ことの起りはもう古くなった FiiO M11Pro を DAC にして iPad mini で Tidal を聴いたことである。いつもは使っていない M11Pro をどうして使う気になったのか、もう忘れている。M11Pro には出力するサウンドをすべて DSD に変換する機能がある(ついでに書けば、FiiO のその後の DAP にはすべてこの機能がついている。なぜかウリとして表に出していない)。この機能のためにこれを買った。電気は食うが、オンに入れっぱなしだ。あるいはこれを再度試す気になったのかもしれない。とにかくこの組合せにやられてしまったのである。それまでストリーミングでは聴いたことのない凄い音だったのだ。もう他に何も要らないじゃないか。

 それまでストリーミングを聴くのは MacBook Air の M1 初代で Tidal がメイン。ここから ADI-2 PRO FS R に USB で入れ、その先のヘッドフォン・アンプはその時の気分、だった。MacBook Air からは Audio MIDI 設定で「機器セット」を作り、そこに出てくる DAC の名前にチェックを入れ、サウンド設定で出力を「機器セット」に指定する。

 で、iPad mini 6 + M11Pro は余裕でこれに勝ってしまった。もうよほどこのまま、この組合せで行こうかとまで思った。

 しかし、どうもくやしい。DAC としての実力では ADI-2 PRO FS R の方が上のはずだ。とすれば、その実力を十分引出していないのではないか。

 そこでまず USBケーブルを替えてみた。それも1本や2本ではない。何本か試した。だんだん良くはなる。だが、決定打ではない。その時目についたのがティグロンの TPL-2000U。公式サイトの「ネットワークケーブル」にある。これにはオリジナルバーンイン技術「H.S.E Grande」が使われている。その実力はサンシャインのマグネシウム・インシュレータで確認済みだ。よし、こいつはどうだ、と買ってみた。やりましたね、馬場さん。それまでの USB ケーブルとは次元が違う。値段も次元が違うが、この音なら納得する。これで iPad mini 6 + M11Pro とほぼ同等になった。もう一押しだ。

 かねて試したいと思っていたのが Bakoon Products/ S. C. L. の USC-1001だ。USB から SPDIF への変換器。出力は同軸と光。しかしティグロンに注ぎこんだ後ではこの値段は出ない。似たものはないかと探すと、ありました。FX-AUDIO FX-D03J+。5,000円以下である。ADI-2 PRO FS R の本体には光の入出力がある。同軸はブレイクアウト・ケーブル経由。なので光でつなぐ。両方角型の光ケーブルは手持ちがない。これも安いのを探すと onso 02 オプティカルケーブルがあった。onso の 01 オプティカル・ケーブルは以前使って良い印象がある。まず水準以上だろう。

 ということで、MacBook Air から iFi Silencer++ で USB-C から USB-A に変換し、ティグロンをつなぎ、FX-D03J+ から onso で ADI-2 PRO FS R に光で入れ、ADI-2 PRO FS R からサンシャインのバランス・ケーブルでマス工房 model 433。ヘッドフォンはこのところ常用の Neumann NDH30。これでまず聴いてみたのがサロッドの Arnab Chakrabarty の動画。音が出た瞬間、顔がにやける。タブラがどんと入った瞬間背筋がぞわあ。



 ネットワークケーブルの光絶縁は大流行だし、USB のノイズ絶縁ケーブルも最近出たが、USB も光ケーブルによる「パソコンとDACのグランドを切り離して、PCからのノイズをシャットアウト」が効果抜群なのだ。FX-D03J+ と 02 オプティカルケーブルで1万円以下だ。まあ、USBケーブルにはそれなりに投資が必要ではあるだろうし、投資すればそれだけの見返りはある。少なくともティグロンはある。オプティカルケーブルも替えると面白いだろう。

 FX-D03J+ は Meridian のサイトで Meridian 218 用として推奨されていることを後で知った。やはりこれは筋の良いものであるのだ。突きつめようとすれば、USC-1001 導入になるだろうが、当面はこれであたしは十分。



 NDH30にも仕掛けがあるのだが、それはまた別の機会に。(ゆ)