1006日・水

 1日から来年3月末までの予定で始まったドバイでの万博2020のアイルランド館のイベントに音楽がたくさん出る、と JOM が報じている。『リバーダンス』公演。The Expo Players による毎日のアイリッシュ・ミュージックと歌の演奏。メンバーは月替わり。最初のメンバーには Moxie のメンバーが含まれる。Irish Song Book が歌われる。これにはトマス・ムーア、〈Raglan Road〉からロリー・ギャラハー、シン・リジー、ボブ・ゲルドフ、エンヤ、U2、コアーズ、Hozier までが含まれる。さらに「アイリッシュ・ディアスポラ」と題して、ビートルズ〈レット・イット・ビー〉、ニルヴァナ〈Smells Like Teen Spirit〉、ビリー・アイリッシュ〈Bad Guy〉が含まれる。そして来年のセント・パトリック・ディに《The Irish Songbook Reimagined》というアルバムがリリースされる。来年のセント・パトリック・ディには、マーティン・ヘイズ率いるグループが公演する。最近の彼の活動を反映してか、ポール・サイモンの《Graceland》とエレクトリック・マイルスのバンドをお手本にしているそうな。Expo World Choir というのは、アイルランドが音頭をとって、参加している各国・地域の展示館のスタッフやゲストをメンバーとする合唱団をつくって歌う。クリスマスには Irish Song Book を歌う。

 アイルランドらしいといえば、確かにここまで音楽を前面に出すところは他にはたぶん無いだろう。しかし、いったい、誰が見るんだろうか。ヨーロッパやアメリカから、ドバイにほいほい往来できるのか。

 わが国ではまったく話題になっておらず、検索したら、産経の自画自賛の記事しか見当らない。

 並んでいるのは近隣の国の人たちだろうか。ロシア人だけなの? そこんとこ、ちゃんと書いてよ。それにしても、ロシアはそんなに自由に出かけられるのか。それともこの人物は実はプーチンの影のオフショア担当なのか。

 こういう話を読むと、グレイトフル・デッドの1978年のエジプト遠征にようやく時代が追いついた観がある。


 BBC Radio Scotland Young Traditional Musician Award 2022 の最終候補6人が発表になった。
https://www.bbc.co.uk/programmes/articles/1hcFQ5grzBdmNXdDR66pwPY/2022-finalists 

 一つ興味深いのは紹介の中で、当人を指す代名詞として "they" が使われている人がいること。ほんとにもうフツーになってきた。


##1006日のグレイトフル・デッド

 1966年から1994年まで、7本のショウをしている。公式リリース無し。


1. 1966 Golden Gate Park, San Francisco, CA

 この日からカリフォルニアで LSD が非合法物質となり、それに抗議するイベントがゴールデン・ゲイト公園の東に伸びた「パンハンドル」と呼ばれるところで開かれた。ここでトラックの荷台でデッドが演奏したのではないか、という未確認情報があったのが、ビル・クロイツマンが回想録 Deal の中で、演奏したと述べている。067pp. 曲目などは不明。

 LSD 1938年に合成され、1943年に幻覚作用が確認された。1950年代、アメリカ軍や CIA はこれの軍用の可能性を探るため、ボランティアによる実験を行った。ロバート・ハンターが LSD を体験したのはスタンフォード大学を通じての CIA の実験に参加したことによる。デッドの初期のサウンドマンも努めたアウズレィ・スタンリィ通称ベアは LSD の合成に長け、その販売で財産を作り、デッド揺籃期のスポンサーにもなった。


2. 1969 Family Dog at the Great Highway, San Francisco, CA

 詳細不明。

 会場はサンフランシスコの Great Highway 660番地、海のすぐ傍に19世紀末から様々な娯楽施設に使われてきた建物で、1969年6月から1970年6月までこの名前でロック・コンサートのヴェニューとして機能した。DeadBase XI によれば収容人員は2,000。プロモーターは Chet Helms。オープニングのコンサートはジェファーソン・エアプレイン。デッドは0802日に初めて演奏し、計12回ここに出ている。ニュー・ライダーズ・オヴ・パープル・セイジも前座として、あるいは単独として同じくらい出ている。


3. 1977 Activity Center, Arizona State University, Tempe, AZ

 この年の平均的な出来、らしい。ということは良いショウだっただろう。


4. 1980 Warfield Theatre, San Francisco, CA

 15本連続の9本目。第三部が良かった由。〈Sugar Magnolia〉では後半の Sunshine Daydream パートがなく、直接〈Johnny B. Goode〉になだれこんだそうな。


5. 1981 Rainbow Theatre, London, England

 ロンドン4本連続楽日。アンコールに〈Sunshine Daydream > Brokedown Palace〉。〈Brokedown Palace〉がアンコールのショウに外れなし、だそうだ。


6. 1984 Richmond Coliseum, Richmond, VA

 12.50ドル。夜7時半開演。良いショウだった由。


7. 1994 The Spectrum, Philadelphia, PA

 賛否が別れる。この年のベストという声もある一方で、これを見て、デッドのショウに行くのをやめたという者もいる。(ゆ)