9月10日・金
バラカンさんの著書『ピーター・バラカン式 英語発音ルール』を版元からいただく。まえがきとあとがきを読む。これは『猿はマンキ、お金はマニ』の改訂版で、まえがきは新旧ともにある。バラカンさんは日本を海外に紹介する番組をずっとやっていて、その視聴者が日本にやってきて会ったりすることもあるそうだ。そういう過程で、いわゆる「インバウンド」の対象が有名な観光地だけでなく、実にいろいろなところになっていることを確認している。そのことは、なんとなく感じていたけれど、バラカンさんが裏付けてくれている。
それにしても「ローマ字は英語ではありません」と、表紙に刷りこみ、まえがきでもあとがきでも大文字で繰返しているのに、いささか驚く。これだけ強調するということは、つまりはローマ字を英語とみなしている実例にたくさんでくわしてきたのだろう。あたしがそういう体験が無い、というか、気がついていないのは、あたしが日本語ネイティヴで、同じ勘違いをしているからか。ローマ字読みしてるつもりはないんだけど、知らずにそうしているのだろう。これは別の言い方をすれば、英語が日本語とは違うことをちゃんと意識しよう、ではないか。ローマ字読みをしてしまうのは、その意識が甘いからだろう。これがフランス語やドイツ語だったら、ちゃんと身構えてローマ字読みなどしないはずだ。英語だと自動的にローマ字読みしてしまう。James はジャメスになり、Graham はグラハムになる。「ジャメス」なんてありえないように思うが、バラカンさんが息子さんの名前を役所に屆けようとしたら、こう読まれたそうだ。これが Johann だったら「ジョハン」とは読まれまい。
でも、ほんと、もういい加減に「グラハム」はやめましょうよ。
まえがきで面白いのは、アメリカ英語の発音の方が日本語からずっとかけ離れていて、イギリスの標準的な発音の方がまだ近いから、そちらを採用している、という点。ああ、そうだったのか、と納得がゆく。ここは旧版のまえがきなので、読んでいるはずだが、完全に抜けていた。
1973-09-08の《Dave's Picks, Vol. 38》 を Acoustune HS1300SS Verde で聴く。すばらしい。デッドのライヴ音源を聴くためのイヤフォンがようやく見つかったか。全ての楽器、ヴォーカルがハーモニーの一人ひとりまで、みずみずしく、活き活きと聞えてくる。それも音の方から耳に飛びこんでくる。意識して耳をすませなくても、音楽が流れこんでくる。聴くにしたがって、ガルシアとウィアのギターの響きに艷が乗ってくる。デッドのライヴ音源を聴くヘッドフォンはといえばまず Grado The Hemp になるけれど、イヤフォンではまだ、これだ、というのは無かった。Unique Melody の 3D Terminator はいい線を行っているけれど、HS1300SS の方がどんぴしゃ感がある。
Sakura craft_lab 006 には物欲を大いに刺激されるが、高すぎる。筆記具にそんなにカネを割けないよ。オーディオの方が先だわなあ。
##本日のグレイトフル・デッド
9月10日のショウは1972年から1993年までの7本。うち3本に公式リリースがある。
1. 1972 Hollywood Palladium
前日に続く同じヴェニュー2日め。前半5曲目〈Bird Song〉が2013年の《30 Days of the Dead》でリリースされた。この演奏はちょっと面白い。ひとしきりジャムをした後で一度終ったとみせかけてドラムスが入って再び始まり、やや大人しくなって歌が入って、またジャムをする。ガルシアは難しそうなことは何もやらない。シンプルなフレーズ、同じ音を繰返すのを重ねてゆく。これがなかなかいい。ガルシアのヴォーカルもいい。ハーモニー、コーラスも決まっている。ただ、二度目の歌の後のジャム、ガルシアのギターがノリはじめたところでテープが切れている。残念。
後半6曲め〈Dark Star〉にデヴィッド・クロスビーが参加している。どうやらギターのみの模様。
2. 1974 Alexandra Palace, London
3日連続の中日。《Dick’s Picks, Vol. 07》に収録されたのはこの日のショウからが最も多く、前半2曲めからアンコールまで、10曲。
このショウの録音はキッド・カンデラリオで、かなり良い。すべてのパートが明瞭に聞える。ガルシアのギターは左、鍵盤が右、ウィアのギターとベース、ドラムスがセンターに並ぶ。この遠征にデッドは "The Wall of Sound" を持ちこんでいる。ロンドンのこの会場での設営には40人がかりで2日かかったそうだ。
3. 1983 Downs of Santa Fe, Santa Fe, NM
同じヴェニュー2日連続の初日。屋外で午後2時開演。
4. 1985 Henry J. Kaiser Convention Center, Oakland, CA
地元で3日連続のショウの初日。チケットによれば料金15ドル。
5. 1990 The Spectrum, Philadelphia, PA
ここでの3日連続の初日。
6. 1991Madison Square Garden, NY
MSG9本連続の3本めで、《30 TRIPS AROUND THE SUN》の1本として完全版がリリースされた。
ブランフォード・マルサリスが2度めに参加している。ブルース・ホーンスビィ参加。
7. 1993 Richfield Coliseum, Richfield, OH
3日連続の最終日。(ゆ)


