クラン・コラ・ブログ(アイルランド音楽の森)

 アイリッシュ・ミュージックなどのケルトをはじめ、世界各地のルーツ音楽を愉しむブログです。そうした音楽の国内の音楽家も含みます。加えて主宰者の趣味のグレイトフル・デッド。サイエンス・フィクション、幻想文学などの話もあります。情報やメモ、ゴシップ、ただのおしゃべりなどもあります。リンク・フリーです。

タグ:PC

Audirvana Plus の公式サイトの FAQs の邦訳です。おかしなところがあればご指摘ください。


1. Lion で使えるのか?
    もちろん使えます。
    
    ただし 10.7.3 現在、Lion はインテジャーモードをサポートしていません。またこの機能が今後復活するのかどうかに関して、Apple からは何の情報も出ていません。インテジャーモードの音質で聴きたい場合には、Snow Leopard のパーティションを残して、そこからブートすることを切に薦めます。
    
    次期ヴァージョンの 1.4 でこの件の解決策を導入します。「ダイレクトモード」です。ダイレクトモードは CoreAudio をローレベルのレイヤーも含めて、完全にバイパスします。ですので音質がさらに良くなるだけでなく、隠されているインテジャーモードも復活します。


2. CPU の赤ランプが点滅してドロップアウトが起きるけど、これはなぜ?
    主な理由はメモリのスワッピングです。再生中のバッファがディスクにスワッピングされているわけです。

    スワッピングが起きるのは再生しているファイルを読み込むのに十分なメモリの空きが無いためです。十分な空きを確保するためにはメモリ食いのアプリ(たとえば Safari)を終了させるか、Audirvana Plus の環境設定で「最大オーディオ・バッファ・サイズ」を減らします(User Preferences > Audio System > Maximum memory allocated for tracks pre-load)。


3. 毎秒3〜10回、カチカチ音がするんだけど。
    使用されている Mac が2008年末以前に発売されたモデルではないですか。それらのモデルでは USB ポートのパワー・サプライに問題があり、少数ながら正しく送られないサンプルがあります。これらのサンプルは音声信号としての値ではなく、16,000サンプル毎に値が0にされます。これはインテジャーモードの時だけ起きます。これがカチカチという音として聴こえるわけです。旧いモデルでインテジャーモードを利用したい場合に一番良く使われるのは、外部電源を備えた USB ハブを Mac と DAC の間にかませることです(もちろんハブには DAC だけつなぎます)。


4. iPad/ iPhone のリモコンで再生を操作する方法はあるの?
    iPad/ iPhone 用の Apple Remote App で iTunes の再生をリモコン操作できます。Audirvana Plus を "iTunes integrated mode" にすれば、iTunes を通じて Audirvana Plus をリモコン操作できます。このモードでは iTunes は Audirvana Plus のリモコンとして機能します。

    iTunes 単体では認識できないフォーマットのオーディオ・ファイル(FLAC、cue sheet、DSDなど)でも、Audirvana Plus の "Add Files to iTunes" メニューを使えば、サイズの小さなプロキシ・ファイルが作られ、iTunes のデータベースにトラックが現れます。そこで iPad/ iPhone の Remote App で操作できるようになります。


5. 1個のライセンスで何台のコンピュータにインストールできるのか。
    EULA にしたがい、「ユーザが所有し、専用に使用しているもう1台のコンピュータにインストールできる。ただし、2台めにインストールしたソフトウェアをメインのコンピュータにインストールしたソフトウェアと同時に使用することはできない」。


    ついでながら "iTunes Integrated Mode" と "Add Files to iTunes" の使い方を書いておきます。例によって Mac のアプリはあちこち押してみれば使い方はわかるんですが、念のため。
    
    Audirvana Plus(以下 A+ と表記)を最初に立ち上げた段階では、メニューの "iTunes Integrated Mode" はチェックされていません。これをチェックするとその下に "Add files to iTunes..." のメニューが現れます。また iTunes が立ち上がっていなければ、自動的に立ち上がります。
    
    注意すべきは、"iTunes Integrated Mode" をチェックしたまま A+ を終了させた(または稀に強制終了した)場合、次に A+ を立ち上げた時に、iTunes が立ち上がっていなければ、やはり自動的につられて iTunes も立ち上がることです。
    
    小生のように外付けのHDにライブラリを置いている場合、外付けをつないでおかないと iTunes のライブラリを置く場所の設定がデフォルトにもどってしまいます。周知のこととは思いますが、念のため。
    
    "Add files to iTunes..." をクリックすると別ウインドウが開きます。
    
    一番上に "1. Select the tracks to add to iTunes" があります。
    iTunes に加えたいトラックを選択します。
    
    その下のスペースに加えたいファイルを Finder などからドラッグ&ドロップします。cue sheet も受け付けられます。ドラッグ&ドロップをしたくなければスペースの下の "+" マークをクリックするとダイアログが出ますから、そこで加えたいファイルを選択します。スペース内のトラックを選択して"−"マークをクリックすれば、スペースから削除されます。
    
 ここで注意を一つ。英語や日本語だけを使う分には気にする必要はありませんが、世界各地の言語を使う場合、特殊アルファベット、アクセントやウムラウトや、山形記号や、とにかく上下に何か付いたアルファベットを使う場合、A+ から iTunes ライブラリに追加すると iTunes 側で文字化けすることがあります。これはどうやらキーボード操作で特殊アルファベットを入力すると文字化けするようです。例えば "US" キーボードで Option+E を押してから "A" を押すと、上にアクセントがついた "a" が入ります。こうして入れた文字は A+ を通すと iTunes で文字化けします。無論 iTunes 側で修正できますが、それがめんどうだというときは、「文字ビューア」を使います。ここから一字ずつ指定して入れた文字は化けません。

    次に "2. Select the quality of the proxy files created for iTunes"。
    プロキシ・ファイルのクオリティを選択します。デフォルトでは左端の "Proxy only No Sound" になっています。この位置だと作られるプロキシ・ファイルはオリジナルのオーディオ・ファイルの位置やタグ情報、ジャケットなどだけで、音は入っていません。
    
    矢印を右側に移すとプロキシ・ファイルに音も入ります。iTunes を立ち上げなくても、A+ だけでトラックの内容が確認できるわけです。右に行くほどプロキシ・ファイルの音質も良くなるわけですが、当然プロキシ・ファイルのサイズも大きくなるわけで、プロキシ・ファイルを作る意味はなくなるでしょう。何らかの必要がなければ、デフォルトのままで良いはずです。
    
    なお、デフォルトの音無しの場合のプロキシ・ファイルのサイズは埋め込むジャケットの画像ファイルのサイズに左右されるようです。
    
    次に "DSD converted PCM files sample rate:" とあって、その右にメニューがあります。iTunes Integrated Mode では DSD ファイルは PCM に変換されますので、その際のサンプル・レートを選びます。使っている DAC の能力に合わせるのが適当でしょう。
    
    なお、iTunes Integrated Mode ではない、A+ 単体では DSD のネイティヴ再生も可能だそうです。ぼくは DSD ネイティヴ再生のためのハードウェア環境を揃えていないので、使ったことがありません。不悪。
    
    "3. Select the location of the proxy files:"
    プロキシ・ファイルを置く場所を選びます。
    
    デフォルトではホーム・フォルダの Music フォルダの中に AudirvanaProxy フォルダが作られ、この中にプロキシ・ファイルが作られます。プロキシ・ファイル・フォルダはどこに置いてもかまいません。ただ、後で動かすとプロキシ・ファイルを全部作りかえなければなりませんから、デフォルトとは別にする場合はよく考えて決めるのがベターです。

    また、ここに小さな文字で書いてあることは実はたいへん重要です。
    
    iTunes の環境設定の「詳細」タブの上の方、
    「"iTunes Media"フォルダを管理」
    と
    「ライブラリへの追加時にファイルを"iTunes Media"フォルダにコピーする」
    のチェックをはずしておいてください。
    
    これをはずさないと A+ で iTunes のライブラリにトラックを追加する機能が使えません。
    
    当然、「iTunes に自動的に追加」フォルダは使えません。
    
    一方、A+ で iTunes に加えるファイルはどこに置いてあってもかまいません。ただし、A+ で追加した後で移動したり、ファイルを含むボリュームやフォルダの名前を変えたりすると、iTunes が認識しなくなります。A+ を通じて追加をやりなおす必要があります。
    
    さて、準備ができたら、"4. Launch the creation process" の下にある "Start" ボタンをクリックします。ボタンの右側に進行バーが現れます。作業が終わるとバーが消えます。
    
    iTunes に移って、追加を確認します。タグ情報を編集したければ、普通に iTunes 上で編集できます。ただし、iTunes での変更はプロキシ・ファイルに保存されるので、追加されたオリジナルのサウンド・ファイル本体に含まれる情報は変更されません。そちらを変更したければ Tag や MediaRage などのメタ情報エディタを使います。cue sheet は XLD で編集できます。
    
    後で A+ を通じての追加をやりなおす場合、プロキシ・ファイルが残っているとうまくいかない場合があるので、古いプロキシ・ファイルを Finder 上で削除してからやりなおす方がベターです。最新版(1.3.9.9)では プロキシ・ファイルの位置を指定するウィンドウの下にチェックボックス付の一文があります。これはすでに同名のプロキシ・ファイルが存在する場合、書き換えをせずに、ファイル名を変えて、保存するオプションです。
    
    iTunes Integrated Mode ではもう一つ、設定する要素があります。
    
    A+ の Preference(環境設定)で右端の "iTunes" タブをクリックします。
    
    上に
    "General Optimization"
    全体的な最適化
    下に
    "Sound Quality Optimization at the expense of convenience functions"
    便利な機能を犠牲にしてもっと音質を良くする最適化
    があります。
    
    上の
    "Deactivate completely iTunes own playback"
    は iTunes 自体の再生機能を完全に遮断します。その下の小さい "Note" にありますが、iTunes Integrated Mode で再生する場合は必ずチェックを入れてください。
    
    下の二つのチェックボックスの上の方
    "Deactivate volume control by iTunes"
    は iTunes による音量操作を遮断します。
    
    下の方
    "Deactivate play position control by iTunes"
    は iTunes の再生位置操作を遮断します。
    
    全部にチェックを入れるのが音質はベストになります。が、下の二つをチェックすると音量や再生位置の操作には iTunes から A+ に移行しなければなりませんから、その分、不便にはなります。
    
    一番下に小さく書いてあるのは、ここでの変更は次の再生の時から有効になる、ということです。
    
    なお再生の音量操作方法は A+ の Preference の左から4番目 "Audio Volume" タブで設定します。
    
    上に
    "Volume control type:"
    とあり、右に
    DAC only
    DAC if available, else Software
    Software only
    の選択肢があります。
    
    一番下にすると、iTunes Integrated Mode では iTunes と A+ のどちらでも操作でき、"iTunes" タブで iTunes の音量操作を遮断すると A+ だけで操作できるわけです。
    
    真ん中では DAC に音量ダイアルが付いてなければ、iTunes か A+ かで音量操作をします。
    
    "Audio Volume" タブの下の方
    Max. volume level:
    は最大音量の制限で、デフォルトでは100%すなわち0dBです。DAC に音量ダイアルがある場合は、ここをデフォルトのままにしておいて、DAC で操作するのがやりやすいでしょう。
    
    
    だいたい、こんなとこですかね。

 それと、iTunes との連携で iTunes から再生する場合と、A+ 単独でプレイリストから直接再生する場合では、音が違います。ぼくは単独の方が良いと思います。
    
    Decibel なんかも時々使いますが、A+ での再生音はベストと思います。Mac用高音質再生ソフトをどれか一つ、というなら Audirvana Plus が第一選択肢でしょう。

 フリー版もあります。フリー版には iTunes Integrated Mode と iZotope のオーディオ・フィルタ(これが肝の由)がありません。(ゆ)
2012-10-19 rev.
2012-11-11 rev.

BitPerfect 関連の情報を求めてこのブログに来られる方が多いようですが、ぼくはどちらかといえば Audirvana Plus を薦めます。現在公開中のベータで実現された機能で、Audirvana Plus ではほとんどあらゆる種類のサウンド・ファイルを iTunes で管理しながら、再生は Audirvana Plus で行うことが可能です。つまり、FLACMonkey's Audio などのファイルも生のままで iTunes 上で管理できます。iTunes でタグ情報の編集などもできます。
    
    このメリットはハイレゾ音源を含む FLAC を Audirvana Plus でそのまま再生しながら、iTunes でデータベース化できること。BitPerfect はあくまでも iTunes の再生音の改善ですから、FLAC は ALAC や AIFF など iTunes が扱えるフォーマットに変換しなければなりません。
    
    また、Audirvana Plus は個々の FLAC ファイルだけでなく、cue シートも受け付けますから、リッピングしたもの全体のファイル・サイズをより小さくもできます。ちなみに、個々のトラックをはじめから分けるよりも、音源全体を一つのファイルにして cue シートで分割する方が音が良い、という話もあります。
    
    時々、Audirvana Plus が受け付けない cue シートがあります。分割するファイルの指定がされていないものらしく、XLD でこれを開くと、分割対象ファイルを指定しろとダイアローグが開きます。指定すると分割用のウインドウが開きます。ここで分割せずに、メニューから「cue シートを保存」を選び、名前を付けて元のフォルダに保存します。新たに作った cue シートは Audirvana Plus で受け付けられます。
    
    この時、XLD 側でメタデータを編集しておくと、それが新たな cue シートに反映されます。
    
    デメリットは iTunes ライブラリのフォルダとファイルを手動で管理する必要があること。iTunes の「ファイルをライブラリにコピーする」と「ファイルとフォルダを整理する」のオプションを切る必要があるため。
    
    Audirvana Plus はこの機能をプロキシ・ファイルを作ることで実現してます。プロキシ・ファイルのフォルダはどこに置いてもかまいませんが、フォルダの移動の追跡まではできないので、移動する場合はあらたにプロキシ・ファイルを作る、すなわち Audirvana Plus 経由で iTunes にファイルを追加する必要があります。
    
    また、元のサウンド・ファイルを移動した場合にも、プロキシ・ファイルを作りなおす必要があります。
    
    外付HDにライブラリや FLAC ファイルを置いている場合は、プロキシ・ファイル・フォルダの位置はあらかじめよく考えて決めるのがベターです。
    
    もっともこのあたりは今後のヴァージョン・アップで改善される可能性はあります。
    
    もう一つのデメリッットは iOS 機器との連携。今のところは FLAC など、iOS のミュージック・プレーヤーで扱えないファイルは扱えるプレーヤーを iOS 機器側にインストールして、それで再生するしかありません。
    
    もっともiOS用には Golden EarFLAC Player のような優秀なアプリがあるので、デメリットはかなり帳消しになります。使い勝手では FLAC Player ですが、音は Golden Ear の方が良い、とぼくは思います。
    
    価格は Audirvana Plus の方がずっと高いですが、それでも十分リーズナブルですし、Audirvana Plus ではハードウェアなどの条件さえ揃えれば DSD のネイティヴ再生も可能になりますから、将来性を考慮しても、こちらの方が「お買い得」でしょう。(ゆ)

iTunes での音楽再生を別次元の音質にしてくれる BitPerfect が Ver. 0.30 になってパフォーマンスが格段に改善されました。AppStore で450円。
    
    これまでは音は良いんだけど、再生中音が跳んだり、数秒前にもどったりすることが頻繁で、常用する気にはなれなかったんですが、今回のヴァージョンではぼくの環境では今のところ、スムーズに再生されてます。
    
    ぼくのところは MacBook Pro Early 2011 + MacOS X 10.7.1 + iTunes 10.4.1。メモリはデフォルトの 4GB。ライブラリはUSB接続の外付け2TB HDD に入れてます。再生中はなるべく他のアプリは立ち上げないようにしてます。それと再生中は iTunes で他の作業はしません。まあ、あまりそういうことをする人はいないでしょうが。
    
    こうなると、音の良さと iTunes の使い勝手の良さが両立して、他のプレーヤーが霞んできます。
    
    特筆すべきは ACC や MP3 の再生音の良さです。昔、CDからリッピングしたままの 128Kbps の ACC でも、こんな音が入っていたのかと驚いたり、いい音だなあとうっとり聴きほれたり、何もかも忘れて聴きいったりすることが屡々。かつては iTunes のリッピングのデフォルトが 128kbps の ACC でした。実を言えば、CD を直接聴くのをやめて、iTunes に移行することに決めたのは、デフォルトのフォーマットが MP3 から ACC になった時で、その音の良さにこれなら十分と思ったからでした。
    
    その後、ロスレスの音に慣れるとやはり ACC からはだんだん離れて、リッピングもすべてロスレス以上、XLD を使うようになってからは flac にしてます。
    
    それが BitPerfect を通じて聴く128ACC は下手なロスレスにも負けない。そりゃ、良質の録音をじっくり聴き比べれば違いはわかりますが、少くとも生楽器の小編成のアンサンブルやヴォーカルや楽器のソロなどでは、256kbps VBR の LameMP3 であればそれ以上何を望むのか(笑)。256の VBR は現在の iTunes でのリッピングのデフォルトでもあるし。ロスレスに比べてファイル・サイズはぐんと減りますから、ライブラリが少々膨れても、HDD を頻繁に増設しなくてもすむ。何より手元の CD をあらためてリッピングしなおす手間から解放されます。なんだかんだで溜まってもいるので、とてもやる気になれないでいたのでした。
    
    むしろ、DAC やアンプ、ヘッドフォン、イヤフォンなどをある程度整えることに気を使った方が良いとも思えます。
    
    ちなみにぼくの今のハードは MacBook Pro> JAVS nanoV> GoVibe Peak> HiFiMAN HE-300 または Chroma MD1。MacBook Pro と nanoV の間は nanoV 付属の USBケーブル。nanoV と Peak の間はベルデン88760のミニ→ RCAペア
    
    ロスレス以上のファイルで音が良いのは当然なので、何度も書いているように、MP3 や AAC がネット上のデフォルトである以上、こうした圧縮音源もちゃんとした音で聞かせてくれないで、PCオーディオでござい、と言われてもね。MP3 でしか配布されていない音源も少なくありません。
    
    ネットやコンピュータ用音源のファイルのデフォルトが、例えば DSD になればまた話は別ですが、その時には PCM を前提としている今の DAC などは戦艦大和以上の無用の長物、お払い箱にするしかないでしょう。ですからやはり DAC にウン十万もかける気にはどうしてもなりません。せいぜいが5万以下、まあ3万までは許せる、できれば1万以内。
    
    高価なハードは圧縮音源もちゃんと良い音で聞かせてくれるのでしょうが、そのためにコンピュータ本体以上のカネを出せというのもいささかムリがあります。だいたいオーディオの世界は価格と性能(と音質)は比例しない、というのが昔からの法則ですし。
    
    その点では Schiit Audio から今月末発売予定の Bifrost はちょっと面白い。DAC オンリーですが、将来的にカードの差し替えでアップグレードができるようになっている、というもの。価格も USB入力抜きで 350USD で、今なら送料入れても3万を切ります。D/A チップが旭化成製で32bitというのも、珍しいし。
    
    なお、ここで「良い音」というのは、聴いていて気持ちが良く、何時間聴きつづけても疲れず、飽きず、どんどん音楽が聴きたくなる、楽《らく》な音、というほどの意味です。「楽」というのにはいわゆる脳内変換が必要ないということも含まれます。良い生演奏に近く、より自然な、バランスの良い音。切れば血が出るような音。ハイスピードでレスポンスの良い音。重低音などは問題外。だいたい本物の低音は羽毛のように軽いものです。ドンシャリではなく、どちらかと言えばカマボコでしょう。つまりフラットに近いという意味です。
    
    フラットというのは何もすべての周波数が真っ平らというのではありません。人間の聴覚はもともとカマボコ、つまり中域が最も良く聞こえ、低域と高域はそれほど聞こえない。この曲線に沿ったものがフラットです。計器などで計ると真っ平らになっているようなら、ドンシャリになるわけです。
    
    むろん個人差がありますし、年齡によっても変わります。年をとるとまず高域が聞こえなくなります。ですから、老人にとって気持ち良い音は若者には高域がキンキンしすぎるように聞こえたりします。
    
    当然これはぼくにとって良い音なので、聴く音楽によっても良い音の内実は変わります。ぼくが聴いているものはだいたいは Last.fm にスクロブルしてます。
    
    
    BitPerfect の基本的な使い方を書いておきます。
    
    立ち上げるとメニュー・バーにアイコンが出ます。常駐ソフトというんでしょうか。クリックして "Launch iTunes" で iTunes を立ち上げます。この順番で立ち上げないと BitPerfect の効果が出ません。
    
    出力装置は Preference> General で指定します。Integer Mode は Lion では使えないので、ぼくははずしてます。チェックを入れていると、音飛びなどの症状が出ることがあるようです。
    
    Preference> Sound でアップサンプリングなど指定できますが、アップサンプリングにチェックを入れるとぼくの環境では音がぶつぶつに切れてしまって、使いものになりません。また Ver. 0.29 では "Output in max bit depth" を外したら、音飛びなどの症状が減りました。0.30 では入れていてもスムーズ再生です。
    
    BitPerfect をかませることで iTunes の反応が鈍くなる場合には Preference> iTunes で "iTunes Response Speed" を "Fast" 側にスライドさせると治ることがあるそうです。ぼくのところでは特に鈍くならないので、試していません。デフォルトのままです。
    
    BitPerfect は再生だけを iTunes から「横取り」します。他の機能には触れませんし、iTunes そのものを変更することもありません。
    
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    Mac での再生音を良くするコツの一つ。Finder を落とします。Finder を終了させるには TinkerTool などを使います。(ゆ)

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