クラン・コラ・ブログ(アイルランド音楽の森)

 アイリッシュ・ミュージックなどのケルトをはじめ、世界各地のルーツ音楽を愉しむブログです。そうした音楽の国内の音楽家も含みます。加えて主宰者の趣味のグレイトフル・デッド。サイエンス・フィクション、幻想文学などの話もあります。情報やメモ、ゴシップ、ただのおしゃべりなどもあります。リンク・フリーです。

タグ:沖縄

 安場淳さんとはもうずいぶん前からの知合いのはずだが、ライヴは初めて。与那国の福里さんのライヴに安場さんがサポートで出られたのは見たが、かんじんの Anchang Project としては初体験だった。これなら、「月刊」でも見たい。

 収獲は何といっても台湾のネイティヴのうた。こんなすばらしいポリフォニーがアジアにあったとは、これまで知らなかったのは不覚としか言いようがない。あとで伺うと、曲によっては本来ユニゾンのうたを Anchang オリジナルのポリフォニーにアレンジされたものもあるが、もともとポリフォニーであるうたもあるそうだ。第二次大戦後、ネイティヴはこぞってキリスト教徒となり、教会で合唱するようになり、さらにポリフォニーが盛んになっているともいう。実はかれらは教会で合唱したいがためにキリスト教徒になった、と言われても、このうたを聴くと納得してしまいそうになる。

 ハーモニーだけでなく、メロディもたいへん美しい。天から降ってくるとか、地から湧きあがるというのとは違って、風に乗って漂うような、やわらかい旋律に、なんども背筋に戦慄が走る。

 この台湾から与那国を中心として、沖縄、奄美をもカヴァーするのが Anchang Project のコンセプトということになるのだろう。その台湾、与那国のうたはとてもやわらかい。聴いているととろけてしまいそうにやわらかい。そこでは風も海もやわらかそうだ。すくなくともうたから聴こえるかぎりは。

 この日は「バンド」の名前にわざわざ「ハモリ」と入れてあるように、ほとんどすべてのうたですばらしいはもりを聞かせてくれた。隣の人が、こういうハーモニーを聴いているの眠くなりますね、と言っていたが、それは本当のところ誉めことばだ。退屈で眠くなるのではない、陶然となって意識が遠くなるのだ。

 メンバーは一定しないそうだが、この日は

安場淳:vocal、三線
比嘉芳子:vocal、三線、サンバ
Jojo ??:vocal、electric guitar
?田まき:vocal、笛
田村ゆう:vocal、太鼓

 Jojoとまき両氏のお名前は申し訳ないが、読めない、わからない。

 なんとも不思議だったのは、安場さんも含めて、皆さん 、ごく普通の人だった。というのもヘンだが、ふだんはどんなに普通の人でも、ステージに上がるとミュージシャンとしての顔になるし、オーラをまとう。アイリッシュでもそういう人はいる、というか、伝統音楽ではごくあたりまえのことではある。Anchang Project にはそれが無い。ここはステージといえるものはなかったけれど、それでも「場」としてはステージだ。そこに立っても、誰もミュージシャンの顔をしていない。ところがいざ音を出し、うたいだすと、それは「普通」などではない、特別な現象、りっぱな音楽なのだ。「ふつう」の顔で、姿で、とんでもないことをやっている。そりゃ、確かに音楽はごく尋常な人間が尋常ではないことをやっているのだけれども、ここまで尋常と異常の境目が無いくせに、両者の差が大きいのは初めてだ。いや、驚いた。

 印象的だったのは「黒一点」のエレキ・ギターで、ほとんどリチャード・トンプソンか、という瞬間さえあった。この人たちはいったい何者なのだ。

 mois cafe は「モワ・カフェ」と読み、下北沢の駅にほど近いが、ちょっとわかりにくいところにある。古い民家を改造した施設で、ライヴが行われた2階は30人も入れば満席。天井を吹き抜けにし、壁をとりはらって一つの空間にしてある。床が板張りなのも改装だろう。ギターの小さなアンプでリード・ヴォーカルにも軽く増幅をかけている他はアンプラグドでもよく音は通る。

 この日は特別料理付きで、ラフテー丼と春野菜のクリーム煮バケット付きのどちらかという献立。あたしは野菜にしたが、なんとも美味でありました。

 ライヴの案内ではこのカフェは今月末で突如閉店、ということだったが、閉店がひと月延びたそうである。あの美味さなら、他の料理、飲み物も旨いにちがいない。どこか、古い友人の家で、のんびりくつろいでいるような感じにもなる。雨でも降ってあまり遠くへでかけたくないときに、好きな本、それも静かな画集か、良い写真のたくさん入った本でもかかえて寄ってみたいところではある。ほんとうはこういう都会のどまんなかではなくて、うちから30分くらい歩くと、木立のなかにほっとあると嬉しい。

 ごちそうさまでした。(ゆ)

 うーん、ショックだ。それも自殺とは。1980年の交通事故の後遺症とのことだけど、前世紀末、平安隆さんと録音を出していた頃にインタヴューした時には、そんな気配はまるでなかった。年をとると出てきたのか。

 とまれ、合掌。(ゆ)

今回はなかなか辛かった。入院中はまずまず眠れましたし、例によって便秘にはなったものの、退院する金曜日朝には便も出て、まあいつもの通り。ところが家に帰ってからダメージが来ました。土曜日はほとんど終日寝ていました。日曜日になって少し楽にもなったので、体を動かした方が良いかと午後から駅前まで買物に出たりもしましたが、効果はあまりなし。今週になってからもずるずる残る感じで、正直、今日になってもまだ引きずっています。
    
    あるいは吐き気が強くなってきたのかも。入院する日の朝から吐き気止めの薬を飲むので、吐き気そのものはほとんど感じませんが、不快感は残ります。また、イメンドというこの薬の副作用の一つでしゃっくりが出る人が半数いるそうで、前回あたりから少し油断するとしゃっくりが出るようになりました。これもまた不快感を強めます。この不快感はちょっと表現しようのないもので、場合によっては不定愁訴と取られるかもしれません。しゃっくりしたその瞬間がはてしなく続いている、と言えば少しは近いか。はっきりとどこが痛いとか苦しいとかいうのではなく、体内のどこか遠くのところが微妙に、しかし決定的にずれている。そしてそれをどうすることもできない。
    
    金曜日にひどく寒かったこともあるのかもしれません。もうずいぶん前から体が少しでも冷えると腹が下ってましたが、術後もそれは変わらず。暑い間は発汗などで水分は不足気味になるので、むしろ便秘が心配ですが、こう急激に気温が下がると着るものの調節に苦労します。免疫力を高めるためにも、とにかく暑いくらいにしておかないといけない。嫌いな靴下も家の中でも履いてます。
    
    手足の指先の痺れもかなり強くなってきて、今回は痺れをとる漢方薬を出してもらいました。ツムラの107番。牛車腎気丸、ゴシャジンキガンと読むもの。人によって効果の強弱があるそうですが、どちらかというと効いているかな。飲みだす前よりは少しは軽くなった気もします。ちなみに抗がん剤の副作用を軽くする薬には漢方薬が多いそうな。
    
    とはいえ、四六時中痺れているのはやはり不快なものです。キーボードを叩くのもなるべくしたくない。手書きはなおさら。
    
    とまれ、薬が体内に蓄積されてきて、それにともない、副作用も強くなってきているのでありましょう。1年間がんばりましょうと毎回判で押したように言われますが、これからの半年が踏ん張りどころであるようです。
    
    同時に、まだまだ「安心」できる状態ではないことも思い知らされます。手術で病巣はきれいになったとしても、がんができやすくなっているし、できたがんへの抵抗力も落ちている。腸も短くなっているので、表面の傷はずいぶんきれいになってきましたが、中はそう簡単ではない。抗がん剤点滴は1年の予定ですが、全快とされるには5年間再発しないことが条件。それも「通常」の環境のもとでのことですから、放射能を浴びながらではこれまでと同じに考えるわけにもいきません。5年というのはひとつの希望であります。
    
    とまれ生きている間は人生を味わい、楽しみたい。ということで、こういう今ひとつの体調となんとか折り合いをつけながら、やらねばならぬと決めたことを坦々と果たすように努めています。刊行を待ちかねていた Tim Robinson のコナマーラ三部作の最終巻 Connemara: A Little Gaelic Kingdom も入院中に着いたことですし。ロビンソンのものを読みつくしてしまうのが厭でわざと読まずに残しておいた『アランの石』後篇『Stones of Aran: Labyrinth (New York Review Books Classics) 』の最後の章も、これでようやく読めます。このどちらか、できれば両方を訳しながら死ねれば本望だな。
    
    今回の入院には JABEN GoVibe Porta Tube は持っていきませんでした。これはちょと重いのと、やはり熱くなるので、今はほとんどデスクトップ用になってます。代わりに持っていったのは、ここのミント缶アンプの試作品。これがすばらしく透明な音で、音楽を楽しめました。ただ、電池が切れたら、予備に持っていた電池がことごとく使えず、しかも充電器を忘れるという失態。
    
    モバイル用のヘッドフォンは Yuin G2a。Yuin の耳かけ式の廉価版の方ですが、もう2年以上使っていて、良い感じに練れていて、手放せません。一度踏んづけて耳にかけるフックが折れてしまってから、どうも本体のフックの取り付け口もゆるんで、耳にかけている間はいいんですが、はずすととたんにフックが本体からはずれてしまうようになってます。その不便さもこの音には換えがたい。
    
    それにしても、HiFiMAN の高価な商品は扱っても同じ Head-Direct の別ブランドである Yuin は扱わないのは安いからですかねえ。
    
    Audirvana Plus は凄いです。こういう音はこれまで体験したことがない。いや、あるかな。青山にあったらっぱ堂でヴァーサ・ダイナミクスのプレーヤーにスペクトラルのアンプ、ウィルソンのスピーカーというシステムで聴いた究極のアナログの体験が似ているか。どこまでも透きとおった空間に音楽が音楽だけがぽっかりと響きわたる。それが、MacBook Pro で聴けてしまう。他のプレーヤーとは完全に一線を画してます。こういう音で聴けるなら、ハイレゾを買うだけの価値はあるとも思えてきます。もちろん通常CDやMP3の音もすばらしいですが、ハイレゾ音源の魅力がようやく納得できました。
    
    これで聴くとアラゲホンジの 1st、DSD ではないハイレゾ版の方も、隅々まで見通しが効いて、気持ち良い。ライヴはDSD版を落としてみましたが、AudioGate はどうでしょうか。せっかくだから DSD のまま聴いてみたくもなります。コルグの MR-2 を買うかな。あれって、再生の音質はどうなんでしょう。録音の質が良いのはさんざん書かれてますが。
    
    最近聴いたのでは、ジュリー・ファウリスの Live at Perthshire Amber 、沖縄の Lucy のセカンドに聴き惚れました。
    
    ルーシーさんのは来月発売ということで、一足御先に聴かせていただきましたが、いよいよ実力発揮。全篇アップテンポの曲ということで一瞬不安もよぎりましたけど、聴いてみればうたい手としての凄みすら感じます。これはほんと、良いシステムで思いきり大音量で聴きたい。「いーぐる」のシステムで聴きたくもなりますが、あそこだとちょっと踊るわけにはいきませんね。聴いていると無意識のうちに体が動きだします。免疫力が高まる気もします(^_-)。
    
    ジュリー・ファウリスのライヴも良いですが、こちらは期待通りというところ。凡百のうたい手の到底およぶところではありませんが、彼女ならばこのくらいは、と思ってしまうのは酷か。スコティッシュ・ゲール語の発音の美しさは格別。これについてはまた。(ゆ)

8aafc586.jpg    奄美と沖縄はいつのまにか別個に考えていた。未知の土地への関心はいつも音楽からなのだが、奄美と沖縄にもやはり音楽から入っていて、するとこの二つはかなり違って響いていた。
   
    順番は沖縄の方が先だ。きっかけはチャンプルーズ。〈ハイサイおじさん〉であり〈東崎(あがりざち)〉である。
   
    奄美はずっと後になって、きっかけは里国隆だった。これはある意味で不幸な出会いだったかもしれない。里のうたは奄美の伝統からは独立した、独自のうただったからだ。だから奄美のシマ唄にはもう一度出逢わねばならなかった。一方で、里のうたの強烈な個性に、奄美の独自性に眼を開かれたのは確かだ。奄美は本土とはもちろん、沖縄とも違うという刷り込みが、里から入ることによってなされたのだ。
   
    さらに後になって、奄美と沖縄のシマ唄の違いが音階にあると教えられる。奄美までは本土音階。沖縄は琉球音階。今回、初めて教えられたのは、音階の境界が行政区画の境界である与論島と沖縄本島の間ではなく、沖永良部島と徳之島の間にあること。言われると、確かに後半のうたくらべでは沖永良部のうたは琉球音階で、聞きなれた奄美シマ唄とは違う。
   
    そういえば沖永良部島のうたはそれとして聞いたことはなかったので、会場で売られていたCDを購入。おそらくは同じことは他の島にも言えるので、島によってそれぞれに個性的なうた、レパートリィがあるはずだ。そういうものをきちんと聞きたい。先日聞いた、与那国の唄者を思いだした。
   
    とまれ、奄美と沖縄は違うと思っていた本土の人間にとっては、この両者をつなぐという発想には脳天逆落としをくらったような衝撃があった。言われてみれば、なぜ違うのか。その淵源は400年前の薩摩の侵攻、植民地化にある、と言われて、なるほどと思う一方で、それがどうしてこれだけの違いになるのかはまだ分明ではない。その点はこれから、パネラーの一人でもあった上里隆史氏の著作などで追いかけよう。
   
    薩摩藩の琉球諸島植民地化については、また別個の勉強が必要だ。シマ唄にはこの植民地支配をネタにしたうたもたくさんあり、アイルランドの例を援用すれば想像はある程度つく。幕末、倒幕を経済的に支えた資源がここから出ていたであろうこと、明治期になってたとえば西郷兄弟が植民地政策のいわば尖兵になるのもここですでに経験があったからだろう、と推測もつく。が、その内実はもっと勉強しなければならない。
   
    このイベントは発案者・企画者である喜山壮一氏が与論島出身であることから出発している。奄美と沖縄の間にあって、双方をつなぐ位置にある島。政治的には奄美に属する一方で、文化的には沖縄とつながる。与論島のうたをまだ聞いたことがないが、それは琉球音階のはずだ。喜山氏はりんけんバンドを初めて聞いた時、そのことばが半分くらいはわかり、そしてあのビートに血湧き肉躍ったという。毎日沖縄本島北部のヤンバルを眺めて育った喜山氏にしてみれば、そこと自分の生まれ育った島の間に境界があるほうがおかしく感じられたのだろう。
   
    ちなみにこの「ヤンバル」を、パネラーの一人、奄美大島出身の圓山和昭氏が知らず、上里氏に説明を求めたのには正直のけぞった。沖縄とは縁のないヤマトンチュであるぼくが聞きかじっていることばを奄美大島出身者が知らなかったのは、奄美と沖縄の間の遥かな距離をはからずも顕わにした瞬間だった。
   
    前半のシンポジウムは、奄美出身者、沖縄出身者二人ずつの四人が、それぞれの地元と相手への想いを語りながら、つなぐもの、手立てを考える形で進行した。四人は奄美、沖縄出身とはいえ、それぞれに生い立ちも事情も異なる。そこから、奄美、沖縄のとらえ方にも、微妙な違いが出てくる。
   
    その違いも興味深かったのだが、東京生まれ東京育ちの人間にとって、それぞれがよって立つ「シマ」を明確に背負っていることがまず印象的だった。本人たちにとって、それは必ずしもプラスの作用だけを持つ要素ではないのだろうが、そもそもそんな「シマ」などはじめから無い人間にはまことにまぶしい。この人たちにはなにはともあれ、語るべき、考えるべき「シマ」がある。たとえば「港区と渋谷区をつなごう」などという発想は、どうひっくりかえってもありえない。そもそもこの二つは独立してもいないのだから。
   
    そうなのだ。つなぐにはまず、それぞれが独立していなければならない。奄美とは何か。沖縄とは何か。いやむしろもっと細かく、与論島とは何か、宮古とは何か、沖縄本島、奄美大島それぞれの集落が何か。
   
    シンポジウムの一応の「結論」がそういうことになったのは、むしろ当然と、納得した。
   
    前半が共通要素を探るというよりも、たがいの違いがあぶりだされていたのは、ことばというメディアの性格かもしれない。それとは対照的に、うたを媒介にした後半は、その違ううたをならべ、比較することで事実上「つながっている」世界が現出していた。
   
    同じうたの各地のヴァージョン、または同じ系統のうたを聞きくらべるというのは、ヨーロッパの伝統音楽でも個人的に時々やるので、単独で聞いているだけでは見えない部分が見えてきて楽しい。今回はこれをライヴで聞かせてくれるので、まことに贅沢な体験だった。
   
    4曲めの〈畦越い(あぶしぐい)〉(ハイヤセンスル)系ではカチャーシーが始まって踊りだす人もいて、最後の〈六調〉では、会場全体、出演者も観客も一体になって踊りくるっていた。八重山にも〈六調〉があるのは、今回初めて知ったことのひとつではある。

    イベントの模様は数台のカメラで記録されていたし、いずれシンポジウムも含めて、どこかに記録が発表されることを期待しよう。
   
    喜山氏も冒頭に言っていたように、奄美と沖縄をつなぐのは、喜山氏にとって切実な問題意識から出ている。正直なところ、ヤマトンチュであるぼくには、その切実感は遠い。しかし、両者が底ではつながっているという認識は、両者それぞれの音楽を聞くときに、また新鮮な体験をもたらしてくれる。この日の後半の体験はまさにそれだった。メウロコというよりも、まったく新しい奄美音楽、沖縄音楽、そして両者が統合された琉球音楽が、あそこには現出していた。
   
    同時にそのそれぞれが独立していること、その中でもまた島=シマによって、独自のうたがあり、踊りがあることも浮かびあがってくる。奄美のシマ唄、沖縄音楽という漠然としたとらえかたではなく、与論島のうた、宮古のうた、久米島のうた、ヤンバルのうた、奄美大島竜郷町の集落・円(圓山氏の出身地)のうた、が浮かびあがってくるはずだ。
   
    むしろ、奄美音楽、沖縄音楽、あるいは琉球音楽は、それら個々の音楽の集合体であるのだろう。
   
    かくて、この最も身近な「ワールド・ミュージック」、薄くはあってもどこかで確実に血がつながっていながら異質の音楽との新たなつきあい方まで示されたのだった。
   
    後半のミュージシャンは初めてその音楽を耳にする方がほとんどだった。シーサーズの持田さんは別として、一度でも聞いたことのあるのは加計呂麻島出身の徳原大和氏ぐらい。かれは確か朝崎郁恵さんのライヴでサポートしていた。とはいえ、当然のことながら、皆さんまことに達者。伝統の厚さをあらためて思いしらされる。
   
    異色といえば、持田さんに狩りだされた大熊ワタルさんのうたを聞けたのは予想外の儲けもの。かれがステージでうたったのは初めてか。
   
    願わくはこの試みが今回だけでなく、今後も様々の形で継続されていかれんことを。(ゆ)

    明後日、08/17(月)の午後、琉球大学の集中講義に登場するそうです。詳しくはこちら

    ヒデ坊ひとりではなく、知花竜海さんとのデュオ。知花さんはヒデ坊とともに、09/21(月・祝)に沖縄・宜野湾市海浜公園でひらかれる「ピース・ミュージック・フェスタ」の実行委員でもあります。
   
    5時間枠で、映像をたくさん見られるようです。演奏はないのかな。(ゆ)

    今年のフェスティヴァルの情報が公式ブログでついに公開になってます。

    といっても期日と場所だけですが、沖縄県外から行かれる人は早めに飛行機など押えた方がよろしいかと。

期日: 9/20(日)〜21(月・祝)
場所:沖縄県宜野湾市宜野湾海浜公園屋外劇場

    イベントの内容、出演ミュージシャンなどはこれから少しずつ発表になるそうな。フジ・ロック方式ですな。上記公式ブログを定期的にチェックのこと。

    さあて、どうやって旅費をひねりだすか。(ゆ)

    音楽はこんなにも深く広く大きくなれるものなのか。前半、梅津さんがアマゾンの自然保護運動に身を捧げて殺された人のために作った曲を聴いていて涙が出てきた。怒りや怨みの音楽ではない。癒しでもない。もっと根っこのところ、人として生きることを可能にしている土台に直接響いてくる音楽。かぎりなく謙虚になるよういざなう音楽。
   
    アップテンポの陽気な曲も、一瞬の油断が致命傷になるようなスリリングな展開も十分堪能したが、それ以上にあたたかい懐にすっぽりと抱かれながら、ずっと厳しい問いをささやかれていた気がする。そんなこと訊かれても答えようがないが、しかしその問いを自ら問いつづけることをやめれば、人間ではなくなる問い。生きものですらなくなる問い。その問いが音楽の形で問われることで、これ以上なく切実に迫ってくる。
   
    それが頂点に逹したのは、後半、近藤ひろみさんのカリンバがフィーチュアされた曲。CDの中でも最も印象的な曲だが、微妙に変化しながら繰り返されるリフが、地球上の生命圏全体の鼓動にも聞こえた。
   
    アンサンブルとしては、近藤、ドーナルのリズム・セクションに梅津、金子のフロント・ラインが奔放自在に飛びまくるのが基本形。しかし目をつむって聴いていると、個々の役割分担などはきれいに消えて、1個の生命として、うねりまわりながれてゆく。こちらとしてはただただまきこまれてふりまわされてながされてゆくしかないのだが、それのなんときもちのよいことよ。1曲が終熄するごとに、すっかり洗われたように、生まれかわったように、すがすがしくなる。
   
    それにしても昨夜は梅津さんの凄さに脱帽した。「世界一のアイリッシュ・サックス奏者」は嘘でも酔狂でもない。音が違う。サックスの音色はもともとがあっけらかんと唯我独尊で、だからオーケストラから追放されたくらいだが、アイリッシュのアンサンブルでもどうにも始末に負えないところがある。場違いなのだ。アイリッシュも抑圧された人びとの音楽であることではブルーズと同じだが、感情のベクトルが違う。その違いが効果的なときもあるが、本質がずれているのはどうにもならない。
   
    それが梅津さんのサックスはぴったりなのである。もとはアイリッシュではない曲でも、このバンドがやると基本的な感情はアイリッシュになる。つまり「おもしろうてやがてかなしき」気持ち。「もののあはれ」にも一脈通じる。同じではないが、通じる。その「かなし」のところを梅津さんのサックスの音色は運んでくる。前からあったのかもしれないが、昨夜は梅津さんのサックスから流れる「かなしさ」、「あはれ」と「をかし」がうまくブレンドされたような何かが、ひときは深く胸の底にしみこんできた。ひょっとすると、演歌をやられたことが、新たな深みをそのサックスに加えていたのかもしれない。そちらを聴いていないから断言できないが。
   
    こういう音楽を聴くとひたすら感謝するしかない。メンバーが菩薩に見えてくる。自然に手を合わせて拝んでいる。
   
    前座には waits が出た。ヒデ坊はCDを聴いてあやぶんでいたが、どっこい、CDからは格段に進化していて、とくにラストに披露したセカンド・ラインのリズムにダンス・チューンをのせたのはすばらしかった。メンバーの友人たちを除けば、おそらく初めて聞く人がほとんどのはずの会場からもやんやの喝采。これからもああいう冒険をどんどんやってほしい。O'Jizo の豊田さんたちも来ていて、waits のメンバーと歓談していたから、何か生まれるかもしれない。O'Jizo、ナギィ〜MIP に続くバンドが出てきて、関東もおもしろくなってきた。関西のシャナヒー、Drakskip、Sheena と東西対抗アイリッシュ・バンド合戦など、誰か企画しないか。ドレクスキップはノルディックだが、この際細かいことは気にしない(^_-)。
   
    30分前に入ったときはガラガラで、ちょっと心配になったが、梅津さんや金子さんのファン層は背広組が多いらしく、開演直前になって増えたし、京都を見て感激した中川さんが「動員」をかけたソウル・フラワー関係者も大挙してやってきて、休憩時などは飲み物注文とトイレに行く人で身動きもならなくなるほど。そういう雑多な聴衆が皆満ち足りた顔をしていた。最後に挨拶だけに出てきたメンバーが引っこんだ後も、しばらく誰も席を立とうとしなかった。(ゆ)

fdb    一昨年の沖縄・辺野古での「ピース・ミュージック・フェスタ」での共演をきっかけに、昨年はCDを出し、今年はついにバンドとなりました。

    チラシはクリックしていただくと拡大するはずです。

    念のため、日時と場所を書いておきます。

04/12(日)京都・磔磔
04/13(月)名古屋・トクゾウ
04/14(火)東京・代官山 晴れたら空に豆まいて

    いずれも18:00開場 19:00開演。

    京都と東京はチケット発売中。名古屋は02/15発売。

 An-Chang Project の安場淳さんのお誘いをいただいて、与那国のうた者・福里安展氏のライヴを聞きにゆく。この人はホンモノだった。

 ホンモノのうたい手はうたがごく自然にあふれ出てくる。声に無理がない。高くなって出しにくそうなときも、聞いていて辛くならない。とにかく、その人がうたいだすと、その人がうたうことは宇宙でもっとも自然なことであるとしか思えなくなる。うたは声がとどく範囲を小宇宙と化し、そのなかにいるわれわれはうたに満たされて他のことをいっさい忘れる。至福の境地。

 アイルランドのドロレス・ケーンがそうである。レン・グレアムがそうだ。故ダラク・オ・カハーンがそうだ。スコットランドのキャサリン=アン・マクフィーがそうだ。ブルターニュのマルト・ヴァッサーロがそうだ。イングランドのノーマ・ウォータースンがそうだ。もっと近くでいえば、誠小。嘉手苅林昌。大工哲弘。大島保克。古謝美佐子。大城美佐子。元ちとせ。

 そして福里氏はその誰とくらべても遜色ない。というよりも、その誰よりも自然度が大きい。度合いが大きいというのはややずれるが、この人の場合、「高い」とか「強い」という形容があてはまらない。やはり誰よりも器が大きい。

 他の人たちの生は見ていない。だから、この比較、評価は不公平だ。それは承知のうえで、なおかつ今夜の福里氏はまぎれもなく世界一のうたい手だった。

 声は高からず低からず。芯が太く、ボディは充実して、倍音が豊かだ。三線はどうもかなりゆるい張り方に思える。本島や奄美のカンカンという響きではない。

 そして与那国の節回し。これもどうもゆるい。よい具合にゆるい。本島や八重山の旋律にはいまだにエキゾティズムを感じるし、それが魅力のひとつでもある。が、与那国の節回しはなんの抵抗もなく、体にはいってくる。それでいてこれは違う。これまで聞いたどんなうたとも違う。だから新鮮ではある。こんな新鮮なものにこんなにするりと入ってこられるというのは、これはいったい何なのだ。

 前半は笛と太鼓兼お囃子とともに与那国の古いうた。凄絶なバラッド〈いとぬぶでぃ節〉がハイライト。後半は曲によってヴァイオリンまたはピアノがサポートして、わらべうたと子守唄。すぐれた大人のうた者がうたうわらべうたや子守唄がすばらしいのはアイルランドでも例がある。

 ヴァイオリンとピアノはどちらもクラシック畑の人。試みとしては大いに評価するが、どちらもまだおそるおそるやっている。失敗して当然なのだから、もっと思いきって踏みこんでほしい。福里氏はそれをがっちり受けとめられるだけの懐の深さをお持ちのはずだ。お二人のうちではピアノの方に時間をかけた痕があった。

 会場は百人もはいると満員になるのが、通路にまですわりこむ人がいる大盛況。ほとんどは与那国出身やその親族らしく、夫婦や家族で来ている人びとも多い。筆者のようなまったくの一人で、知り合いもゼロという客が例外。子どもも二、三人いた。女性が8割ぐらい。

 休憩時間に与那国特産にごり泡盛がふるまわれる。かなりドライで、かすかに塩味が残る。腹におちるとじわあとぬくもりが広がる。こんな酒も飲んだことがなかった。

 福里氏にはなんとしても録音を作っていただきたい。世界はこのうたを聞くべきだ。このうたを聞かずして、沖縄音楽を語るなかれ。ワールド・ミュージックを語るなかれ。

 これだけのうたが生まれるには、福里氏ひとりだけではないはずだ。福里氏は今いちばんだそうだが、まだまだ隠れた名手がいるはずだ。また、いたはずだ。

 おそるべし与那国。沖縄音楽最後の秘密。ひょっとすると最大の秘密かもしれない。(ゆ)

 先日来日したブルターニュのデュオ Bugel Koar のかたわれマルト・ヴァッサーロに誠小のCDを送ったら、いたく気に入ったとお礼のメールが来た。これはチャンスとメール・インタヴューを申しこんだら快諾。先日山のような返事。

 この人、実におもしろい。音楽もすばらしいが、音楽への態度がまたすばらしい。好奇心がめちゃくちゃ旺盛で広い。ブルターニュ伝統音楽のど真ん中で週に一度は fez nos というダンス・パーティーで何時間もうたいながら、ジャズやクラシックでもうたう。今日はジャズ・ミュージシャンと共演し、明日はオペラを歌い、明後日はブルターニュのフェス・ノーズでダンスの伴奏をするというのが日常なのだ。

 このインタヴューは今月のメルマガに掲載予定。

 お礼に沖縄音楽のコンピを作ってあげようと手持ちのCDを先日からあれこれ聞きなおしているのだが、それにしても嘉手苅林昌という人はいったい何なのだろう。この人の魅力を外国人にどう説明すればよいのか。誠小はまだわかりやすい。いっそ明解でもある。しかし、嘉手苅は難しい。聞けば凄いことはわかる。誠小や照屋林助もいるけど、戦後沖縄の唄者を一人だけ選べと言われれば、やはりこの人になるのではないか。

 わからないままに、あまりに気持ちよく、とにかく持っている音源をずっと聞いていったら、すばらしいものにぶちあたる。《ジルー》に入っている誠小との共演。二人が交互にかけあいでうたうのだが、これは正にブルターニュの「カン・ハ・ディスカン」ではないか。二人のうたい手が交互にうたうことには、コーラスやユニゾンとは違う形で、魂を揺さぶる力がある。

 たがいへの競争心と共鳴共振する感興に次第に緊張度が増してゆくのだが、表面の音楽自体はゆるいままだ。外殻のゆるさと内部のしまりはまったく融合して、どちらかが欠けることもできないし、分離もできない。意味は一切わからないのに、耳を離せない。引きこまれ、身動きもならない。それでいて身も心もリラックスしきっている。

 これをマルトはどう聞くだろう。(ゆ)

 京都のアンティークきものショップ「やゝ」で、平安隆さんのライヴがあるそうです。相方はソウル・フラワー・ユニオンの元ドラマー永原元さん。

 元来が京都の細長い町屋を利用した店らしく、サウンドそのものも雰囲気も変わったものになりそうですね。

--引用開始--

琉球への游宴

― 京町屋で楽しむ沖縄音楽の夕べ ―

祇園祭の鉾も立ちはじめます7月12日に
平安 隆、永原 元さんを迎えライヴをおこないます。
まだ梅雨の明けない曇り空の京都の町ではありますが、
久しぶりの京都でのライヴ! お着物好きで無い方も(笑)
おこしくださいませ♪

出演:平安 隆(歌、三線)
   永原 元(ジャンベ)
時 :07/12(土)18:30 start(店舗は18時まで通常営業しております)
場所:やゝ游風店 京都市下京区仏光寺通烏丸東入上柳町319-3
料金:4000円(ワンドリンク付)
   *会場内は禁煙となっております*
お問い合わせ:やゝ游風 
       TEL: 075-431-8777
       E-mail
--引用終了--

a6c7582d.jpg  来月 22日(日)に東京・上野の水上音楽堂で開かれる「Peace Music Festa! from 辺野古 ’08」のチラシができあがってきました。

 出演ミュージシャンも決まってきて、わーい、KACHIMBA が東京で見られるぞっ。

 皆さん、ムリをしてでも見に行くかいはありますよ。

--引用開始--
『Peace Music Festa! from 辺野古 ’08』
  〜わったー地球(しま)はわったーが守る〜

基地よりもっと音楽を!!
東アジア最大の米軍基地建設計画に揺れる沖縄県名護市辺野古。
「Peace Music Festa!」は、その辺野古の浜で 2006、2007と開催され、県内外から集まった多くのミュージシャンや観客は、美しい海が失われようとしている現実を実際に目にした。2008年は、首都圏の人たちにも沖縄の現状を知ってもらおうと、東京上野での開催を決定。辺野古でのライブを体験したミュージシャン達がステージに立つ!

☆イベント詳細
日時:2008年6月22日(日)13:00開場 14:00開演
場所:【東京都】上野公園 水上音楽堂
        (会場屋根付きの為、雨天決行)
料金:前売り4,000円 当日4,500円 中学生以下無料

【出演アーティスト】
SOUL FLOWER UNION/渋さ知らズオーケストラ/
DUTY FREE SHOPP.×カクマクシャカ/
ドーナル・ラニー with 梅津和時、近藤ヒロミ/
寿[kotobuki]/照屋政雄/Shaolong To The Sky/
KZ [G.A.C]/KACHIMBA4

【チケット取り扱い】
チケットぴあ Pコード : 289-114
ローソンチケット Lコード : 74966
イープラス http://eplus.jp
新宿『Naked Loft』 TEL:03-3205-1556
高円寺『沖縄居酒屋 抱瓶』 TEL:03-3337-1352
銀座『わしたショップ』 TEL:03-3535-6991
前売り券好評発売中!!

☆問い合わせ:
Peace Music Festa '08実行委員会
E-Mail : pmf08@peace-music.org

スポンサー、ボランティアスタッフ募集しています。
こちらまでご連絡ください。

カンパ:大変助かります、どうぞよろしくお願い致します。
沖縄銀行・本店 店番:101 普通:2297233
ピースミュージック代表 ヒラノマサアキ
--引用終了--

 沖縄在住のドーナルが、
駐留するアメリカ軍のふるまいを見るに見かねて、
軍司令官に
抗議の手紙を送ったそうです。

 以下がドーナルの送った手紙と日本語訳です。


TO THE COMMANDER OF THE U.S. MILITARY FORCES ON OKINAWA;

Dear sir,

I am an Irish citizen, and have lived intermittently in Okinawa (Nodake,
Ginowan), for over two years.   I soon became aware of the extraordinary
circumstances Okinawan people have had to endure daily, more or less since
World War Two; the presence of a working army, apparently utterly indifferent to
its impact on the population of Okinawa; the constant roar of low-flying
helicopters and fighter jets (which frequently exceed legally established "safe"
noise limits), and the obvious danger to all who live anywhere near the many
military airstrips and helipads -- particularly the people around Futenma Marine
Airbase in the heart of Ginowan City, long recognised as the most built-up
airport on the planet.

My 5-year-old daughter attends pre-school in Nodake, which is on the main
flight path of Futenma airbase.  While I was there I saw small children reacting
with fear to the roar of aircraft flying directly overhead.  As well as the
psychological trauma, there is every possibility that my daughter and her
schoolmates' hearing will be damaged.  It is an unacceptable situation.

But I only recently discovered that of the many hundreds of formal objections
and complaints presented to the U.S. authorities over the years, not a single
positive solution has been offered in response.  This bespeaks an attitude which
is entirely inappropriate for a body representing a democratic country.

I have found the people of Okinawa to be civilised, honourable and kind -- even
though I am often assumed to be American -- and I believe it is this very
tolerance and good nature that has accommodated the intransigent attitude of the
U.S. authorities for so long -- despite the fact that most Okinawans undoubtedly
abhor the fact that their country is being used to train American soldiers for
active service (which usually involves killing people) in other countries.  The
numerous protest demonstrations by Okinawans have achieved no change
whatsoever.

On Aug. 6. '05, the U.S. military and the Japanese government agreed to reduce
the flyover patterns at Futenma to two circuits from the existing six or more. 
Since then, there has been no noticeable change in the flyover patterns above
Ginowan; if anything, military air activity has increased.  Unacceptable.

The most recent data I acquired of military air activity is from the neighbouring
airbase of Kadena.  On Nov. 26th, '07, in a 17-hour period, there were 92
(ninety-two) F15 fighter jet flyovers, with sound levels regularly exceeding 70
decibels (normal conversation is out of the question during this noise), adjacent
to schools and hospitals.  That averages out at one every 11 minutes. 
Unacceptable.

The AICUZ (Air Installation Compatible Use Zone)  program, which applies in
America, Italy and Germany, requires that a 900-metre long area at each end of
a runway be prohibited areas (no buildings or people), and a larger zone of 3.5
km be designated Accident Hazardous areas.  My daughter's school lies within
this area.  Up to 10,000 people live and work within the AICU Zone in Ginowan
alone.

On behalf of the people of Okinawa;

I call on you to immediately begin honouring your Futenma Flyover Pattern
agreement of Aug. 6. '05;

I call on you to commence winding down operations on Futenma Airbase
without delay, and to effect its closure as soon as possible;

I call on you to abandon plans to relocate Futenma Airbase at Henoko.  This will
merely transfer to the people of Henoko the same dangers and lowering of
quality of life as is presently suffered by the residents of Ginowan.

I call on you to follow the closure of Futenma with the immediate closure of all
the other military facilities on Okinawa, and to effect the prompt return of the land
to its rightful owners.

There were over 120,000 Okinawan men, women and children killed in the
infamous Battle Of Okinawa of World War Two.  Many graves are situated on the
land held by the U.S. military, and are inaccessible to the families of the dead. 
Unacceptable.

Democratic societies thrive on open communication and debate.  I look forward
to your response, as no doubt do the other parties who have also received this
letter.

Yours faithfully,

Donal Lunny


沖縄駐留米軍基地 司令長官 殿

 私はアイルランド国民で、この2年余りの間、断続的ですが沖縄(宜野湾
市・野嵩)に住んでいます。住み始めてすぐに気づいたのが、第二次世界大戦
以降、沖縄の人たちが、日々我慢を強いられる異常な状況におかれている事で
した。駐留米軍は沖縄住民への影響を全く気にかけていないのは明らかです。
轟音をたてるヘリコプターや戦闘機が、絶えず低空飛行しています(法律で定
められた“安全”騒音制限値を越えることも度々あります)また、15ヶ所ある軍
の離着陸場付近に住む住民が危険にさらされているのは明白です。宜野湾市の
中心にある、海兵隊普天間航空基地周辺の住民は特に切実で、この飛行場は地
球上で最も建て込んだ所に位置しているのはよく知られています。

 私の5歳の娘は野嵩の保育園に通っています。この保育園は普天間基地の主
要飛行経路上にあります。ここを訪れた際、頭上を低空飛行する航空機の騒音
に、幼い子どもたちが恐怖の表情を浮かべるのを私は目撃しました。私の娘や
同級生たちは、心理的なトラウマを負うだけでなく、聴覚が損傷を受けるおそ
れもあります。これは容認できる状況ではありません。

 ところが、最近知ったのですが、アメリカ軍当局に何百という正式な異議・
不服申し立てが何年にもわたり行なわれてきたにもかかわらず、それらに対し
て何の改善策もとられなかったという事です。このような態度は民主主義国を
代表するには全く不適格と言わざるをえません。 私はよくアメリカ人と間違
えられます が、それでもなお、沖縄の人たちは、礼儀正しく親切に接してく
れます。このような寛容な性格の良さのおかげで、長期にわたってアメリカ軍
当局が傲慢な態度を取ることを可能にしていると私は信じています。それでも
実際は、ほとんどの沖縄の人たちはアメリカ兵たちが他の国々での軍の勤務(た
いていは殺人を意味します)のための訓練に,自分たちの土地が使われること
を、たいへん嫌っていることは疑う余地もありません。

 2005年8月6日、米軍と日本政府は普天間基地での飛行形態を、現行の6
回またはそれ以上を、2旋回に減らすことで合意しましたが、その後も宜野湾
上空の飛行形態に目立った変化はありません。この状況はとうてい容認できま
せん。

 アメリカ軍の活動について私が入手した最も新しい情報によると、 近隣の
嘉手納基地での2007年11月26日、17時間の間に基地周辺をF15型戦闘機が92
回飛行しました。その際、近隣の学校や病院では飛行の度に騒音値が70デシベ
ルに達しました(通常の会話が成り立たないほどの騒音です)。それが11分に
1度起きた計算になります。容認できない状況です。

 アメリカ、イタリア、ドイツで適用されている AICUS (航空施設周辺地域
の土地利用に関する指針)では、滑走路の両端の延長900メートル以内は、建
物の建設や人の居住が禁じられ、さらに半径3.5キロ以内は「事故の起きる危
険の高い地域」に指定されています。私の娘の保育園はこの地域に含まれます。
宜野湾市だけでも、AICU に規定されるはずの地域に住み、働いている人間は
1万人を超えます。

 私は沖縄の人たちに代わり下記の要求をします。

 2005年8月6日に交わされた普天間の飛行形態に関する合意を、直ちに遂
行することを要求します。

 普天間航空基地での軍事行動の縮小開始を延期せず、早期の閉鎖に努めるこ
とを要求します。

 普天間航空基地の辺野古移転計画の中止を要求します。これは現在、宜野湾
市民が苦痛を強いられているのと同様に、辺野古の住民に同じ苦しみと生活の
質の低下をもたらすだけです。

 普天間基地の早急な閉鎖と同時に、沖縄に駐留する全ての軍施設を閉鎖し、
正当な所有者に土地を返還することを要求します。

 第二次世界大戦下の悪名高き沖縄戦で、12万人以上に及ぶ沖縄の男性、女性、
そして子どもたちが殺されました。多くの墓が米軍によって占拠された地域内
にあり、遺族が訪れるのも困難な状況です。これは、とうてい受け入れられな
い事です。

 開かれた情報や対話と討議があってこそ、民主的な社会は発展します。あな
たの返事をお待ちしています。この手紙を受け取った関係者も、また同じ思い
でいることでしょう。

敬具

ドーナル・ラニー

(翻訳=ミドリ・ポッター with おおしまゆたか)

 昨年今年の2月、
沖縄本島は辺野古の浜でおこなわれた
Peace Music Festa! のドキュメンタリーができあがり、
その上映会と交流会が
来月上旬、沖縄・宜野湾市であるそうです。

 そちら方面の方、その頃その近くにいる方は
お誘い合わせの上、お出かけください。
Peace Music Festa! を見た方は記憶を新たに、
不幸にも(^_-)見られなかった方も追体験をどうぞ。

 それにしても、
今年2月のやつは生涯最高の音楽体験の一つでした。


Peace Connection

〜Peace Music Festa!辺野古’07 再会チャーガンジュー交流会〜

 今年2月と昨年2月に辺野古の浜で行いました Peace Music Festa!辺野古の際は大変多くの皆様にご協力いただきありがとうございました。同イベントの辺野古での次回開催は未定ですが、このたび Peace Music Festa!辺野古’07のライブ映像やインタビューなどを収録したドキュメンタリー映像が出来上がりましたので、感謝の気持ちを込めて、上映会と交流会を開かせて頂きます。

 このイベントを通して生まれた、音楽やアートを通じて平和を作っていこうという繋がりや広がりををさらに生かし、今後みんながそれぞれお互いの事を知り、互いに何ができるかを考え、交流する場になれば嬉しいなと考えています。

 よろしければ、辺野古でのイベントに参加した方にも来れなかった方にも、お誘いのうえ遊びに来てください!

12/08(土) OPEN 18:30 START 19:00
@宜野湾ヒューマンステージ(宜野湾市長田、330沿いダイソー隣、P有り)
会費 ¥500(ドリンク代は別途いただきます)
info:090-1946-0163 (Peace Music Festa!辺野古'07実行委員会
メールはこちら


 フライヤー画像はサイトか下記ダウンロードURLからダウンロードできます。
可能な方はブログやサイトに貼ったり、プリントアウトするなど告知にもご協力いただければ幸いです。
フライヤーPDF 1.4MB

内容
19:00  Peace Music Festa!辺野古’07のドキュメンタリー映像上映(60分)
20:00 トークセッション(40分)
    テーマ:PMF辺野古のその後と今後を語る
    司会:知花竜海&KEN子 
20:40 ミニライブ(知花竜海、KEN子、他…)(20分)
21:00 交流会(120分) 23:00 終了

 12/08(土)、太平洋戦争開戦日に
佐渡山豊さんや和久井光司さんが出るライヴが
東京・新大久保であるそうです。

 かつてはライヴごとにバンド名が変わっていた和久井さんですが、
ここしばらくはずっと「セルロイド・ヒーローズ」ですね。
やっぱりかれもキンクス・ファンなのかな。

 佐渡山さんは2枚組ライヴ《サバニ》がとにかくすばらしい。

 沖縄出身ですが、
ルーツは尊重しながらも、
伝統音楽とは一線を画した、
独自の道だと思います。
沖縄のクリスティ・ムーアかな。
ライヴ・アルバムが圧倒的なのも共通しますね。

 ずいぶん久しぶりに覗いたら、
その後またライヴが出ているんですね。
これは買おう。

 佐渡山さんはその前日に「前夜祭」もやるそうです。
詳しくは上記ご本人のサイトをどうぞ。

 この企画、
ずいぶん続いているようで、
過去のはDVDにもなっていました。


「トラ・トラ・トラ2007」

12/08(土)開演18:30
 出演  佐渡山豊 with 玉城まさゆきバンド
     豊田勇造
              和久井光司&セルロイドヒーローズ
 前売 3500円 当日4000円
 場所 R's アートコート(労音会館)


 石垣島の唄者、大島保克さんが今日の夕方 NHK-FM に出るそうです。

NHK-FM『サタデーHOTリクエスト』
06/02(土) 14:00〜(大島の出演は16:30ごろから)

 「近畿地方を除く全国生放送です。スタジオ生演奏もあります」だそうです。

 また明日日曜日には東京・渋谷のアップル・ストアでインストア・ライヴがあるそうです。夜の8時から、約30分。共演はいつもの武川雅寛(ヴァイオリン、マンドリン)、近藤研二(ギター)。入場はもちろん無料。


 そういえば、しばらくライヴを聞いていないなあ。新譜もまだ買えない(先月、買過ぎ)。

 佐賀をベースにする八重山音楽ロック・バンド、八重山モンキーが明日、福岡・天神でライヴをするそうです。
 また、メンバーのよしとが今月下旬、やはり福岡でのライヴに参加するそうです。

 八重モンのCDは面白いです。一聴の価値はあります。

 この藤木氏の活動は面白そうですね。



★03/06(火)
【ラウンジサウンズ】
 メロウなポップスセンスで風景の見える音楽を奏でるライスボウル。
 わ〜るどちゃんぷる〜をテーマに沖縄の熱くてハッピーな音楽を聴かせる八重山モンキー。
 そしてラウンジサウンズ初登場の瑞々しくも猛々しいロックグループ、nanosnap、KILLERMERCEDES、La La Goodbye. の楽しみな3組。
会場 VooDooLounge
時間 open 19:00 start 19:30
料金 1000円+1drink order
出演 八重山モンキー/ライスボウル/KILLER MERCEDES/LaLa-Goodby/nanosnap
司会とDJ)ボギー

★03/29(木)よしとソロ活動〜
うちな〜噺家『藤木勇人』&唄者『金城安紀』
ちゅらさんど〜い!!
ゆんたくライブ

開場18:30 開演19:00
場所 アクロス福岡円形ホール
料金 前売¥3000 当日¥3500
出演 うちな〜噺家:藤木勇人 唄者:金城安紀 太鼓:よしと
NHKちゅらさんでお馴染みのゆがふの店長、藤木勇人さんとライブが決定しました。
藤木さんは元りんけんバンドのボーカルと琉球チムドン楽団のボーカルを担当。
現在は全国で一人語りや一人芝居などで活躍してます。
皆さんのお越しをお待ちしております。


 An-chang プロジェクトが与那国の唄者、福里安展氏とのライヴを横浜でするそうです。

 坂本道弘氏がゲストで、まことにおいしそうなライヴですが、その日は武蔵野でカトクリ vs ハウホイなので、編集部は行けません(T.T)。行かれた方、レポートをお寄せくだされば、幸い。


 しばらくぶりにサイトを見たら、シーサーズのセカンドが出ていました。こいつは買わねば。

   *   *   *   *   *

節分コンサート@新横浜

 〜与那国の古謡と島々のハモリ歌を聴く〜

◆02/04(日)14:00 開演 (開場 13:30)
◆沖縄本島から300km 、日本最西端、はるかに台湾をのぞむ与那国島。「Dr.コトー 診療所」のロケ地としても知られる島は、情感あふれる島唄の宝庫です。
◆今回は、与那国の叙情歌人、福里安展(ふくさと やすのぶ)さんをお迎えして、「すんかに」や「とぅばるま」「どぅんた」など、聴く機会の少ない与那国の古謡の世界をご紹介します。
◆ご一緒するのはAn-chang プロジェクト。沖縄〜与那国の労作唄や神唄、奄美や永良部の唄掛けの唄、台湾先住民の豊猟祈願の唄、太平洋の島国キリバスの唄などを、ハモってあそぶユニットです。
◆人と人が唄い交わす唄の持つ力、さまざまな人の声がその場で生み出す声の合力。島々での唄遊びの気分を、ご一緒に味わいましょう!

出演/福里安展(唄・三線)
   Anchang-Project
      …安場淳(vo., 三線)・宇野世志恵(vo., 三線、太鼓、三板)
     & 坂本弘道(チェロ)
料金/当日 2,500 円  前 売り 2,200円
チケット&問い合わせ先/川原
    MAIL:kanson@hi-ho.ne.jp、FAX: 03-3204-6966
    前売りは新宿の宇野世志恵の居酒屋「鍛冶」(03-3200-1890)でも取扱中!
会場/スペース・オルタ

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 ソウル・フラワー・モノノケ・サミット、ドーナル・ラニィ&梅津和時などが出演する沖縄・名護市辺野古でのピースミュージックフェスタの1日目、土曜日の出演者リストが公式サイトに出ています。

 時間は昼過ぎ、12時半に始まって、夜の8時まで。出演の順番はまだ発表になっていません。

 公式ブログも始まっているので、情報はこちらのほうが早そうです。

 本土から行かれる方もおられると思いますが、駐車場はじめ、注意事項があります。よーく、読んでおきましょう。

 佐賀で活動する八重山のバンド、八重山モンキーの今年最後のライヴ・ハウスでのライヴが明日、あるそうです。

 バター・ドッグスが先日の九州ツアーで共演したというのでCDを聞いてみましたが、たいへん面白いバンドです。生が見たい。

   *   *   *   *   *

今年最後のLIVE-HOUSEでのLIVEです!
平日ですが出番が丁度良い時間帯です!
奮ってご参加くださいませませ。
12/12(火)
「ラウンジサウンズスペシャル」〜スペシャルだよ!
@VooDooLounge
open: 19:00 start: 19:30
ticket: 1,500円 +1ドリンクオーダー
出演者等は
こちらへアクセス!

 明日ですが、大阪・フィドル倶楽部での Celtic Baroque のライヴに大工哲広さんがゲスト参加されるそうです。

 ちなみに Celtic Baroque はフルートの hatao さんがやっている企画で、ケルトとクラシックを融合する試み。

 こういうハプニングが起きる関西がすごくうらやましかったりする。


明日の四ツ橋のCeltic Baroqueのコンサートに、
八重山民謡の歌手 大工哲弘さんが、お弟子さんとともに
遊びに来られることになりました。
ゲスト参加していただいて、共演もあります!

これは嬉しいサプライズですね!
わくわくしています。

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        9月16日(土) 15:00開演
     Celtique Baroque コンサート @
          @フィドル倶楽部
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◇日時 :2006年9月16日(土) 開場 14:30 開演 15:00
  終演後、セッションがあります。
  楽器を持ち寄り下さい。
◇場所 :大阪フィドル倶楽部
 ( 地下鉄四つ橋線・四ツ橋駅徒歩5分 )
 大阪市営地下鉄 四つ橋線 四ツ橋駅5番出口から
 南へ徒歩2分

 住所:〒550-0015 大阪市西区南堀江 1-1-12 浅尾ビル 3F
 電話:06-6536-7315

◇入場料金:前売1500円 当日2000円
◇出演 :hataoアイリッシュフルート)
     今尾 公美 ( アイリッシュハープ )、
     星 衛 ( チェロ )、
     ゲスト:河原 のりこ ( ソプラノ )

ご予約、お問い合わせは フィドル倶楽部までお問い合わせ下さい。

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