クラン・コラ・ブログ(アイルランド音楽の森)

 アイリッシュ・ミュージックなどのケルトをはじめ、世界各地のルーツ音楽を愉しむブログです。そうした音楽の国内の音楽家も含みます。加えて主宰者の趣味のグレイトフル・デッド。サイエンス・フィクション、幻想文学などの話もあります。情報やメモ、ゴシップ、ただのおしゃべりなどもあります。リンク・フリーです。

タグ:本屋

12月24日・金

 「有隣堂しか知らない世界」がなにやらグランプリをとったというので、どれどれと覗く。
 

 ころげまわって爆笑してしまう。最新のカレー篇もいいが、その前 Vol. 77 「新明解国語辞典 VS 三省堂国語辞典」が傑作。カレー篇は MC のブッコローのほとんど独り舞台だが、こちらは三省堂辞書出版部部長・山本康一氏が役者。とっくに死語になって削られているだろう、いやこれはそもそも辞典には載らないか、「役者やのう」と言いたくなる。ほんと、この人凄い。辞書なんぞ作らせておくにはもったいないくらいだが、本人はやはり辞書を作るのが三度のメシより好きなのであろう。まあ「冷静に」考えれば、台本作者と演出家がしっかり仕事をしているのであろうが、それを活かしてちゃんと演じられるのはやはり大したものと言わねばならない。『新明解』はこういう人にして初めて作れたのか。

 一方、有隣堂もエラい。宮仕えのころにはずいぶんお世話になったし、ここへ来てからも厚木店にはお世話になっている。もっとも、近頃は本は買わず、買うのはもっぱら文具、それも安いものばかりだが。もちろん、人はすっかり入れ替わっているし、会社自体もずいぶん変わっているけれど、こういう動画プロジェクトを見ても、他の本屋とは違う「愛」を感じる。

 思い切り笑いたければ、吉本なんぞより、これを見ればいい。タメになる(?)情報も得られる。



##本日のグレイトフル・デッド

 1224日には1966年と67年の2本ショウをしている。1968年以降はクリスマス・イヴは休み。公式リリースは無し。


1.1966 Avalon Ballroom, San Francisco, CA

 2日連続ショウの2日目。スティーヴ・ミラー・ブルース・バンドとモビー・グレープ共演。セット・リスト不明。


2. 1967 Palm Gardens, New York, NY

 このヴェニュー3日連続のショウの3日目。開演9時。セット・リスト不明。(ゆ)


 ドア・チャイムを鳴らしたのは郵便配達の人で、ポストに入らないんですよ、と手渡された封筒は確かに部厚い。送り出し人を見ると福岡の Rethink Books とある。はてな、ととり出してみたら、こんな枕本が出てきた。


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 下北沢に B&B という本屋兼カフェがあって、あたしも何度かイベントに行ったし、またイベントをさせてもらってもいる。そこの中川さんからそういえば「今日の宿題」を頼まれて出したことがあったっけ。先日、本にするからと「校正」も頼まれていた。それがこんな立派な、サイコロのような本とは思いもよらなかった。宿題を出した人は計320人、各々が見開き2ページになるから、それだけで640ページ。写真やいろいろついて計680ページ。サイズは文庫。定価は980円+税。販売は B&B と B&B が出張出店し、この「今日の宿題」が掲示された福岡・天神の Rethink Books のみ。もっとも Rethink Books の方は今月いっぱいで閉店。

 昨年6月1日から1年間の限定で開いた Rethink Books の店内に、本棚は置けないスペースがあり、ここを活用するために考えられたのが「今日の宿題」。毎日違う人が出した「宿題」がここに掲示される。この「宿題」はネットなどでは公表されず、本屋に行かないと見られない。もっとも知らないで来た人は不意打ちを食う。「宿題」をどう受取るかはもちろん、来店した人、見た人それぞれに任される。その宿題を集めたのが、この本だ。

 320人の出題者は掲出順に巻頭の谷川俊太郎氏からラストの吉増剛造氏まで、まあ、いろいろな人がいる。一応肩書もついている。山伏という人もいる。B&B のイベントに出たときに頼まれたので、あたしと村上淳志さんとトシバウロンが並んでいる。あたしのものと、トシさんのものの趣旨が同じなのも面白い。アイリッシュ・ミュージックとの関わりからの感覚だからだろうか。少なくともあたしはそうだ。

 アイリッシュ・ミュージックを好むようになったのは、あたし自身の積極的な意志による選択では、金輪際無いからだ。そうすると、他の音楽の嗜好も、読む本も、どれも向こうからやってきたので、自分から選んだとは到底思えなくなる。おまえは私を聴かねばならない。おまえは俺を読まねばならない。いつもそう言われていると感じる。そして、相手の「意志」には従わざるをえない。到底抵抗できるようなものではないからだ。それに、従って嫌な想いをしたことも、今のところ、無い。

 それはそれとして、他の人たちが出した宿題を見てゆくのは、たまらなく面白い。にやりとするもの、へーえと驚くもの、うーんと考えこまされるもの、わっはっはと笑えるもの、そうだよねえと共感するもの、なんだかわからないもの。どれにも共通するのは、出した本人が常日頃抱えている問題意識の反映であること。したがってどれも切実なのだ。思わず、答えたくなる。もちろん、どう答えるかは、読者に任される。答えなくたっていい。ただ、答えようとして、いろいろ考えることは楽しい。

 一気に読むのも楽しいだろうが、ここは元の趣旨にしたがって、毎日一題、1年かけてゆっくりと読んでゆくのも面白い。

 この企画に招いていただいた中川さん、ありがとうございました。そして、この企画を考えて実行した内沼晋太郎氏と B&B、Rethink Books の皆さんにも感謝。(ゆ)

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