Subterranean Press のニュースレターでトム・リーミィの全中短篇集成の予告。未発表ノヴェラ収録とあっては買わないわけにはいかない。例によって送料がバカ高いが、やむをえん。昔出た San Diego Lightfoot Sue and Other Stories はもちろん買って、断片まで含めて、隅から隅まで読んだ。レオ&ダイアン・ディロンによるカヴァーにも惚れ惚れした。

 リーミィを知ったのはもちろん伊藤典夫さんの訳で SFM に載った「サン・ディエゴ・ライトフット・スー」で、何度読みかえしたかわからない。ああ、このタイトル。70年代だよねえ。F&SF1975年8月号巻頭を飾る。翌年ネビュラ受賞。1970年代の F&SF は本当に凄かった。後年、ロサンゼルスに仕事で半年住んだ時、最初の週末にわざわざローレル・キャニオン・ドライヴを走り、Hollywood Sign に行ってみたものだ。

 その Subterranean Press は先日久しぶりのティプトリーの作品集もアナウンスして、未発表、単行本未収録は無いようだが、やはり注文してしまった。

 これらのカネをさて、いったいどうやって工面するか。

 Subterranean Press の本は絶対逃せないものは直接注文するが、それほどでもない時はアマゾンに注文している。送料の桁が違って安い。そこでやって来たのが Jack McDevitt, Return To Glory。あらためて確認すると、この人、なんとシルヴァーバーグと同い年、3ヶ月しか違わない。ただし、デビューはシルヴァーバーグから遅れること四半世紀。というわけで、シルヴァーバーグはそろそろ燃え尽きているが、マクデヴィットは87歳でばりばり書いている。この本にも未発表短篇が5本ある。

Return to Glory
McDevitt, Jack
Subterranean Pr
2022-10-31



 シルヴァーバーグはすでに多すぎるくらい書いているわけで、もう何も書かなくても十分ではある。Subterranean Press はシルヴァーバーグも熱心に出していて、年明け早々に Among Strangers がやってきた。アマゾンに注文したのを忘れていた。3本の長篇とノヴェラを収めたこのオムニバスをぱらぱらやっていると、にわかにシルヴァーバーグが読みたくなり、買いためてあった中短篇集を掘りだしてきた。Subterranean Press からの中短篇全集も買ってはあるが、あえてなるべくオリジナルの形で読んでみたくなる。

Among Strangers
Silverberg, Robert
Subterranean Pr
2022-12-01



 昨年アメリカの出版界で最も話題になったのはブランドン・サンダースンの Kickstarter プロジェクトだった。COVID-19 で本のプロモーションのためのツアーが全部なくなった。それまでかれは1年の3分の1をツアーに費していたから、時間があいてしまった。そこで何をしたかというと、誰にも内緒で長篇を4本書いてしまった。それらを自分で出版するのに資金を募ったら、185,341人の支援者によって 41,754,153USD、今日のレートで55億円弱という Kickstarter 史上最高額の寄付が集まり、サンダースンの版元である Tor だけでなく、出版界全体が青くなった。

 その秘密の長篇4本の最初の1冊 Tress Of The Emerald Sea がやってきた。本だけでなく、特製の栞やらピンバッジやら、いろいろおまけも入っている。輸送用の外箱も、中のクッションも専用に作ったらしい。あんまり綺麗なので、シュリンクラップを破る気になれない。中身は電子版で読めるから、当分、このまま積んでおこう。

TotEScntnts

TotESpin


 それにしても、これらの本は、あたしが死んだら、どこへ行くのだろうか。(ゆ)