クラン・コラ・ブログ(アイルランド音楽の森)

 アイリッシュ・ミュージックなどのケルトをはじめ、世界各地のルーツ音楽を愉しむブログです。そうした音楽の国内の音楽家も含みます。加えて主宰者の趣味のグレイトフル・デッド。サイエンス・フィクション、幻想文学などの話もあります。情報やメモ、ゴシップ、ただのおしゃべりなどもあります。リンク・フリーです。

タグ:書籍

 Fintan Vallely の編纂になる "Companion To Irish Traditional Music" の第三版がついに刊行されました。



Companion to Irish Traditional Music
Vallely, Dr Fintan
Cork University Press
2024-05-21



 アイルランド伝統音楽の百科事典。人名、楽器、歌、スタイル、ローカル性、ダンス、歴史、およそアイリッシュ・ミュージックについてのありとあらゆることが適確に、詳細に述べられてます。一家に一冊、揃えましょう。大学、高校、その他のサークルの部室にも1冊は置きましょう。

 英語が読めない? なに、書いてあることはアイリッシュ・ミュージックに関することです。難解な理論や深遠な哲学が語られているわけではありません。英語は平明だし、半分はすでに知っていること。そこからもう半歩踏みこもうとする時、大きな助けになってくれます。外国語に上達する極意は、好きなことについて書いてある文章を読むことです。

 初版が1999年、第二版が2011年。13年ぶりの改訂です。200人以上の執筆者が1400項目について書いた1,000頁。社会の変化をとりこみ、アイルランド国外でのアイリッシュ・ミュージック活動によりスペースを割いている由。電子版もいずれ出るはずですが、紙の本には電子版にはないメリットがあります。それはどんな音でも合成できるシンセサイザーに対する普通の楽器です。

 編者のフィンタン・ヴァレリーはルナサのキリアン・ヴァレリーや、コンサティーナのナイアル・ヴァレリーの、えーと、いとこだったか叔父さんだったか、とにかく血縁。本人もフルートをよくして、CDも出してます。諷刺歌を作ったり歌ったりもしてます。つまりは音楽をよく知っていて、なおかつこういう本を編纂できる人でもある。こういう人がいてアイリッシュ・ミュージックはラッキーです。(ゆ)

 書くことがいろいろあるはずなのだが、どうも筆というかキーボードが進まない。箇条書きにしてみます。


○グローニャ・ハンブリーの東京・武蔵野文化会館小ホール公演は、チケットの残りが一桁。迷ってる方は、迷わず急げ。


○なんと、ウィリアム・トレヴァーの短篇集が出ました。われらが栩木伸明さんの訳で、国書刊行会から『聖母の贈り物』。栩木さんのセレクションによる12「曲」。読んで泣け。


○東京・自由が丘でのお好み焼き屋セッション。今週の木曜日。南浦和ケーリー・バンドのメンバーが音頭をとる由。場所はコスモキャベツ@自由が丘。

Thanx! > たくじさん


○今年のセント・パトリック・デイに合わせて、東京で「東京アイリッシュ・ミュージック・フェスティヴァル」が開かれる由。詳しくはこちら


○横浜のアイリッシュ・パブ The Green Sheep で、アイリッシュではなく、イングリッシュ中心のセッションがあり。
04/07(土)19:00〜
 場所はこちらを参照。セッション料金はかかりませんが、飲物、食べ物のオーダーが必要なのは当然。

 米山永一画伯をはじめとする A Drop of Good Beer のメンバーがオーガナイザー。アイリッシュもゼロではないでしょうが、メインはイングリッシュ、フレンチ(フレデリック・パリスなど)、フレンチ・カナディアン等々です。蛇腹弾きにとっては、実はこういう方面の曲のほうが面白いそうな。


○札幌の RINKA の三枚目が出ました。シンプルに《RINKA 3》というタイトル。もう良い悪いは完全に超越。アイリッシュ・ミュージックが好きなら、黙って聞け。アイリッシュ・ミュージックが好きじゃなくても、黙って聞け。

このページのトップヘ