクエントロ
04/02(水)ピート・クーパー、ワークショップ@大阪フィドル倶楽部
04/03(木)かとうかなこ@大阪 そごう劇場
04/03(木)ピート・クーパー、コンサート@大阪フィドル倶楽部
04/04(金)ピート・クーパー、コンサート@自由学園明日館(池袋)
04/04(金)モザイク@京都 磔磔
04/05(土)トゥクトゥク・スキップ@荻窪ベルベット・サン
04/05(土)ピート・クーパー、ワークショップ@青少年記念オリンピックセンター(参宮橋)
04/06(日)ピート・クーパー、ワークショップ@中野サンプラザ グループ室
04/06(日)モザイク@名古屋 得三
04/07(月)モザイク@横浜 サムズアップ
04/08(火)モザイク@渋谷 DUO
04/09(水)「Era+有田純弘+吉見征樹」(壷井彰久)@西荻窪 音や金時
04/09(水)モザイク@吉祥寺 スター・パインズ・カフェ
04/09(水)岸本一遥@武蔵小山 live-cafe AGAIN
04/11(金)18:45 20:00 21:15, 小松崎健ダルシマーソロ@小樽倉庫No.1
04/12(土)09:00-16:45, クレア5周年記念 SET DANCING CEILI@中原市民館視聴覚室
04/12(土)MINE, LAMITAD@大阪・吟遊詩人
04/12(土)ソウル・フラワー・モノノケ・サミット@「Rock on the Rock '08」三河湾リゾートリンクス海岸駐車場内野外特設会場
04/13(日)Mine & 功刀丈弘, Pick up主催 開店3周年記念Live@京都・都雅都雅
04/13(日)『夜ネヤ、島ンチュッ、リスペクチュッ!!』in 東京@新宿・全労済スペースゼロ
04/13(日)かとうかなこ@和歌山 オールドタイム
04/18(金)18:30開場 19:00開演, 渋谷毅@八木基督教会(橿原市)
04/18(金)18:45 20:00 21:15, 循環即興古楽楽団 CICLO@小樽倉庫No.1
04/19(土)14:20, 新・音樂夜噺 第一回@東京目黒 レストラン LUBERO*
04/19(土)17:30, アリエル・アッセルボーン@名古屋・広小路ヤマハホール
04/19(土)18:45 20:00 21:15, 循環即興古楽楽団 CICLO@小樽倉庫No.1
04/19(土)つるとかめ@入間市産業文化センター
04/20(日)14:30 開場 15:00 開演, RINKA@玄米ご飯・カフェ じょじょ(札幌)
04/20(日)18:45 20:00 21:15, 循環即興古楽楽団 CICLO@小樽倉庫No.1
04/20(日)「WAWAWAWA」(壷井彰久)@大泉学園 in F
04/20(日)守安功&雅子@いわき市 森美術館
04/25(金)かとうかなこ@東京 渋谷 7th FLOOR
04/26(土)14:30開場/15:00開演, あらひろこ@エリエールスクエア札幌
04/26(土)19:30, アリエル・アッセルボーン@市ヶ谷・ルーテル市ヶ谷センター
04/26(土)かとうかなこ@神戸 クラブ・月世界
04/27(日)18:00開場/18:30開演, あらひろこ@市立小樽文学館
04/27(日)「KBB」(壷井彰久)@四谷 OUTBREAK
04/27(日)守安功&雅子@つくばみらい市 Green Bramble
04/27(日)岸本一遥@大泉学園 in F
05/01(木)20:00, 上野洋子、芳垣安洋、内橋和久@at 大泉学園 in F
05/02(金)かとうかなこ@名古屋 パラダイスカフェ21
05/03(日)「KBB」(壷井彰久)@ProgSud 2008 (in France)
05/09(金)19:30/20:45, Topo & Ariel@西荻窪・音や金時
05/09(金)開演 19:00, 安井敬@近江楽堂(初台:東京オペラシティ内)
05/11(日)「Pochakaite Malko」(壷井彰久)@吉祥寺 Silver Elephant
05/17(土)『リバーダンス』@仙台サンプラザホール
05/17(土)守安功&雅子@神戸市 神戸酒心館 酒蔵コンサート
05/18(日)15:00, 亀工房@『ナーサリーライム』(長野県下諏訪町)
05/18(日)「Era+難波弘之」(壷井彰久)@渋谷 公園通りクラシックス
05/18(日)『リバーダンス』@仙台サンプラザホール
05/18(日)守安功&雅子@愛知県 知立市
05/20(火)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
05/21(水)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
05/22(木)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
05/23(金)19:00, aasian kukka@よるのひるね(杉並)
05/23(金)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
05/24(土)aasian kukka@東久留米市・下里しおん保育園
05/24(土)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
05/25(日)12:00開場/13:00開演, 亀工房& aasian kukka@目黒 楽屋(らくや)
05/25(日)MINE@京田辺市立中央公民館
05/25(日)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
05/26(月)19:00開演, あらひろこ@横浜・大倉山記念館ホール
05/27(火)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
05/28(水)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
05/29(木)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
05/30(金)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
05/31(土)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
06/01(日)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
06/03(火)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
06/04(水)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
06/05(木)19:30, アリエル・アッセルボーン&青木菜穂子@大泉学園・インエフ
06/05(木)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
06/06(金)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
06/06(金)グローニャ・ハンブリー w/守安功&雅子@越谷市
06/07(土)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
06/07(土)グローニャ・ハンブリー w/守安功&雅子@武蔵野市 武蔵野スイングホール
06/08(日)15:00, アリエル・アッセルボーン@ギター文化館
06/08(日)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
06/08(日)つるとかめ@ギャラクシティ西新井文化ホール
06/08(日)グローニャ・ハンブリー w/守安功&雅子@武蔵野市
06/09(月)グローニャ・ハンブリー w/守安功&雅子@浜松市
06/10(火)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
06/11(水)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
06/12(木)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
06/12(木)グローニャ・ハンブリー w/守安功&雅子@立川市立川朝日カルチャーセンター
06/13(金)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
06/14(土)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
06/14(土)グローニャ・ハンブリー w/守安功&雅子@本宮市鹿山邸
06/15(日)『リバーダンス』@東京 赤坂ACTシアター
06/15(日)グローニャ・ハンブリー w/守安功&雅子@仙台市
06/17(火)『リバーダンス』@名古屋 愛知県芸術劇場 大ホール
06/18(水)『リバーダンス』@名古屋 愛知県芸術劇場 大ホール
06/19(木)『リバーダンス』@名古屋 愛知県芸術劇場 大ホール
06/20(金)『リバーダンス』@名古屋 愛知県芸術劇場 大ホール
06/21(土)『リバーダンス』@名古屋 愛知県芸術劇場 大ホール
06/21(土)チャボロ・シュミット@東京 杉並公会堂 大ホール
06/22(日)『リバーダンス』@名古屋 愛知県芸術劇場 大ホール
06/22(日)「ピース・ミュージック・フェスタ from 辺野古 '08」@上野・水上音楽堂
06/22(月)グローニャ・ハンブリー w/守安功&雅子@橿原市
06/23(月)チャボロ・シュミット@渋谷 DUO music exchange
06/24(火)『リバーダンス』@新潟県民会館
06/24(火)チャボロ・シュミット@名古屋クラブクアトロ
06/25(水)『リバーダンス』@新潟県民会館
06/25(水)チャボロ・シュミット@兵庫 兵庫県立芸術文化センター 中ホール
06/27(金)『リバーダンス』@富山オーバードホール
06/27(金)かとうかなこ@神奈川 グリーンホール相模大野 多目的ホール
06/28(土)「オオフジツボ」(壷井彰久)@西荻窪 音や金時
06/28(土)『リバーダンス』@富山オーバードホール
06/29(日)『リバーダンス』@富山オーバードホール
07/01(火)『リバーダンス』@福岡サンパレス
07/02(水)『リバーダンス』@福岡サンパレス
07/03(木)『リバーダンス』@福岡サンパレス
07/05(土)『リバーダンス』@倉敷市民会館
07/06(日)『リバーダンス』@倉敷市民会館
07/08(火)『リバーダンス』@大阪フェスティバルホール
07/09(水)19:00, つのだたかし+大萩康司+沖仁+アリエル・アッセルボーン@ハクジュホール
07/09(水)『リバーダンス』@大阪フェスティバルホール
07/10(木)『リバーダンス』@大阪フェスティバルホール
07/10(木)かとうかなこ@埼玉 さいたま市文化センター 小ホール
07/11(金)『リバーダンス』@大阪フェスティバルホール
07/12(土)『リバーダンス』@大阪フェスティバルホール
07/12(土)かとうかなこ@埼玉 入間産業文化センター
07/13(日)『リバーダンス』@大阪フェスティバルホール
09/19(金)スヴェング@西宮 県立芸術文化センター
09/20(土)スヴェング@吉祥寺スターパインズカフェ
09/23(祝)スヴェング@静岡 浜松楽器博物館
09/26(金)スヴェング@厚木 市民文化会館
09/27(土)スヴェング@札幌 生活支援型文化施設コンカリーニョ 

 Go-Vibe Petite(以下 GVP と略称) には DAC 付きとアンプ単体がある。はずだが、何も言わないと DAC 付きが来る。DAC の入力は USB で、小さな台形のジャックが裏側にある。裏というのは音量ダイアルのある側を表にしてだ。ごくふつうの USB 接続コードが付属する。

 使われているチップは Burr-Brown Japan PCM2702。ポータブル・アンプに付いている DAC はたいていこれを使っているらしい。このチップは動かすのにソフトウェアが不要とのことで、Mac でもつなげばそのまま使える。つなぐと システム環境設定>サウンド>出力 に Burr-Brown と出るので、そちらを選択する。当然選択しないとこちらから音は出ない。ちなみに GVP のパワーをオンにしなくても Burr-Brown の表示は出る。GVP 側では表、つまり出力ジャックの隣の入力ジャックを空けると DAC に切り替わる。ここに何かささっているとDACからの音は出ない。

 この DAC 機能はなかなか便利だ。何より実に簡単に Mac の再生音を高音質化できる。USB 接続してイヤフォンなりヘッドフォンなり、あるいは外付けのスピーカを GVP の出力ジャックにつなげば、Mac から出る音が全部 GVP の音になる。アラートやメールの送信音までやけにリアルになる。

 これが最も威力を発揮するのはまず DVD だ。今《TRANSATLANTIC SESSIONS 3》(以下 TAS3 と略称)にもろにはまっているのも、この「システム」のおかげかもしれない。もう DVD プレーヤーやTVなんぞ、要らない。Mac なら PAL でも何も言わずに再生するし、音楽ビデオはリージョン無しがほとんど。大きさも iMac の20インチで十分だ。人間が注視できる視野はそんなに広くないだろう。というのは、大画面TVを置けるスペースもない兎小屋に住んでる僻みももちろんあるが、「ディスカバリー・チャンネル」ならまだしも、音楽関係のビデオで広大な画面が必要なものはまず無い。まあオペラの一部ぐらいか。

 TAS3 で「発見」した一人に Darrell Scott がいる。なんといっても〈You'll never leave Harlan alive〉がもう最高。カレン・マシスンがハーモニーをつけ、ドナルド・ショウがアコーディオンを添えるのもこの企画ならでは。カレンの実に楽しそうな様子。それに向けるダレルの眼の優しさ。ここではミュージシャンたちは観客にむかってではなく、レコードの買い手のためでもなく、自分たちのためにうたい、演奏している。ジェリィ・ダグラスのドブロもいつものことながら冴えわたるけれど、その後、一度、アリィ・ベインのフィドルと主人公の二人だけになるところが泣かせる。このビデオを見てしまうと、公式サイトの写真は別人ではないか。

 DVD は読み込んでしまえば、iTunes でも再生できるのもうれしい。ビデオと音楽と同じインターフェイスで操作できるのは革新的とも言える。リッピングには Handbrake を使っている。こういうものがタダとは、ありがたや、ありがたや。

 で、この人の音源は他に持っていなかったかとiTunes のライブラリに検索をかけたら、ティム・オブライエンとの共作《REAL TIME》があった。これがまた良い。一昨年ティムの初来日に際してまとめて買ったものの1枚で、その時には通りいっぺんの聞きかたしかしていなかったらしい。ほとんど二人だけで、ギター、マンドリン、バンジョーを駆使しながら、オリジナルやハンク・ウィリアムスやトラディショナルをうたう。素材の出自よりも遥かに古い、アパラチアの山を造っている根っこまで降りていって、そこからうたっているように聞こえる。むろん、うたっている人もうたわれているうたも、山の斜面や谷にしがみついているにすぎないが、構想としては山の根を掘りおこし、そこに生きる根拠を見いだそうと努めている。つまるところそれを無視してアメリカの大地に生きることを許される道理がない。そうした切羽詰った想いがここには聞きとれる。いや、剥き出しになっている。ふたりの切迫感と資質がよく似ている。ほとんど双子といってもよいくらいだ。まったく対等でもある。かといって例えばアンディ・アーヴァインとディック・ゴーハンの 《PARALLEL LINES のように、平行線であることで価値を生むものとも違う。対決に逃げることも、馴れ合いに堕すこともない。これはなかなか珍しい部類ではあるまいか。

 今回はダレル・スコットの側から聞いているので、〈There ain't no easy way〉のようなうたが沁みる。TAS3 の〈Harlan〉も同じなのだが、低い声でささやくようなうたいだしに一気に引きこまれる。低いときのダレルの声は倍音が豊富なのか、響きが深い。GVP はこういう音が得意らしい。これもきっとあんな風に頭を左右に振りながらうたっているにちがいない。やはり一度生で見たい。

 というわけで、わが家の iMac + BauXar Marty10、MacBook + TIMEDOMAIN light は、GVP をかませるだけで現在最高の音楽視聴環境に変身する。しかも GVP は USB 経由の充電機能も備えているので一石二鳥でもある。ますます Long live the Go-Vibe! なのだ。(ゆ)

 東京は新宿・百人町のネイキッド・ロフトでの月刊イベント「音楽夜噺」の今月は今夜のカリプソですが、来月はついにアメリカ音楽です。

 アメリカン・ルーツ・ミュージックは、構成要素が多種多様で、混ざり具合が入りくみ、一様でもない。全体を把握するのは、アイリッシュや北欧などより、よほど「むずかしい」。

 語るのは先だって本誌でオールド・タイムについて短期連載していただいた奥和宏さん。そして、アメリカ音楽ならこの人、タッドこと五十嵐正さん。この二人なら最強だな。奥さんが出るのなら、生演奏もありそうです。

 平日の夜ですが、こいつは見逃せません。


Born in the USA〜アメリカ音楽の伝統を訪ねて

【論者】五十嵐 正(音楽評論家/翻訳家)
    奥 和宏(音楽ライター)
11/29(木)
OPEN18:30 / START19:30
前売¥1,800(+1drinkから)
当日¥2,300(+1drinkから)

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