クラン・コラ・ブログ(アイルランド音楽の森)

 アイリッシュ・ミュージックなどのケルトをはじめ、世界各地のルーツ音楽を愉しむブログです。そうした音楽の国内の音楽家も含みます。加えて主宰者の趣味のグレイトフル・デッド。サイエンス・フィクション、幻想文学などの話もあります。情報やメモ、ゴシップ、ただのおしゃべりなどもあります。リンク・フリーです。

タグ:積読

1127日・土

 赤帽を頼んで、書庫に積みあがった本と雑誌を倉庫に運びこむ。軽トラ一杯350キロ。ようやく身を置く空間ができる。運びきれなかった本がまだ少し積みあがっているが、文庫や邦書は処分しよう。

 リビングに置きっぱなしだった可動式のテーブルと椅子、暖房器具を運び、オーディオ一式を移す。もともとは実家を畳んだ時、処分する気になれなかった本を運びこんだのが発端だった。紆余曲折を経て、いよいよわが家に老夫婦2人で暮すとなると、やはり一部屋足りなくなる。調べると家の近くの倉庫は2階だが、これまで借りていた駅近に比べて広さは倍で賃料は半額。これは移転するしかない。ということで、これでやっと息がつける。しかし、本もCDも、そして最近再びレコードも増えつづける。死ぬまで増えつづけるだろう。死んだらみなゴミになるとわかっていても、やめられない。

 Victoria Goddard, In The Company Of Gentlemen を読む。The Red Company ものの独立の中篇。The Bride Of The Blue Wind の主役の1人、アヴラマプル姉妹の次女で戦士のパリが登場する。感服する。これまたまったく違うスタイルとテーマ。なぜか、ひどく励まされる。これは刊行順では少し先になるので、間に出ている Bee Sting Cake; Whiskeyjack; Stone Speaks To Stone を公式サイトで購入。Greenwing & Dart シリーズの#2#3#1.5。ここまで読むと刊行順では次は The Hands Of The Emperor なのだが、それに行くか、Greenwing & Dart のシリーズを先まで読んでから、もどるか。しかし、いよいよ中毒になってきたけしき。

 公式サイトで購入すると電子版の種類を選べる。CAD でアマゾンより安い。著者の取り分も多いはず。
 


##本日のグレイトフル・デッド

 1127日には1968年と1970年の2本のショウをしている。公式リリースは無し。


1. 1968 Kinetic Playground, Chicago, IL

 2日連続のショウの1日目。プロコル・ハルムとテリー・リードが共演。プロコル・ハルムが先に演る。前座という形では無かったようだ。二部形式だったが、セット・リストははっきりしない。聴衆は2日とも200ほど。

 会場は1968年4月に The Electric Theater としてオープンしたナイト・クラブ。建物は1928年に建てられ、ダンス・ホールやスケート・リンクなどになったこともある。同年8月に Kinetic Playground に改名。ニューヨークの The Electric Circus に訴えられたため。

 ここでは当時メジャーなロック・バンドやミュージシャンたちが軒並み出ている。このショウが掲載された11月のポスターにはモビー・グレープ、エア・アパレント、スペンサー・デイヴィス、キャンド・ヒート、ムーディ・ブルース、チャールズ・ロイド、クリアデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル、ブルー・チアー、ティム・バックリーの名がある。12月の予告として、アイアン・バタフライ、ディープ・パープル、マディ・ウォーターズ、バディ・マイルズ・エクスプレスが挙げられている。196911月初め、ボヤを出して閉鎖された。後、場所を変えて短期間復活した。

 デッドはここではこの時が最初の出演。以後1969年7月5日まで8回ショウをしている。うち1969年4月25日のショウの2曲目〈Doin' That Rag〉が2016年と2018年の《30 Days Of Dead》で、翌26日のショウの半分ほどが《Dick's Picks, Vol. 26》で、アンコールの1曲〈Viola Lee Blues〉が《Fallout From The Phil Zone》で、各々リリースされた。


2. 1970 The Syndrome, Chicago, IL

 開演8時。ニュー・ライダーズ・オヴ・パープル・セイジ前座。セット・リストは一部。

 会場は Chicago Collesium が自由席のロック・コンサート会場として使用される際の呼称。197010月から1971年3月まで、この名称が時折り使用された。施設そのものは民主党、共和党の全国大会が開かれるレベルのサイズと設備を備えていた。1971年3月、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで行われたモハメド・アリ対ジョー・フレイザーの一戦の有料パブリック・ヴューイングが機材の故障で試合が始まる前に中止となったため、怒った観衆が暴動を起こす。その損害で施設は閉鎖された。 

 デッドがここで演奏したのはこの時のみで、翌年3月19日に予定されていたショウは上記の理由からキャンセルとなった。

 ちなみにこのヴェニューでの最後のコンサートは暴動後唯一行われた3月12日のジェイムズ・テイラー&キャロル・キング。記憶に残るものだったそうな。(ゆ)


1015日・金

 赤帽を雇って駅近くに借りている倉庫に入れてある荷物を家の近くに新しく借りた倉庫に引越し。次いで、家の本を積めるだけ積んで新しい倉庫に運ぶ。赤帽の軽トラなので積載量は350kg。少しオーヴァーしていたらしい。倉庫の広さはこれまでの倍以上あるので、まだまだ大分余裕がある。部屋の床に積みあがっている本の、あと半分くらいは移せそうだ。そうすれば、少しはここでいろいろ作業もできるようになるだろう。今度の倉庫は家から歩いて10分なので、これまでよりは頻繁に往来できる。

 本はそれでいいとして、CDの山をどうするか。リッピングしたからといって捨てられない。アタマが痛い。


##本日のグレイトフル・デッド

 1015日には1966年から1994年まで、9本のショウをしている。公式リリースは3本。


1. 1966 The Heliport, Sausalito, CA

 ポスターが残っている。が、詳細不明。

 この日は Family Dog 一周年で Avalon Ballroom Big Brother and the Holding CompanySir Douglas Quintetthe 13th Floor Elevators が演奏していた。ここにデッドやクィックシルヴァー・メッセンジャー・サーヴィスのメンバーもいて、最後にみんなでブルーズ・ジャムをやったらしい。ガルシアはビッグ・ブラザーに加わったという話もある。デッドは翌日ゴールデン・ゲイト公園パンハンドルでフリー・コンサートを予定しており、ソーサリートから駆けもどっていた、と Lost Live Dead が書いている。


2. 1976 Shrine Auditorium, Los Angeles, CA

 2日連続の2日目。前日後半に入ったスイッチは入ったままで、復帰の年のツアー締め括りにふさわしいすばらしいショウだったそうだ。〈Bertha〉は何とキースが演りはじめ、他のメンバーが一瞬、えっ、という顔で彼を見て、次の瞬間、一斉に飛びこんだ。ラストは〈Comes a Time> Franklin's Tower> Sugar Magnolia〉という、おそらく唯一この時だけの組合せで、最大級に盛り上がり、アンコールは無し。次は大晦日 Cow Palace での年越しショウで、これもすばらしく、正式リリースされた。


3. 1977 Moody Coliseum, Southern Methodist University, Dallas, TX

 7.50ドル、夜7時半開演。この時期、大学を集中的に回っている。


4. 1981 Melkweg, Amsterdam, Netherlands

 フランスでのショウが2本、キャンセルになり、日程が空いたため、即席でこの日と翌日のショウが組まれた。機材はすでにパリに送られていたので、楽器などはすべて借り物。ガルシアはストラトを模したヤマハを弾き、ウィアとレシュはフェンダー、ミドランドはピアノ、ドラマーたちは簡単なドラム・キットだった由。しかし、出来は良かった。

 ここは、4日前にガルシアとウィアがアコースティックで演奏した、小さなクラブ。事前の告知はほとんどまったく無く、チケットも会場売りのみ。ブルーズ・シンガー Cindy Peress が夜10時に前座を始め、デッドが聴衆の間を縫ってステージに上がったのは11時。くだけた雰囲気の、かなり良いショウ。


5. 1983 Hartford Civic Center, Hartford, CT

 後半7曲目〈St. Stephen〉が2010年の《30 Days Of Dead》でリリースされた。残念ながら持っていない。2010年にはまだデッドに目覚めていなかった。

 良いショウのようで、80年代最高のショウの一つの声もある。その一つの要因は〈St. Stephen〉で、4日前のマディソン・スクエア・ガーデンと同様、聴衆は爆発的な反応をした。しかも〈Space〉から切れ目なく移行するのはまことに珍しい。


6. 1984 Hartford Civic Center, Hartford, CT

 開演7時半。前半4曲目〈Bird Song〉が2018年の《30 Days Of Dead》でリリースされた。

 これも良いショウのようだ。そこへ来るといつも良いショウをするヴェニューはいくつかあり、ここはその一つ。


7. 1988 Bayfront Center, St. Petersburg, FL

 2日連続の1日目。開演7時半。ウィアの41歳の誕生日。アンコールの前に「ハッピー・バースディ」が歌われた。


8. 1989 Meadowlands Arena, East Rutherford , NJ

 開演8時半。3日連続の中日。まずまずの出来だった由。


9. 1994 Madison Square Garden, New York, NY

 6本連続の3本目。オープナーの〈Shakedown Street〉が2018年の《30 Days Of Dead》でリリースされた。


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