03月16日・水
昨日、COVID-19のワクチン接種3回目を受けた家人は、注射されたところの筋肉の痛みに加え、今日になって発熱。上下した後、午後、38度になり、もらっておいた解熱剤を飲む。38度あって、だるいと言いながら、なんだかんだ家事をしている。えらいもんだ。あたしなどは37度でももう起きあがれない。
夜半、デッドを聴いていて、〈Eyes of the World〉のすばらしいジャムに陶然としていると地震。なかなか揺れがおさまらないので、ヘッドフォンを外して様子を見る。ここは震度4だが、特にモノが落ちることもない。が、揺れ方と揺れている時間が、3/11の時にあまりに似ているので背筋が寒くなる。音楽にもどって聴きつづける気になれず、今日はもう仕舞いにして、あれこれニュースをネットで物色した後、寝る。
11年目のこれも余震ということになるのか。大きな地震があるたびに、次はこっちだ、と思う。このままいつまでも関東に大地震が来ないということはない。どうせ来るものなのだから、さっさと来てくれ、あたしらがまだ元気なうちに、と思ったりもする。
##本日のグレイトフル・デッド
03月16日には1967年から1994年まで8本のショウをしている。公式リリースは3本。うち完全版1本。
1. 1967 Whisky-A-Go-Go, San Francisco, CA
残っているポスターではこの日までの7日連続のショウ。ただし、これも実際に行われたかは不明。
2. 1968 Carousel Ballroom, San Francisco, CA
土曜日。このヴェニュー3日連続の中日。オープナーからの3曲〈Dark Star > China Cat Sunflower > The Eleven〉が《So Many Roads》でリリースされた。
この3曲、まだ演奏されはじめて間がなく、いずれも速いテンポ。歌が始まるのも早い。1968年にはこの組合せが多く演奏される。
DS ではガルシアのソロが長くなりだしていて、充実している。CCS もまだ跳ねてはおらず、流れるように演奏される。〈I Know You Rider〉と組み合わされるのは翌年秋。The Eleven はガルシアよりもレシュがリードをとる。ガルシアは遠慮しているのか、やりにくいのか、前2曲ほど積極的にソロを弾かない。どちらも良いジャム。なお、《So Many Roads》ではフェイドアウトする。
3. 1973 Nassau Veterans Memorial Coliseum, Uinondale, NY
金曜日。5.50ドル。開演7時。このヴェニュー2日連続の初日。中2日休んで、再びここでやる。
オープナーの〈China Cat Sunflower> Jam> I Know You Rider〉が2015年の、第一部7曲目〈Box Of Rain〉が2014年の、各々《30 Days Of Dead》でリリースされた。
〈China Cat Sunflower> Jam> I Know You Rider〉はこのセットのお手本のような演奏。CCS 後半のジャムがすばらしい。
〈Box Of Rain〉ではドナがよい働きをしている。レシュのぎくしゃくした歌唱が、彼女がつけるハーモニー・コーラスによって角が丸くなり、歌としての品位が上がっている。
4. 1988 Henry J. Kaiser Convention Center, Oakland, CA
水曜日。このヴェニュー3日連続の初日。18.50ドル。開演7時。第一部がことに良いショウの由。
5. 1990 Capital Center, Landover, MD
金曜日。開演7時半。このヴェニュー3日連続の最終日。全体が《Spring 1990》でリリースされた。
ちょっととぼけた〈Let The Good Times Roll〉で始めたせいか、第一部は前日よりはおちついて、引き締まった演奏が続く。〈New Minglewood Blues〉はかつてはカウントをとってウィアがいきなり歌いだしていたが、ここではイントロがつく一方で、全体によく弾む。ミドランドの声と鍵盤の貢献が大きい。クローザー前の〈Bird Song〉でガルシアのギターのギアが入る。MIDI でいろいろと音を変える。すると霊感が湧くらしく、面白いフレーズが流れ出てくる。第一部クローザーの〈Blow Away〉はミドランドの曲ではベストだと思う。いいリフだ。
第二部は前日の煽られて、前のめりの感覚がもどる。緊張と弛緩が同居しているのが、デッドの良いショウの特徴だが、緊張の方にバランスが傾く。オープナーの〈Scarlet Begonias〉からいつもの〈Fire on the Mountain〉に行かずに〈Estimated Prophet〉に行くのも、前のめりの現れに見える。しかし、この後半のガルシアのソロがすばらしく外しまくる。エッジが立っているのは〈Ship Of Fools〉では裏目に出ているところもあるが、〈Man Smart (Woman Smarter) 〉でのガルシア、ウィア、ミドランドの声の掛合いから、一度ぴしゃりと曲が終り、数拍間があって、ガルシアが前の曲の流れを引き継いで始めるジャムでは、即興をより奔放にする。Drums、Space を経て、〈The Other One〉で再びインテンシヴになったところで〈Stella Blue〉。こういうところがデッドたる所以。しかも、センチメンタルにならない。デッドの音楽には何でもあるが、欠けているものもある。安易な感傷性と陳腐さだ。この曲などセンチメンタルの極致になってもおかしくないが、そうはならない。なぜ、そうならないのか、まだよくわからない。しかし、この湿ってもドライでもない、しかし感情の量では不足のない演奏は気持ちが良い。アンコールのストーンズ〈The Last Time〉で声を合わせるガルシアとウィアに足許をすくわれる。
6. 1992 The Spectrum, Philadelphia, PA
月曜日。開演7時半。このヴェニュー3日連続の中日。かなり良いショウだった由。
7. 1993 Capital Centre, Landover , MD
火曜日。開演7時半。このヴェニュー3日連続の初日。当時の副大統領アル・ゴアが来ていたという。
8. 1994 Rosemont Horizon Arena, Rosemont, IL
水曜日。27.50ドル。開演7時半。このヴェニュー3日連続の初日。ガルシアのヴォーカルが良かった由。(ゆ)