
RS2 HiBy デジタルオーディオプレーヤー(ブラック) HiBy Music
02月09日・水
あたしはあのソニーの音がどうにも好きになれない。精細かもしれないが、繊細でもあって、聴いていると、まるでヘタに触るとバラバラに砕け散る細工を見ている気分になる。今にも崩れないやしないかとハラハラしながら見つめているので、音楽を楽しむどころではない。そのスリルとサスペンスが娯しいのだ、とおっしゃる向きもあるのだろうが、あたしは音楽を聴きたいので、ソニーの音を聴きたいわけじゃない。
ソニーもどん底からひとまず脱けたようで、新しいと見えることをいろいろ打出している。グラン・ツーリスモ用 AI は面白い。もちろんゲーム内の環境はリアルなものとは次元が違うから、あれがそのまま役立つとも思えないが、自動運転へのアプローチの一つにはなるんじゃないか。
その勢いでオーディオでも音ではなく、コンセプトとして面白く、斬新なものを出してほしい。かつての CD やオリジナルのウォークマンのように。iPod だって、ウォークマンがあったればこそなんだし、ストリーミングは CD によるデジタル化があったればこそなんだから、今の音楽商売の状況を生みだしたのはソニーではないか。オーディオのモバイル化とか、音のデジタル化とか、それが出現するまでは、世間一般にはまったく思いもよらなかったことを、ソニーは生みだしたのだ。盛田や井深は偉大かもしれないが、二人が全部作ったわけでもない。DAP はもう後輩たちに任せて、その先を見せてほしい。
02月09日・水
##本日のグレイトフル・デッド
02月09日には1973年から1986年まで、3本のショウをしている。公式リリースは無し。
1. 1973 Roscoe Maples Pavilion, Stanford University, Palo Alto, CA
この年最初のショウ。Wall of Sound のデビュー。だが、最初の音が出たとたん、半分のスピーカーが吹飛んだ。ために、その後、PAは苦労した。一方、演奏は最高で、ベストのショウの1本の由。
会場はバスケットボール・コートで、床は固定ではなく、バネの上に乗っている。第二部5曲目の〈Truckin'〉の途中で床が波打ちだした。揺れはやがてステージにも伝わって、ステージはボートのように浮き沈みしだし、さらにその上のPAシステムが載った足場が左右にゆらゆら揺れだした。聴衆は起きていることを見てとり、さらに激しく飛びはねだした。とうとうバンド・メンバーも揺れる足場を見て、たがいに顔を見合わせ、全速力で逃げだすべきか、相談したようだった。結局誰も逃げださず、1時間後、全員無事で会場を後にした。と、Phil DeGuere が DeadBase XI でレポートしている。
2. 1979 Soldier's And Sailors Memorial Hall, Kansas City, KS
2日連続の初日。9.00と10.00ドル。指定席。開演7時きっかり、とポスターにはある。チケットには8時と印刷されたものもあったらしい。第二部が良い由。
3. 1986 Henry J. Kaiser Convention Center, Oakland, CA
このヴェニュー5本連続の2本目。春節記念。この年は寅年。16ドル。開演8時。第一部が短かいが、良いショウの由。(ゆ)
伝聴研ニュース36号が来て、聴覚トレーニングのツールがついにCDからメモリ・プレーヤーになり、ヘッドフォンもモデル・チェンジするとの予告。正式発表は2月予定。プレーヤーには音楽も追加できるそうで、なにせここの DenDAC やヘッドフォン・アンプはやたら音が良かったから、これは楽しみだ。そのヘッドフォン・アンプは小型で、本来携帯用ではないけれど、 DAP と一緒に携帯している人をヘッドフォン祭で見たこともある。
ボックス・セットは持っているけど、CDP が必要なのはやはり面倒で、トレーニングはあまりやってない。やればいいことはわかっている。筋肉のように鍛えることで視覚や聴覚の老化を遅らせることはできない。伝聴研の聴覚トレーニングは、あたしには効果があって、やると聞こえが良くなる。音楽をよりよく聴けるようになる。老化が遅れているように感じる。時には逆転したとさえ思える。ミュージシャンにはもっと実際的な効果、リズムのとり方が良くなるとか、音程が良くなるとかがあるそうだ。あたしはもちろんそこはわからん。
新しいヘッドフォンも写真ではツラがいい。またオーテクの OEM だろうが、ベースはどれだろう。形からすると ATH-M60x かな。ATH-770XCOM からマイクを取りはずした形にも見える。
##本日のグレイトフル・デッド
12月09日には1966年から1994年まで9本のショウをしている。公式リリースは3本。うち完全版2本。
1. 1966 Fillmore Auditorium, San Francisco, CA
4日連続の初日。共演 Big Mama Mae Thornton と Tim Rose。セット・リスト不明。
ビッグ・ママ・ソーントン (1926-1984) はよく知られたリズム&ブルーズのシンガー。後にプレスリーがカヴァーする〈Hound Dog〉が最大のヒット。〈Ball and Chain〉の作者。女性ドラマーのパイオニアの1人。
Tim Rose (1940-2002) はワシントン、D.C.出身のフォーク・シンガー。後にママス&パパスに参加する Cass Eliot やジミヘンと The Big 3 というバンドを組んでブレイクする。Bonnie Dobson が書き、デッドがカヴァーした〈Morning Dew〉の作者クレジットに自分の名前を勝手に加えたことで知られる。ドブスンはローズの貢献を全否定している。
2. 1971 Fox Theatre, St. Louis, MO
開演7時。2日連続の初日。全体が今年のビッグ・ボックス・セット《Listen To The River》でリリースされた。
セント・ルイスには3月に続き、この年2度目の登場。3月のショウは2日目が《30 Trips Around The Sun》の1本でリリースされている。
9月に入院したピグペンが復帰した。
第二部がやけに短く、全体としてもこのショウのみ他より1時間短かい。が、事情がわからない。ライナーにも書いていない。
3. 1979 Kiel Auditorium, St. Louis, MO
デッドは移動日でショウの無かった前日にジョン・レノンが射殺された。
4. 1981 Activity Center, University of Colorado, Boulder, CO
12.65ドル。開演7時。全体が《Dave’s Picks, Vol. 20》でリリースされた。
この年のツアーの打ち上げ。この後は12月12日にサンフランシスコの南のサン・マテオでジョーン・バエズとの公演をした後、年末恒例の年越しショウに向けての5本連続になる。
第一部が〈China Cat Sunflower> I Know You Rider〉で終り、第二部が〈Scarlet Begonias> Fire On The Mountain〉で始まるという黄金の組合せ。第二部はその後も黄金の並び。
5. 1988 Long Beach Arena, Long Beach, CA
開演8時。
セット・リスト以外の他の情報無し。
6. 1989 Great Western Forum, Inglewood, CA
同じヴェニュー2日連続の2日目。開演8時。第一部クローザー前の〈Bird Song〉が《Without A Net》でリリースされた。
セット・リスト以外のその他の情報無し。
7. 1990 Compton Terrace Amphitheatre, Chandler, AZ
21ドル。開演1時。2日連続の2日目。
セット・リスト以外のその他の情報無し。
8. 1993 Los Angeles Sports Arena, Los Angeles, CA
25ドル。開演7時半。
第二部 Drums にアイアート・モレイラが、Space にアイアート・モレイラ、フローラ・プリムとオーネット・コールマン、その後の〈The Other One〉からクローザーの〈Turn On Your Love Light〉まで、オーネット・コールマンが参加。
9. 1994 Oakland-Alameda County Coliseum Arena, Oakland, CA
4本連続の2本目。27.50ドル。開演7時。第一部半ば〈El Paso〉でウィアがアコースティック・ギター。この曲はウィアがアコースティックをまた演るようになって復活した。
この頃になると、チケットが売り切れなくなり、前の晩は空席が目立ったらしい。この日はほぼ満杯。SBD で聴くかぎり、第一部は音が良くない。初めはドラムスとヴォーカルだけで、ベースは終始聞えず、ウィアのギターはスライドを演っているときだけ。ガルシアは時々歌詞を忘れ、ギターでカヴァーする。もっともそのギターは歌詞忘れを補って余りある。第二部はがらりと音が良くなり、まずオープナーの〈Scarlet Begonias> Fire On The Mountain〉がベストの出来で、しかも長い。長いといえば、この日の Drums> Space はひどく長く、その後は〈Box of Rain〉とアンコールの〈Johnny B. Goode〉のみ。DeadBase XI の Mike Dolgushkin と David Greenberg のレポートによる。(ゆ)
12月08日・水
A&Cオーディオのヒッポさんが Diretta を誉めているので、どんなものかと調べてみる。しかし Mac ユーザにはなかなか敷居が高いと判明する。
あたしなりに整理すると、 Diretta はイーサネットで外部記憶装置内の音源ファイルを送りだす際の伝送技術だ。当然ながら、送り手側と受け手側の両方で Diretta をサポートしている必要がある。
イーサネット・ポートを備えた DAC は LAN DAC とかネットワーク・トランスポートとか呼ばれる。このジャンルで Diretta に対応しているのはスフォルツァートのみ。もう一社、イタリアのメーカーも対応しているそうだが、国内販売は無い。
その他の世に出ている大多数の DAC にはイーサネット・ポートは無いし、あっても Diretta をサポートしてはいないので、イーサネットを USB に変換するブリッジが必要になる。このブリッジは SPEC とオリオスペックから出ている。 ヒッポさんは SPEC のブリッジを試して、CDP よりも音が良くなった、と認めている。
上流、音源としては外部記憶装置または Windows PC が必要になる。Mac 用の HOST ドライバは開発中というのが2年半前の話。その後、どうなったのか、検索しても出てこない。2年経っても何も出てこないのは、開発できなかったのだろう。
となると、Mac ユーザとしては対応する外付記憶装置に頼ることになるが、IOデータの fitada または Soundgenic しか無い。
第1の問題は fitada/ Soundgenic のものはルータに有線でつなぐ必要があること。つながないと再生やコントロールできない。ルータまで延々ケーブルを引き回す必要がある。無線ルータが無意味になる。あるいは親子システムが必要になる。Soundgenic にはネットワーク・コネクタは1個しか無いから、別途ハブが必要になる。この点、Soundgenic のサイトのイラストは誤解を招きやすい。fitada Music App をインストールした iOS/Android 機器であたかも無線で直接コントロールできるように描いているが、実際には Soundgenic をルータにつなぎ、そのルータと iPad などを無線でつなぐ必要がある。
問題の二つ目、ハード・ディスクは使っているうちにクラッシュすることを覚悟しておかなければならないが、fitada や Soundgenic のハード・ディスクは特別製でおいそれと交換はできない。fitada は SSD もあるが、最大2TB で60万超。今や 1TB の マイクロSDカードが1.5万の時代なのだ。2TB の SSD が入ったものになんで60万も出さねばならんのだ。いい音の環境を追求するというよりも、ハード・ディスクや SDD をいかに高く売るかを追求した製品のように見えてくる。
こうなると Diretta は音は良いかもしれないが、現状ではカネと手間暇かける価値は無い、と結論せざるをえない。これなら、Mac で再生したい音源は AirPlay で飛ばして、対応する DAP なりストリーマなりで受けて、好みの DAC に入れた方が遙かに手間がかからずに音楽が楽しめる。聞き比べてみれば音は違うとしても、比較せずに聴く分には十分満足できるし、それなりに音を良くするためにいろいろ遊ぶこともできる。
まあ、オリオスペックないし他のメーカーがマイクロSDカードやそれに準ずるメディアを使って、もっと安価で無線で直接コントロールできる Diretta 用音源装置を出せば、また検討の余地は出てこよう。
Windows PC の代わりにラズパイないし専用コンピュータでもいいわけで、オリオスペックは Diretta 用コンピュータやラズパイを出していたが、コンピュータは販売終了、ラズパイは品切れ納期未定になっている。
Windows PC を買えって? バカ言え、あの醜い画面を見たくないから Mac を使っているのだ。あの画面を見ただけで、せっかくの音楽が台無しだ。
しかし、そう、デジタル・アウトだけ装備した DAP をどこか作ってくれないものか。好みの DAC につなぐためのもので、本体に再生機能はなくていい。サイズは多少大きくてもいいから、マイクロSDカード・スロットを複数備えたもの。最大で8枚くらいは欲しい。その読み出しと出力にハイエンド級の物量やシステム(例えば USB の Bulk Pet 転送。これって転送するデータの量と速度を一定にするという点では Diretta と同じでないの?)を投入したもの。スマホやタブレットのアプリで再生やコントロールをする。だから本体にコントロール画面は無くていい。AirPlay サポート。マイクロSDカードは装着したままファイルの出し入れもできる。ライブラリは全部一括して扱える。値段は、そうなあ、10万以内。5万ならベスト。そんなもの、誰も買わん、かねえ。
##本日のグレイトフル・デッド
12月08日には1973年から1994年まで、5本のショウをしている。公式リリースは1本。
1. 1973 Cameron Indoor Stadium, Duke University, Durham, NC
前売5ドル、当日6ドル。開演7時。第一部クローザー一つ手前の〈Weather Report Suite〉が2011年の《30 Days Of Dead》でリリースされた。
2011年にはまだあたしはデッドにハマっていないので、この年の《30 Days Of Dead》は持っていない。全体として良いショウとのこと。
2. 1989 Great Western Forum, Inglewood, CA
3日連続このヴェニューでの初日。19.50ドル。開演8時。
イングルウッドはロサンゼルス国際空港のすぐ東、大ロサンゼルスの一角。ヴェニューは1967年12月30日にオープンした多目的屋内アリーナで、収容人数は17,500。屋内に柱の無い構造で、このサイズのアリーナとしては最初のもの。1966年から1999年まで、NBA のロサンゼルス・レイカーズの本拠地として、東のマディソン・スクエア・ガーデンと並び称されるスポーツ会場だった。2012年、西のコンサート拠点として開発する意図でマディソン・スクエア・ガーデンを所有する会社が買収したが、2020年、NBA のロサンゼルス・クリッパーズのオーナーがさらに買収している。現在は単に The Forum と呼ばれる。
デッドはここでこの年の2月と12月の2度、3連チャンをしている。
3. 1990 Compton Terrace Amphitheatre, Chandler, AZ
2日連続の2日目。21ドル。開演1時。
セット・リストを除くそれ以外の情報無し。
4. 1993 Los Angeles Sports Arena, Los Angeles, CA
25ドル、開演7時半。ポスターによればロサンゼルス、サンディエゴ、オークランドのミニ・ツアー。ロサンゼルスはこの日から3日間。
セット・リストを除くそれ以外の情報無し。
5. 1994 Oakland-Alameda County Coliseum Arena, Oakland, CA
27.50ドル、開演7時。
第一部クローザー前の〈Eternity〉で、ウィアがアコースティック・ギター。
セット・リストを除くそれ以外の情報無し。(ゆ)
11月24日・水
デッドの1973-11-21のデンヴァーのショウを聴きながら散歩していて、〈Going Down the Road Feelin' Bad〉のあまりの気持ちよさに歩きながらわめいてしまい、川縁で遊んでいた幼ない女の子たちに笑われる。
FiiO M17発売。直販で215,000円。円安だから、こういう値段になるよなあ。国内価格は税込25万切るかどうかかな。うーん、M11Pro まだバリバリ元気だし、特に音にも不満は無いし、バッテリーも良くなってるんだろう、1年以上経つけど、特に衰えた感じはないし。しかも冷却器付きって、そんなに熱くなるわけえ。それはちょっと引くなあ。それと、やあっぱり、Sabre のチップは好かん。旭化成かサーラス(シーラス?)が好みなのよねえ。さもなきゃ、R2R を試すか。HiFiMAN も何やら出したし。
Kontinum K100 が投げ売りをして、ほぼ半額になっているのが気になってしかたがない。32bit 処理とバッテリーの違いは試したい。後続が出そうもないし。2.5mmバランス・アウトだけ目をつむれば、バッテリーは交換できるから、長く使えそうだし。
ありゃ、しかし、初値が高すぎだよ。Astell&Kern の流れで強気に出たのかもしれんけど、最初から今ぐらいの値段だったら、後につながるくらいは売れたんでないかい。それとも、あのカタチかしらん。あのバッテリーを使うにしてもさ、もう一工夫欲しいよ。つまりは詰めが甘かったってわけだ。Astell&Kern は何だかんだ言って、突き詰めてることは感じられるのよね。オーディオはニッチなんだから、どこか一点でも突き詰めてるところがないと、わかった、騙されてやろう、清水の舞台から飛び降りてやろう、って気にはなれないじゃない。
しかし、そうしてみると、詰めの甘いものが半額になったからって、跳びつく道理はないわけだ。32bit 処理の技術も、いずれ iRiver が買いとって、Astell&Kern に組みこむかもしれない。KANN シリーズの次期モデルとか。KANN のあのカタチなら、バッテリーも K100 と同様のものにしやすいだろう。
ところで FiiO の本家サイトは Safari では表示がおかしくて、M17の製品ページ、右側に空白スペースができてテキストもちょん切れてるんだけど、あたしだけか。
##本日のグレイトフル・デッド
11月24日には1968年から1972年まで4本のショウをしている。公式リリースは2本。
1. 1968 Hyde Park Teen Center, Cincinnati, OH
ピグペンとトム・コンスタンティンが2人ともキーボードを担当した。The Lemon Pipers が前座。
The Lemon Pipers は当時地元で活動していたサイケデリック・ロック・バンド。1966年にオハイオ州オクスフォードで学生バンドとして結成。1967年、Ohio Battle of the Bands の決勝に残り、ジェイムズ・ギャングの後塵を拝する。1967年のシングル〈Green Tambourine〉が1968年2月、ビルボードとキャッシュボックスで No. 1 ヒットとなる。ただし、これは契約した Buddah Records が外部のソングライター・チームに依頼して書かせたティーネイジャー向けの曲で、バンド本来の志向とは相反するものだったようだ。また、例によって印税はバンドにはほとんど渡っていないらしい。
2. 1972 Dallas Memorial Auditorium, Dallas, TX
開演7時。ピグペン病欠で、オープナーの〈Don't Ease Me In〉の後、ウィアがそのことを説明した。
3. 1978 Capitol Theatre, Passaic, NJ
10ドル。第一部8曲目〈New Minglewood Blues〉が《Beyond Description》収録の《Shakedown Street》ボーナス・トラックでリリースされた。
会場は2,500収容でチケットは抽選。FM で全国放送された。また、全篇ビデオ収録もされている。DeadBase XI の David I. Greenberg のレポートはこのビデオに基いている。この年のベストのショウの一つの由。
4. 1979 Golden Hall, San Diego Community Concourse, San Diego, CA
第一部5曲目の〈Peggy-O〉が2011年の、第一部クローザーの〈Passenger〉が2014年の、《30 Days Of Dead》でリリースされた。
セット・リスト以外の情報無し。(ゆ)
11月12日・金
溜まりに溜まったCDをリッピング。ひたすらリッピング。半日やってまだ終らない。デッドの HDCD は dbPoweramp でやるが、普通のは XLD がやはり一番使いやすい。音は dbPoweramp でやるのと変わらない。
HiBy RS6 は聴いてみたい。それにしても、チップ不足で、R2R がまた一つ増えた。
iBasso DX240はバランス・アウトが今時 2.5 のみというところでペケ。それに、こうなってくると、これといった特徴が無い。アンプ・モジュール交換も Cayin や A&K の SE180 が出てくると、見劣りがする。HiBy は半歩先へ行っている感覚があるが、iBasso は後追いしている感じ。
仕掛けじゃないだろう、要は音がいいかどうかだ、という向きもあるかもしれない。しかし、DAP はまだ発展途上なのだ。製品として成熟してるわけじゃない。新しいことをどんどん試せる。ならば、鼻の差でも先へ出なければ面白くない。どこかに、他には無い、こいつにしかない、というものが無いのはつまらなくなる。
FiiO M17 は本家サイトに復活したが、出ないねえ。
Cowon は昨年から新製品が出ていない。サイトも昨年4月から更新されていない。本家でも一昨年の Plenue R2 が最新。脱落か。最近はもっぱらワイヤレス・イヤフォンを出しているようだ。
##本日のグレイトフル・デッド
11月12日には1966年から1971年まで4本のショウをしている。公式リリースは1本。
1. 1966 The Old Cheese Factory, San Francisco, CA
Anniversary Party と銘うたれたイベント。共演 Andrew Staples。ポスターのみ残る。セット・リスト不明。この日のものとして出回っている録音は実際には11-19のフィルモアのもの、だそうだ。ここでやったのはこの1回のみ。
この日にはもう1ヶ所 Sokol Hall で開かれたヘルス・エンジェルス主催のギグがあり、そちらでも演奏したという。2007年5月に行われたラム・ロッド・シャートリフ・コレクションのオークションによる由。ラム・ロッドはデッドのクルーのリーダーで、一つのバンドのために働いた最長記録保持者と言われる。残っているポスターにはビッグ・ブラザー&ザ・ホールディング・カンパニー、メリー・プランクスターズの名と午後8時半開演とある。Sokol Hall と The Old Cheese Factory は3マイル、約5キロしか離れておらず、両方に出ることは難しくないそうだ。
Andrew Staples は不明。
2. 1967 Winterland Arena, San Francisco, CA
"Benefit For the Bands" と銘打たれたイベント。セット・リスト不明。
3. 1970 46th Street Rock Palace, Brooklyn, NY
4日連続の2日目。
雨の夜で客は少なく、500というところ。まずガルシアとクロイツマンが入ったニュー・ライダーズ・オヴ・パープル・セイジが熱い演奏をした。その後で出てきたデッドの演奏はひどかった。が、すぐに止めて、ウィアが弦が切れて、交換してチューニングするのにしばらくかかる、楽にしていてくれ、と言った。1時間ほどしてバンドはステージにもどり、あらためて始めた。今度はすばらしかった。1曲終ったところでガルシアが、ステージ・ライトを消して客電を点けてくれ、と言い、その通りになった。それからそれまで見た中で最高のショウが始まった。その時夜の11時で、終ったのは朝の4時。という証言あり。
4. 1971 San Antonio Civic Auditorium, San Antonio, TX
前半10曲目、ラストの一つ前の〈Black Peter〉が2013年の《30 Days Of Dead》でリリースされた。
全体で10:14あるトラックのうち、曲は8:45で終る。次の〈One More Saturday Night〉の最初のリフの直後、録音が切れる。
この曲は内容通り、陰々滅々に終始することもあるが、これはパワフルな演奏。このピーターは自分の状況を耐え忍んで、ほとんど強靭と言える相を見せる。全体としても良いショウだろう。(ゆ)
10月14日・木
FiiO M17 予告。うーん、しかし、本家のサイトからは消えていて、まあ、出ることは出るんだろうけれど、年内に出れば、というところか。M11Pro はまだぴんぴんしてるし、何度も落として、あちこち傷だらけで売れそうにないし、こいつはとことん使い倒すつもり。それよりは FD7 + FDX用ケーブルかなと思ったりもする。
##本日のグレイトフル・デッド
10月14日は1967年から1994年まで9本のショウをしている。公式リリースは4本。うち完全版1本。
1. 1967 Continental Ballroom, Santa Clara, CA
共演に The Powers Of Evil と Om。
サンタ・クララはサンフランシスコ湾南端のすぐ南の町で、サンフランシスコに行くルートとオークランドに行くルートが別れるところ。西隣がクパティーノ。会場はここのローラースケート・リンクを改装したもので、フィルモア・ウェストやアヴァロン・ボールルームに相当するものとして1967年にオープン。柿落しはビッグ・ブラザー&ザ・ホールディング・カンパニーとクィックシルヴァー・メッセンジャー・サーヴィス。デッドはここで1966-12-21以来5回演奏し、これが最後。セット・リストは DeadBase XI に4曲挙げられている。
2. 1976 Shrine Auditorium, Los Angeles, CA
2日連続の初日。この2日間でこの年のツアーは完結し、後は大晦日の年越しショウのみとなる。そのツアーの完結篇として、前半はトロトロで、後半の後半からスイッチが入り、翌日は大爆発、だったそうだ。
3. 1977 Hofheinz Pavilion, University of Houston, Houston, TX
7.50ドル。午後7時半開演。
前半2、3曲目〈Mississippi Half-Step Uptown Toodeloo〉〈El Paso〉、後半4曲目〈Playing In The Band〉とその返りが《Road Trips, Vol. 1 No. 2》で、前半6曲目〈Loser〉が同ボーナス・ディスクでリリースされた。〈Playing In The Band〉の返りはアンコールの2曲目、最後の最後で、こういうことをやるのは調子が良い証。
しかし、こういうショウの部分だけリリースするということを、一体誰が思いついたのか。恨めしい。いつか、このショウの全体が公式リリースされることはあるのか。あたしの生きているうちに。生きて、耳が聞えているうちに。
全体にテンポが遅めで、ゆっくり演奏する時のデッドは調子が良く、演奏の質も高い。それがよく現れているのはここでは〈Loser〉。〈Playing In The Band〉のジャムはこの時期になるとガルシアのギターとドラムスの対話になる。なぜかレシュがあまり積極的ではない。いわばフツーのロック・ベースに近いことをやっている。かれとしては、だが、デッドの中ではそうすると引込んでしまう。
4. 1980 Warfield Theater, San Francisco, CA
15本連続の千秋楽。まず訂正しなければならない。このレジデンス公演は当初12本連続として発表され、チケットが発売された。しかし、売行が良かったために、さらに3本追加された。もっとも、こういう場合、当初から15本で計画されていたはずではある。ショウは3日やって1日休み、2日やって1日休み、また3日やって休み、というローテーションで3週間で15本。ロビーにはプロモーターのビル・グレアムが集めた1960年代サンフランシスコの思い出の品や写真が展示された。
ショウも千秋楽にふさわしいものだったそうだ。そして、最後にグレアムが聴衆全員にシャンパンをふるまい、バンドがステージにまた現れ、グレアムの音頭で場内全員が乾杯。一行は3日あけて、ニューオーリンズに移動する。
第一部アコースティック・セットの4、5、7、9曲目〈Cassidy〉〈I've Been All Around This World〉〈China Doll〉〈Bird Song〉が《Reckoning》で、第2部ラストの〈The Music Never Stopped〉が《So Many Roads》でリリースされた。
〈Cassidy〉でのガルシアの、メロディから思いきり外したソロが粋。〈China Doll〉ではミドランドはハープシコードを弾いている。これはシンセではなく、ちゃんと楽器を持ちこんでいた。〈The Music Never Stopped〉ではウィアがやや声を嗄らしていて、そのせいか肩の力が抜けているのが良い感じ。
5. 1983 Hartford Civic Center, Hartford, CT
2日連続の1日目。12.50ドル。夜7時半開演。《Dick’s Picks, Vol. 06》で全体がリリースされた。
トレイ・アナスタシオがメタルヘッドからデッドヘッドに転向したのは、このショウでデッドを初体験したためだそうだ。野球のバットで頭をぶんなぐられたようだった、と言う。
6. 1984 Hartford Civic Center, Hartford, CT
これも良いショウだった由。あまりに長くなったので、ラストの〈Not Fade Away〉が終る前に客電が点灯された。が、バンドは演奏を続けた。NFA が終ったところでレシュ、ウィア、ミドランドはステージから降りかけたが、ガルシアが〈Turn on Your Lovelight〉を演りはじめた。これが終ったところで、ガルシアはそのまま建物を出ていった。
7. 1988 Miami Arena, Miami, FL
18.50ドル。夜7時半開演。このショウについては情報が無い。この会場で演奏するのはこれが初めてで、1994年春まで計6回演奏している。1988年にオープンし、2008年7月に閉鎖された屋内アリーナ。NBA のマイアミ・ヒートの本拠地だった。収容人員17,000。
8. 1989 Meadowlands Arena, East Rutherford , NJ
5本連続の中日。20ドル。夜7時半開演。良いショウだった由。
この日、聴衆の一人 Adam Katz が会場を離れた後、死体で発見された。当初、事故と思われたものは、司法解剖の結果、他殺に変わり、犯人としては会場の警備員が疑われた。しかし、逮捕・訴追はついにされなかった。このこともあってか、バンドはこのレジデンス公演を最後にここでは演奏していない。
9. 1994 Madi)son Square Garden, New York, NY
6本連続の2本目。《Ready Or Not》で後半5曲目〈Corrina〉とアンコールの〈Liberty〉がリリースされた。
良いショウだったようで、とりわけ後半オープナーの30分を超える〈Scarlet Begonias> Fire on the Mountain〉は圧巻だそうだ。(ゆ)
8月20日・金
Dan Clark Audio から新フラッグシップ・ヘッドフォン、Stealth の告知。4,000USD。どうせ、国内販売は無いから、買うなら直接だが、食指が動かないでもない。とりわけ、クローズドはいい。とはいえ、EtherC Flow 1.1 があるからなあ。そりゃ、良くはなっているだろうけれど、価格差には見合わねえだろう。
M11Plus LTD 発売日がようやくアナウンス。Shanling M6 Pro Ver.21も発表。こちらは面白みまるで無し。M17 はまだ影も形も無いなあ。
Grim Oak Press のニュースレターで、COVID-19 のおかげで紙が不足しはじめているのと、昨年刊行予定のタイトルが今年に延期されたことから、印刷・製本がボトルネックになって、出版が滞りだしている由。以前は印刷所にファイルを送ってから本が届くまで長くても10週間だったのが、今は4ヶ月〜半年かかる。新規の印刷を受け付けないところも出てきた。この事情は Grim Oak のような小出版社だけではなくて、Big 6 も同じだそうだ。わが国ではどうなんだろう。
Tor.com に記事が出ていたGwyneth Jones の Bold As Love のシリーズは面白そうだ。とりわけ、メイン・キャラの一人が Aoxomoxoa and the Heads というバンドのリーダーとあっては、読まないわけにはいかない。Gwyneth Jones はデビュー作 Devine Endurance を読んではみたものの、さっぱりわからなかった記憶がある。今なら読めるかもしれん。
それにしてもこのシリーズのタイトルは、コメントにもあるように、ジミヘンがらみばかりで、作品の中にもジミヘンへのオマージュが鏤められているらしい。ジミヘンもひと頃、集めようとしたけど、まあ、やはり Band of Gypsy のフィルモア・イーストでのライヴに留めをさす。完全版も出てるけど、あたしには抜粋の2枚組で十分。デッドやザッパとは違う。
音楽がらみのサイエンス・フィクションとしては Kathleen Ann Goonan のナノテク四部作もあって、積読だなあ。
ECM の Special Offer で Around The World in 80 Discs というのが来る。見てみると、ほんとに世界一周かなあ、と思ったりもするが、それなりに面白い。知らないのも多々あって、勉強にもなる。聴いてみましょう。ECM は全部 Tidal にあるし、Master も多い。この Special Offer はいつまでなんだろう。(ゆ)