クラン・コラ・ブログ(アイルランド音楽の森)

 アイリッシュ・ミュージックなどのケルトをはじめ、世界各地のルーツ音楽を愉しむブログです。そうした音楽の国内の音楽家も含みます。加えて主宰者の趣味のグレイトフル・デッド。サイエンス・フィクション、幻想文学などの話もあります。情報やメモ、ゴシップ、ただのおしゃべりなどもあります。リンク・フリーです。

タグ:真空管

 TouchMyApps というサイトにはヘッドフォンのコーナーがあって、セレクションも個性的ですが、内容も微に入り細を穿ったもので、読み応えがあります。その中に GoVibe Porta Tube+ のレヴューがあるのを、最近、発見しました。これはもう「銘器」といってよいかと思いますが、なかなか情報が少ないので、著者の了解を得て邦訳してみました。お楽しみください。なお、元記事には美しい写真がたくさんありますが、著作権の関係でここには載せられません。また、後ろの方に出てくるグラフも同様です。これらは元記事をご覧ください。

Big thank you to Nathan Wright who wrote the oritinal review for his kind permission to translate and put it up here.


PortaTube-iPhone2


 チープなことは悪いことじゃない。ぼくはチープなものを食べて、チープなものを着て、チープな冗談を言っている。もうずいぶん久しい間、Jaben がぼくのまわりに送ってきていたのは、チープなアンプばかりだった。大量生産品だね、アーメン。ところが Jaben はとうとう好みを変えたらしい。いずれ慈善事業にも手を出すことになるんだろう。いやその前にまずは Porta Tube+ だ。iPad/Mac 向けの真空管ヘッドフォン・アンプ兼DAC だ。ブルジョアが聴くにふさわしく、王様にぴったりの音を奏でる。

 どこの王様かって。GoVibe 王国のだよ。

スペック
24/96kHz アップサンプリング DAC:CIRRUS CS4398-CZZ (24/192kHz)
真空管:72 6N16B-Q
USB コントローラ:Texas Instruments TIASIO20B
一回の充電で使用可能な時間:7-10 時間
驚異的な音

 Jaben 製品ではいつものことだが、スペックを知りたいとなると、あちこちつつきまわらなければならない。探しものが見つかることもあるし、みつからないこともある。付属の文書類はいっさい無い。Jaben 製品が使っている DAC チップが何か、まるでわからない。オペアンプもわからない。Porta Tube や Porta Tube+(以下 Porta Tube/+)が使っている真空管の種類然り。事実上、わかることはなにも無い。(セルビアの Zastava のブランド)ユーゴかトヨタの部品を寄せ集めて作った1990年型現代(ヒュンダイ)自動車の車を買うのによく似ている。部品が何か、知っているのは販売店だけだ。ありがたいことに、Porta Tube/+ には良い部品がふんだんに使われている。もうひとつありがたいことに、Jaben はありえないようなスペックをならべたてたりはしていない。ダイナミックレンジが 120dB だとかぬかしているアンプ・メーカーはごまんとある。嘘こくのもいいかげんにしてくれ。いやしくも音楽信号を扱うのに、そんなことありえるか。負荷がかかれば、なおさらだ。

 先へ進む前に、Jaben の Vestamp を覚えているかな。あれも GoVibe だ。GoVibe は Jaben のハイエンド・ブランドだ。そして、こと音に関するかぎり、GoVibe はハイエンドの名にふさわしい。そうでない製品も少なくはないが、たいていはハイエンドと呼ばれておかしくはない。


造りの品質
 アルミ製のアンプというのはどれもこれも皆同じだ。Jaben も例外ではない。そう、前後は4本ずつのネジで留められている。ネジはヴォリューム・ノブにもう1本隠れている。マザーボードは2枚の波形の板にはさまれ、三連 three-cell の充電池がかぶさっている。

 出入力用ポートはマザーボードにしっかりと固定されて、3個のきれいにくりぬかれた穴に首を延ばしている。パワー・スイッチは形がいい。がっちりした金属製で、ぴかぴかの穴から亀よろしく頭をのぞかせる。

 全部で28個の空気穴が世界に向かって穿けられている。上下半分ずつだ。内部は熱くなるから、この穴がなくてはいられない。冬にはあまり頼りにならない懐炉。夏にはまるで思春期にもどったようになる。とにもかくにも、ちゃんと作動していることだけはわかる。

 Porta Tube に傷があるとすれば、ゲイン切替装置だ。こいつは例の8本のネジを延べ百回ばかり回さないと現われない。調節そのものは難しくはない。ジャンパ・スイッチのジャンパを隣のスロットに移すだけのこと。ピンセットか小さなドライバさえあればいい。左右は別々に調節できる。簡単すぎて気が抜ける。ただし、だ。そこまでいくには、フロント・パネルの4本のネジを回してはずし、次にバック・パネルのネジも回してはずし、そしてマザーボードをそっと押し出さなければならない。つまり、百回は回さなければならないわけだ。だいたいそこまで行く前に、バック・パネルにでかでかと書かれた注意書きを見て、手が止まってしまうこともありえる。
 「警告! 高電圧につき、中を開けるな!」
ブザーが鳴ってるだろ。こうこなくっちゃウソだよ。ホント、イタズラが好きなんだから。このブログを昔から読んでる人なら覚えているだろう。Hippo Box+ のツリ用のウエブ・サイト。中身が何もないアレ。ベース・ブーストとゲイン・スイッチの表示が裏返しになっていたヤツでもいい。ったく、笑わせてくれるぜ。

 ジャンパ・スイッチを前の位置に移すとハイ・ゲイン・モードになる。笑いごとではない人もいるかもしれない。いきなりネジ回しを握っても、バック・パネルで諦める人も出てきそうだ。それはもったいない。というのも、Porta Tube と Tube+ のパワーはハンパではないからだ。IEM を使っているのなら、あり過ぎるくらいで、ゲインは低く抑えたくなるにちがいないからだ。最後にもうひとつ障碍がある。ゲイン・スイッチには何の表示もない。初歩的な電気の知識をお持ちなら、プリント回路をたどればおよその見当はつくだろう。電気のことはもうさっぱりという方に、切替のやり方をお教えしよう。

 ジャンパ・スイッチを二つとも動かすと、ゲインは高くなる。ジャンパ・スイッチを「前」の位置、つまり、アンプのフロント・パネルに近づけると、ゲインが高い設定になる。他の位置では、すべて、低くなる。左右のチャンネルはそれぞれ独立に設定できる。左右の耳で聴力に差があるときは便利な機能だ。バック・パネルのジョークを別にすれば、Porta Tube にはイラつくところは何もない。そこにさえ目をつむれば、これはすばらしいアンプだ。これだけ注目されるのも無理はない。

 音量調節はどうかって。すばらしいですよ。つまみやすいし、動きもなめらか。目印の刻み目は暗いところでも、どこにあるか、すぐわかる。


エルゴノミクスと仕上げ
 ブラウザで Porta Tube+ の写真がちゃんと見えるか自信がない。このマシンは美しい。ケースのブルーは両端のシルバーとみごとな対照をみせる。ブルーの LED ライトに比べられるものは、少なくともポータブル・オーディオの世界では他にない。このライトの明るさはそれほどでもないが、夜遅く、暗くした部屋の中では、アンプの正面にテープを貼るか、またはつまらないミステリー小説かなにかでおおっておきたくなるくらいだ。

 いろいろな意味で、美しさというのはごく表面だけのことだ。700ドルの値段が付いているのなら、隅から隅までそれにふさわしくなければならない。フロント・パネルの文字はレーザーで彫られていて、硬化鋼のネジの頭はちゃんと削られて突き出していないでほしい。マザーボードに組立て工の指紋が着いていたり、フロント・パネルにすり傷がある、なんてのも願い下げだ。ゲイン・スイッチを切り替えるにはバック・パネルを開けるしかないのに、そこには「開けるな」と書いてある、なんてのもないだろう。GoVibe Porta Tube+ ではそういうことが体験できる。それもパッケージのうちだ。これにそれだけ払うだけの価値があるかどうかの判断はおまかせする。

 もっともデコボコはあるにしても、プラスもある。もう一度言うが、ヴォリューム・ノブのなめらかさは完璧だ。入出力のポートの間隔も十分で、でか過ぎるヘッドフォン・ジャックやケーブルでも余裕で刺せる。もう一つ、ヘッドフォン・ジャックが二つ付いているのも大きい。スタンダードとミニと二つ並んでいるから、音量を変えないまま、同じ音源を二つのヘッドフォンで聴ける。Porta Tube も Porta Tube+ も、少々のことでは動じない。中を覗けば、洗練にはほど遠いかもしれない。しかし、全体としては、Porta Tube+ はけっして口下手ではない。


特長
 バッテリーの保ち時間は7〜10時間、充電機能内蔵、6.3 と 3.5ミリのヘッドフォン・ジャックを装備し、それに、外からは見えないスイッチでゲイン調節ができる。Porta Tube も Porta Tube+ も、本来の機能でがっかりさせることはない。Porta Tube に700ドル出すことで、手に入るのは大馬力だ。Porta Tube と Porta Tube+ をもってくれば、ヘッドフォンの能率やインピーダンスは関係なくなる。バランス出力や静電型ヘッドフォン用ではないが、それはまた話が別だ。

 + が付く方は 24/96 をネイティヴ・サポートし、192KHz までアップサンプリングする。コンピュータで音楽を聴いているなら、これだけで買いだ。ヴォリュームの位置がどこにあっても、ノイズは比較的少ない。これだけで National アンプ をしのぐ。そして、VestAmp+ を上回るパワーを出力ポートに注ぎこむから、耳が痛くなるような音量で鳴らしても、ヘッドフォンの音が歪むことはない。そうそう、あらかじめことわっておく。Porta Tube の音はでかいぞ。


音質
 Porta Tube を初めて聴いたのは新宿のカレー屋だった。耳には頼りになる Sleek Audio CT7  をつけていたのだが、自分の顔が信じられないという表情になるのがわかった。Porta Tube の 3.5mm ジャックに伸ばした手は、何十種類ものアンプに何百回となくプラグを刺しこんだものだ。その手も、昔は一刻も早く音を聴きたくて、震えていた。んが、その日は別に特別な日ではなかったし、目の前のアンプに大いに期待してもいなかった。Tube+ も他のアンプと変わるところはない。最初は背景ノイズのテストだ。指がヘッドフォン・ジャックにプラグを刺しこむ。ヴォリュームをゼロに下げる。スイッチを入れる。ノイズはない。適切な音量になるはずの位置まで回す。ノイズはない。ヴォリュームをいっぱいに回す。ようやくノイズが洩れてきた。だが、聞こえるか聞こえないか。たぶん、こりゃカレーのせいだ。

 それが今年の1月。

 それから約5ヶ月後。届いたばかりのアンプを机に置き、窓を閉めきったぼくは唸ってしまった。これだけの馬力を持つアンプとしては、Porta Tube+ のノイズはこれ以上小さくはできないだろう。音量ゼロの時のノイズとフル・ヴォリュームの時のノイズの差はごくごく小さい。というよりも、フルの時の Porta Tube+ のノイズは The National が4分の1の音量の時に出すノイズよりも小さい。こりゃあ、たいしたもんじゃないか。

 IEM 専用アンプなら、Porta Tube+ よりノイズの少ないものはいくらもある。だけど、そういうアンプで 600オームの DT880 のようなヘッドフォンを、耳がつぶれるくらいの音量で、いっさいの歪み無しに鳴らせるようなものはまずない。

 これがどれほどたいへんなことか、おわかりだろう。IEM ユーザは苦労している。HiSound が作った、あのピカピカのゴミと、ソニーがラインナップしているりっぱなウォークマンのなりそこないを除けば、ポータブルの MP3 プレーヤーのノイズはどれもごく小さいから、その音の質を上げるはずのポータブル・アンプのノイズの方が大きいのだ。Porta Tube+ も例外というわけではない。けれど、音量を最大にしたときですら、ノイズは驚くほど小さい。異常なくらいパワフルだが、これを IEM ユーザにも薦めるのは、何よりもそのためだ。

 日本では、Cypher Labs AlgoRhythm Solo か Fostex HP-P1 に外部 DAC、アンプ、それに場合によっては信号スプリッターまで重ねて持ち歩いているマニアがたくさんいる。そこに Porta Tube+ を入れているいかれた人間も少なくない。

 もちろん問題はノイズだけじゃない。ダイナミック・レンジはどうだろう。それに空間表現も大事だ。Porta Tube シリーズの中域と高域はすばらしい。明るく、張りがあって、奥行が深い。これまで聴いた中では、タイプに関係なく、こんな明晰なアンプは他にない。明るいといっても、ぎらついたところや刺さるようなところは皆無だ。どこまでも透明で、解像度も高い。楽器の分離もすばらしく、ことに中域、高域ではっきりしている。フルオケよりは小規模コンボの方が位置関係がよくわかる。どんなヘッドフォンと組み合わせても、一つひとつの楽器の位置が手にとるようにわかる。ただ、中低域から低域にかけて、ほんの少し、にごる。このにごりと真空管特有の歪みのおかげで、温かくやわらかい音になる。

 このアンプはエネルギッシュで明るいという一方で、これはまた人なつこい音でもある。音楽性のとても高いこの二つの特性が合わさって、GoVibe Porta Tube の音は蠱惑的といっていい。

 明るさというのは、真空管特有の歪みにもめげず、高域がはっきりくっきりしている、というのが一番あたっているだろう。どんなイヤフォン、ヘッドフォンを刺しても、聞こえてくる音は実にきれいだ。高域を削ってしまうような信号やノイズをぼくは嫌いだというのは、このサイトをお読みの方はご存知と思うが、ぼくはとにかく高域に弱い。そのぼくにとっては、中域から高域へのつながりが完璧ということで、Porta Tube+ に比べられるものはなかなかない。マッシヴ・アタックの〈I Spy〉でのシンバルは、微妙な綾まで生々しい。音像は正確だ。頭の前方から出て、ゆっくりと包みこみ、後ろへ抜けるが、遠すぎもしない。つまり、中くらいの広さの部屋で、きちんとセッティングしたスピーカーで聴いている具合だ。焦点はスピーカーのドライバーにぴったり合っている。けれど、壁や家具からの微妙な反射が忍びこんで、ごく自然に硬いところがほぐれてるのだ。

 念のためくりかえすが、真空管特有の歪みと、中央にまとまって押し出してくる低域はむしろプラスに作用している。聞こえるのは、どこまでもなめらかで、ほんの少しやわらかく、気持ちよく伸びている音だ。インピーダンスの低いグラドでも完璧にドライブしてくれる。グラドでライヴの生々しさを感じとりたいと願っている向きは、Porta Tube をガイドに立てればまったく不満はなくなるだろう。ぼくのような、表情が豊かで音場の広い DT880 の大ファンにとっても、これはうれしい。DT880 はときどき高域がきいきいいうことがあるが、それがぐっと抑えられて、しかも他のアンプを通すよりもみずみずしくなる。デスクトップのシステムよりも官能的にすらなる。Porta Tube+ は、あまりに真空管真空管していないからだ。

 オーディオにはまりこんで20年になるが、その間に聴いたうちでは、Wood Audio WA3+ が、一番真空管らしい音のヘッドフォン・アンプだった。人なつこさではとびぬけているが、代償も大きい。持っているうちで、これで聴きたいと思うヘッドフォンは半分もない。Porta Tube はそれとはまるで正反対だが、良質の真空管アンプのやわらかい音は健在だ。

 音楽にもどろう。Protection のタイトル・トラック〈Protection〉では、低域ど真ん中のベースが重く正面に立ち、ドラム・マシンがシンプルにきざみ、まるで気のない女性ヴォーカルがのる。その後のトラックはどれも同じように始まるが、男性ヴォーカルが加わり、ベース・ラインはさらに重く低くなる。今度は気合いのこもった、コクのある女性ヴォーカルがゆっくりと入る。ジャズか、マッシヴ・アタックがプロデュースしているようで、リスナーはその魔法から逃れられない。これは、前にも書いたにごりのおかげだろうか。だとしても、それだけではなさそうだ。原因はもうどうでもいい。DT880 と組合せても、CK10 と組合せても、K701 が相手であってすら、Porta Tube はこの録音が秘めている艶をあますところなく描きだす。

 上にあげたのはどれもハイエンド・モデルだ。Sennheiser HD650、HD600、Fischer Audio FA-002W といった中堅どころも、Porta Tube に組み合わせる次点候補にちょうど良いだろう。これが高域のディテールを完璧に再現してくれることはもう一度念を押しておくが、その音はソリッドステートのアンプに比べれば、ほんの少しやわらかい。それをにごりと言うか、歪みと言うかは微妙なところだ。今あげた中堅モデルもこのアンプとよく合うだろう。ただし、これらのヘッドフォンのもつ、やや暗い、囲いこむような性格がいくらか強く出ることもあるかもしれない。

 このアンプには人を中毒にさせるところがあるから、一番のお気に入りのヘッドフォンでじっくり試聴されることを薦める。2、3分でも聴けば、いや2、3時間でもいいが、聴いてしまえば、この青くてかわいいやつを抱え、財布の方はだいぶ軽くなって店を出ることになるのは、まず確実だ。それだけの価値はある。


グラフについてのおことわり
 このレヴューにつけた RMAA のグラフには、iPod touch につないで、Beyerdynamic DT880 と Earsonics SM2 を鳴らした際の違いがあらわれている。ぼくの手許の装置で測っているから、他の装置で測ったデータと直接比べても意味はない。このデータはアンプのヘッドフォンやスピーカーのドライブ能力を示している。


周波数特性
 どんなヘッドフォンをもってきても、Porta Tube/+ は高いレベルの解像度で鳴らす。SM2 は質の劣るアンプだとありとあらゆる形の歪みを聴かせてくれるが、Porta Tube では何の悪さもできない。低域と高域の端が少し落ちているのがおわかりだろうが、これは元々の音楽信号がそうなっているので、アンプのせいではない。Porta Tube のせいで現われるような小さなレベル(-1.5dB)は、犬の耳でも持っていないかぎり、わからないはずだ。

負荷ノイズとダイナミック・レンジ
 Porta Tube+ のダイナミック・レンジは 90.5 dB で、CDクオリティに 6dB 足りない。ノイズ・レベルは −90.5 dB で、やはりCDレベルに届かないにしても、これはひじょうにクリーンだ。なんといっても真空管アンプなので、一筋縄ではいかない歪みとノイズが真空管の魅力を生んでいるのだ。

  真空管アンプのメリットのひとつはここにある。それで得られるのは安定した、気持ちの良い歪みで、しかも音源には左右されない。この歪みはやわらかいとか、心地良いと呼ばれることが多い。どちらもその通りとは思うけれど、Woo Audio 3 の場合とはわけがちがう。GoVibe Porta Tube の音は普通のアンプにずっと近く、ソリッドだ。入力でも出力でも歪みははるかに小さい。それでもリングはあるし、かわいらしいしみもあちこちにある。真空管の常として IMD も THD も高い。

スケーリング
 Porta Tube+ は VestAmp+ と同じ規則にしたがう。USB 入力からの信号が一番小さい。ポータブル音源からのライン入力は USB より大きい。デスクトップまたは AlgoRhythm Solo のような質の高いポータブルからの入力が一番大きく、ノイズも少なくなる。

 このアンプの増幅率はとてもいい。DT880 600Ω のようなヘッドフォンでも、入力がしっかりしてゲインが低いから、フェーズエラーはほとんど起こさない。ハイ・ゲインにするとフェーズエラーは増えるが、増えるのはとんでもなく大きくて危険な音量での話で、そんな音量で聞こうという人はいないはずだ。Porta Tube はパワーの塊だと言えば十分だろう。ALO の National とならんで、デスクトップのアンプとまったく遜色ない。

DAC として使う
 ここ2、3年、USB オンリーの DAC が花盛りだが、ぼくはあまり好きではない。ひとつには USB DAC ユニットの実装がライン入力のそれに比べると劣るからだ。実際、Porta Tube+ はライン入力の時に最高の力を発揮する。チャンネル・セパレーションも良くなり、ノイズ・フロアも低く、ダイナミック・レンジも広くなる。

 とはいえ、コンピュータとつなぐときには威力を発揮する。いやらしい USB ノイズはまったく聞こえない。プラグ&プレイも問題なく、MacBook Pro につないだとたんに認識される。USB モードでは、デスクトップを音源にする時より出力がかなり低くなる。IEM ユーザーにはグッドニュースだ。もっとも出力が低くなるとはいっても、これまでつないだヘッドフォンでパワーが足りないなんてものはひとつもない。

 面白いことに、USB 入力とライン入力は同時に使うことができる。ということはライン入力と USB 経由の音楽信号は Porta Tube+ 内部を平行して流れ、、同時に出力されているわけだ。どちらかだけを聴く時は、使わない方のソースは忘れずに抜いておこう。

iPad で使う
 Porta Tube+ を iPad 用 USB DAC として使うこともできる。ただ、ぱっとみて使い方がわかるというわけではない。iPad の USB から出力される電圧では Porta Tube+ 内蔵の DAC を動かすには足らない。これは内蔵バッテリーで動いているわけではないからだ。DAC を動かすには Porta Tube+ 付属の電源アダプタをつなぎ、 iPad をカメラ接続キットにつないでから Porta Tube+ につなぐ。つなげばすぐに使えるし、音も他と変わらずにいい。ただ、ポータブルにはならない。

 Porta Tube+ はデスクトップと言ってもいいくらいのものだから、携帯できないことはそう大きな問題ではないだろう。ただ、純粋なバッテリー駆動でクリーンな音が欲しい場合には、iPad では無理だ。ノートでは Porta Tube+ は電源につながなくても使える。

ポータブル・アンプとして使う
 正直言って Porta Tube/+ は相当に重い部類のアンプだ。かさばって、重くて、しかも熱くなる。それでもカーゴジーンズもあるし、アンプ・バッグも、肩掛けかばんもある。内蔵バッテリーは7〜10時間もつということは、このアンプさえ持っていれば、日中はだいたい用が足りるわけだ。おまけに背景ノイズは低くて、ヴォリューム・ノブのバランスもとれているとなると、能率のよいイヤフォンがあればばっちり、ということだ。

 実際、SM2 を鳴らしても、DT880 を鳴らしても、歪みや IMD は変わらない。何を刺しても、聞こえる音は同じだ。これができるアンプはめったにあるもんじゃない。Porta Tube+ は合わせるイヤフォンを選ばない。こいつはちょっとしたもんだぜ。

 少しばかり重くなることがイヤでなければ、ポータブル・オーディオとしては Porta Tube 以上のものはない。


結論
 ALO と Vorzuge という手強い競争相手はいるが、ポータブル・アンプとしてぼくは Porta Tube+ を選ぶ。闊達で人なつこいサウンドは、たいていのヘッドフォンと完璧なペアになるし、明るくてディテールを追及するタイプのヘッドフォンと組み合わせると、特に騒ぐこともなく、その実力を十二分に引き出してくれる。ご開帳ビデオで Jaben がグランプリをとることはないだろうが、連中はそれを目的にしているわけじゃない。目的を絞って、かれらはホンモノの、世界でもトップクラスのヘッドフォン・アンプ/DAC を生み出してみせた。見る目のあるオーディオ・マニアなら、これに目を丸くしないやつはいないにちがいない。


プラス
*とんでもなくパワフル
*すばらしく細かいディテール、やわらかいサウンド
*イヤフォンを選ばない
*色が美しい
*つなぐ装置をグレードアップすれば、それだけ良くなる

マイナス
*いただけない仕上げ
*無理難題な警告
*スペック、アクセサリー、マニュアルいっさいなし


 ということで、ご注文はこちらへどうぞ。

ヘッドフォン祭の記事でも書いたように、GoVibe Porta Tube と Porta Tube+ では、内部のジャンパ・スイッチによってゲインを下げることが可能です。

    
    その方法を Jaben のウィルソンおやじから教わりました。
    
    「危ないから開けるな」とわざわざ印刷してあるくらいですから、感電などならさぬよう、よくよくご注意のほどを。開けただけで保証がなくなるとは思えませんが、自己責任ということでお願いします。
    
    
    まず必要な道具ですが、トルクスのドライバーです。サイズは T6 です。トルクスは登録商標の由で、自転車方面などではヘックスとか、アレン・キーとか呼ばれているそうです。Mac で内蔵ハード・ディスクの交換をしたことがある方は使われたと思います。ホーム・センターなどで手に入ります。ヘッドフォン祭の会場では Jaben は先端が交換できる方式のものを使ってました。
   
    前後のパネルを止めている四隅のネジをゆるめて抜き、パネルをはずします。
    
    ヴォリューム・ノブが邪魔でしたら、ネジをゆるめるとはずれます。
    
    後ろからプリント基盤を押して、基盤を前に出します。すると真空管のうしろにジャンパ・スイッチが見えてきます。
   
    下の写真では真空管と緑色のバッテリの間、赤い素子の上に見えます。
   


IMG-20111105-00352

    
    Porta Tube と Porta Tube+ では、ジャンパ・スイッチの位置は同じですが、向きが違います。
    
    ゲインを下げるには、

    Porta Tube ではジャンパを右に移します。
    
    Porta Tube+ ではジャンパを下に移します。


PortaTube Low Gain Setting

    
    スペックとしては 6dB 下がるそうです。
   
   
    お楽しみを。(ゆ)

13時過ぎに会場に着いたら、エレヴェーターの中でウィルソンおやじにばったり。そのままブースに引っぱっていかれて、結局18時半のクローズまでつきあうことになりました。挨拶と試聴だけで帰るつもりだったんですが、会場の熱気にあてられたか、結構元気をいただいて、会場にいる間は楽しかったです。が、家に帰りついたらほとんど寝床に直行。やはり大勢の人と話すのはくたびれます。ブースで素人の相手をしてくださった皆さまには御礼申し上げます。ありがとうございました。
    
    今回は前回の Porta Tube のようなセンセーションはありませんでしたが、新製品ではやはり平たい GoVibe Vest が人気でした。DAC 付きと無しとあり、やはり音が違うようですが、ありが良いという方、無いが良いという方、双方がいらしたのは面白かったです。DAC は 24/192 まで対応で、価格は DAC 付で3万以下ですから、結構お買い得ではないかと思います。
    
    Porta Tube ユーザの方も結構いらして、人気の高さを実感しました。Porta Tube+ は DAC を付けた他、アンプ部は Porta Tube とまったく同じだそうですが、ただゲインを下げているそうです。プラスの方が音が良いと思われる(ぼくだけではなく、何人かいらっしゃいました。)のはそのせいでしょうか。
    
    プラスでは、中を開けてジャンパ・スイッチを切り替えることでさらにゲインを下げられます。では Porta Tube はどうしようもないのかというとさにあらず。このジャンパ・スイッチはすでに搭載されているので、Porta Tube もこれを切り替えることでゲインを下げられます。その方法は別記事に書く予定。
    
    本体には、危ないから開けるな、と書いてありますが、ブースでも開けた状態の Porta Tube を展示してあったくらいですので、開けたら保証がなくなるというものでもないでしょう。
    
    ACS の新製品 T15 も、気軽に使えて音が良いというので、なかなか人気でした。ER4 と比べられますが、あちらは「音」を聴く装置、これは「音楽」を聴くツール、とおっしゃった方がいて、なるほど、と思いました。ウィルソンおやじによれば、国内での正式発売が決まったそうです。めでたい。
    
    イヤフォンではもう一つ、5ドライバのIEMの試作品も持ってきていました。後半はどこか切れるかしたか、調子が悪かったようですが、午後のはじめに試聴された方には好評でした。ドライバの構成は2ベース、1ミドル、2ハイの由。
    
    なお、今回展示してあったものは Porta Tube と Porta Tube+ を除き、どれもまだ試作品段階で、これから細かい調整をするそうです。それでも来月には発売とのことで、国内に入ってくるのは来月後半から12月はじめぐらいでしょうか。
    
    Porta Tube+ だけはすでに発売になっており、国内でももうすぐ発売になるそうです。価格は Porta Tube の150USDプラスとのことですから、6万円代半ばというところでしょう。DAC だけで150ドルというのはやはり結構良いものを使っていると思われ、実際、ウィルソンおやじの MacBook Air で試聴された方には好評でした。
    
HippoPipe    個人的には Hippo Pipe が今回のヒット。たぶん世界最小のヘッドフォン・アンプ。E3 のようにイヤフォン・ジャックから直接つないで、プレーヤー側で音量調節します。すでに発売されている Hippo Box+ と同じ傾向の、元気の良い音で、聴いて楽しくなります。ハイレゾ音源をどうとかでなく、ヘッドフォン・アンプの入門とか、iPod Shuffle などでMP3音源を気軽に聴くにはもってこいでしょう。

    もう一つ、英国のメーカー JustAudio という、A級動作のヘッドフォン・アンプもウィルソンおやじが持ちこんでました。写真はフジヤさんのブログにあります。大きい方はイヤフォン/ヘッドフォンのインピーダンス切替ダイアル付き。 Porta Tube よりもデカくて、重さも同じくらいという、ポータブルとしてぎりぎり限界ではないかと思われるものですが、ブースに来られたなかに3人、これを持っている方がいました。国内では未発売なので、直接に買われたもの。中のおひとりはシリアル番号が2番というツワモノでした。ちょっと聞いたかぎりでは小さい方がきびきびした音で買うならこちらかなと思いましたが、じっくり聴きたいものであります。

        体力が無いこともあって、会場を回ることもしなかったのですが、ウィルソンおやじが引っぱってきてくれた音茶楽さんの「革命的」イヤフォン、フジヤさんのブログで紹介されていたアレをちょっと聴かせていただきました。これは凄いですね。とてもイヤフォンとは思えない。こういう音がスタンダードになれば、音楽の聴き方もまた変わるのでは、と思ってしまいました。ぜひ量産化していただきたいものです。応援します。
    
    女性のお客さんはやはり少なくて、来場者が増えたこともあるのか、10対1ぐらいに見えました。たいていはカップルで、単独で来られていた方はごく稀でした。一人、カスタムIEMの交換ケーブルを探しにこられた方がいました。
    
    放射能にもかかわらず、今回はこれまでになく外国からのお客さんが目につきました。出展側ではなく、ほんとうのお客の方です。Head-Fi 関係からも主催者はじめ幹部が何人も「遊び」に来ていたそうで、Moon Audio の主催者もいました。大陸や台湾からはこれまでにも出展者の他にプレス関係が来ていましたけど、アジアからのお客さんは、見分けがつかないこともありますが、どうなんでしょう。
    
    これでぼくが見たのは4回目ですが、お客さんの「濃度」がだんだん濃くなる気がします。フルサイズのヘッドフォンをジュラルミン(?)のケースに入れて持ち歩いてる方もいましたし、カスタムIEM はもうデフォルト、接続コードもそれぞれに凝って、と感心するばかり。
    
    イベント全体としても、最先端を示すことはもちろん意味がありますが、たとえばこれからヘッドフォンやイヤフォンをアップグレードしたいという人や、DAC やポータブル・アンプを買おうという方が来ても、何がどうなっているのか、まるでわからないのではないか、とも思いました。
    
    来年の春の次回ヘッドフォン祭には、放射能ももう少し収まって、こちらの体力ももう少し回復して、楽しめますように。(ゆ)

今日のヘッドフォン祭ですが、先週の抗がん剤投与の後遺症がまだ尾を引いています。Jaben のブースで MacBook Pro を持ちこんで GoVibe Porta Tube+ の DAC の試聴ができるようにする予定でしたが、体力が保ちそうにありません。楽しみにされていた方がいれば申しわけないのですが、それは無しにさせてください。
    
    ぼくがいなくても、Porta Tube+ 単体の試聴や ACS T15 の試聴はできるはずです。T15 は他でも試聴できるかもしれません。これはほんとうに凄いです。一聴の価値はあります。というより、必聴でしょう。他にもいろいろ面白そうな製品があります。
    
    お楽しみを。(ゆ)

ぼくが受けている Folfox という化学療法は本来は2週間に1度、つまり1週間おきに点滴を受けます。そうすると9回目ぐらいになると手足の痺れが耐えられなくなり、メニューを変更する由。ぼくは3週間おきという、ゆるいスケジュールもあって、当初のメニューで「順調」に進んでいます。前回から処方された、痺れをとる漢方薬も比較的効果があり、痺れの方はそうきつくならず、手足の指先に留まっています。こういうものにも人間は慣れることができるらしい。痺れは常にありますが、気にしないようにすれば一時的ですが忘れることもできます。
    
    それでも回数が重なってくると薬が蓄積されてきて、副作用も強くなるようです。今回は吐き気が来ました。
    
    点滴を受けはじめる水曜日の朝から3日間、イメンドという吐き気止めの薬を飲み、また点滴の最初に投与されるのは吐き気止めの薬です。そのおかげもあって、これまではせいぜい病院の食事を食べる気になれないくらいでした。
    
    今回は2日めの木曜あたりから軽いものではありますが明確な吐き気が出て、土曜日までそれが続きました。病院では食慾はまったくありませんでした。食事が出るとほとんど無理矢理食べものを口に入れます。すると腹は空いているので、食べはじめると結局勢いで全部食べてしまいます。病院食ですから量も多くはありません。それでも3日め金曜の朝食、点滴入院中病院でとる最後の食事ですが、口に入れるには「努力」が要りました。
    
    日曜日には空腹時には吐き気は感じなくなりましたが、腹に食物が入ると吐き気まではいかない不快感が出てきます。
    
    また、退院してから出てくるダルさもこれまでになく重いものでした。倦怠感と書くとこの重みが抜けおちる気がします。
    
    帰宅後は好きなものを食べられるわけですが、塩味の強いもの、酸味のあるものが食べたくなります。漬物などが嬉しいので、白菜のゆず漬けなど、一袋買ってきて1度に食べてしまったりします。醤油味の煎餅も、もともと好物ですが、無性に食べたくなる。今回は思いきって寿司を食べてみました。寿司飯の酸味がありがたかったです。
    
    今日で点滴開始1週間ですが、まだ入院前の状態にはほど遠い感じです。3日間飲むイメンドはそれによって1週間効果が続くそうですから、明日あたりは不快感も軽くなってくれるかと期待。
    
    病院ではほとんど眠っていました。眠ろうとするといくらでも眠れます。また水曜日の夜はトイレに起きるごとにその後1時間ぐらいは眠れないので、木曜日の昼間は眠い。この点滴には利尿剤も入っているそうですし、またイメンドが便秘を引き起こすので水分をなるべく多くとるようにしていますから、尿の量はハンパでなく増えます。多い時には30分ごとにトイレに通います。夜間も21時の消灯から朝6時の検温・血圧測定までの間に、最低2回、たいていは3回トイレに起きます。24時間に出る尿の量も計ります。ぼくの場合、これまでのところ4,000cc前後。
    
    それでもさすがに眠くないときもあるので、そういう時には持っていった ACS T15 + GoVibe Porta Tune+ で音楽を聴いていました。これはまことにありがたかった。
    
    この組合せはたまたま手元にそろったので試してみたわけですが、どんぴしゃにはまりました。詳しくは別に書くつもりですが、もともときわめて高い T15 の性能が Porta Tube+ で文字通り増幅されて、楽園に浮かんでいる気分。音楽が鳴っている間だけは何もかも忘れて没入できました。
    
    T15 はサウンドステージがとんでもなく広くてステージというよりスペースと呼びたくなるほどである上に、分解能が高いというのでしょうか、ディテールがそれぞれ適切なヴォリュームで明瞭に聞こえます。フルオケのマッスになっても、フルートのような楽器の音も埋もれることがありません。一つひとつの音に芯があります。
    
    またヴォーカルの表現が精密で、録音によってはうたい手の唇だけでなく、舌の動きまで見える気がします。コーラスでは一人ひとりのうたい手の声がはっきり聞こえるまま、しっかりハモっています。しかもハイレゾでなく、MP3音源でも変わりません。Jaben のウィルソンおやじは「オーディオの救世主」と呼んでいますが、そう呼びたくなる気持ちもわかります。
    
    今週末のヘッドフォン祭では試聴機も用意されるとのことなので、ぜひぜひお試しあれ。
    
    久しぶりにジョン・ドイルのソロ・ファースト《Evening Comes Early》を聴きましたが、ジョンのギターがいかに緻密か、あらためて脱帽しました。それに、ジョンとカラン・ケーシィのハーモニーの妙。
    
    新発見では Mamia Cherif という人の最新作《Jazzarab》が面白い。この人はパリ在住のシンガーですが、出身はマグレブらしい。ここではタイトル通り、ジャズのコンヴェンショナルな語法を守りながら、アラブ音楽の風味を加えています。〈My favourite things〉をアラビア語でうたったり、〈Afro blue〉にアラビア語の歌詞を付けたりしていて、これも面白いですが、ギターの代わりのウード、それにアラブ的フレーズを展開するヴァイオリンが良い味。同時にジャズの本流に従うピアノもよくうたっています。
    
    音質と音楽自体の良し悪しは比例しませんが、良い音で聴くとやはりいろいろと発見があり、新たな体験ができます。何よりそれはそれは気持ち良くなります。背筋を感動の戦慄が走りぬけるたびに免疫力が上がる気がします。
    
    今週末のヘッドフォン祭までにはなんとか回復したいところ。同じく週末の下北沢の音樂夜話特別イベントも気になりますが、先週の経験からも、連チャンは無理でありましょう。(ゆ)

今月末のヘッドフォン祭にはまた Jaben のウィルソンおやじがやって来ます。毎回、新製品をたくさん持ってきますが、今回はまた一段と多彩です。どれがどれだか、わかりにくくなるので、整理しておきます。ただ、まだあまり情報が無いので、濃淡のある紹介になるでしょう。それと価格もまだわかりません。
    
    新製品の写真はここにまとめられています。

    これは Jaben のオーストラリア支社がアメリカのロッキー・マウンテン・オーディオ・フェスティヴァルに出品するもの。RMAF はちょうど今開催されているところです。ここ数年、各社が力を入れている新製品を披露するので注目が高まってるようですね。
    
    新製品はいずれも GoVibe のブランドで、全部で5機種あります。
    
    GoVibe Vest
    GoVibe Volante
    GoVibe mini U-DAC
    GoVibe mini box amp
    GoVibe Porta Tube+
    
    まず、Vest は御覧のように平たいアンプで DAC 付きと無しと出るそうです。DAC は 24bit/192KHz までのもの。全体としてはシンプルに出入力とヴォリューム・ダイアルだけ。今回出るものはどれもそうですが、ゲイン切替とか、ベース・ブーストとかは付いてません。それだけ、音に自信があるとも言えます。
   
    次の Volante は小型のデスクトップ真空管アンプ。名前はサッカーの「ボランチ」と同じですが、もともとは音楽用語で「あまかけるように速く軽やかに」という意味。そういう音は聴いてみたい。
    
    形もキュートで、ちょっとオーディオ・デバイスらしくないですね。これでパステルかメタリック調のカラー・ヴァリエーションが出たら、人気が出るんじゃないでしょうか(^_-)。
    
    真空管を使ったものは Jaben では Porta Tube が最初ですが、あの出来栄えの見事さからすると、このデスクトップも音の面でも大いに期待できます。
    
    U-DAC は DenDAC と同じく、USB端子付きのDAC兼アンプです。DenDAC は音は良いですが、ハイレゾ対応していないし、プレーヤーによって合わないものが出てきているので、これに替わるものができないかと頼んだらほんとに作ってくれました。詳細はまだわかりませんが、少なくとも 24/96 までの対応ではあるはず。
    
    mini box amp は FiiO E3 と同じ形ですが、リチウム電池内蔵で、聴いた人間は皆 E3 より音が良いと言ってるよ、とはおやじの言。造りもよりかっちりしています。
       
    一番下の Porta Tube+。これが今回の一番の目玉でしょう。Porta Tube にDACが付きました。チップはテキサス・インスツルメント製ですが、それ以上詳しいことはわからず。24/96までの対応です。
    
    実は先日からサンプルを聴かせてもらってますが、これが単純に Porta Tube にDACを付けただけではありません。
    
    一つはゲイン切替が可能になりました。ただし、中を開けてジャンパ・スイッチで行います。音量を6dB下げることができます。
    
    そしてもう一つ。アンプ自体がアップグレードされてます。これは聴けばすぐわかるくらい、音が良くなってます。サウンドステージがさらに広く深くなり、音の分離がさらにクリアに自然になり、とにかく全体的にブラッシュアップされてます。
    
    Porta Tube だけを聴くと、もう十分なくらい良質の音で音楽に没頭できます。これも質は相当高いでしょう。お披露目した前回のヘッドフォン祭の会場でも iQube より上という声もありました。iQuebe は一度アキバのダイナで試聴したことがあるだけですが、その記憶は鮮烈に残っています。その記憶に比べても、Porta Tube は優に肩を並べるか、場合によっては、つまり聴く音楽によっては凌ぐと思ってました。
    
    Porta Tube+ は、それをあっさり超えてると思います。iQube には独得の艶、エロティックと言いたくなる艶があって、蠱惑的とも言えますが、時にそれが鼻につく、というか耳につくことがありました。Porta Tube+ はそういう艶はなく、音源に入っているものに「何も足さず、何も引かず」にそのまま出してきます。その出し方の質感が絶妙なのです。無色透明にかぎりなく近い。完全に無色透明ではないですが。
    
    各社の製品と比べたわけではないですし、iQube も新版が出ますが、ぼくはもうこれ以上他には何も要らん、という気持ちです。
    
    外観も変更になって、フロントとエンドのパネルはシルバー、ヴォリューム・ダイアルは黒、本体はブルーです。このブルーは Vulcan+ のものと同じ、群青色に近い色。それと、本体上側の通気孔のあいている部分は、Porta Tube では一段低くなっていましたが、+ では他と同じ平面です。USB入力はミニ・ジャックで、背面にあります。その他はサイズも含めて変更無し。
    
    細かいことですが、ぼくの使っている Porta Tube のヴォリュームはやや軽すぎるところがありました。個体の問題かもしれません。Porta Tube+ のヴォリュームは適度に重く、調節がしやすいです。
    
    せっかくですので、MacBook Pro を持ち込んで、会場でDACも含めた試聴ができるようにする予定です。ハイレゾ音源も少しですが、用意します。(ゆ)

午後1時過ぎに会場に到着。まっすぐ Jaben のブースに行き、結局それからクロージングまでほとんどそこに居座っていました。トイレに行った折りに会場をひと回りしましたが、あまりのお客さんの多さに、どこのブースにも寄る気が失せました。昨年秋は台風直撃もありましたが、今回はその倍は優に入っていたんじゃないでしょうか。
    
    Jaben のブースに来られたお客さんの一人もおっしゃってましたが、あれだけいろいろ沢山のものがあると、単純に聞き比べていては、どれがどれだか、わやくちゃになりそうです。自分が好きな音、聞きたい音もわからなくなるんじゃないか。
    
    今、どういうものが出ているのか、ひとわたり見渡すにはいいかもしれませんが、ある製品をじっくり納得できるまで試聴するのはちょと無理でしょう。Head-Fi のフェスティヴァルのように、ホテルを会場にして2日間かけると、たとえば夜の間に腰をおちつけて試聴するとか、ゆっくり話をするとかする余裕ができるのではないかとも思いました。あれだけの規模になるとなかなか難しいかもしれませんけど。
    
    今回もウィルソンおやじはいろいろ面白いものを持ってきていました。Hippo Box+ はあいかわらず人気で、値段を聞いてびっくりされている方も結構いました。黒の他に赤とシルバーもあります。
    
    出たばかりの GoVibe Vulcan+ と Vulcan++ も人気でした。++は USB DAC 付き。もうすぐ国内販売も始まるそうです。これも見本は黒でしたが、シルバーとブルーがあります。ブルーはなかなか品の良い色で、シンガポールでは品切れになるくらいの人気だそうな。
    
    GoVibe では USB> S/PDIF コンバータの Xvert と Mini USB DAC もあります。Xvert は24Bit/96KHz まで。サイズは70×45×25ミリ。入力はUSB B で、出力は同軸と光。Mini DAC のサイズは64×25×12ミリで、片方に USB mini B ジャック、反対側にミニ・ヘッドフォン・ジャック。
    
    Mac は標準で光出力が付いているので、Xvert はちょっと使い道がわかりません。標準の出力とはまた音が違うのか。ウインドウズ用かな。
    
    ケーブルではピッコリーノの Mini to Mini、HD800用と UE/Westone/JH 用の交換ケーブルも出してました。これは近々、国内販売開始される由。
    
    とはいえ、センセーションといっていいほどの一番人気はポータブル真空管アンプです。昨年春に試作機を持ってきていたんですが、秋にはあれはまだ時間がかかるよ、と言っていたもの。これが何ともすばらしい。
    
    もちろんハイブリッドですが、真空管のメリットが最大限活かされてるんじゃないかと思います。生楽器、とりわけピアノとかギター、そしてヴォーカルの生々しさ。さらには広大かつ隅々まで見通しがよく立体的な空間表現。お客さんの一人がおっしゃってましたが、ポータブルの域は超えてしまっていると言ってもおかしくはありません。iQube より上だという声もありました。
    
    ロック系を聞かれているという方もこれは良い、とおっしゃってましたから、ジャズやワールド・ミュージックやクラシック向けというわけでもないでしょう。
    
    とにかく試聴された方の9割以上が、これは買いたい、または買うと宣言されたのには正直驚きました。1度ならず、3度もどってこられてじっと聞きこんだ方。予約したい、国内扱いはないのかと迫る方。いつまでも聞きたくなるとなかなか手放さない方。これはもう、扱うしかないでしょう>フジヤさん(^_-)。
    
    サイズと重さはポータブルとして持てるぎりぎりですけど、それはやむをえないところ。造りはがっちりしていて、これまでポータブル真空管アンプのネックだった、ケースを叩くと真空管が共鳴するノイズも皆無。また、一日中入れ替わり立ち替わり試聴されていましたが、ケースが熱くなることはありませんでした。もっとも真空管の上には穴があいていて、これをふさぐと危いでしょうね。
    
    ゲイン切替もなく、パワー・スイッチと出入力のジャックのみ。入力はアナログ。出力はミニ・ジャックとは別に標準サイズも付いています。電池は内蔵リチウム充電池で、1回の充電で10時間使用可能。真空管のローリングはできませんが、不良品や壊れた場合にはむろん交換可能で、真空管も Jaben から供給されます。
    
    予価は600USD。GoVibe シリーズのひとつで、まだ正式名称も決まっていませんが、来月末までには出ます。
    
    それと、GoVibe Magnum の電池問題ですが、今回はサンヨーのアルカリ9Vで鳴らしてました。Magnum 自体の充電機能にこだわらないかぎり、どんな電池でもいいようです。Magnum もカラー・ヴァリエーションが増えていて、赤もチャーミングですね。
    
    もうひとつ、これも近々国内販売が始まる ACS のカスタム IEM。ACS はイングランドのメーカーで、ひじょうに柔らかいシリコンを使っているもの。40ショアというシリコンだそうで、たしかに押し込んでも圧迫感などはまったくありません。出していたのは3ドライバーの T1 というトップ・モデルで、これもすばらしい。価格も700GBP弱。

    
    お隣りはささきさんの Music To Go で、こちらもこれから出るという HE-500 をちょっと聞かせていただきました。むろんご自慢のシステムでの高音質音源。別世界ですねえ、これはまた。ヘッドフォンで聞いてる感じではないです。スピーカーのレゾン・デートルが問われるんじゃないか。ヘッドフォンの欠点とよく言われる脳内定位もどこかに吹っ飛びます。
    
    あと、ヴェトナム製というイヤフォンもいい音してました。Yuin の PK シリーズに似た音で、あれより安いらしい。
    
    お客さんはあいかわらず若くて、20代後半から30代前半がメインかな。もう少し若かったかも。40代以上と見える方もぼつぼつおられたのは、同志ここにあり、という感じで嬉しかったです。
    
    そうそう、若い方で真空管アンプを聞くのは初めてという方も結構いらしたのかもしれません。真空管は音が「暖かい」とか「焦点がぼける」とか言われることもありますが、今の真空管アンプ特にヘッドフォン・アンプは、トランジスタとのハイブリッドが普通で、むしろ音はクールでクリアです。もともと信号処理のスピードではトランジスタは真空管の敵ではありませんから、ハイブリッドの方が全部ソリッドステートよりも格段にハイスピードです。
    
    真空管は古い技術ですけど、真空管自体が無くなることはないですし、デジタル時代でもっといろいろな可能性が開けてるんじゃないでしょうか。少なくとも今回の Jaben のポータブル真空管アンプを聞くかぎり、他からもいろいろ面白い製品が出てくるはず。
    
    
    他に印象に残ったのは AlgoRythm Solo 率の高さと、Corda Stepdance のユーザの方が数人いらしたこと。実はあれ、気になってるんだよなあ。
    
    ということで、ヘッドフォン、イヤフォンの世界はますます盛ん、復興の先頭に立って引っぱってる感じでした。関係者の方々、ご苦労さまでございました。
    
    唯一つ、もう少し女性のお客さんが増えてほしい。まあ、これは全世界的な傾向ではありますが。(ゆ)

    RudiStor からの新作、真空管ハイブリッド USB DAC & ヘッドフォン・アンプ。使用チューブは 12AU7 2本。今朝、ルディさんからメールが入って、モデル名を NKK02 ではなく、NKK03 にするとのこと。理由はまだわかりませんが、そういうことでなにとぞ、よしなに、各位。
   
    NKK01 は小型の DAC & ヘッドフォン・アンプの初代で、ここに写真と説明があります。

    これはバッテリー駆動で一度の充電で100時間以上稼動した由。これはこれで聴いてみたいですが、製造コストが高すぎて、現在は廃番。
   
    NKK03 は正面は NKK01 とほぼ同じようですが、奥行は3倍ぐらいでしょうか。中央上面にチューブ・ソケットがあります。背面は電源、USB端子、RCA 端子。
   
    正面の大きな音量ダイアルの左のスイッチを入れると、ダイアルの周囲が光ります。12AU7 は内部の光はごく小さく、火が入っているかどうかわかりにくいです。

    ソースは MacBook で、USB につなぐとシステム環境設定の「サウンド」では Burr-Brown Japan PCM2702 の表示が出ます。ヘッドホン祭の時に置いてあった仕様ではこれだけではなかったと思いますが、窓口がこれ、ということでしょうか。

    再生ソフトは Taply。Taply はフリーの Mac用音楽プレーヤーで一番音が良いと思います。本当のベストは XLD なんですが、これの再生機能はあくまでもおまけなので、使い勝手からすると常用にするのはちょっと。Taply は再生オンリーの小さな巨人です。

    真空管というと昔は「ぬくもり」とか「艶」が音質を表現する言葉として使われたものですが、それももちろん無いことは無いけれど、それよりも今のものは反応のスピードの速さと肌理の細やかさの方をより感じます。ハイブリッドということもあるのかもしれません。音の立ちあがりと減衰の美しさ、音の襞の奥まできちんと濃淡のままに聞かせてくれる。ですから、音楽の中のノイズ成分、ヴァイオリンの弦のこすれる音とか、フルートの息が漏れる音がとてもきれいに、快く聞こえます。加えて倍音の再生はやはり真空管で聞きたい、と思わせます。
   
    それと、沈黙、静寂の部分ではほんとにきれいに音が無い。音が途切れるところだけではなく、背景、楽器同士の間なども真黒です。もっともこれは RudiStor のアンプに共通の性格でもあるらしい。ウエブ・サイトでは、どのモデルでもそのことが強調されてます。
   
    ルディさんの真空管アンプは、スイッチ入れてすぐ使えるよ、四六時中電源入れっぱなしにしないでくれ、省エネになるんだから、とサイトでは書かれてます。とはいうものの、NKK03 では暖まるまで30分はかかります。電源を入れて30分ぐらいたつと、すーっと音が澄んできます。ただ、これはアンプ自体のエージングがまだまだということでもあるかもしれません。いま手元にあるのはヘッドホン祭の会場で展示していたモノで、正確にはわかりませんが、まだ作動50時間は超えていないでしょう。
   
    ヘッドフォンはいつものゼンハイザーHD414。なんですが、これの限界を初めて感じました。まあ、ヘッドホン祭でルディさんの新作ヘッドフォンを聴いてしまっていることもあります。一番の欠点は、左右の広がりは良いのですが、前後上下が浅い。NKK03側のエージングで変わるかどうか。
   
    それでも音楽を楽に魅力的に聴かせてくれることでは文句はなく、あらためて能力の高さを認識しました。

    こうなるといろいろなヘッドフォンを聴いてみたくなります。ハイエンド・ヘッドフォンのレンタルって、あるのかな。T1 とか、受注生産だと難しいでしょうねえ。まず聴いてみたいのは HE-05LE ですね。

    本日の試聴曲。ああ、しかし、止まらねえ。

El Relampago    Lila Downs    En Paris: Live a Fip
El Relampago    Lila Downs + the Chieftains    サン・パトリシオ
La Iguana    Lila Downs + the Chieftains    San Patricio
La Iguana    Lila Downs    En Paris
Albion Sunrise    Albion Country Band    Battle Of The Fields
Morris Medley    Albion Country Band    Battle of the Field
La Mujjer De Terah    Ana Alcaide    Como La Luna Y El Sol
Down In The Tube Station At Midnight    Bad Shepherd    Yan Tyan Metheral
Le Vent M'emporte    Cécile Corbel    Songbook 1
Symphony No.40 In G Minor, K550 (2nd Ver.) I Molto Allegro    Christopher Hogwood & Academy of Ancient Music    モーツァルト:交響曲第40番第41番&ジュピター
Only time will tell    Billy Bang    Tribute to Stuff Smith
Take Five> Take 11    Farmer's Market    Speed/ Balkan/ Boogie
1. The Sea & Sinbad's Ship    Fritz Reiner & Chicago Symphony Orchestra    R.コルサコフ:シェエラザード
Moot    Glen Moore    Nude Bass Ascending
    ラストの細かい音で上昇と下降をするところから後をもっと聞きたくなる。ここで絞るなよう。ライヴでは続けていたのか。

Late for the sky    Jackson Brown    レイト・フォー・ザ・スカイ
    リンドレーのギターの音色が美しい。

Song for Bernadette    Jeniffer Warnes    Famous Blue Raincoat
    ジェニファのヴォーカルの工夫が手にとるようにわかる。深いとは思っていたけど、こんな細部にまで降りていたのか。あらためて脱帽。

Well, well, well    Ben Harper & The Blind Boys Of Alabama    There Will Be a Light
Isle of France    Ian King    Panic Grass & Fever Few
    あ、これ、こんなに細かい録音を重ねていたのか。

With the trees    José Neto    Mountains and the Sea
Camila's Song    Kaila Flexer & Gari Hegedus    Teslim
Intro: Conditional Discharge    Long John Baldry    It Ain't Easy
Don't Try To Lay No Boogie Woogie On The King Of Rock & Roll    Long John Baldry    It Ain't Easy
Motherless child    The Blind Boys of Alabama    Spirit of the Century
Der Blinde und der Lahme    Ougenweide    All Die Weil Ich Mag
The Buckfast 5> Wired To The Moon    Michael McGoldrick    Wired
太陽は笑い月を呼ぶ    桃梨    歓喜~結成10周年記念大感謝祭~
Like a hurricane    Niel Young & Crazy Horse    ライヴ・ラスト
陽炎    鬼束ちひろ    DOROTHY
    聴けば聴くほどに名曲の想い新た。コーダのアコースティック・ギターの響きがことの他映える。

The gold ring    Padraic O'Reilly    Down the Ivory Stairs
ヒロくん    谷川賢作    ピアノソロVol.4
Oh the Grand Old Duke of York    Tim Hart & Friends    My Very Favourite Nursery Rhyme Record
Locura    Yasmin Levy    La Juderia
    ぐわわ、冒頭、ネイの音一発でもっていかれる。真空管アンプの試聴会には最適。

安里屋節    新良幸人    月虹(げっこう)
    新良さんの声の倍音がすごい。

Manamanamwnci> Jig Esgob Bango    Calan    Bling
The Golden Glove    Chris Foster    Jewels

このページのトップヘ