追記
Spotlight 検索がだいぶ変わったようです。UI も変わってますし、少し利口にもなっているらしいです。
* Jaben のウィルソンおやじとファイナル・オーディオ・デザインの本社に行く。Muramasa の実物にお眼にかかる。ちょっと頭の上にのせる気にはなれない。もっともこれをベースに、はるかにユーザー・フレンドリーなヘッドフォンを開発中だそうな。そちらはヒジョーに楽しみだ。Muramasa の隣には、かの「伝説」のターンテーブル Parthenon がさりげなく置かれていた。
*「法隆寺再建・非再建論争」を、歴史家の気構えを教えられた学生時代の教訓の一つ と宮崎市定が書いている(「中国上代の都市国家とその墓地——商邑は何処にあったか」全集3所収)。この論争における非再建派の主張の基盤を、ウィキペディアは「非再建論の主な論拠は建築史上の様式論であり、関野貞の『一つの時代には一つの様式が対応する』という信念」としている。だとすれば、その「信念」は異なる言語ですべての語彙は一対一に対応する、と主張するようなものだ。こんな理屈がまかり通った背景が面白い。おそらくは「聖徳太子」の「御威光」か。
もっとも、ウィキペディアの記事のこの記述には参照先が示されていないから、関野の名誉のために検証する必要はある。
実物実地を重視する立場が、屢々本質を見誤るのは、実物実地という存在のもつオーラに眼がくらんでしまうからだろう。人間の認識力を信頼しすぎる、と言ってもいい。実物実地に直に接して、今自分が認識していることがすべてだと勘違いしてしまう。実物実地に接すると、人間は興奮する。その興奮がすべてで、それ以外はニセモノととりちがえる。
実物実地は情報量が多い。時には圧倒的に多い。しかもそれがいちどきになだれこむ。人間の認識能力を遥かに超えることがある。オーバーロードしてしまう。すると、その「体験」に比べて記録は重要なものではなくなる。したがって自分の認識ではなく、記録の方が間違っている、と思ってしまう。その場合、記録が間違っているという主張には、明確な根拠はない。当人の「体験」とそれに基く認識だけである。
これは歴史学のように時間軸上の異世界を探究する場合だけでなく、空間の中の異世界、異文化を探究する場合にもよく起きる。民族学、民俗学、文化人類学のような学問では生のデータでオーバーロードにならないような予防の方法論もできているはずだが、「趣味」の対象になると困ることがある。科学としての厳密さを求められないと、自分のココロがオーバーロードに陥っていることに気がつきにくい。個人の体験など、実はごく限られたものにすぎない。それが当人にとっては「絶対的に正しく」なる。それ以外の見方やとらえ方は「間違って」いるとして排斥する。
どんなにささやかにみえても、ひとつの文化、ひとつの社会は個人に比べれば巨大なものだ。その前では、己の限界に謙虚でありたい。
*かみさんが読んでいるジョン・グリシャムのペーパーバックのサイズがやけに縦長なのに気がつく。比べてみると、従来のマスマーケット版と横幅は同じだが、縦は2センチぐらい長い。中身は上下もいっぱいに印刷してあるのもあれば、下に大きく余白をとっているものもある。使っている書体も違うのは、アメリカのペーパーバックにしてもいいかげんだが、概ね従来よりも字のサイズは大きい。いつ頃から始まったのか知らないし、最近新刊はまず買わないから、ベストセラーだけに限定しているのかどうかもわからないが、トレードペーパーバック以来の「発明」ではあろう。本のサイズは、表面だけ大きくなるのではなくて、厚みも出る。ということは重くもなる。コストも高くなるはずだ。なぜこういうことをするのか。
あるいは Kindle や iPad への対抗ではなのか。判型を近づけ、字のサイズも大きくする。
紙の本はハードカヴァーが図書館向けなどの特殊なものに限られ、ペーパーバックと eBook が通常のリリース形態になると予想しているが、こういう試みがされるということは、それだけペーパーバックの売上げが減っているのだろう。
*新しく買った伝聴研の DAC がデジタル入力しかないので、MacBook Pro から光でつなぐ。すると、システム環境設定>「サウンド」で「デジタル出力」にしていても、プレーヤーで再生を始めると「AirPlay」に切り替わってしまう。Audio MIDI 設定でも AirPlay に出力が固定されてしまい、内蔵出力に切り替えることができない。Wi-Fi を切ると「AirPlay」は消えて「デジタル出力」だけになるが、ネットにつないだまま再生をしたい時には不便だ。Audirvana Plus では出力が切り替わると再生も切れてしまう。音も違う。AirPlay をオフにする方法がわからず、さんざん探しまわって、AirMac Express 本体にスイッチがあることに気がついた。AirMac ユーティリティのベースステーション設定に AirPlay のタブがある。心覚えのために書いておく。
*新 iPod touch のストラップはすこぶる便利。むしろ薄くなって、ストラップが無いと、本体をとりあげにくい。この辺、やはり使い勝手をいろいろ試してみた結果なのだろう。
*それにしても、われわれはいったいいつから、難問を前にして「逃げる人」になったのだろう。放射能の影響をできるだけ軽いものとみなそうとする人たち。原発映画という企画と聞いて「蜘蛛の子を散らすように逃げだした」人たち。ひたすら「安心」を求めるならば、かえって「安全」は得られないとわかっているのも「理屈の上」だけなのだろうか。その姿を見ていると、黒船来航後の幕府が髣髴とされてくる。(ゆ)
1. Lion で使えるのか?
もちろん使えます。
ただし 10.7.3 現在、Lion はインテジャーモードをサポートしていません。またこの機能が今後復活するのかどうかに関して、Apple からは何の情報も出ていません。インテジャーモードの音質で聴きたい場合には、Snow Leopard のパーティションを残して、そこからブートすることを切に薦めます。
次期ヴァージョンの 1.4 でこの件の解決策を導入します。「ダイレクトモード」です。ダイレクトモードは CoreAudio をローレベルのレイヤーも含めて、完全にバイパスします。ですので音質がさらに良くなるだけでなく、隠されているインテジャーモードも復活します。
2. CPU の赤ランプが点滅してドロップアウトが起きるけど、これはなぜ?
主な理由はメモリのスワッピングです。再生中のバッファがディスクにスワッピングされているわけです。
スワッピングが起きるのは再生しているファイルを読み込むのに十分なメモリの空きが無いためです。十分な空きを確保するためにはメモリ食いのアプリ(たとえば Safari)を終了させるか、Audirvana Plus の環境設定で「最大オーディオ・バッファ・サイズ」を減らします(User Preferences > Audio System > Maximum memory allocated for tracks pre-load)。
3. 毎秒3〜10回、カチカチ音がするんだけど。
使用されている Mac が2008年末以前に発売されたモデルではないですか。それらのモデルでは USB ポートのパワー・サプライに問題があり、少数ながら正しく送られないサンプルがあります。これらのサンプルは音声信号としての値ではなく、16,000サンプル毎に値が0にされます。これはインテジャーモードの時だけ起きます。これがカチカチという音として聴こえるわけです。旧いモデルでインテジャーモードを利用したい場合に一番良く使われるのは、外部電源を備えた USB ハブを Mac と DAC の間にかませることです(もちろんハブには DAC だけつなぎます)。
4. iPad/ iPhone のリモコンで再生を操作する方法はあるの?
iPad/ iPhone 用の Apple Remote App で iTunes の再生をリモコン操作できます。Audirvana Plus を "iTunes integrated mode" にすれば、iTunes を通じて Audirvana Plus をリモコン操作できます。このモードでは iTunes は Audirvana Plus のリモコンとして機能します。
iTunes 単体では認識できないフォーマットのオーディオ・ファイル(FLAC、cue sheet、DSDなど)でも、Audirvana Plus の "Add Files to iTunes" メニューを使えば、サイズの小さなプロキシ・ファイルが作られ、iTunes のデータベースにトラックが現れます。そこで iPad/ iPhone の Remote App で操作できるようになります。
5. 1個のライセンスで何台のコンピュータにインストールできるのか。
EULA にしたがい、「ユーザが所有し、専用に使用しているもう1台のコンピュータにインストールできる。ただし、2台めにインストールしたソフトウェアをメインのコンピュータにインストールしたソフトウェアと同時に使用することはできない」。
午後1番で届き、すぐにインストール。MacBook Core 2 Duo 2.2GHz、メモリは4GB。「あと1時間1分」と出て、ゲっとなるが、例によって実際にはそんなにかからない。40分ぐらいか。途中で一度自動で再起動したのでもう終わったのかと思ったら、それからまた30分ぐらいかかる。