クラン・コラ・ブログ(アイルランド音楽の森)

 アイリッシュ・ミュージックなどのケルトをはじめ、世界各地のルーツ音楽を愉しむブログです。そうした音楽の国内の音楽家も含みます。加えて主宰者の趣味のグレイトフル・デッド。サイエンス・フィクション、幻想文学などの話もあります。情報やメモ、ゴシップ、ただのおしゃべりなどもあります。リンク・フリーです。

タグ:即興演奏

  さりげない。
  ちょんちょんと弦をこすり、次の瞬間、曲に入る。
  と、世界が変わる。

  マーティンとデニスの音が鳴っている間、ぼくらは別世界にいる。
「日常世界ではしらないような感情」に満たされた世界。
うちくだくことも押し戻すこともできない何かが、
二人の手の先からとうとうとあふれ出てくる。

  あふれ出て空間を満たし、
ぼくの体を満たし、
心を満たす。
するとさらわれる先は生死の境。
もうほんの少しでも増えたなら、
あっさりと幽明の境を越えてしまうだろう。
それもまたよし。

  いや、そうではない。
よしも何もないのだ。
もっと静かにすみきった、
まったき抱擁。
かすかなやるせなさが残って
一層歓びを深くする。

  音楽はいつか止む。
ぼくらはいつか捕まり殺される。
しかし殺すものもまた、そうせざるをえない。
ぼくらを捕え殺すのがかれらの道、義務、ダルマだからだ。
命とはその原理の表象につきる。
音楽はその命の表象につきる。

  マーティンとデニスの音楽には余分なものがなにもない。
同時に音楽のすべてがある。
ジャズもクラシックもポップスも
無伴奏もフルオケもロック・バンドも
伝統も前衛も
アルタミラの洞窟に響いていた音も
太陽が滅ぶ時にたてるだろう音も
すべてを備え、生みだしてゆく。

  あえてハイライトをあげるなら、
後半、スロー・エアからマーチを経て展開されたメドレー。
そうだ、もう遠慮は要らない。
長い長いメドレーにこそひたりたい。

  あえてアイルランドにひきつけるなら、
この二人の音楽はアイルランドの伝統からしか現れない。
長い「逸脱」の積み重ねの末に
この二人とその音楽を生みだしたことで
アイルランドは称えられるべし。
そしてまたここから次なる伝統が流れだす。

  マーティンとデニスに感謝を。
  のざきさんに感謝を。
  武蔵野文化財団に感謝を。



Special thanks to Mr Naka
(ゆ)

 ダルシマーとフィドルの山口智さんの9月のライヴ・スケジュールです。

 その前に明日には、大阪心斎橋のアップル・ストアでフリー・ライヴがあります。それも音楽と映像が合体した面白そうなイベント。とんがりやまさんのレポートに期待(^_-)。

 10月には関東にも来られるそうなので、今度こそ生を見たい。

 旧譜の《SOLO》と《TRIO》をようやく入手して聞いています。ダルシマーもこういうやり方があったのかとメウロコ。ECMの好きな人は感じるところが多いのでは。



今週、8月31日(木)は大阪心斎橋のアップルストアで、「京都慕情〜夏の名残」のイベントがあります。
京都の風情を詩情あふれる絵と音楽とアニメーションで描き出す京都慕情プロジェクト。
僧侶兼イラストレーターの中川学、映像クリエイターの坪井健、そして私山口智の3人が前半は、今までの映像作品とともに、めったに見ることのできない、その制作過程などをお話します。
そして後半は、ハンマーダルシマーと映像を交えたユニークなライブをやります。

夜7時から、入場無料です。
Apple Store 心斎橋

今日、テスト/リハーサルをしてきました。
作品の方は、やるごとに完成度が高くなっていってるのですが、
さあ、当日どうなりますか、スリル満点な部分もあります、
ぜひ、どんなことになるか、見に来て下さいね。入場無料です、無料。


9月以降のライブの予定を簡単に。

9/23(土・秋分の日) 夜7時から
ダルシマーソロライブ
うずらギャラリー(京都市中京区三条寺町西入ル)
2000円

09/30 & 10/01
劇団ペルソナブランカ大阪公演

10/06(金)
山口智(ダルシマー他)長田"TACO"和承(スチールギター他)日野哲(ベース)
チャクラ(大阪市北区菅原町)
夜7時半から
前売2300円/当日2500円(1ドリンク付き)

10月後半は、北海道〜東京〜横浜に行きます。

どうぞお楽しみに。

このページのトップヘ