05月16日・月
NYRB のニュースレターを見て Ross Feld, Guston In Time をアマゾンで予約。今月24日発売。
Guston は Philip Guston (1913-80) で、1970年代以降の晩年の絵画が後の画家たちに大きな影響を与えた。ニュースレターに掲載された絵やボストン美術館で現在開かれている Philip Guston Now という回顧展のサイトのギャラリーを見ても、実に面白いと思う。こういう人がいるのねえ。
しかし発表当時は時の美術界からは総スカンを食い、ほとんど唯一評価したのがまだ若い Ross Feld だった。2人の間に篤い友情が結ばれ、この本はフェルドが残した追憶の書。回顧展の図録は欲しい。ボストン美術館は通販で売っているがペーパーバック40ドルに送料52ドル。やはりためらう。昔はこういう本はイエナあたりにあったりしたのだが、今はどこか、集めているところはあるのだろうか。海外の展覧会の図録を集めて売っている本屋はありそうだが。それにしても、この人もカナダだ。
しかし発表当時は時の美術界からは総スカンを食い、ほとんど唯一評価したのがまだ若い Ross Feld だった。2人の間に篤い友情が結ばれ、この本はフェルドが残した追憶の書。回顧展の図録は欲しい。ボストン美術館は通販で売っているがペーパーバック40ドルに送料52ドル。やはりためらう。昔はこういう本はイエナあたりにあったりしたのだが、今はどこか、集めているところはあるのだろうか。海外の展覧会の図録を集めて売っている本屋はありそうだが。それにしても、この人もカナダだ。
##本日のグレイトフル・デッド
05月16日には1969年から1993年まで7本のショウをしている。公式リリースは3本、うち完全版2本。
1. 1969 Campolindo High School, Moraga, CA
金曜日。1時間弱のテープが残っている。大学では多数ショウをしているデッドだが、高校は珍しい。1966、1967、そしてこの時と3校が記録にある。
モラガはオークランドの東10キロほどのバークリー丘陵の中の街。風光明媚なところらしい。この高校は公立校だが有名らしく、2019年の U.S. News & World Reports のランキングでカリフォルニアで30位、全国で239位。スポーツが盛ん。オリンピックやプロで活躍するアスリートを輩出している。球技、陸上、水上、格闘系なんでもござれだが、クロスカントリーでは男女ともに州トップ・クラス。
2. 1970 Temple University, Philadelphia, PA
土曜日。6.50ドル。開演3時。テンプル野外フェスティヴァルと題されたラジオ局 WFIL 主催のイベントらしい。ジミ・ヘンドリックス・エクスペリアンスがヘッドライナー。デッド、スティーヴ・ミラー・ブルース・バンド、カクタス、MC5、Jam Factory の名がポスターにある。マンハッタン・トランスファーも出たという話もある。
デッドのステージの録音として30分弱のテープが残っている。そこでは最後にロード・マネージャーのサム・カトラーが、今録音したテープを買うからテープ・デッキのスイッチを切るように言っているそうだ。実際、録音はそこまで。
3. 1972 Theatre Hall, Luxembourg
火曜日。ヨーロッパ・ツアー17本目。《Europe ’72: The Complete Recordings》で全体がリリースされた。なおこれにはサウンド・チェックの2曲も収録された。
ラジオ・ルクセンブルクは1960年代から国境を超えた汎ヨーロッパ的「海賊版放送局」として活動していた。このショウはそこで放送されるためのもので、放送局内の小さな方のスペースで行われた。定員は500。タダ券が地元民と、5月初旬のパリでのショウの後、ファンに配られた。番組は通常ヨーロッパではいくつかの周波数とフォーマットで放送され、短波で全世界に放送されていた。ためにレシュはこのショウの中でカリフォルニアのファンに呼びかけている。もっとも夜遅くなるにつれて受信状態が悪くなるのが常で、デッドの放送開始は午後11時だったため、第一部は明瞭だが、第二部はだんだん音が小さくなり、ノイズにまぎれていった。
ショウの時間枠は3時間で、ために「ビート・クラブ」に次いで短かく、CDで2時間半強。コンパクトにまとまっている。短かい要因の一つはピグペンが長い曲をやっていないためで、本人の体力の問題もあったのだろう。クローザーの〈Not Fade Away〉では、戻って2度目の演奏で、従来はウィアとピグペンが歌いかわしていたのが、この日以降、ウィアが単独で歌う形になる。
もっとも演っている3曲〈Mr. Charlie〉〈Chinatown Shuffle〉〈It Hurts Me Too〉はいずれも力唱だし、オルガンはしっかり弾いている。ちなみに〈Mr. Charlie〉はこのツアー22本のすべてで演奏された唯一の曲。
演奏はこのツアーらしく、どの曲もきっちりした水準の高いもので、コンパクトにしようという意識があるのか、〈The Other One〉も短かめで、終始ビートがあって面白い。ハイライトは〈Sing Me Back Home〉で、ガルシアが歌のコツを摑み、これまでのベスト。
ライナーで〈The Promised Land〉がこのショウでデビューと書いているのはデヴィッド・ガンスの勘違い。この曲は1971-05-29にウィンターランドでデビューしている。
ルクセンブルクはアメリカ人には異様なところと映ったらしい。元来はフランス語圏だが、ルクセンブルクは「国策」としてルクセンブルク語をフランス語から独立させようとしている。ラジオ・ルクセンブルクの独自性もこの国がヨーロッパの中で他のどこにも属さないようにしているところから生まれていたのだろう。
次は中1日置いて西ドイツにもどってミュンヘン。
4. 1978 Uptown Theatre, Chicago, IL
火曜日。このヴェニュー2日連続の初日。とりわけ第二部が良いショウの由。
5. 1980 Nassau Veterans Memorial Coliseum, Uniondale, NY
金曜日。11.50ドル。開演8時。このヴェニュー3日連続のランの楽日。03月30日からの春のツアーの千秋楽。この後は2週間休んだだけで、05月29日から夏のツアーを始める。
第一部から5曲、第二部オープナーの2曲が《Go To Nassau》でリリースされた。
6. 1981 Cornell University, Ithaca, NY
土曜日。9ドル。開演8時。コーネル大学3度めで最後のショウ。
《30 Trips Around The Sun》の1本として全体がリリースされた。
7. 1993 Sam Boyd Silver Bowl, Las Vegas, NV
日曜日。開演2時。このヴェニュー3日連続のランの楽日。スティング前座。
飛び抜けて良いショウの由。第一部は6曲で短かかったが、第二部は新鮮な組合せが続いた。
スティングもすばらしく、3日間で初めてアンコールをやった。デッドは全員右袖に出てきて、拍手喝采した。(ゆ)